この分厚い本、実際に翻訳されたということで、この本の内容を今日いろいろ語っていきたいんですけれども、
お2人の専門だったりとか活動されていることもすごくユニークなので、ぜひ最初そこについてもお話をいただきたいなと思っています。
じゃあまず理香さんから。
ありがとうございます。
私たち公共とデザインはソーシャルイノベーションスタジオと名乗っているんですけど、
企業とか自治体とか住民とともに社会課題だったりとか、
今の在り方に対してソーシャルイノベーションをどうやってつなげていくんだろうというところを模索しているような団体です。
何を行っているかと聞かれると、いつもすごく答えるのが難しいんですけど、
まさにこのマンジーニさんの本で言っているような、民主的な社会環境を作っていくために、
どんなプロジェクトを住民側から作っていけるのか、
あるいは行政のプロジェクトの中でどうやって住民と手を取っていけるのか、どんな場を作っていけばいいのか、
あるいは企業が持っているアセットだったりとか、プロジェクトだったりとか、関わりしろみたいなところが、
どうやって個々人につながるようなものとして作っていけることができるのか、
その参考予示みたいなプロジェクトを、どうやっていろんな人と手を取りながら作っていきつつ、
個々人が関わり方としてテストベッド的に使われるというよりかは、そこに関わった人の可能性が広がったりとか、
人生の選択肢が増えたりとか、こんなことが私はできるかもしれないと思えるようになるとか、
そういうプロジェクトを目指しながら、いろんな方と一緒に事業を行っているというような感じです。
都内だと結構行政と一緒に活動されているなと思うんですけど、
最近だとどんなプロジェクトがあるんですか?
最近で言うと、東京都内だと渋谷区さんと昨年度までやっていたものと、
北区さんと今年も続けてやっているものが大きいプロジェクトにはなっています。
北区さんの方は結構分かりやすいかなと思うんですけど、デザインの考え方とか、
人とどう共同していくのかとか、そういう見方を行政の事業だったりとか、
政策のところだったりとか、そこに活かしていく。
あるいは彼らが持っているサービスをより良くするにはどうやって一緒に作っていけるのかっていうところを、
北区の職員さんと一緒に考えていくっていうところをプロジェクトとして行っていくような、
デザインフォーポリシーの結構ど真ん中でやっているプロジェクトが一つと、
渋谷区で去年までやっていたもの、今年ちょっと違う形になるかなと思っているんですけど、
ソーシャルイノベーションのための行政のあり方ってどういうもので、そこでどんなプロジェクトが起きているべきで、
かつ彼らはイノベーションとかテクノロジーみたいなものともたくさんつながりがあるので、
それってどうやって接続して生きうるんだっけっていうところを一緒に模索していくような取り組みを行っています。
どちらもちょっと色が全然違うので、説明が毎回伝わっているのかなって思っているんですけど、
でもどっちも私たちにとってはチャレンジングなプロジェクトなので、すごくいろんなことも日々学びながら、
上手くいかないことももちろん含めて試して皆さんと一緒にいろんなことを学んで、
それをどうやって生かしていくのかっていうところに日々注力しているようなイメージですね。
はい。ありがとうございます。じゃあ岡本さん。
はい。岡本です。よろしくお願いします。自己紹介ですかね。
今、一般社団法人文論というところの代表理事を務めてまして、
2025年の3月に立ち上げたので、立ち上げてから1年ぐらい経ったという感じなんですけども、
もともとはわりと静香さんと似た分野というか、デザイン・ポリシー、制作のためのデザインという領域が、
特にヨーロッパ中心、イギリスだったりとか北欧だったりとか、アメリカとかでもそうですけど、
いくつか研究の拠点になるような場所があるんですけど、
それを日本の中でもやっていこうというようなことを博士研究までやってまして、
それは京都フィールドというか、京都工芸専業大学というところの博士講義課程を終了したのが、
2026年の3月という感じになります。
最近ですね。
そうなんです。つい最近。
おめでとうございます。
ありがとうございます。本とともに。
という感じなんですが、まず法人でどういうことをやっているかというと、
特に国というよりは自治体とか地域レベルの地域政策にデザインの話がどうやって入れていけるかということで、
もともとそうですね、ということをやっています。
特にデザインと一言で言っても、デザイン志向というのがあったり、サービスデザインというのがあったり、
システミックデザインというのがあったり、いろんな何々デザインみたいなのが今本当に世の中にたくさん出てきているわけなんですけど、
それがどういうシーンで、どういうプロジェクトだと使いやすいのかみたいなことを専門家としてやっていこうというのが、
まず基本軸にはなっているというような活動をしています。
なので、そこに関わるツールキットを作ったりとか、ワークショップを作ったりとか、やったりとか、
あとはビジョンとかシナリオを作っていくみたいなところで、お一緒したりみたいなことを、
だんだんとゆっくりと始めているようなことを、いろんな自治体でやっているというような活動をしております。
私自身は、ずっと研究をやるときに、もともとは地場産業の研究をしていたんですよ。
地場産業が盛り上がっていく時期もあれば、今の日本のいろんな経済状況だとか、人口の減少みたいなところもあわせて、
結構厳しい状況になる地場産業とかが増えたときに、デザイナーの関わり方とか、行政の関わり方みたいなのがどういうふうに変わっていくのかという研究をしていて、
それをやるときに、製作というものとデザインの考え方というのがあまりに離れているなというのを感じて、
それがきっかけで、この分野に興味を持って研究をやり始めたというのがあったんです。
ただ、それを当時20代前半とかでやろうと思うと、あまりにいろんなものを知らなさすぎたりとか、現場の経験値がなさすぎたりというのがあったので、
自治体に入っていく、どちらかというとテック系とか、DXの文脈とかで入っていくコンサルティングとかに、
インターンから入っていろいろそういう実践を積んだりとか、地方自治体に関わる国のプロジェクトに関わるというところで、国の地方省庁の中に入ってみたりだとか、
いろんなことをやりながら研究をやるという形でやっていたので、そういういろんな視点を合わせて今、実践の部分で頑張っていこうかなというところで活動しているという感じです。
我々もこういう地場ベースの手作り活動とか、そういう小さな実践をやっていく中で、
やっぱり一定は盛り上げがあるんだけれども、やっぱりその政策が変わらないとか、大きな制度や仕組みが変わらないことで波及しないみたいなところって、
すごいもどかしさがあったり、そこへの専門性って誰もが持っているわけじゃなかったり、特に日本は結構距離があったりとか、
なかなか開かれていなかったりとか、そういうことをブリッジできる存在になっていくんだろうなということで、
すごい重要なポジションだなっていうのを聞いてて思いました。
ありがとうございます。
誰もがデザインする時代のデザインっていうところで、まさに最初の八重樫さんのイントロダクションのところでも、
Everybody Designsっていうのが、誰もがデザインを楽しめる時代になったよっていうことではなくて、
今の時代においてみんながデザインに関与せざるを得ない状況にある中でのデザインっていうものがどう展開していくのかっていうところが、
この本のポイントであり、いわゆるものづくりとか課題解決的なデザインの専門家の要素から、
共同を生み出す条件であったり、共同を市民だったりそこに暮らす人々も含めて、
促していくようなデザインっていうものをどうやって作っていけるかっていうところを、
いろいろな視点から語っている本なのかなというふうに見ていました。
はい。お二人の中ではこの本はどんな本で、どういう部分が今の時代に刺さるポイントなのかなっていうのが、どんなところにありますでしょうか。
一つはこの八重樫先生の条文が素晴らしいので、まず全体感でディスカッションされているポイントは、
大体ここを読めばモラできるのかなと思っています。
この中にも書かれているんですけど、まさに10年前って私が大学院1年生とかなんですよ。
その時に私がプロダクトデザイン、サービスデザインみたいなものを学んでいて、
誰もがデザインする時代なんだみたいな話は確かに研究室にしてたんですよね。
ただ一方で、当時の自分の感情的なところとしては、
いや、こんな私は4,5年もデザインしか学んでなく、こんなやりきっているのに、
誰もが時代としてデザインできるようになるなんて、
自分の存在を揺るがされるような嫌さみたいなものを当時感じたのをすごい覚えてるんですよね。
言葉だけ聞くと、やっぱり誰もがデザイナーになるっていうところが、
そういう自分の専門性、アイデンティティを揺らがせるようなものになるんじゃないかと、
一見すごく驚異的なものに聞こえてしまうんですけど、
この本はそうじゃないよっていうことを、まず序文で八重河先生が書かれているんですよね。
誰もがデザイナーとして、個人の在り方だったりとか、
組織あるいはコミュニティの嫌をなくデザインをせなければいけないような状況にあるときに、
専門家のデザイナーの役割ってどう変わるのかっていうところを、
終始述べてる本だと私はまず感じてます。
なので、専門家としてのデザイナー、ここで言うデザイナーって結構広いデザイナーだと思うんですけど、
その人がどういう役割を持つことで、
いろいろな人たちのデザインケーパービリティを広げることができるとか、
活かしていくことができるような環境を作っていけるとかっていう話をしているっていうところが、
特に大事な点かなと思ってます。
その上で、こういうツールがあるよねとか、
こういう概念で共同型組織みたいなものを見ていくといいよねとか、
いろんな参加のグラデーションがあるような話だったりもしてると思うんですけど、
まずは誰もがデザイナーであるとはどういうことなのかっていうところが、
私は結構一番大事なポイントなんじゃないかなっていうのを考えていました。
そうですね、私も矢芸先生の文章もそうなんですけど、
一番初めに日本語版条文という形で万全日産自身が書かれている文章も、
すごくよくまとまっているんです。
書いてあることとしては、10年前に言ったこれが日本で浸透してきたみたいな話とか、
今もそれが実行可能であるみたいな話と加えて、
やっぱり結構気候変動だとか、軍事衝突だとか、
そういう外部環境が変わってきている中でも、
この話をちょっと違った視点で見ることもできるんじゃないかみたいなことを書いていらっしゃって、
個人的には10ページ目とかになるんですけど、
3つロジック的にソーシャルイノベーションというものが、
一人一人の活動の集合体的な形で求められていて、
その時に偏在的デザインというものが、
それぞれのデザイナーとか専門家としてじゃなくても、
そうじゃない日常の中でもデザインというものがあるんじゃないか、
そこにいろんな能力があるんじゃないかということが、
まずなんとなく今の生活でもみんなが実感できるものとしてあって、
その上で専門的なデザイン能力とか専門家としてのデザイナーという人たちが、
だからこそ必要になってくるということが、
たぶん八枝さんも満次さんも両方言っていることであって、
そこは絶対に大事なポイントなんだろうなということは思っていると。
その上でデザインと言っているものが、
いろんな何々デザインというものの一つの分野というよりかは、
そういうものが集まった集合体というか相対として、
持続可能な社会になっていくためにはどういうふうな、
全部必要だからそれぞれができるものをやっていこうみたいな、
そのアプローチというか一つの目指す方向として、
これがあるみたいな立ち位置になっているというような全体感というのは、
すごく意識して読んでもらえるといいなと思っていますね。
あとはたぶん、この本で語られている個人の利用というか、
専門的なデザイナーが関わる場合だったり、
そうじゃない場合も含めて、一人一人がそれぞれの経験を持っていて、
それぞれの経験をもとにいろんなものを一緒に作っていくことができるんだというところが、
やっぱり彼の人間感みたいなところがすごく反映されていて、
かつ参加型デザインを考えていく上でもすごく重要な視点となると、
ベースの人間感かなと思っているので、
その辺りはこれまでの日本のデザイン賞みたいなところで、
人間感の話とかってそんなに出てこないところだと思うんですよ。
ダメだったら、違かったら言ってください。
そういう話とかはやっぱりすごく触れられていて、
ケーパビリティアプローチの話を引用していたりとか、
どういう人として一緒に関わる人間を捉えるかみたいな話を結構語っているので、
その辺は読みどころの一つかなと個人的には思っていますね。
能力なのか、ケーパビリティ、デザイン能力というものが何なのかみたいな話とかが
まさにそういうところだと思うんですけど。
記録とかテキスト本ではないですし、逆に偏在的なデザインに出る、
コミュニティでこれをテキストブックに使えるようなものでもなくて、
むしろそういうところまで広がったときに、
ちょっと責任のあるデザイナーとかいろんなことができる人たちが
さらにどういう振る舞いをしたらいいのかみたいなことが
考え直せるような本になっているのかなと。
まさにこの本を読んで、たぶん私は対象者なんだろうなと思ったんですけど、
ここで言われているように、プレイスメイキングの印象もあったと思うんですけど、
街づくりの分野においてはやはりトップダウン的なアプローチだけじゃなくて
ボトムアップ的なアプローチも大事で、やっぱりそこをブリッジしていく言語だったり、
デザイン、スキル、人柄、いろいろなものが本当に必要で、
そういう小さな実践からどう変えていくかっていうのが私たちのミッションでもあり、
これまでいろいろなやり方で取り組んできたなと。
まさにforcities.orgというアーバニストのプラットフォームもここで言う、
小さなローカルの実践をオンラインのプラットフォームで全世界に発信し、
ローカルをグローバルでどうやって変えていけるか、
あるいはより良くしていけるかということに取り組んだ極小団体ではあるんですけれども、
その面白さとか難しさとかいろいろ感じながら、
この4,5年間を過ごしていろいろな実践が積み重なった中で、
この本とも出会えたっていうところで、
改めて自分たちがやってきたものがどういう文脈に続けられるんだろうかとか、
どういう課題感があって、例えばスケールしていかない、
あるいは波及が留まっているのかとか、
もっと広がるためにどういう視点が必要なのかっていうのは、
結構自分自身も整理をするに立ち戻りたい一冊になって、
なりそうだなっていうのを感じながらちょっと読んでました。
ちなみに第10章だと思うんですけど、
第10章は僕が翻訳しました。
そうなんですね。
第10章だよ、最後だね。
でも10章で都市の話とかも出てきますし、
結構難しい話が多い章だなとは思っているんですよね。
でも一つやっぱり重要なこととして、
共同とか参加とかっていうテーマがデザインの分野でご存じられているけれども、
それって別にデザインだけの話じゃなくて、
もっと長い歴史を持っているという意味では建築だったり都市だったりのところで、
そういうことがずっと言われてきたけれども、
それが序文にもそれこそ書かれているんですけど、
非専門家と専門家がいて、専門家がリードするから参加なんだみたいな、
そういう構図では失敗してきたような人間の近代社会のこれまでの歴史があって、
都市っていう大きなものを見る中でも、
より一つ一つの空間だったり場所っていうのが大事になってくるみたいなところと、
デザイナーもまたその空間とか場所っていうところに寄っていっているっていうところで、
今合流してるんじゃないかみたいなことが書いてあるんですよね。
そういう意味では、我々が普段ちょっと領域が近いけれども横断しながらやり取りしているようなところが、
ちょっと理論的にまとめられていたりとか、
っていうところで背中を押されるというか、そうだよねってなるような部分なのかなと思ってました。
あとなんかこれは、
答えはもちろんないんですけど、
でもなんかこうオープンエンドにやっていくみたいなことは、書いてはある通りだと思うんですよ。
ただ、そこにフェーズごとにというか、フェーズも決められるものじゃないっていうか、
例えば建築でいう工期みたいなものがあるわけじゃないんだけれども、
まず今考えられるところまでのビジョンとかシナリオを立てて、
そこの上で関わる人と場であったりとかサービスだったりのタッチポイントって呼ばれるものを作って、
それをより良くしてみたいなのは、ある種サービスデザインっていう言葉だったり、
コミュニケーションデザインだったり、
そのポイントポイントでできることっていうのは、だんだん解像度が上がってきているのかなと思っていて、
それをどこまでやると、急大展にいくのかみたいなのはわかんないんだけれども、
一旦ここまでみたいなものは成立するのかなっていうことでしかないような気もするっていうか。
なんかやっぱり確かに、自分たちがプロジェクトをやるときもフェーズで分けて、
そのフェーズで例えば1年2年みたいなところで、
一番最初に想像できるものをまず書いてみて、
1年経った後にちょっとそれを見返してみて、また軌道修正してっていうところを続けるみたいなことしかやっぱりない。
はい。あとは資金の話でいうと、やっぱりロボットって女性金文化じゃないですか、
EU基金とか含めて、いいところとしては何のためになるかもわからない、
面白いプロジェクトにお金が、実験的なものにお金がつきやすいというところはあるんですけど、
コミュニティ系の取り組みとか見てても、やっぱり3年で女性金切れたらじゃあねっていっていなくなっちゃう、
みたいなことが多々あるじゃないですか。
やっぱり良い側面と悪い側面ってそれすごくあるなと思っていて、
ちょっとやっぱりヨーロッパって企業が入ることにネガティブですよね。
企業に対してネガティブなんですけど、日本の場合はやっぱりそこがローカル企業だったりとか、
事業者みたいなところが担っている場合もすごい多いなと思っていて、
そこの地場にいる企業とか、そこに暮らしている人たちが作り続けるみたいなことが、
ある意味ヨーロッパよりはアクターとしての肩の意味がある、
責任を持ってやっている人が多いかなっていう感じが個人的にはしていて、
結構アメリカ型でもない、ヨーロッパ型でもない、アジア型の日本、
特に日本なのかもしれないですけど、の在り方みたいなものは、
特にこのコモンズとか民主的なセクターの中であり得るんだろうなとは感じていますね。