FP&A Insight 〜FP&Aアーキテクトの鷲巣大輔)と管理会計のその先を一緒に考えていく番組です。
今日のテーマはですね、FP&Aが意思決定の共同当事者にどう登っていくかというお話をしたいと思います。
結論から言うとですね、その最後の一段、最後の最後、これは自分の力では登りきれませんということですね。
これは相手から招かれるしかないということです。
ただその鍵になる信頼というのはどうやって作るのでしょうか。
気合や人柄といった精神論ではなくて、そうではない分解して設計できるというお話をしたいと思っています。
それでは本編行ってみましょう。
第2回目ですね。聞いてくださってありがとうございます。
思い出したんですけど、僕第1回目でFP&Aって何かって何も言ってなかったなぁと。
結構これ大事かなというふうに思っててですね。
FP&A、予算管理のスペシャリストとか分析する人っていうふうに僕ちょっと捉えてないんですよね。
もうちょっと経営に対してインパクトのあるポジションだと思っていて、もしくは機能だと思っていて。
FP&Aっていうのは意思決定プロセスの質を高める機能だというふうに私は考えています。
だから私はFP&Aに携わる人のことを意思決定プロセスのコオーナー、コオーナーっていうのは共同の当事者というふうに呼んでいるわけですよね。
だから数字作って配る人でも分析を提出するだけの人でもなくて、組織が何かを決めようと思った時にその決め方ね、そのものに共同責任を持つ。
これがFP&A観、私のFP&A観だなというふうに思っております。
意思決定のコオーナーっていうけど、意思決定そのものをするわけじゃないですからね。
それは事業本部長でありCEOの役割かなというふうに思うんですけども、その最終決定をするのではなくて、そこのプロセスそのものですよね。
意思決定のプロセスの質そのものに対してオーナーシップを持つ。これがFP&Aの役割なのかなというふうに思っているということでございます。
ここだけはちょっと注意をしてほしいなと。
前回エピソード1でこんな話したと思うんですけども、データを入れたら意思決定が変わるってわけじゃないよねと。
そうじゃなくて、ビジネスパートナーとしての信頼が先にあって、それでもって初めて数字が判断に動くと、判断に効くということをお話ししたと思うんですよね。
この信頼を得るっていうのはどういうことなのか。信頼を得た後にそれがどういうふうなことが待っているのかというお話が今回のテーマかなというふうに考えております。
まず、FP&Aの高度化というお話をしたときに、私は3段階で進化すると思ってるんですよね。
第一段階はレポーティングの高度化、実績管理の高度化、自動化みたいな話だと思ってもらったらいいかなと思います。
タイムリーに正確に意味のある情報がちゃんと入ってくるかどうかというのが第一段階。
山岸さんの比喩で言うと、喉に針1000本マシンが埋め込まれた人がいるとする。
嘘ついたら針1000本飲まなきゃいけない。当然そんなことしたくないから嘘つかない。
こういう状態があったとしましょうか。これ信頼でしょうか。この人信頼できる。
信頼できるというより、この人、違いますよね。嘘つきたくないんじゃなくて、嘘がつけないような構造になっているわけですよ。
こういうような状態というのが安心ってやつですよね。相手がそもそも裏切るインセンティブがないような状態。
相手の人格ではなくて、相手にとっての存得で裏切らないという分かっている状態。これが安心。
他の例で言うと、例えばマフィアの鉄の帽を着てとかね、裏切ったら殺されるとかって。
こういったものもどちらかというと信頼じゃなくて安心なんですよね。
あいつは身内だから裏切らないとかっていうのは、裏切ると殺されるからですよ。だから裏切らない。これ安心。
信頼というのは何か裏切ろうと思ったらできる。できるんだけどしないんだろうこの人はっていう。これが信頼ですね。
そういう機会があったとしてもあえてしない。これ違いわかりますかね。安心と信頼の決定的な違い。
これをまず理解した上で信頼というものを捉えなきゃいけないってことなんですよ。
FP&Aの話に戻すと、我々が信頼関係をきつこうと言ってやっていること。
実は無意識のうちに安心構造の中に入り込むことをやってないかということなんですよね。
飲み会出て困りごと助けて半年1年かけてあの人は自分の仲間だっていうふうに思ってもらう。
これ自体悪いことではないんだけども、日本の会社でこれやんないと始まんないからやらないといけない。私もやってきたし。
ただ決定的な問題は何かというと、安心構造というのは波風を立てないことが暗黙のルールなんで、
仲間だから聞いてくれるっていうのは、逆に言うと仲間だから余計なことを言うなっていうことを要求するわけですよね。
この対の構造になっているってことなんですよ。
だから実際にFP&Aとして本当にこれが企業の価値を高めるのかどうかわからない。
不安である。もっと議論した方がいい。なんて思った時に、社長これちょっとその答申の前提条件なんかちょっと違ってるんじゃないですかね。
なんて言った瞬間、お前仲間じゃねえのかよと。俺の言うこと聞けねえのかよ。っていうふうに返ってくる。
これ異論が安心を壊す裏切りとして処理されてしまう。
これは信頼関係の中に基づいている関係ではなくて、安心構造の中に入っている関係だからこういうふうになってしまうわけですよね。
すなわち、信頼ではなくて安心構造の中に取り込まれたFP&Aっていうのは、結局都合のいい数字をまとめる損得マチンに陥ってしまうっていうことなんです。
それから3つ目、これは自分でできることなんだけど、リスクを張る前に構造を点検しておくっていう。
もし決定的な場面で自分を任命したはずの人さえ沈黙するような、そういうはしごを外されるような構造なのであれば、そこで正論で詰めてしまうのはこれは無謀な特効だと思うんですよね。
入る前に見抜いておく。入るならちゃんとそこから出るための体質の条件というものを自分の中で持っておく。
持ってくれない構造の中で全部かけたって、これは元も子も無くなってしまう。元に戻れなくなってしまいますからね。
4つ目、気分じゃなくて事前に決めておく。次の会議で自分の機嫌とか空気に関係なく、この前提には必ず一つ入れるという先に考えておく。
覚悟っていうのは別に気合のことじゃなくて事前の決断だと思うので、その場のテンションにかけない。仕組みにする。これが大事かなというふうに思います。
この4つでダウンサイドを限定した上でリスクを張ってチャレンジをするっていう。
僕自身もFPNでやってて、社長との関係とかCOとの関係って、やっぱり一緒に飲み行ったりとか一緒にバカ騒ぎしたりとか、
だけどその翌日に警戒でガンガン言うっていうのはやってましたよ。
同じ人物の中に2つを両立させるっていうことはできるし、させないといけないんだろうなっていうふうに思うんですよね。
これがやっぱり理想型。安心構造の中で安心をちゃんと得ながらも、特に僕の場合はこのリライアビリティ。
言っていることの一貫性があるから、私はこういう反論するんだなって。
そういうところから信頼をしてもらうっていうね、そういうことをやっていったわけなんですけど。
これは一つの参考例ですけども、こういうふうに安心構造の中に住み着いてないんだなっていうふうに。
でも信頼に足る人なんだなっていうふうに思ってもらうっていうのは大事なのかなというふうに思います。
もう一つ、マイスターさんの一つ非常にいい言葉があったんで、それもご紹介しますね。
何かアーンザライト、助言する権利を獲得しましょうということです。
専門家として呼ばれてもすぐに解決策を口にしていい権利っていうのはまだない。
専門性を持つっていうこととそれを届けて良い権利を持つっていうことは全く別だっていうことですよね。
マイスターさんはそれを3段階に分けています。
相手の状況を理解すること、相手がそれをどう感じているのかを理解する。
この両方を分かっていると相手に確信させる。
ここまで通って初めて助言の権利というのが立ち上がるということです。
困りごとを解決して発言権を得る、これがアーンザライト。
さっきの信用残高っていうのはこのアーンザライトの蓄積そのものではないかなというふうに思いますね。
ですので皆さん明日の朝何するかちょっと考えてみたいなと思います。
次の重要な案件で結論を出す前に、まず相手の状況と相手の感情を言葉にして相手に確認する。
今この状況でここ気にされてますよねっていう論点、相手と一緒に立てる。
そして論点が見えたからといって正論を即答する。
飲み会での仲の良さを信頼だというふうに取り違える。これはもうやめましょうということでございます。
FP&A機能を立ち上げるというのは部門を作ることでもツールを入れることでもない。
これはエピソード1でもお話をしました。
意思決定プロセスの質に共同責任を持つ高オーナーとして組織の運用に埋め込まれることね。
これがFP&Aの最終形だというふうに思っています。
どんなに精緻な分析やったとしても、それは単なる出発点なんだよ。
そこから先に届けるのは非常に地道ではあるんだけども、信頼を獲得するために活動する地道な規律だということですね。
いかがだったでしょうか。
今日皆さんと一緒に見てきたのは意思決定の共同当事者に招かれる鍵になるこの信頼というものは決して先進論ではないということですね。
分解して設計できるというお話をしてきました。
そしてこの安心に流されない賢くリスクを取りに行くものだというお話をさせてもらいました。
皆さんおそらく会議とかでこれは違うぞと言いたくなること多いと思うんです。
そんな時に正論をぶつけるのではなくて、自分の信頼残高というものが詰めているのかということを考える。
これは指摘なのか、それとも問いなのか、そんなことを自問自答してみる。
そんなことを心がけていただけるといいんではないかなというふうに思います。
FP&Aインサイト、皆さんとの対話を通じて日本のFP&Aの土台を一緒に育っていきたいと思っています。
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次回のテーマなんですけども、次回はですね、視点をちょっと人から情報に移してみようかなというふうに思います。
今日は信頼を得て意思決定の場に招かれるという人のお話をしたんですけども、
そこに上がってくる数字っていうのがあると思うんですけども、これが実は数字というのは客観的とも言われるけど、そうじゃない、忠実ではないということなんですよね。
決して数字、嘘はついてないんだけども、情報は少しずつ都合よく歪んでいく。
この歪んでゆる歪む組織にですね、悪人はいない。そんなお話をしたいなというふうに思います。