子供の自ら学ぶ力
教育カフェテラスへようこそ。水野太一です。
アシスタントの高橋紗友香です。よろしくお願いします。
さて今回は、日経BTの記事を情報源にしています。掲載日は2025年9月19日です。
那須政宏教授が、環境を用意すれば子供は自ら学ぶと語っている内容がテーマです。
ICTの活用や不登校との関わりも含めて、とてもしさに富むお話ですよ。
紗友香さんは、子供は自分で学ぶ力を持っているという考え方についてどう感じますか?
面白いですね。普段は先生に教えてもらうイメージが強いけれど、本当は子供って自分で学んでいけるんだってことですよね。
でも、環境を整えるって具体的にはどういうことなんでしょうか?
いい質問ですね。那須教授がイメージしているのは幼児教育のような世界なんです。
幼稚園や保育園では子供にこれを覚えなさいとはあまり言わず、遊びや体験の場を整えることで自然に学びますよね。
同じように学校教育でも、子供が主体的に学びを進められる環境を作ることが大事だと述べています。
なるほど。じゃあICTを使えば環境が整うんじゃないですか?タブレットがある教室とかだと自分で調べたりできそうですけど。
そこがポイントなんです。教授はICTを導入するだけでは変わらないと指摘しています。大切なのは、そのICTをどう授業に位置づけて、どう活用するかです。
単元を見通した設計の中で、ICTが生きるアイデアが必要なんですね。
確かに、ただタブレットだけあっても遊び道具になっちゃいそうです。単元全体を考えて導入するのが大事なんですね。
単元での授業設計っていうのは、ちょっと抽象的でイメージしにくいんですが。
例えば数学で図形の証明を学ぶとします。目の前の1時間の授業だけを準備するのではなく、この単元で子供はどんな力を身につけるのかを軸に考えるんです。
その紙で、今日の授業はエントリー、次は応用、最後はまとめと位置づけていく。こうすることで、バラバラではない体系的な学びが可能になるんですね。
なるほど。それなら長いストーリーが見えて、子供たちも次は何を学ぶんだろうってワクワクできそうです。
そうですね。それに、ICTも動画で興味を引くとか、データを整理して気づきを促すなど、単元の流れに沿って活用できます。大事なのは道具ではなく、授業設計の思想です。
多様性を包摂する授業づくり
記事には漫画や動画で歴史がわかるようになるという話がありましたね。確かに私も歴史の教科書って難しく感じたんですけど、動画だとストーリー性があって理解しやすかったです。
そうそう。教授はそれを成功体験と呼んでいます。自分で理解できた、学べたという経験を重ねることが大事なんです。これが子供の自己調整力やメタ認知力につながるんですね。
自己調整力やメタ認知力って、教育心理学の授業で聞いたことがあります。自分の学びをコントロールできる力ですよね。でもそれを小・中学生でも育てられるんですか?
はい。例えば、今日はどこまでできたかな?と子供自身が振り返る仕掛けを入れるだけでも、少しずつ育っていきます。教師が全部管理するのではなく、子供が自分で学べる環境を整えてあげることが仮なんです。
それって結構、先生にとって大変そうです。記事でも、多様性を見取ることの負担が課題だって書かれていましたよね。
おっしゃる通りです。今は不登校の子供が約34万人います。その背景には、人間関係だけでなく、授業がわからない退屈だと感じるといった問題もあると教授は指摘しています。だからこそ、多様性に合わせた授業づくりが必要なんですね。
不登校の原因が授業そのものにあることもあるんですね。もっと自分の声を聞いてもらえているって感じられる授業なら、学校に行こうと思える子も増えるのかもしれませんね。
そうなんです。教授は、子供とも相談を通して授業を作ることが大切と強調しています。意見を聞き、反映することで、先生が自分たちのために授業をしてくれていると感じ、学びに前向きになれるんです。
なんだか生徒会みたいですね。自分たちが決めた活動だから、頑張ろうって思えるのと似てる気がします。
いい例えですね。その意味で、個別最適な学びとは、単にバラバラに個別対応することではなく、多様性を包摂して自立した学習者を育てる取り組みなんです。
今日の話を聞いて、授業づくりって先生が教える内容を準備するだけじゃなくて、子供たちと一緒に組み立てていくものなんだって感じられました。
教育実習の時に意識してみたいです。
その気づきはとても大事ですね。単元を見通した設計と子供との対話、この2つを意識すると、きっと実習でも得られるものが大きいと思いますよ。
今日の内容は、教育実習を控えている私にすごく役立ちました。単元全体を考えて準備して、子供たちの声を聞きながら授業をしたいです。
今回は、那須政博教授も、環境を整えれば子供は自ら学ぶという考え方を紹介しました。ICTの活用、不登校への視点、そして子供との対話を通じた授業設計と、学びの本質に迫る内容でしたね。
リスナーの皆さんも、授業づくりや子供の学びの環境づくりについてヒントになれば嬉しいです。
今日も、教育課せてらっすを最後まで聞いていただきありがとうございます。次回も教育について一緒に考えていきましょう。ぜひまた聞いてくださいね。