ADHDの治療方針の現状
皆さん、こんにちは。教育カフェテラス、進行役の水野太一です。
今日は、アメリカからの興味深い研究をご紹介します。
情報源は、サイエンスデイリーに掲載されていた記事で、2025年9月16日に公開されたものです。
テーマは、ADHDと診断された幼児への治療方針についてです。
実は、4歳や5歳でADHDと診断された子どもの多くが、本来の推奨治療とは違う形で薬を処方されていることがわかったんです。
さやかさん、この話どう思いますか?
最初に薬から始めるのと、行動療法から始めるのとでは、印象がだいぶ違いますよね。
水野先生、それってびっくりですね。
ADHDの治療って、行動療法が先に推奨されるって聞いたことがあるんですけど、
なぜ薬から始めちゃうケースが多いんですか?
いい質問ですね。
本来、アメリカ小児科学会のガイドラインでは、4歳や5歳の子どもがADHDと診断された場合、
まずは6ヶ月ほど親向けの行動療法をすることが推奨されているんです。
ところが今回の研究では、診断された子どもの42%、つまり約4割以上が、診断から1ヶ月以内に薬を処方されていました。
そんなに多いんですか。
じゃあ、なぜ行動療法よりも薬を選んでしまうんでしょう?
先生、医師たちはどうしてなんですか?
背景には、行動療法を受けられる場所が少ないという問題があるんです。
つまり、地域に行動療法を指導できる専門家がいなかったり、保険が効かなかったりして、実際に受けられる家族が少ないんですね。
そのため医師も、何もしないよりは薬を出す方がいいと判断してしまうケースがあるんです。
なるほど。そうなるとお父さんお母さんも、とりあえず薬でって思ってしまいそうです。
でも、小さい子に薬を使うって副作用の心配もありますよね。
そうなんです。4から5歳の子どもは体がまだ発達の途中なので、薬の代謝が十分ではありません。
そのためイライラしたり、感情的になったり、攻撃的になったりといった副作用が強く出る可能性があるんです。
しかも、効果よりも副作用の方が目立ってしまって、続けられないと判断する過程も多いんですよ。
そう考えると、やっぱり行動療法を最初に試す方が安心ですね。行動療法って具体的にどんなことをするんですか?
行動療法の重要性
行動療法の中心は、親向けの行動管理トレーニングです。
例えば、子どもの良い行動をきちんと褒めて伸ばす、逆に好ましくない行動は大げさに反応せず無視する、といった対応を学びます。
さらに、子どもが見通しを持てるように視覚的なスケジュール表を作るなど、環境を整える工夫もします。
なるほど。そうやって親子の関係をポジティブにしていくんですね。
しかも日常生活の工夫でできるのはいいですね。でも正直、すぐに効果が出るのか心配です。
確かに薬に比べて速攻性はありません。ただし、行動療法は長期的に子どもと家族にスキルを身につけさせる効果があります。
薬は切れれば効果もなくなりますが、行動療法は子ども自身と家族の対応力を高めるので、長い目で見るとメリットが大きいんです。
なるほど。そう考えると薬と行動療法って役割が違うんですね。でも最初の半年は薬を控えた方がいい、ということなんですね。
はい。その半年で親や子どもが行動上のスキルを学び、基礎を作っていくことが理想とされています。
その後で必要に応じて薬を取り入れると効果が安定しやすいんですよ。
日本でもADHDはよく話題になりますけど、行動療法ってどれくらい普及しているんですか?
日本でもまだ地域差がありますね。大都市では比較的専門家が見つかりやすいですが、地方では難しい。
でも最近はオンラインで学べる親向けのプログラムも出ていて、アメリカと同じように家庭でできる工夫を広めようとする流れが強まっています。
そうなんですね。オンラインで学べるなら、家庭教師の私でもちょっとやってみようかなって気持ちになります。
そういうスキルって教育現場でも役立ちそうです。
まさにその通りです。例えば教室で視覚的なスケジュールや分かりやすいルールを提示するだけでも、子どもたちの落ち着き方は違ってきますからね。
教師にとっても使える考え方なんです。
私も将来教師になったら、そういう方法を授業や学級経営に取り入れたいです。子どもたちにも安心感を与えられそうです。
それはきっと大切な力になりますね。しかもADHDの子どもに限らず、全員にとってもプラスになります。ルーティンや見通しは誰にとっても安心材料ですから。
確かに、今日の話を聞いて行動療法の奥深さを感じました。薬だけに頼らないアプローチ、大事ですね。
そうですね。今日のテーマでは幼児に薬が先行しがちという課題が示されていましたが、その一方で行動療法の可能性も再確認できました。早期発見と適切な治療のバランスが大切だということです。
お話ししていて、教育に携わる人間として環境を整えて支えることの大事さを感じました。子どもと親が安心して学び成長できるシステムをもっと広げたいなと思いました。
とてもいい視点ですね。こうした研究からも私たちが学べることは多いですし、日本の教育現場でも取り入れられる部分は大きいと思います。
はい。今日のお話を聞けて本当に勉強になりました。
リスナーの皆さん、最後まで聞いていただきありがとうございました。
ADHDに限らず子どもの成長を支える様々な取り組みをまた次回も一緒に考えていきたいと思います。ぜひ次も聞いてくださいね。