イギリスの研究と偏食
みなさん、こんにちは。教育カフェテラスへようこそ。水野太一です。
こんにちは。高橋紗友香です。今日も教育にまつわるホットな話題をお届けします。
今回は、イギリスブリストル大学が2025年5月15日に発表した研究をもとに、
思春期の偏食と学校給食について話していきます。
イギリスの話なんですね。偏食って日本でもよく話題になるけど、給食がそれに関係するって意外です。
どうして学校給食が好き嫌いに影響するんですか?
今回の研究は、13歳の偏食の子供たちに注目しています。
お弁当を持参するよりも、学校で出される給食を食べることで、
より多様な食品を食べるようになる傾向が見つかったんです。
これって、実は世界初の発見なんですよ。
へえ、お弁当の方が好きなものを詰められそうなのに、給食の方が好き嫌い減るんですか?どうしてなんでしょう?
家庭のお弁当だと、やっぱり子供が自分の好きなものだけ選びがちですよね。
でも、給食だと友達と一緒にいろんなメニューが出て、自分で選ぶ機会も増える。
それがきっかけとなって、偏食が減っていくと考えられています。
そうなんですね。ちなみに偏食って、何歳くらいはピークなんですか?
偏食は3歳前後が一番多いと言われています。
でも、今回の研究では、小さい頃に偏食だった子の一部は、13歳になってもそのまま好き嫌いが続いていることがわかりました。
13歳って、もう中学生ですよね。そこまで好き嫌いが続くなんて、ちょっとびっくりです。
その通りです。
ちなみに、調査に協力した子供たちのうち、約半数が普段はお弁当、4分の1が給食、もう3分の1がたまに給食を利用していたそうです。
それとは別に、4分の1ほどの子が、時々昼食を抜くこともあったんですよ。
お昼抜くっていうのも現代っこいですね。でも偏食の子は、やっぱりお弁当派が多かったんでしょうか。
実はそこは意外で、偏食の子もそうでない子も、お弁当派と給食派の割合はほとんど変わらなかったんです。
違ったのは、何を食べているかなんですね。
へえ、じゃあ実際どんな違いが見られたんですか?
お弁当の場合、偏食の子はお肉や魚のサンドイッチが少なく、代わりにマーマイトやピーナッツバター、チーズスプレッドなどを選ぶ傾向が強かったです。
さらに、果物やサラダを食べる率もかなり低かったんです。
確かに、お弁当だと親も残さず食べてほしいからと、食べられるものだけ入れちゃいがちですよね。
そうなんです。でも、給食の時は偏食の子もお肉や魚、果物をしっかり食べて、バリエーションが広がったんですよ。
同じクラスの友達と似たメニューを選ぶことも多かったそうです。
友達効果大きそう。みんなで一緒に食べると、ちょっとだけチャレンジしてみようって気持ちになるのかもしれませんね。
その通りです。実際、家族の影響がない場面での行動を観察したのは、今回が初めて、家庭環境だけでなく集団の力が食習慣に影響していることが見えてきました。
偏食克服のヒント
日本の給食と似ている部分、違う部分もありそうですね。日本でもこの発見、応用できそうですか?
十分参考になると思います。日本の学校給食はバランスや栄養にもっと配慮されているので、偏食克服のヒントにもなりそうです。
ただ、日本はメニューや選択肢が少ない学校もあるので、そのあたりは工夫の余地があるかもしれません。
確かに選択肢が増えると、食べてみようって思う機会は増えそうですよね。でも、野菜はどの子もあまり食べていないって記事にありましたね。
そうなんです。一番心配なのは野菜不足。野菜は成長や健康のために必要なビタミンやミネラル、食物繊維が多いので、できるだけ多く食べてほしいですね。
確かに。だけど現実は野菜が苦手な子が多いですよね。どうしたらみんなもっと食べてくれるんでしょう?
例えば、家庭でも一緒に調理をする、親がバランスよく食べる姿を見せるなど、小さなことから始めるのが効果的です。
今回の研究のリーダー、テイラー先生も、何が効くかは子供によって違うと言っていました。
いろんな工夫を組み合わせることは大切なんですね。さっきのデータ、すごくたくさんの子供を長期間追いかけて観察していたんですよね。
はい。チルドレン・オブ・ザ・90病という大規模な研究です。
1991年から92年にイギリス・ブリストルで生まれた約14,500組の親子を、30年以上にわたって追跡しているんですよ。
そんなに長く、長期データがあると、小さい頃の好き嫌いが思春期まで続く場合もわかるってことなんですね。
そうです。さらに、研究チームは今後、大人になってからの変色が健康にどう影響するかも調べていく予定です。
給食の現場で先生や調理員さんたちができる工夫って何かありますか?
たとえば、盛り付けを工夫する、楽しいイベントを開く、食材の話をして興味を引くなど、学校ならではのアプローチが有効ですよ。
家庭で工夫できることもヒントになりました。好き嫌いがずっと治らないと悩むより、まずはみんなで食べることが大切だと思います。
まとめると、変色は3歳でピークを迎えますが、中学生になっても続く場合もあり、給食はそんな子供たちの食の幅を広げる大切な場となり得るということですね。
野菜不足対策も含め、家庭と学校で連携していくことが大切です。
今日の話を聞いて、食事のバランスを教えていただきました。
さやかさんの現場でのチャレンジ、楽しみにしています。
それでは、今日の教育カフェテラス、最後までお聞きいただき、ありがとうございました。
ありがとうございました。
次回も、教育にまつわる面白い話題をお届けしますので、またぜひ聞いてくださいね。