集団行動教育の意義
みなさん、こんにちは。教育カフェテラスへようこそ。進行役の水野太一です。
こんにちは。アシスタントの高橋紗友香です。この番組では、教育にまつわる話題を深く、分かりやすくお届けしています。
さて、今回はアベマプライム。掲載日は2025年4月11日の記事をもとに、日本の学校教育でよく話題になる集団行動についてお話しします。
紗友香さん、集団行動って聞くと、どんなイメージがありますか?
そうですね。やっぱり、起立・礼・着席や朝礼の成立、あとは掃除の時間とか、みんなで同じことをやるイメージです。
でも、SNSでは、集団行動って軍隊みたいで苦手だったなんて意見も見かけます。先生、そもそも何のためにやってるんですか?
いい質問ですね。実は、集団行動は学習指導要領の特別活動として正式に位置づけられているんです。目的は、みんなで協力して課題解決をしながら、生き方を考えたり、人間関係を築いたり、社会参画の力を育てたりすることとされています。
ええ、単なるマナーとか礼儀だけじゃなくて、ちゃんとした教育の意味があるんですね。でも、ネットの声を見ると、「みんなで同じことする必要ある?」って疑問も多いですよね。実際、現場の先生はどう感じてるんでしょう?
記事に登場する元中学校教師のモブさんによれば、日本の集団行動教育にはいくつか問題点もあるようです。協調性を重んじすぎて、空気が読めない子がいじめの対象になる、指示に従わせるだけで疑問を持たせないなど、教師の管理のためにやっている部分も否定できないと。
うん。それってみんな一生が目的になっちゃってるってことですよね。例えば、卒業式の靴下の色まで決めたりするのは、ちょっと行き過ぎな気もします。
そうそう。実際、モブさんが勤務していた学校では、卒業式に靴下を白で統一しようと職員会議で決まったけれど、半分の生徒は白い靴下を持ってなかったそうです。生徒に無理させてまで統一する必要があるのか、と問いかけていました。
確かに、そもそも大事なのは服装よりも気持ちとかマナーの方じゃないかなって思います。ところで、海外の学校では掃除当番とか集団行動ってあるんですか?
面白い視点ですね。記事に登場するパックンさんはアメリカの例を出していましたが、アメリカの小学校には清掃員さんがいると。だから子供は掃除をしなくていいし、逆に自分でやる責任感は育ちにくい側面もあるそうです。
なるほど。でも、日本の学校って農家もトイレも結構綺麗ですよね。子供たちがみんなで掃除するから綺麗に保たれてるんですね。
そうですね。みんなで社会や教室を綺麗に保つという価値観は、日本の集団行動教育の大きな成果の一つだと思います。江戸時代から日本は清潔好きだったという説もあるくらいですし、文化の一部とも言えます。
でも、ただの作業になっちゃうと意味がなくなっちゃいませんか?記事の先生も、掃除の本来の目的を子供が理解していないのが問題と言ってましたよね。
そこがポイントです。例えば、ゴミを拾いなさいと言った時、自分が捨てたゴミじゃないからやりたくないと返された体験談も紹介されていました。ただ、決まりだからやるのではなく、なぜみんなで綺麗にするのかを考えさせることが大事です。
何のためにもちゃんと伝えていかないと形だけになってしまうんですね。そう思うと、教師の場も目的を意識するべきなんだなと感じます。
まさにその通りです。さらに古川淳教授も、今の特別活動には民主的な社会を作る要素、文化的な背景、そして昔の軍隊式教育が全部混ざっていると指摘しています。
軍隊みたいってネットでよく言われるのは、その影響もあるんですね。でも、個人の自由とか個性重視の流れもどんどん強くなってきていますよね。
個性と集団のバランス
はい。実際、中央教育審議会でも同調圧力が強くなってしまい、いじめや生きづらさにつながるという懸念が指摘されています。みんなが同じじゃないとダメという空気は子供に負担になることもあるんです。
最近は空気が読めないと浮いちゃうとか、自己主張が苦手になったりしますよね。自分の意見をちゃんと言える子が減ってるって話も聞いたことがあります。
そうですね。個性化教育と言いながら、実はお互いに空気を読み合って浮かないようにしている傾向が強まったという指摘も記事ではありました。KYなんて言葉が出てきたのもこの時代からです。
他人と違うことを恐れて無難な意見しか言わなくなっちゃう。それだと個性や想像性が育ちにくくなりそうです。
一方で、集団の安定した安心感があるからこそ個性も発揮できるという考えもあります。規律やルールも大切ですが、情緒的な絆や多様性の需要も同じくらい重要です。
どっちかを選ばなきゃいけないって話じゃなくて、バランスが必要なんですね。例えば体育祭で応援が苦手な子がいたら、無理に声を出させるんじゃなく、練習に参加してるだけでもすごいって認めてあげることも大事なんだなって思いました。
そうです。目的や本質を大切にした指導や多様性を受け入れる空気づくりが今後の課題といえます。集団行動のメリットを生かしつつ、個性も生かす教育が理想ですね。
今日のお話を通して、集団行動の良さも課題も両方知ることができました。自分が実習や将来教団に立つ時も、つい形を重視しすぎないように目的を忘れないようにしたいです。
さやかさんのように、現場で子どもたち一人ひとりの気持ちに寄り添える先生が増えると、学校はもっと良い場所になっていくと思います。
ありがとうございます。頑張ります。リスナーの皆さんも、自分の経験や意見を思い出しながら、ぜひ考えてみてほしいです。
それでは、今日の教育カフェテラスはこのあでんでお別れです。最後まで聞いてくださった皆さん、ありがとうございました。
次回もぜひ聞いてくださいね。