主体的な学びの評価方法
みなさん、こんにちは。教育カフェテラス、進行役の水野太一です。
今回は、東洋経済オンラインの記事で、2025年10月8日に公開された
主体的に学習に取り組む態度の評価見直しについて取り上げます。
数値表や調査書の評価方法が変わるかもしれないという注目のテーマです。
こんにちは、高橋さやかです。
水野先生、その主体的に学習に取り組む態度って、今まではどうやって評価されてきたんですか?
これまで多くの学校では、ノートの提出状況や締め切りの守り方、課題の提出スピードなど、
つまり、形式的な行動によって評価されることが多かったんです。
でも本来は、学びに向かう意欲や、自分から学びを広げていく姿勢を見たいはずなんですよね。
なるほど。それって、学校教育法で決まっているんですか?
はい。2007年の改正で、知識及び技能、思考力、判断力、表現力、その他の能力、
主体的に学習に取り組む態度という学力の3要素が明記されました。
今は、学習指導要領の中では、これを学びに向かう力、人間性等として位置づけています。
でも、ノート提出や締め切りだけだと、あまり主体的な感じがしないですね。
そうなんです。例えば、興味を持ったテーマに自主的に調べて発表するとか、
授業中に質問を投げかけたり、友達と意見を交換する行動こそ主体性ですよね。
じゃあ、改定ではそういう部分がもっと見られるようになるんですか?
議論としては、評価を行動結果から学びに向かうプロセスへシフトすることが考えられています。
たとえ提出が遅れても、深く探求していればそれを評価したいという考え方ですね。
それって先生からすると、評価はすごく難しくなりそうですね。
改定の影響と未来
確かに難しいです。でも、ルーブリックを使ったり、観察記録をこまめにつけたり、複数の先生で見守る方法などが提案されています。
日本でもそうですが、海外ではどうやって主体的な学びを評価しているんですか?
例えばフィンランドでは、先生が日常の授業中に生徒のやりとりや表情まで含めて観察します。
テストの点数以上に、その子がどんな姿勢で学んでいるかを重視するんです。
それだと生徒も自由に意見を言いやすくなりそうですね。
そうですね。日本でもその方向に近づけることで、受け身ではなく自分から動く学びを促したいわけです。
でも通知表って保護者にも渡るから、どう書かれるかで誤解されることもありそうですね。
そこも課題です。言葉選びを工夫して、何が評価されたのかがわかるようにする必要があります。
例えば、提出物は一部遅れたが、内容の探求が深く、主体性が見られたといった書き方ですね。
それなら、遅れをネガティブに捉えずに済みますね。
そうなんです。評価は成績だけじゃなく、長期的にその子の学び方に影響しますからね。
もし改定されたら、先生の意識も変わるでしょうね。
ええ。形式ではなく本質を見ようとする流れが、教員養成の段階から必要になります。
そう考えると、私の教育実習でも子どもの姿勢をしっかり見たいと思います。
いいですね。実習はまさに観察と記録の訓練の場ですから。
今日の話、教科の中身を見直すことの意味がよくわかりました。
それが今回の改定議論の狙いでもあります。点数ではなく、子どもの心と行動の軌跡を捉える評価へ。
次にどう改まっていくか、速報が楽しみですね。
リスナーの皆さん、今日も最後まで聞いていただきありがとうございました。
次回も、教育の最新情報をわかりやすくお届けしますので、ぜひ聞いてください。
それでは、また次回お会いしましょう。さようなら。