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2025-10-15 05:30

教員の働き方改革は一歩前進?TALIS2024が示す「時間短縮」と「協働低下」

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OECDが発表した「TALIS2024」の結果をもとに、日本の教員の勤務実態と現場の課題を語り合います。仕事時間は減ったのに、なぜ多忙感が続くのか?協働の低下やAI活用、ICT環境整備など、教育現場のリアルを深掘りします。

サマリー

TALIS2024の調査結果によると、日本の教員の仕事時間は短縮されていますが、依然として世界トップ水準です。また、教員同士の協働の低下も課題として浮き彫りになります。教員のやりがいは高いものの、社会的評価の低さが問題視され、改善が求められています。

教員の勤務時間と協働の課題
みなさん、こんにちは。教育カフェテラス進行役の水野太一です。
こんにちは、高橋さやかです。
この番組では、教育に関する最新情報や話題を分かりやすくお伝えしています。
今日のテーマは何ですか?
今日は、インプレスウォッチの教育ニュースサイト、こどもとITに、2025年10月7日に掲載された記事、
教員の仕事時間は減少も依然世界トップ水準、つながりも課題を取り上げます。
OECDの国際教員指導環境調査、通称TALIS2024の結果についてですね。
TALISってたまに聞くんですけど、どんな調査なんですか?
TALISは、OECDが5年元に実施する国際調査で、教員の勤務環境や指導の実態を明らかにするものです。
今回は55の国と地域で実施され、日本からは約7000人の小中学校教員と校長が回答しました。
なるほど。今回は日本の教員の仕事時間が話題になってましたけど、そんなに長いんですか?
はい。前回2018年の調査より4時間ほど短くなったものも、依然として世界最長なんです。
小学校が週52.1時間、中学校が55.1時間、3カ国の平均が40時間前後ですから、まだ10時間以上も長いんですよ。
え、まだそんなに差があるんですね。何にそんなに時間を使っているんですか?
授業よりも、授業準備や児童生徒への対応、課外活動などに多くの時間を使っているんです。
中学校では部活動の時間が平均で5.6時間あって、それでも前回より2.5時間減ったという結果です。
仕事時間は減っても、忙しさはあまり変わらなそうですね。
まさにそれが課題なんです。総仕事時間は減少したけれども、自分の学びの時間が取れないと答える教員の割合がむしろ増えているんです。
で、どうしてなんでしょう?減った時間を学びに充てる余裕ができても良さそうなのに。
多くの教員が他にやるべき業務があると感じているようです。
中学校では85%以上の教員が自分のスキルアップのための時間が取れないと答えています。
そんなに多いんですか?ICTとかAIの活用で業務が楽になるイメージがあるんですけど、実際はどうなんでしょう?
ICT環境自体は改善しています。ギガスクール構想のおかげで端末やネット環境の整備が進みました。
ただ、日本の教員はAIの活用についてはまだ慎重で、偏った見方を助長しないかなどのリスクを心配する声も多いようです。
なるほど。でも、AIをうまく使えば事務作業とか少しは楽になりそうですよね。
その通りです。日本の教員もAIの効率化への効果は認めています。今後は、AIリテラシーを高めながら安心して活用できる環境づくりが鍵になりそうですね。
それと、記事のタイトルにあったつながりの課題って何のことですか?
いい質問ですね。今回の調査では、教員同士の共同や信頼関係が弱まっていることが示されました。
教員のやりがいと社会的評価
特に、同僚と教材を共有したり、授業を共同で開発するといった実践が減っているんです。
それは寂しいですね。生成同士で助け合うってすごく大切なことじゃないですか。
そうなんです。OECDは、教員同士の共同と自己効力感には強い関係があると指摘しています。
つまり、つながりが弱まると自分の成長ややりがいにも影響する可能性があるということです。
確かに、学校現場でも信頼関係があったほうが前向きに働けそうですもんね。
一方で、教員のやりがい自体はとても高いという結果もあります。9割近くのほうが授業の楽しさややりがいを感じているんですよ。
すごいですね。そんなに熱意のある先生が多いって、なんか安心します。
そうですね。ただ、その熱意を社会がどう支えていくかが今後の課題です。
日本の教員の社会的評価の低さも依然として問題で、OECD平均をかなり下回っています。
やりがいは感じているのに、社会的には認められにくいって、ちょっと切ないですね。
まさにそこを変えていく必要があります。働き方の改善と同時に、教職への理解と尊重を地域や社会の中でどう広げるかが大切です。
学校の先生って子どもたちだけじゃなく、いろんな人に支えられているんですね。
ええ。だからこそつながりが重要なんです。教員同士の共同も、社会との信頼関係も、教育の質を支える大事な基盤です。
今日の話を聞いて、先生たちは少しでも安心して働ける環境が広がってほしいなと思いました。
そうですね。教員の情熱をどう持続的に支えていくか、そして次の世代の先生たち、つまりリスナーの皆さんがどうその一員になるのかを考えていきたいですね。
はい。私も自分の将来の働き方を考えるヒントになりました。
ということで、今回はTLIS 2024から見た教員の勤務実態と課題を取り上げました。
お聞きくださった皆さん、ありがとうございました。また次回も教育カフェテラスでお会いしましょう。
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