医療現場の事務負担の現状
今回の資料深掘りへようこそ。よろしくお願いします。さて、今日はですね、日本の医療現場、ここが直面している大きな課題についてです。はい。
山積みの事務作業、特に計画書作ったり、データ入力したり、この負担について深く見ていきたいと思います。えー、深刻な問題ですよね。
お手元の資料、医療現場の事務負担軽減へ、という抜粋に基づいて、診療報酬改定、これを通じてどう負担を軽くしようとしているのか、その辺りを見ていきましょう。
現場の声として結構切実なものがあって、例は7年度の調査でしたっけ? あ、そうです。
施設の4割以上が計画書の簡素化、それから約4割がDPCデータの作成簡素化を望んでいると。かなり高い割合ですよね。
この数字の裏にある実態を探りつつ、具体的にどんな変化があって、これからどうなりそうか、そのポイントを一緒に探っていきましょうか。はい、お願いします。
まず背景として押さえておきたいのが、この診療報酬改定というのは、単に医療サービスの価格を決めるだけじゃなくて、現場の働き方を変えるツールとしても使われている点なんです。
なるほど、働き方改革の一環でもあると。
そういう側面が強いですね。例は2年度から6年度にかけて、段階的に事務負担を減らすための改定が積み重ねられてきたわけです。
ではその具体的な中身をちょっと見ていきたいんですが、まず例は2年度から、ここで注目されたのがICTの活用、特に会議のオンライン化が可能になったと。これは現場にとってどうでした?
これはやはり大きかったですね。
やはり。
多忙な医師の方とか色んな職種の方が物理的に集まるその時間を調整する負担が減りましたから。
責任者の判断でオンラインが選べるようになったっていうのは、かなり柔軟な働き方への一歩だったと思います。
なるほど、あと研修も効率化されたとか?
そうなんです。例えば抗菌薬の適正仕様と院内感染対策、これ関連が深い研修なんですけど、一緒にできるようになったり。
あーまとめて。
あとは看護補助者の方の研修要件が見直されたりとか、地味に見えるかもしれませんけど、現場の時間を生み出す改善ですよね。
なるほど、小さなことの積み重ねが大事なんですね。
まさに。
で続く令和4年度、ここでは記録とかあと届出の事務がかなりシンプルになったと。
そうですね、令和4年度は特に記録面での変化がちょっと面白いところで。
記録ですか?
具体的には?えっとですね、例えば診療録の記載要件なんですけど、栄養サポートチームが作る実施計画書。
はいはいありますね。
あれ、以前は結構詳細な記録が必要だったのが、計画書のコピー、写しを添付すればそれでOKということになったんです。
あーそれは助かりますね。
ええ。あとチーム医療での医師の指示も計画書にちゃんと書いてあれば、個別の記載は省略できるようになったり。
なるほど、いわゆる二度手間を減らすと。
そういう狙いですね。記録のための記録をなくそうと。
施設基準の届出も変わったんですか?
はい、こちらも。研修修了証とかそういった添付書類が減りました。
ほう。
特に訪問看護ステーションとか、特定の小児科の外来診療なんかだと、ケースによっては届出手続きそのものが、まあ簡略化されたり、あれば不要になったりもしています。
手続き自体がですか?
ええ。あとレセプトですね。診療報酬明細書。これの記載も選択肢から選ぶ形式が増えてきて。
ああ、チェックボックスみたいな。
そうそう。そうすると単純な記入ミスも減りますし、時間短縮にもつながっていると。
なるほど。そして直近が令和6年度の改定ですね。
はい。
ここでの変化はどうでしょう?さらに進んだ感じですか?
そうですね。令和6年度では施設基準の届出で、例えば保守管理計画書みたいな添付書類がさらに不要になったり、あと複数の様式が一つにまとめられたりとか、手続きのスリム化が加速している感じですね。
よりシンプルにと。
ええ。レセプト業務でも例えば画像診断の部位の記載とかで、さっきの選択式がさらに広がったり、あとこれはもう不要じゃないかと考えられる項目自体が見直されたりもしています。
なるほど。
加えて届出を電子的に行う仕組み作りも始まっていて。
効率化と質の維持のバランス
おお、デジタルか。
ええ。ペーパーレス化に向けた動きがかなり本格化してきているなという印象です。
いやー、その流れは大きいですね。さらにその先、令和7年度以降に向けてもまた大きな動きが検討されていると。
そうなんです。ここがまた一つ大きな山場で、規制改革推進会議からの答申を受けてですね、署名応印、これを原則廃止しようという動きがあります。
署名応印の廃止、それはかなりインカクトがありそうですね。
でしょうね。入院診療計画書とかリハビリの実施計画書、あとは診療情報提供書、いわゆる紹介書ですね。
はい。
こういった多くの書類で、今手書きのサインとか判誤が求められているんですけど、これが原則として不要になるかもしれないと。
うわー、もし実現したら現場の事務負担は劇的に変わるかもしれないですね。
ええ、そう期待されています。あと電子署名の活用も重要な論点になってますね。
電子署名。
はい。医療情報システムの安全管理に関するガイドライン、これをちゃんと守ることを前提に、書類を電子的に作ったり、患者さんに情報提供したりすることを正式に認めて、
ふむふむ。
患者さんの同意も電子記録でOKにしようと、そういう方向で本当の意味でのペーパーレス化を後押ししようとしています。
いよいよハンコ文化からの脱却が現実味を帯びてきたという感じでしょうか。
そうですね。他にもリハビリ関連の書類って結構種類が多くて重複も多いって指摘されてるんですけど、
ああ、確かに聞きますね。
これらを統合したり簡素化したりすること、それから入力が大変なDPCデータの項目、例えば入院期間全体を通して評価が必要な項目とかですね、
はい。
こういうのを精査して、本当に必要な情報だけに絞り込めないかというのも今後の重要な検討課題になってますね。
うーん、こうして時系列で見てくると、令和2年から4年、6年、そして未来に向けて着実に医療現場の事務負担を軽くしようという明確な意思を感じますね。
そう言えると思います。
会議の効率化から始まって書類の電子化、そしてお院配置の動きまで。
目指しているのは、やっぱり医療従事者の方がもっと患者さんに向き合う時間を増やす、そういう環境づくりですよね。
まさにそれが最終的な目標ですね。
もちろん、医療機関側もこの変化にどう対応していくかというのは問われますけどね。
そうですね。変化への対応は常に必要になります。
ただ、最後にですね、ちょっと考えておきたい問いが一つあって。
と言いますと?
この事務手続の簡素化とか電子化っていうのは確かに効率を上げるんですけど、一方で患者さんとかご家族への丁寧な説明とか、あるいは同意を得るプロセスとか。
あ、コミュニケーションの側面ですね。
そうです。そのコミュニケーションの質をどう確保して維持していくのか。
効率を上げることと質の担保、このバランスをどう取るべきかっていう点は、これからの医療現場にとって引き続き考えていくべき重要なテーマじゃないかなと思うんです。
なるほど。効率化だけじゃない質の維持との両立。深い問いですね。
これはまた別の機会にも考えたいテーマです。
ぜひ。
今回の深掘り大変勉強になりました。お付き合いいただきありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。
