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在宅薬学総合体制加算2026年改定|3つの見直しポイントを徹底解説
2026-05-12 05:19

在宅薬学総合体制加算2026年改定|3つの見直しポイントを徹底解説

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今後、在宅で療養する患者の増加が見込まれています。こうした状況を踏まえ、薬局における在宅医療提供体制の整備が急務となっています。本稿では、令和8年度診療報酬改定で行われた在宅薬学総合体制加算の見直し内容を解説します。

今回の改定で在宅薬学総合体制加算は3つの観点から見直されました。1つ目は、加算1の評価が15点から30点に倍増した点です。2つ目は、加算2の施設基準が大幅に刷新された点です。3つ目は、加算2の評価が単一建物診療患者の人数で2区分に分かれた点です。

見直しの背景|薬局の在宅医療体制整備の必要性

今回の見直しは、薬局の在宅医療提供体制の実態と課題を踏まえた改定です。前回改定で在宅薬学総合体制加算が新設された結果、届出薬局は増加しました。しかし、届出薬局の多くで麻薬備蓄や調剤実績が乏しい実態が明らかになりました。

薬局の在宅医療への参画は、患者増加に対応するために不可欠です。中医協では、在宅患者の増加に備えた薬局薬剤師の他職種連携と地域単位での体制整備が議論されました。あわせて、評価基準を整理してメリハリをつける必要性が指摘されました。

実績が乏しい届出薬局の課題は、無菌調剤設備の使用状況からも確認できます。簡易型クリーンベンチを設置している薬局の84.6%で、設備の使用実績がありませんでした。この実態が、施設基準を「設備保有」から「業務実績」に切り替える見直しの根拠となっています。

在宅薬学総合体制加算1の評価倍増と要件強化

在宅薬学総合体制加算1は、評価と算定回数要件の両面で見直されました。評価は15点から30点に倍増しました。算定回数要件は直近1年間で24回以上から48回以上に強化されました。

評価の引き上げは、薬局の在宅医療への取り組みを手厚く評価する趣旨です。現行の15点から改定後の30点へと、評価が倍増しました。この変更は、在宅療養患者の増加に対応する薬局の体制整備を後押しします。

算定回数要件の強化は、より積極的な在宅業務を求める内容です。直近1年間の在宅患者訪問薬剤管理指導料等の合計回数が、現行の24回以上から48回以上に倍増しました。算定対象には、在宅協力薬局として連携した回数や同等の業務を行った回数も含まれます。ただし、同一グループ薬局に対して業務を実施した場合は除かれます。なお、情報通信機器を用いた場合の算定回数も対象外です。

在宅薬学総合体制加算2の施設基準刷新

在宅薬学総合体制加算2の施設基準は、4つの観点で刷新されました。1つ目は、無菌製剤処理設備に関する基準の廃止です。2つ目は、訪問実績と高度な薬学的管理の実績基準の新設です。3つ目は、常勤換算で3名以上の薬剤師配置基準への強化です。4つ目は、かかりつけ薬剤師に係る実績要件の廃止です。

無菌製剤処理設備の保有を必須とする基準は、廃止されました。現行では、無菌室やクリーンベンチ等の設備保有が要件でした。改定後は、設備保有ではなく、業務実績で評価する方式に変わりました。この見直しは、設備を保有しながら使用実績がない薬局が多い実態を踏まえたものです。

実績基準として、訪問実績と高度な薬学的管理の実績が新設されました。訪問実績は、単一建物居住者1人の場合に該当する訪問件数で評価されます。具体的には、在宅患者訪問薬剤管理指導料の1、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料、ならびに単一建物居住者1人の場合の居宅療養管理指導費および介護予防居宅療養管理指導費の合計回数が対象です。この合計が、直近1年間で240回以上かつ全体(同種の算定回数の総合計)の2割超、または480回以上かつ全体の1割超のいずれかを満たす必要があります。なお、緊急訪問薬剤管理指導料および緊急時等共同指導料については、単一建物の人数を問わず全件が対象となります。

高度な薬学的管理の実績は、3つの選択肢から1つを満たす必要があります。具体的には、麻薬管理指導加算等が10回以上、無菌製剤処理加算が1回以上、または乳幼児加算と小児特定加算の合計が6回以上のいずれかです。これら3つは選択制であり、いずれか1つを満たせば要件をクリアできます。

薬剤師の配置基準は、常勤換算で3名以上に強化されました。現行は人数のみを定めた「2名以上」の基準でした。改定後は常勤換算3名以上が必要となり、原則として開局時間中は2名以上の常駐が求められます。あわせて、調剤応需および在宅患者の急変等への対応体制が要件となります。

かかりつけ薬剤師に係る実績要件は、廃止されました。現行では、かかりつけ薬剤師指導料およびかかりつけ薬剤師包括管理料の算定回数の合計が直近1年間で24回以上必要でした。改定後は、この実績要件が削除され、施設基準の重点が在宅業務の実績に集約されました。

在宅薬学総合体制加算2の評価区分化

在宅薬学総合体制加算2の評価は、単一建物診療患者の人数に応じて2区分に分かれました。単一建物診療患者または単一建物居住者が1人の場合は100点になりました。それ以外の場合は50点になりました。

単一建物診療患者1人の場合の評価は、100点に大幅に引き上げられました。現行では区分なく一律50点でした。改定後は単独訪問の場合に2倍の評価となります。この見直しは、個別訪問が必要な患者への質の高い在宅薬学管理を評価する趣旨です。

単一建物診療患者が複数の場合の評価は、現行と同じく50点に据え置かれました。複数患者への効率的な訪問業務には、従来の評価が維持されます。区分化により、訪問形態に応じた評価のメリハリが付きました。

まとめ|在宅薬学総合体制加算の3つの見直しポイント

今回の改定で在宅薬学総合体制加算は、加算1の評価倍増、加算2の施設基準刷新、加算2の評価区分化の3つの観点で見直されました。加算1は、評価が15点から30点に倍増し、算定回数要件が48回以上に強化されました。加算2は、無菌製剤処理設備の基準とかかりつけ薬剤師の実績要件が廃止され、訪問実績、高度な薬学的管理の実績、および常勤換算3名以上の薬剤師配置の新基準が追加されました。さらに、加算2の評価は、単一建物診療患者1人の場合は100点、それ以外は50点に区分されました。これらの見直しは、在宅で療養する患者の増加に対応する薬局の在宅医療提供体制の整備を促す改定です。



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サマリー

2026年の診療報酬改定では、薬局の在宅医療における評価基準が設備保有から実際の業務実績へと大きく転換しました。かつて8割以上の薬局で使われなかった無菌調剤設備のような「形だけの体制」ではなく、加算1の報酬倍増と実績要件強化、加算2における常勤薬剤師の増員や麻薬管理・小児対応などの高度な薬学的管理、そして個別訪問の手間を評価する区分化が導入されました。これにより、薬局は地域医療を最前線で支える「動ける拠点」としての真価が問われる時代を迎えています。

在宅医療における薬局の課題と評価基準の見直し背景
何十万円もする最新のランニングマシンを買ったのに、結局、ただの物欲しざおになっちゃってるっていうか、リスナーのあなたもそういう経験ないですか?
実はこれと全く同じことが、つい最近まで全国の薬局の裏側で起きていたんですよね。 そうなんです。在宅医療向けに無菌環境を作る
簡易型クリーンベンチっていう立派な設備を導入した薬局のうち、なんと84.6%が一度もその設備を使っていなかったという衝撃的なデータがあるんです。
8割以上ってちょっとびっくりですよね。今回はこの資料をもとに深掘りしていこうと思います。
ミッションはズバリ、2026年診療報酬改定で薬局の評価基準が設備の有無から現場での実動へどう劇的にシフトしたのかを解き明かすことです。
それにしても、なんで8割以上の薬局が設備を使わずに放置していたんでしょうか。 まあ答えはすごくシンプルでして
以前のルールだと設備を置いているだけで国から報酬、つまり薬局の利益となる点数がもらえていたからなんですよ。
ああなるほど。じゃあ経営的な視点で見れば、実際に稼働させなくても設備投資するだけで確実に売り上げが上がるなら、
ルールの抜け荒をついて導入しちゃいますよね。 ただ、今や在宅で療養する患者さんって急増してるじゃないですか。
そこで形だけの設備で在宅医療やってますよってポーズを取られては、実際の医療現場が回らないわけです。
確かに現場が追いつかなくなりますよね。 そうなんです。なので医療のルールとか価格を決める注意標が、このインセンティブの構造そのものにメスを入れたという背景があります。
利益の仕組みを根本から変えたってことですね。 具体的にはどう厳しくなったんでしょうか。
加算1の評価倍増と算定回数要件の強化
例えば、加算1と呼ばれる基本の報酬は15点から30点へ、つまり利益枠が倍増しました。
でも同時に直近1年間で必要な実績の回数も24回から48回以上に、これ倍増してるんですよね。
加算2の施設基準刷新と「本気度」への評価
倍増ですか。さらに、加算2という上位の報酬だと、常勤換算で3名以上の薬剤師を配置することが求められるようになったって資料にありますけど。
はい、おっしゃる通りです。 ちょっと待ってください。今どこも人手不足じゃないですか。
地域の小さな薬局が急にフルタイムの薬剤師を3人も揃えるなんて、何というか現実的に厳しすぎませんか。
ええ、確かにハードルは跳ね上がりました。でもここがまさに国が求めている本気度なんですよ。
実は今回、これまで利益の厳選になっていた無金設備を持っているだけっていう条件はバッサリ切り捨てられたんです。
ああ、もう物欲しさをには1円も払わないぞと。
そういうことです。その代わり、麻薬の管理とか、小児への対応など、高度で手間のかかる管理を実際にこなすことが必須になりました。
なるほど。実際に動けないと評価されないんですね。
はい。開局中は常に2名以上の薬剤師がいて、いざ患者さんが急変したときにすぐ動ける、そういう真に実動できる薬局にだけ、高い報酬を手厚く配分するシステムに変わったんです。
訪問形態に応じた加算2の評価区分化
いやー、この実動への評価のシフトって、資料を読むと患者さんの家への訪問形態にも現れてますよね。
ええ、よくお気づきですね。
加算にの報酬が訪問する人数で区分してて、単一建物の患者さん1人を訪問する場合は100点に倍増しているのに、複数の場合は50点のままですよね。
これってつまり、同じマンションに住んでいる複数の人にまとめて薬草を配達するのと、ポツンと離れた一軒家に個別配達する手間の違いが、やっと利益の差として反映されたってことですか?
まさにその通りです。一軒家への単独訪問で、移動時間もガソリン代もかかりますし、何よりその患者さん個別の状況に合わせた密な管理が必要なんですよね。
確かに、移動だけでも結構な手間がかかりますよね。
ええ、効率は悪いんですけど、患者さんにとっては絶対に不可欠なその個別訪問の労力を、ついに正当なシステムとして評価したというわけです。
現場で汗を流している薬剤師さんたちの苦労が、ようやくほおわれる構造になったんですね。
在宅医療実績への大転換と薬局の未来
はい。設備という見せかけの体制から、急変対応とか個別訪問といった本物の在宅医療実績への大転換、これが今回の見直しの本質なんです。
今回は、加算1の評価倍増、加算2の施設基準写真、そして評価の区分化という3つのポイントを見てきました。
薬局は単に処方箋を出して薬を受け取る場所から、地域の医療を最前線で支える拠点へと、今まさに進化を迫られているんですね。
ええ、本当にその通りだと思います。
リスナーのあなたも、次に自分や家族の処方箋を持って、いつもの薬局のドアを開けるとき、少し周りを見渡してみてください。
そこはただ薬を渡すだけの場所でしょうか。それとも、これからの時代を支える、動ける薬局でしょうか。
薬局が在宅医療の真の実績で厳格に評価される時代、今後あなたが自分や家族のかかりつけ薬局を選ぶ際、その基準はどう変わっていくでしょうか。
ぜひ考えてみてくださいね。
それでは今回の深掘りはここまでです。
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