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在宅医療充実体制加算へ名称変更|令和8年度改定で点数も大幅引き上げ
2026-05-01 04:55

在宅医療充実体制加算へ名称変更|令和8年度改定で点数も大幅引き上げ

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機能強化型在宅療養支援診療所・病院では、在宅緩和ケア充実診療所・病院加算で求められる実績要件(緊急往診15件以上、看取り20件以上)を大きく上回る医療機関が多数存在しています。そのため、在宅医療において積極的役割を担う医療機関を、緩和ケアの枠を超えてより広く評価する必要性が高まっていました。本記事では、令和8年度診療報酬改定における「在宅緩和ケア充実診療所・病院加算」の見直し内容を解説します。

本改定では、加算の名称変更、施設基準の見直し、評価点数の引き上げの3点が実施されます。第1に、加算の名称が「在宅緩和ケア充実診療所・病院加算」から「在宅医療充実体制加算」へ変更されます。第2に、施設基準が「在宅緩和ケアを行うにつき十分な体制」から「地域の重症な在宅患者に対し質の高い診療を行うにつき十分な体制」へ見直されます。第3に、評価点数がターミナルケア加算で1,000点から2,000点へ、医学総合管理料で約2倍に引き上げられます。

改定の背景:在宅医療の積極的役割への評価強化

本改定の背景には、機能強化型在支診・在支病における実績の伸長と、求められる役割の多様化があります。これまでの在宅緩和ケア充実診療所・病院加算は、緩和ケア提供体制を中心に評価する仕組みでした。しかし、現場の機能強化型在支診・在支病では、緩和ケアにとどまらず、地域の重症在宅患者への対応や医育機能まで担うケースが増えています。

機能強化型在支診・在支病の実績は、加算要件を大きく上回る水準に達しています。在宅緩和ケア充実診療所・病院加算の要件は、過去1年間の緊急往診15件以上かつ看取り20件以上です。一方、中医協の調査では、この要件件数を大きく上回る緊急往診や看取りを実施している医療機関が多数確認されています。さらに機能強化型在支診・在支病の約35%が、訪問診療患者の20%以上を重症患者として受け入れています。

求められる役割も、緩和ケアの枠を超えて広がっています。地域の在宅医療提供の中核として、十分な医師配置、在宅看取りの実績、重症患者への訪問診療、他の在宅医療機関への支援機能、医育機能などが求められるようになっています。このため、緩和ケアに特化した評価から、在宅医療全般の積極的役割を評価する仕組みへの転換が必要となりました。

改定のポイント1:名称と施設基準の見直し

加算の名称と施設基準は、在宅医療の積極的役割を反映した内容に見直されます。名称は「在宅緩和ケア充実診療所・病院加算」から「在宅医療充実体制加算」へ変更されます。施設基準は「在宅緩和ケアを行うにつき十分な体制」から「地域の重症な在宅患者に対し質の高い診療を行うにつき十分な体制」へ変更されます。

名称変更は、評価対象の拡大を明確化する狙いがあります。これまでの名称は「緩和ケア」を前面に打ち出していました。新しい名称「在宅医療充実体制加算」は、緩和ケアに限定せず在宅医療全般の充実体制を評価することを示しています。この変更により、加算が緩和ケア専門の医療機関だけでなく、地域の在宅医療を幅広く支える医療機関への評価であることが明確になります。

施設基準の見直しは、評価対象の重点を明示する狙いがあります。現行基準は「在宅緩和ケア」の体制と実績のみを要件としていました。新基準は「地域の重症な在宅患者に対し質の高い診療」を要件として明示します。この変更により、緩和ケア提供体制に加え、重症患者への対応力を備えた医療機関が評価対象として明確化されます。

改定のポイント2:評価点数の大幅引き上げ

評価点数は、対象となるすべての診療料・加算で引き上げられます。在宅ターミナルケア加算は1,000点から2,000点へ引き上げられます。緊急・夜間・休日・深夜往診の加算は100点から200点へ引き上げられます。在宅時医学総合管理料の加算は約2倍に引き上げられます。施設入居時等医学総合管理料の加算は約2倍に引き上げられます。在宅がん医療総合診療料の加算は150点から300点へ引き上げられます。

往診料関連の点数は、ターミナルケアを中心に大きく増加します。在宅ターミナルケア加算は1,000点から2,000点へと2倍になります。緊急・夜間・休日・深夜往診加算は100点から200点へと2倍になります。看取り対応への評価が大幅に強化される内容です。

在宅時医学総合管理料の点数は、患者規模ごとに約2倍へ引き上げられます。単一建物診療患者が1人の場合は400点から800点へ、2〜9人の場合は200点から400点へ、10〜19人の場合は100点から200点へ、20〜49人の場合は85点から170点へ、それ以外の場合は75点から150点へ変更されます。すべての区分で点数が倍増する形です。

施設入居時等医学総合管理料の点数も、患者規模ごとに約2倍へ引き上げられます。単一建物診療患者が1人の場合は300点から600点へ、2〜9人の場合は150点から300点へ、10〜19人の場合は75点から150点へ、20〜49人の場合は63点から128点へ、それ以外の場合は56点から113点へ変更されます。在宅時医学総合管理料と同様に、すべての区分で点数が倍増する形です。

在宅がん医療総合診療料の加算は、150点から300点へ引き上げられます。在宅療養実績加算1の110点、在宅療養実績加算2の75点と比較しても、新しい在宅医療充実体制加算の300点は突出した水準です。在宅がん患者の総合診療を担う医療機関への評価が、明確に強化されます。

改定のポイント3:医療機関への影響と対応

本改定により、機能強化型在支診・在支病における収益構造とインセンティブ設計が大きく変わります。点数が倍増することで、加算届出医療機関の収益は大幅に増加します。同時に、施設基準が「地域の重症な在宅患者への質の高い診療」へ重点を移すことで、医療機関に求められる機能の方向性が明確になります。

加算届出医療機関は、点数引き上げによる収益増を見込めます。届出医療機関数は平成28年の394施設から令和6年の1,476施設まで増加し続けています。この増加傾向に加えて点数が倍増するため、対象医療機関の収益インパクトは大きくなります。経営計画上、本改定の影響を早期に試算しておくことが重要です。

施設基準の変更は、医療機関の体制整備に方向性を示します。新基準では「地域の重症な在宅患者に対し質の高い診療」を行う体制が求められます。なお、現行の在宅緩和ケア充実診療所・病院加算で求められている詳細要件(緩和ケア研修会修了医師の配置、オピオイド系鎮痛薬投与実績等の留意事項通知レベルの基準)が、新加算でどのように取り扱われるかは、本資料では明示されていません。詳細な施設基準の通知内容は、確定次第、改めて確認が必要です。

まとめ:在宅医療充実体制加算が在宅医療提供体制の中核を支える

令和8年度診療報酬改定では、「在宅緩和ケア充実診療所・病院加算」が「在宅医療充実体制加算」へ名称変更され、施設基準と評価点数が見直されます。施設基準は「地域の重症な在宅患者に対し質の高い診療を行うにつき十分な体制」へ変更され、緩和ケアから在宅医療全般の積極的役割への評価へと重点が移ります。評価点数はターミナルケア加算で2倍、医学総合管理料で約2倍へと大幅に引き上げられ、機能強化型在支診・在支病の役割発揮が強く後押しされます。本改定を機に、医療機関では届出要件の確認と収益試算、地域の在宅医療提供体制における自院の役割の再整理を進めていくことが求められます。



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サマリー

今回の診療報酬改定では、「在宅緩和ケア充実診療所・病院加算」が「在宅医療充実体制加算」へと名称変更され、評価点数が大幅に引き上げられます。これは、現場の医師たちが緩和ケアの枠を超えて重症患者への対応を進めてきた「草の根の進化」を国が追認し、在宅医療のインフラ整備に多額の投資を決断したためです。これにより、将来的に自宅で高度な医療を受けられる体制が全国に広がり、患者の安全と質の高いケアが強化されることが期待されます。

高度医療の自宅化と診療報酬改定の背景
普段、高度な医療って聞くと、無菌状態の白い病室とか、ピカピカ光るモニターなんかを想像しますよね。
ええ、まあ生活空間とは完全に切り離された特別な場所っていうイメージが強いじゃないですか。
そうなんですよ。でも、もしその病室の機能がもるごと、あなたの家のリビングのテラビとかアイネコのすぐ隣に移動してきたらどうでしょう?
いやー、すごい世界線ですよね。
よし、これを紐解いていきましょう。今回のミッションは、令和8年度の診療報酬改定の資料をベースに、この難解な制度変更があなた自身の将来のケアにどう直結するのかを探ることです。
はい。これ単なるお堅いルールの変更じゃないんですよね。
ええ。一番驚いたのが、ある分野の医療機関への評価点数が、なんと倍増しているんです。これ、かなり異例の事態ですよね。
ええと、医療の世界で報酬が一気に倍になるっていうのは、本当に滅多にないことです。なぜ国がそこまでしてルールを変えるのか。
はい。そこが気になります。
現場の進化と加算名称・対象範囲の拡大
一言で言えば、現場の医師たちが起こした草の根の進化が、すでに国の想定を超えちゃっていたからなんですよ。
現場が進化しすぎているですか?具体的にはどういうことなんでしょう?
今回、これまで在宅緩和ケア充実診療所とか呼ばれていたものが、在宅医療充実体制加算へと名称が変わるんですね。
ああ、なるほど。名前が変わる。
ええ。つまり、緩和ケア、いわゆる末期がんなどの週末期医療に特化したものから、地域の重症患者全般を見る、そういう幅広い体制へと対象が大きく拡大されたんです。
例えるなら、特定のメニューしかないカレー専門店だと思ったら、いつの間にか地域の総合的な高級レストランになっていて、これは実態に合わせて看板を掛け替えないと、みたいな感じですか?
いや、まさにその通りです。末期がんだけじゃなくて、重症の心不全とか進行した認知症のケアまで、リビングで対応できる総合インフラになったわけです。
へえ、すごいですね。
で、ここで非常に興味深いのは、国が総合レストランになれと命令する前に、現場は既に動いていたという事実なんですよ。
あー、国が主導したわけじゃないんですね。
そうなんです。旧ルールの年間の緊急訪問15件とか、かんみ取り20件以上という結構厳しい基準を大きく凌駕していて、教科型施設の約35%が訪問患者の20%以上を重症患者として既に受け入れていたんです。
ちょっと待ってください、それってかなりハードな現場ですよね。
そうなんですよ。しかも驚くべきことに、令和6年の時点で既に1476もの施設がこの実態をクリアして激増中だったんです。
評価点数倍増の意義と在宅医療インフラの強化
1476施設も。いや、現場が頑張っているのはよくわかりました。でも、そこからが本当に面白いところなんですが、そこで国がターミナルケア加算を1000点から2000点へ、往診加算を100点から200点へとのきなみ倍増させましたよね。
ええ、一気に2倍です。
点数が倍になるってすごいことだと思うんですが、これってシンプルに医療機関が儲かるという話ではないんですか。私たち患者側にとって一体どんな意味があるんでしょう。
ああ、すごく良い質問ですね。これを全体像に結びつけると、単なる病院の利益像ではないことがわかります。
と言いますと。
あの、点数が倍になるということは、クリニックが夜間対応のために看護師さんを新たに雇えたり、24時間体制のコールセンターを維持できたりするっていう。
なるほど。
つまり、高度な在宅医療を実現するための具体的な資金、体力になるんです。
ああ、そういうことですか。ただのスコアじゃなくて、私たちの安全を守るための実談というか。
ええ、まさに。この強力な経済的インセンティブによって、あなたが将来、住み慣れた自覚で高度な治療を受けられる地域の受け皿が確固たるものとして全国に広がっていくわけです。
国は現場の進化を認めて、あなたの家のリビングを新しい分散型の病院にするために多額の投資を決断したってことですね。
在宅医療支援の不可逆性と病院の未来
その通りです。今回の資料では、緩和ケア研修などの詳細な要件の扱いは未確定とされていましたけど、
でも在宅医療というインフラを国を挙げて分厚く支援していくという方向性は、もう完全に不可逆です。
いやー、劇的な変化ですね。それでは最後に、あなたに少し考えてみてほしいことがあります。
はい、何でしょう。
もし今後、あらゆる高度な医療が自宅のリビングで当たり前に行われるようになったとき、これまで私たちが絶対視してきた病院のベッドの存在意義は一体どう変わってしまうのでしょうか。
確かに考えさせられますね。
あなたはどう考えますか。光る医療モニターがあなたの家のリビングの景色の一部になる日は、もうすぐそこまで来ているのかもしれませんね。
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