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令和8年度改定で在宅歯科医療が大きく変わる!6つの見直しポイント徹底解説
2026-05-11 05:00

令和8年度改定で在宅歯科医療が大きく変わる!6つの見直しポイント徹底解説

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在宅歯科医療の需要は、高齢化の進展に伴い全ての年齢階級で増加しています。一方で、歯科訪問診療を提供する歯科診療所は2割未満、病院は1割未満にとどまり、特に居宅で療養する高齢者では推定需要数と実施件数の乖離が大きい状況です。本記事では、こうした需給ギャップを埋め、質の高い在宅歯科医療の提供を推進することを目的とした令和8年度診療報酬改定の主要な見直しを解説します。

令和8年度改定では、在宅歯科医療の提供体制を強化するため、6項目の見直しが行われます。第1に、歯科訪問診療1の評価を見直し、新たな加算体系を導入します。第2に、同一建物に居住する多数の患者を対象とした歯科訪問診療4・5の施設基準を新設します。第3に、在宅療養支援歯科病院・診療所の施設基準を見直し、依頼受け入れ実績や研修体制を要件に追加します。第4に、訪問歯科衛生指導料および在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料の評価を適正化します。

1.歯科訪問診療1の評価見直しと運用明確化

歯科訪問診療1は、在宅で療養する患者に対する診療内容を充実させる観点から、加算体系が大きく見直されます。これまでの「在宅歯科医療推進加算」は廃止され、新たに在宅療養支援歯科診療所や在宅療養支援歯科病院の施設基準に応じた加算体系へと再編されます。これにより、在宅歯科医療を担う医療機関の体制に応じた評価が可能となります。

新設される加算は3種類で、施設基準の届出に応じて算定します。具体的には、在宅療養支援歯科診療所1の届出医療機関は「在宅療養支援歯科診療所加算1」として100点、在宅療養支援歯科診療所2の届出医療機関は「在宅療養支援歯科診療所加算2」として50点、在宅療養支援歯科病院の届出医療機関は「在宅療養支援歯科病院加算」として100点を所定点数に加算できます。これらの加算は、在宅歯科医療推進加算(100点)が一括して廃止された後の枠組みであり、施設機能に応じた段階的な評価へと移行する仕組みです。

加えて、急遽の診療が必要となった場合の運用も明確化されます。1人の同一建物居住者に歯科訪問診療を実施した際、患者等の求めに応じて他の同一建物居住者への緊急の歯科訪問診療が必要となり、結果として2人の同一建物居住者への診療となった場合、いずれの患者にも歯科訪問診療1を算定可能となります。ただし、緊急に歯科訪問診療を実施した理由を診療録に記載する必要があるため、現場での記録対応が求められます。

2.歯科訪問診療4・5の施設基準新設

歯科訪問診療4・5は、同一建物に多数居住する患者への適切な訪問診療を確保する観点から、新たに施設基準が設けられます。歯科訪問診療4は同一建物に10〜19人、歯科訪問診療5は20人以上が居住する場合に算定する区分です。同一日に訪問する患者数が増加するほど、診療時間が20分未満となる割合が高くなる実態を踏まえ、適切な診療時間の確保を促す仕組みです。

新設される施設基準は、訪問診療の実績または地域連携を要件とします。具体的には、歯科訪問診療料1または歯科訪問診療料2を行っていること、もしくは当該地域において保険医療機関や介護・福祉施設等と連携していることが求められます。加えて、歯科訪問診療が適切に実施できる体制を有することも要件となります。

これらの施設基準を満たさない医療機関には、点数の減算が適用されます。具体的には、施設基準に適合する医療機関以外で歯科訪問診療4・5を算定する場合、所定点数および加算点数の100分の50の点数で算定する取扱いとなります。ただし、令和9年5月31日までの経過措置が設けられ、医療機関が体制整備を進める時間が確保されています。

3.在宅療養支援歯科病院の施設基準見直し

在宅療養支援歯科病院は、病院歯科の診療実態を踏まえて施設基準が見直されます。現行の施設基準では、過去1年間に歯科訪問診療1〜3を合計18回以上算定していることが要件でしたが、令和8年度改定後は、複数の選択肢から該当するものを選べる柔軟な基準へと変更されます。届出が22施設にとどまっている現状を踏まえ、届出促進を狙った見直しです。

新たな施設基準では、4つの選択肢から1つに該当することが求められます。第1に、過去1年間の歯科訪問診療1〜3の算定件数および他医療機関からの依頼による歯科訪問診療の受入実績が合計18回以上であること。第2に、直近1か月の歯科訪問診療2〜5の算定回数が5回以上で、そのうち20分以上の歯科訪問診療を算定した割合が6割以上であること。第3に、直近1か月の在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料等の合計算定件数が10回以上であること。第4に、研修歯科医を受け入れ、歯科訪問診療に係る教育を実施している臨床研修施設であることです。

連携実績に関する選択肢も拡充されます。「キ 以下のいずれかに該当すること」の選択肢として、過去1年間の在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料(1〜3)、退院時共同指導料1、医科連携訪問加算、在宅歯科医療連携加算1・2、小児在宅歯科医療連携加算1・2、在宅歯科医療情報連携加算、退院前在宅療養指導管理料、在宅患者連携指導料、在宅患者緊急時等カンファレンス料のいずれかの算定件数が1回以上であることが新たに加わります。これにより、地域医療連携を実践する病院が評価される仕組みが強化されます。

4.在宅療養支援歯科診療所の施設基準見直しと臨床研修体制の評価

在宅療養支援歯科診療所も、今後の在宅歯科医療体制の確保に資するよう、施設基準が見直されます。最も大きな変更点は、歯科医師臨床研修施設における研修・教育体制が新たに評価される点です。在宅歯科医療を担う若手歯科医師の育成が、施設基準の選択肢として明確に位置づけられます。

在宅療養支援歯科診療所1では、歯科訪問診療の実績要件が4つの選択肢に拡大されます。具体的には、直近1か月の歯科訪問診療1〜3の合計が10回以上、または直近1か月の歯科訪問診療2〜5のいずれかを算定した回数が5回以上でそのうち20分以上の歯科訪問診療を算定した回数の割合が6割以上、または直近1か月の在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料等が合計5回以上、または研修歯科医を受け入れ歯科訪問診療に係る教育を実施している臨床研修施設であること、のいずれかに該当することが要件です。複数の経路から実績を満たせる柔軟な仕組みとなります。

在宅療養支援歯科診療所2でも同様に、研修歯科医の受け入れと歯科訪問診療に係る教育の実施が選択肢として追加されます。具体的には、過去1年間に歯科訪問診療1〜3を合計4回以上算定していること、または研修歯科医を受け入れ歯科訪問診療に係る教育を実施している臨床研修施設であることが要件となります。これにより、歯科訪問診療の実績がまだ少ない診療所でも、研修体制を整えることで届出が可能となります。

5.訪問歯科衛生指導料の見直し

訪問歯科衛生指導料は、指導を実施した人数に応じて評価が見直されます。単一建物診療患者が1人の場合は362点から380点へ引き上げられる一方、2人以上9人以下の場合は326点から330点へ微増、10人以上の場合は295点から260点へ引き下げられます。同一建物の患者数が多いほど指導時間が20分ぎりぎりとなる傾向を踏まえ、効率的な大規模訪問への評価を適正化する見直しです。

特別の関係にある施設等への評価も新たに適正化されます。当該保険医療機関と特別の関係にある他の保険医療機関等で療養を行う患者に対して訪問歯科衛生指導を実施した場合、人数区分に関わらず一律140点で算定する取扱いとなります。これは歯科訪問診療料の特別の関係に係る運用と整合性を持たせる見直しであり、関連法人内での過剰な算定を抑制する効果が期待されます。

6.在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料の見直し

在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料は、効率的な歯科医療を提供する観点から要件が見直されます。最大のポイントは、指導の実施者として、歯科医師に加えて「歯科医師の指示を受けた歯科衛生士」が新たに位置づけられる点です。歯科衛生士単独で算定できるものではなく、あくまで歯科医師の指示に基づく実施が前提となりますが、これにより多職種でのチーム医療を推進する仕組みが整います。

加えて、自宅で療養する患者を対象とした「在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料4」が100点で新設されます。算定対象は、自宅で療養を行っている患者であって、歯科疾患在宅療養管理料、在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料、または小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料を算定しているものです。歯科医師または歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が食事観察等を行い、その結果を踏まえて患者または看護に当たる者に口腔機能評価に基づく指導を行った場合に、月1回に限り算定できます。

ただし、口腔機能実地指導料との併算定には制限があります。区分番号B001-2-2に掲げる口腔機能実地指導料を算定している月は、本指導料1〜4のいずれも算定できません。算定対象の患者を整理する際には、この併算定不可の関係に注意が必要です。

まとめ:令和8年度改定の在宅歯科医療を捉える6つの視点

令和8年度診療報酬改定では、質の高い在宅歯科医療の提供を推進するため、6項目の見直しが実施されます。歯科訪問診療1は施設機能に応じた加算体系へ再編され、急遽診療の運用も明確化されます。歯科訪問診療4・5には新たに施設基準が設けられ、同一建物の多数患者への適切な訪問診療が促されます。在宅療養支援歯科病院・診療所の施設基準は柔軟化され、依頼受け入れ実績や臨床研修体制が評価対象に加わります。訪問歯科衛生指導料は人数別に評価が再配分され、特別の関係への適正化が図られます。在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料は歯科衛生士による指導や自宅療養患者を対象とする区分4の新設で適用範囲が拡大します。在宅歯科医療を担う医療機関は、自院の届出区分と算定実績を点検し、令和8年度改定への円滑な移行に向けた準備を進めることが重要です。



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サマリー

令和8年度の診療報酬改定により、在宅歯科医療が大きく変わります。現状の訪問歯科診療における需要と供給のギャップを埋めるため、「量より質」への転換、若手歯科医師の育成、そして歯科衛生士の役割拡大による多職種連携が推進されます。これにより、将来的に自宅で質の高い歯科医療を当たり前に受けられる社会の実現を目指しています。

在宅歯科医療の現状と課題
あの、ちょっと想像してみて欲しいんですけど、あなたやあなたのご両親が85歳になって、歯が痛くてたまらないと、でも自力で歯医者さんまで歩いていけないってなったとしますよね。
ええ、よくあるケースですよね。
で、まあ訪問診療を頼めばいいやって思うかもしれないんですけど、実は今自宅に来てくれる歯科医院って全体の2割未満なんですよ。
そうなんです。病院に至ってはなんと1割にも満たないという衝撃的なデータがありまして。
いや、1割未満って。高齢化で訪問歯科のニーズって爆発してるはずじゃないですか。
そう、そこが問題なんですよ。需要はものすごくあるのに圧倒的に供給が追いついていない。これが、まあ医療現場が抱えている隠れた危機なんですよね。
なるほど。ということで、今回の深掘りでは、この需給ギャップをどう埋めるのか。新しく改定された医療ルールの裏側を紐解いていこうと思います。
はい、よろしくお願いします。
一見すると退屈な制度の話に聞こえるかもしれませんが、これは数年後、あなた自身がどういう医療を受けられるかに直結する重要なテーマです。よし、早速紐解いていきましょうか。
「量より質」への転換:診療報酬改定の狙い
そもそも、なぜこれほど需要があるのに担い手が増えないのか。そこには訪問診療ならではの効率という壁があったんですよ。
効率ですか。
はい。訪問ってどうしても移動に時間がかかりますよね。だから利益を出すために、一部では大きな介護施設なんかに行って、1人20分未満という短い時間で20人以上の患者さんを次々と見るっていう手法に頼るケースが多かったんです。
ああ、なるほど。これって要するに、一人一人の治療にじっくり向き合うっていうより、宅配ピザの大量注文みたいに効率ばかりを重視した、いわばドライブスルー診療みたいになっていったってことですかね。
まさにその通りです。そこで今回のルール改定がメスを入れました。あの、歯科訪問診療1の加算がですね、施設機能に応じた3段階、例えば100点とか50点とかに再編されたんです。
ほうほう。え?半分ですか?ちょっと待ってください。ただでさえ訪問してくれる歯医者さんが少ないのに、そんなまとめ診察の報酬までカットしたら、じゃあもう訪問診療なんてやめるよって撤退する人が増えませんか?
いや、ここが非常に興味深いところなんですよ。単なる罰則ではないんです。逆に、1人の患者さんをじっくり見た場合の訪問歯科衛生指導量は380点に引き上げられています。
あ、なるほど。
一方で、10人以上の大規模な訪問の場合は260点に引き下げられると。さらに、施設内で急変した別の患者さんを緊急で見る必要が出た場合は、理由を記載すれば柔軟に評価される仕組みもできたんです。
なるほど。つまり、ドライブスルー診療を防いで、1人1人の診療時間をしっかり守る、質を担保するための制度設計なんですね。
そうなんですよ。量より質へと、インセンティブを大きく変えたわけです。
担い手育成と提供体制の強化
よくわかりました。でも、質を担保するルールはわかったんですけど、そもそも担い手が少ないっていう根本的な問題はどうするんですか?
そこがもう一つの大きなポイントです。現在、在宅療養支援士科病院として届出があるのって、全国でわずか22施設しかないんですよ。
え、日本全国でたった22ですか?
はい。なので、今回その基準を少し柔軟にしました。ただし、条件があって、研修医を受け入れて訪問診療の教育をしっかり行っているかっていうのが、新たに評価基準に追加されたんです。
ああ、今いるベテラン頼みじゃなくて、若手を育てるルートをちゃんと作ったんですね。
ええ。そしてもう一つ、歯科衛生士さんの役割が大きく変わります。
歯科衛生士の役割拡大と多職種連携
と言いますと?
これまで医師が中心だった在宅士科栄養サポートチームなどの連携指導療で、医師の指示があれば、衛生士も指導者として認められるようになったんです。在宅療養患者向けの区分4という100点の枠も新設されました。
ということは、衛生士さんが指導できるようになったら、お医者さん一人の負担が減って、かなり状況が変わるんじゃないですか?
まさにそこです。全体像から見ると、これは医師単独の医療から多職種連携によるチーム医療の推進への大きなパラダイムシフトなんですよ。
改定がもたらす未来の歯科医療
なるほどなあ。今回の見直しって単なる医療報酬の数字遊びじゃなくて、あなた自身やあなたの家族が将来自宅で質の高い歯科医療を当たり前に受けられるかどうかっていう超現実的なライフラインの整備なんですね。
ええ、本当にその通りだと思います。
では最後に一つ考えてみてください。自宅に歯医者さんがチームで来て、お口のケアをしてくれるのが当たり前になった時、私たちがわざわざ歯科医院に行くという行為自体が、特別な治療とか美容目的などの非日常的な体験へと変わる日も相当多くないのかもしれないですね。
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