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令和8年度改定で新設「残薬確認」要件:地域包括診療料・在総管の対応ポイント
2026-05-09 05:35

令和8年度改定で新設「残薬確認」要件:地域包括診療料・在総管の対応ポイント

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患家における残薬の整理や適切な服薬管理の推進は、令和8年度診療報酬改定における重要な見直しテーマとなります。この見直しは、関連する診療報酬項目の算定要件と指定訪問看護の運営基準にまたがる横断的な対応として整理されます。本メルマガでは、改定によって新たに求められる対応内容を3つのポイントに分けて解説します。

今回の改定は、外来・在宅・訪問看護の3領域にまたがる見直しとなります。具体的には、第1に地域包括診療加算および地域包括診療料の算定要件として、残薬確認と適切な服薬管理が追加されます。第2に在宅時医学総合管理料および施設入居時等医学総合管理料についても、同様の要件が新設されます。第3に指定訪問看護の運営基準において、服薬状況(残薬を含む)の把握と薬局への情報提供が明確化されます。

地域包括診療加算・地域包括診療料の要件見直し

地域包括診療加算および地域包括診療料では、診療の際に患家における残薬を確認した上で適切な服薬管理を行うことが新たに算定要件となります。あわせて、処方薬を把握し管理する手段として電子処方箋システムの活用が含まれることも明確化されます。

残薬確認の具体的な実施方法は、患者またはその家族からの聴取を基本とします。聴取によって得られた残薬の状況に応じて、担当医は適切な服薬管理を行うとともに、必要に応じて処方内容の調整を実施します。処方内容の調整が他の保険医療機関に関わる場合は、当該医療機関へ処方の変更を依頼する対応も求められます。なお、これらの情報把握は、担当医の指示を受けた看護職員等が行うことも引き続き可能です。

電子処方箋システムは、患者の処方薬を全て把握・管理する手段として位置付けられます。現行の要件では「他の保険医療機関と連携及びオンライン資格確認を活用して、患者が受診している医療機関を全て把握する」と規定されていますが、改定後は「他の保険医療機関と連携並びにオンライン資格確認及び電子処方箋システム等を活用して」と変更されます。この明確化により、電子処方箋システムを通じた処方情報の把握・管理が、要件を満たす手段として明示的に位置付けられます。

在宅時医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料の要件新設

在宅時医学総合管理料および施設入居時等医学総合管理料についても、残薬確認と適切な服薬管理を行うことが算定要件として新たに規定されます。現行では関連する規定が存在しないため、今回の改定で新設される要件となります。

新設される算定要件の内容は、地域包括診療加算等と同様の構成となっています。具体的には、患家における残薬の状況を患者またはその家族から聴取した上で、その状況に応じて適切な服薬管理および処方内容の調整を行うことが求められます。情報の把握については、担当医の指示を受けた看護職員等が代行することも可能です。

要件の新設にあたっては、看護職員等への業務分担が認められている点が運用上のポイントとなります。在宅医療を提供する医療機関では、聴取結果の記録方法や処方調整の判断フローを事前に整備しておくことが望まれます。また、地域包括診療加算等と同様の要件構成であるため、両方の項目を算定する医療機関では、業務手順の標準化を進めることで効率的な対応が可能となります。

指定訪問看護における残薬対策の明確化

指定訪問看護の運営基準では、サービス提供時の利用状況等の把握項目に「服薬状況(残薬の状況を含む)」が明確に位置付けられます。さらに、把握した服薬状況については、主治医への情報提供に加えて、薬局への情報提供を行うことが望ましいと規定されます。

服薬状況の把握は、適切な訪問看護を提供するための基礎情報として整理されます。基準省令第9条に基づき、訪問看護事業者は利用者の心身の状況や病歴等とあわせて、服薬状況(残薬の状況を含む)の把握に努めることが求められます。把握した内容は訪問看護記録書に記入し、基準省令第30条の規定に基づき保存することが必要です。

主治医および薬局への情報提供は、多職種連携を通じた残薬対策の実効性を高める仕組みとなります。主治医に対しては、利用者の心身の状況や服薬状況(残薬の状況を含む)に係る必要な情報を提供することが求められます。薬局に対しては、必要に応じて利用者の同意を得た上で、調剤を行う保険薬局に服薬状況の情報を提供することが望ましいとされます。

まとめ:3領域の連携で残薬対策を実効化

令和8年度改定における残薬対策の見直しは、外来・在宅・訪問看護の3領域にまたがる横断的な対応として整理されます。地域包括診療加算および地域包括診療料では、残薬確認が新たに算定要件となるとともに、電子処方箋システム活用の取扱いが明確化されます。在宅時医学総合管理料および施設入居時等医学総合管理料では、残薬確認と適切な服薬管理が算定要件として新設されます。指定訪問看護では、服薬状況(残薬を含む)の把握と主治医・薬局への情報提供が明確化されます。これらの見直しを通じて、患家における残薬の整理と適切な服薬管理が一層推進されることが期待されます。



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サマリー

令和8年度診療報酬改定では、残薬確認が新たな要件として導入され、医療現場での薬の無駄を削減する取り組みが強化されます。医師は電子処方箋システムを活用して処方歴を把握し、訪問看護師が患者宅での実際の服薬状況を確認します。さらに、薬局への情報共有を通じて、薬剤師が患者に合わせた服薬方法を提案するなど、多職種連携による残薬対策が推進されます。

残薬問題と医療改革の背景
みなさん、ご自宅のテーブルとか棚の奥に、あの、つい飲み忘れてたまってしまった薬、いわゆる飲み残しってありませんか?
あ、結構ありますよね。実はですね、今回私たちが深掘りしていく資料によると、その家にたまりがちな残薬が、国を挙げた医療改革の最前線テーマになってるんです。
え、ただの飲み忘れがですか?なんか意外です。今回の私たちのミッションは、その令和8年度の診療報酬改定っていう新しいルールが、みなさんの生活にどうつながるのかを紐解くことですよね。
はい、まさにその通りです。単にあのお薬カレンダーを使いましょうねというレベルの話ではなくて、医療の仕組み全体が大きく動こうとしているんですよ。
医師による残薬確認と情報把握の課題
なるほど。資料を読むと、かかりつけのお医者さんが患者さんの家にある残薬をしっかり確認して、それをもとに処方を調整するのが、病院側の新しい必須ルールになったみたいですね。
そうなんです。これまでは少し曖昧だった部分が、明確な要件として設定されました。
これって、なんかスーパーで新しい食材を買う前に、家の冷蔵庫の残り物をチェックするのと同じ感覚ですよね。
あー、すごくわかりやすい例えですね。
ですよね。ケチャップがまだ3本もあるのに、また買っちゃうような無駄を防ぐわけですけど、でもお医者さんはどうやって患者さんの家のその薬の冷蔵庫の中身を正確に把握するんですか?投資できるわけじゃないですし。
電子処方箋システムによるデータ活用とその限界
そこが非常に興味深い点なんです。診察室にいながらどうやって把握するかというと、今回の改定で要件として明記されたのが、電子処方箋システムなどのデータ活用なんですよ。
あー、なるほど。データを使うんですね。
はい。患者さんの曖昧な記憶に頼るんじゃなくて、デジタルな処方記録を使って客観的に全体像を把握する仕組みが整えられたんです。
へー、家族で共有できるスマート冷蔵庫アプリみたいなものですね。スマホを見れば、今家にどの薬がどれくらいあるはずかわかるっていう。
ええ、まさにそんな感じです。ただですね、デジタル化で処方歴は見えやすくなるんですが、一つ問題がありまして。
問題ですか。
はい。データ上の処方歴がわかっても、それはあくまで薬局でこれだけの薬を受け取りましたという事実に過ぎないんです。
確かに。アプリ上で在庫なしになっていても、実際に私がただ飲むのをサボって、引き出しの奥に隠しているだけかもしれないですよね。
そうなんですよ。薬が減っていないリアルな理由までは、どうしてもデータだけじゃわからないんです。
訪問看護師による現場での残薬状況把握
ですよね。お医者さん一人が患者さん全員の自宅での生活習慣にまで目を光らせるなんて、いくらデータがあっても非現実的じゃないですか。
ええ。だからこそ、今回の改定のもう一つの大きな柱が重要になってくるんです。
何でしょうか。
それが在宅医療とか訪問看護のルール変更なんです。医師一人では不可能な部分をカバーするために、訪問看護師さんたちの存在が明確に位置づけられたんですよ。
なるほど。つまり、訪問看護師さんが現場のスカウトとして動くわけですね。
はい、そうです。実際に家に行って、直接その薬の冷蔵庫を開けてみるわけです。
ああ、それで、この薬は粒が大きくて飲みにくいたら残してるんだなぁみたいな、リアルな状況を直接拾い上げるんですね。
まさにそれです。そして、さらに重要なポイントがあるんですが。
薬局との連携と薬剤師の役割
はい。
看護師さんが把握したそのリアルな情報を主治医に報告するだけじゃなくてですね、患者さんの同意を得た上で、調剤を行う薬局にも直接情報を提供することが推奨されたんです。
え、ちょっと待ってください。主治医に報告するのはわかりますけど、なんでわざわざ薬局にも教える必要があるんですか?処方を決めるのはお医者さんですよね?
そこがチーム医療の面白いところでして、薬剤師さんは薬の専門家ですから、看護師さんから、あのこの患者さん手が震えて薬のシートが開けられないんです、みたいな情報をもらうとですね。
ああ、なるほど。
はい。複数の薬を一つの袋にまとめる一方化を提案したりとか、粉薬をシロップに変えたりと、飲みやすくするための具体的な工夫ができるんです。
すごい。ただルールとして報告するだけじゃなくて、薬局に伝えることで薬の形とか出し方を変えるっていう具体的な解決策につながるわけですね。
ええ、まさに完璧なチーム性なんです。外来、在宅、そして訪問看護と薬局が連携することで、初めてなぜ薬が余るのかという根本的な原因を解決できるんですよ。
多職種連携による残薬対策の推進
お医者さんが方針を決めて看護師さんが現場のリアルを拾って薬剤師さんが飲みやすい形にカスタマイズする。これって皆さん、そのご高齢のご家族にとってもすごく安心できる変化ですよね。
本当にそうだと思います。薬の重複や副作用のリスクも減りますし、何より無駄な薬代を払わなくて済むようになりますから。
診察室のデジタルな在庫管理から始まって、最後は現場のアナログなチーム医療の優しさに着地するっていうすごく鮮やかな仕組みでした。
データの統合と現場のプロフェッショナルたちによる連携、この両輪が回ることで日本の医療の無駄は劇的に減っていくはずです。
医療の未来とAIによる服薬管理
そうですね。では最後に少し皆さん想像してみてください。お医者さん看護師さん薬局がすべての残薬データをリアルタイムで共有し合う未来。
もしかすると次はAIがあなたの生活パターンを分析して、今日の体調や活動量だとそろそろお昼の薬を飲み忘れる確率が高いですよって、先回りしてスマートウォッチを鳴らす時代が来るのかもしれません。あなたはどう思いますか?
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