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2026-02-17 05:11

【令和8年度改定】ICT活用で看護配置基準を1割以内で柔軟化|3つの必須機器と施設基準を解説

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令和8年度診療報酬改定では、看護業務の効率化と負担軽減を推進するため、ICT機器等の活用による看護配置基準の柔軟化が新設されました。この制度は、見守り・記録・情報共有の3領域すべてにICT機器を組織的に導入した病棟を対象としています。本記事では、この新制度の仕組みと施設基準の要件を解説します。

この制度の要点は3つあります。第一に、3領域すべてのICT機器を導入した病棟では、看護職員の配置数や看護師比率が基準の9割以上であれば、入院基本料等の所定点数を算定できます。第二に、対象となる入院料は急性期一般入院料1~6をはじめ20種類に及びます。第三に、超過勤務が月平均10時間以下であることや、導入前後の業務量評価を年1回実施することなど、複数の施設基準を満たす必要があります。

制度の概要|ICT活用で看護配置基準を1割以内で柔軟化

今回新設された制度は、ICT機器等の活用により看護業務を効率化した病棟に対して、看護職員の配置基準を1割以内で柔軟化するものです。

この柔軟化の対象となるのは、1日に看護を行う看護職員・看護補助者の数、看護要員の数と入院患者の比率、そして看護師比率の3つの基準です。これらの基準が、本来の基準値の9割以上であれば、入院基本料等の所定点数をそのまま算定できます。従来は配置基準を満たさなければ減額や算定不可となっていましたが、ICT機器を組織的に活用して業務を効率化した病棟については、この柔軟化が認められます。

ただし、柔軟化されるのは看護配置の数と比率に関する基準のみです。これら以外の入院基本料等の施設基準については、すべて満たしていることが必要です。この点は告示で明確に定められているため、看護配置以外の要件が免除されるわけではありません。

この制度の背景には、看護現場の深刻な人手不足があります。実態調査によると、ICTを活用した業務の見直し・省力化に取り組む医療機関は約7割に上ります。しかし、見守り・記録・情報共有の3領域すべてにICT機器を導入している施設はまだ限られています。今回の改定は、3領域のICT機器を包括的に導入することで、看護業務の質を維持しながら配置基準の柔軟化を可能にする仕組みです。

導入が必要な3領域のICT機器

施設基準を満たすには、「見守り」「記録」「情報共有」の3領域すべてにICT機器を導入し、病棟の看護職員等が広く使用している必要があります。いずれか1つでも欠けている場合は、この制度を利用できません。

見守りにおける業務効率化に資するICT機器

1つ目の「見守り」の領域では、病室のカメラやベッドのセンサー等を活用し、看護職員が遠隔で複数の患者の状態を把握できる機器が求められます。この機器により、患者の行動・体動・日常生活の状況を総合的かつ効率的に確認できることが条件です。具体的な効果としては、訪室回数の減少による業務効率化のほか、転倒転落の予防、異常の早期発見、身体的拘束の最小化、医療安全その他患者の生命・身体の保護が期待されます。なお、この機器を病室に設置する際には、患者のプライバシーに配慮し、患者またはその家族等に説明のうえ同意を得る必要があります。患者の状態や家族の意向に応じて、一部の患者に機器を使用しないことや、一時的に使用を停止することは差し支えありません。

記録の作成等の効率化に資するICT機器

2つ目の「記録」の領域では、音声入力による看護記録の作成や、電子カルテ情報からの自動サマリー生成など、看護記録の作成等の効率化に大きく資する機器が求められます。この機器を使用することで、業務時間外の記録作成にかかる時間が減少する等の効果があることが条件です。ただし、データの入力から記録・保存・活用までを一体的に支援するものに限られます。複数の機器を連携させて一体的に運用する場合も認められます。

情報共有の効率化に資するICT機器

3つ目の「情報共有」の領域では、業務中に手に持たずに複数人と同時に通話できる機器や、病棟の看護職員と病院の医師が携帯しリアルタイムに情報を共有できる端末など、直接対面せずに多人数で効率的に情報を共有できる機器が求められます。この機器により、報告・連絡に要する時間や、報告・連絡に伴う移動・待機の時間が減少する等の効果があることが条件です。

その他の施設基準|超過勤務・業務評価・調査参加など

3領域のICT機器の導入に加えて、以下の施設基準も満たす必要があります。

セキュリティ基準への準拠

ICT機器が電子カルテ等の医療情報システムと連動する場合は、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」と、総務省・経済産業省の「医療情報を取り扱う情報システム・サービスの提供事業者における安全管理ガイドライン」に準拠する必要があります。

超過勤務の管理

ICT機器を導入した病棟の看護要員(常勤職員に限る)の超過勤務時間は、1人1月あたり平均10時間以下であることが求められます。この超過勤務時間は、原則としてタイムカードやパソコンのログイン・ログアウト時間によって把握します。さらに、非常勤職員を含めて、導入前と比較して超過勤務が増加する傾向にないことも条件です。

導入前後の業務量評価

ICT機器の導入前後における看護要員の業務内容・業務量・業務時間、事務作業時間および業務負担等について、年1回程度の定量的または定性的な評価を実施する必要があります。その評価結果は院内の職員に周知するとともに、衛生委員会等で確認し、必要に応じて対策を講じます。

中医協の調査への参加

中央社会保険医療協議会の要請に基づく、ICT機器の活用状況や看護業務の改善に係る随時調査に適切に参加することも求められます。答申書の附帯意見においても、ICT等の活用による配置基準の柔軟化については、業務負担、医療の質、医療安全への影響、生産性向上等の観点から、病棟の種別ごとに影響を幅広く調査・検証するとされています。

届出

毎年8月に、ICT機器の導入状況と超過勤務の状況について届出を行う必要があります。初回の届出は所定の様式により行います。

対象となる入院料|20種類の入院料が対象

この柔軟化の対象となる入院料は、以下の20種類です。急性期一般入院料1~6、急性期病院A一般入院料、急性期病院B一般入院料、7対1入院基本料、10対1入院基本料、地域包括医療病棟入院料1・2、小児入院医療管理料1~4、特殊疾患病棟入院料1・2、緩和ケア病棟入院料1・2が該当します。急性期から専門病棟まで幅広い入院料が対象となっている点が特徴です。

まとめ

令和8年度診療報酬改定では、ICT機器を活用した看護業務の効率化を推進するため、看護配置基準の柔軟化が新設されました。この制度を利用するには、見守り・記録・情報共有の3領域すべてにICT機器を導入し、超過勤務月平均10時間以下や年1回の業務量評価などの施設基準を満たす必要があります。なお、柔軟化されるのは看護配置の数と比率のみであり、それ以外の施設基準はすべて満たすことが求められます。対象は急性期一般入院料をはじめ20種類の入院料です。今後は中医協の調査・検証を通じて、この制度の影響が評価されることになります。ICT機器の導入を検討している医療機関は、3領域すべての機器を計画的に整備し、施設基準の要件を確認したうえで届出の準備を進めることが重要です。



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サマリー

令和8年度診療報酬改定では、深刻な看護師不足に対応するため、ICT活用による看護配置基準の柔軟化が導入されます。この制度は、見守り、記録、情報共有の3領域全てにICT機器を導入し、月平均残業10時間以下などの厳しい施設基準を満たした病棟が対象です。これにより、看護の質を維持しつつ業務効率化を図り、人手不足の課題解決を目指す国の強いメッセージが込められています。

制度導入の背景と概要
さて、今回、皆さんと一緒に深く読み解いていき資料なんですけども、 これがですね、日本の医療の未来を左右するかもしれない、かなり大きな一手についてなんです。
令和8年度、2026年度の診療報酬改定ですね。 早速、確信に触れたいんですが、深刻な看護師不足を背景にですね、特定のICT機器、
テクノロジーを導入した病棟、ここで看護職員の配置基準が1割以内で柔軟化されると。
これつまり、本来10人必要なところに、9人でも病院の収入が減らない、そういう仕組みですよね。
今回は、この制度が一体どういうもので、現場に何が求められるのか、それを解き明かしていきましょう。
ここで重要なのは、なぜ今この制度が導入されるかっていうその背景なんですよね。
資料によると、もう約7割の医療機関が業務効率化に取り組んではいるんです。
もう7割も?
ただ、これから解説する3つの領域、この全てでICTを導入している施設っていうのは、まだ限られているのが現状です。
ですから、この制度はテクノロジーの力で業務の質を維持しつつ、人手不足という現実に対応するための国からの大きなメッセージだと。
なるほど。ではその鍵となる3領域のICT機器、これは一体何なんでしょうか?
必須となる3つのICT領域
はい。まず1つ目が見守りですね。
見守り。
病室のカメラとか、あとはベッドセンサーで、複数の患者さんの状態を遠隔で把握するシステムです。
これで放出回数を減らして、転倒予防とか異常の早期発見につなげると。
ああ、なるほど。でもそのカメラでの見守りっていうとどうしてもこう…
ああ、プライバシーの問題ですね。
そうなんです。そこが一番気になるところで、その点はどうなってるんでしょうか?
はい、非常に重要なご指摘です。資料にもはっきり書かれていますが、これは患者さん一人一人から明確な同意を得ることがもう大前提になります。
なるほど。同意が必須なんですね。
続いて2つ目が記録。
記録ですか?
はい。音声入力とか電子カルテからの自動要約で、看護記録の作成時間を短縮する機器です。
時間外労働の大きな原因になってますからね、記録業務は。
確かに。そして3つ目は?
3つ目が情報共有です。ハンズフリーで他人数と同時通話できる端末。
まあ、インカムみたいなものですね。これでスタッフ間の報告、連絡、相談にかかる移動とか待ち時間を削減するわけです。
なるほど。見守り、記録、情報共有。この3点セットがまず前提条件だと。でも資料を読み進めると本当に驚くべきはここからなんですよね。
厳しい施設基準と国の意図
その通りです。ただ、機器を導入すれば良いというわけでは全くなくて、この制度を利用するための施設基準、これが最大の関門です。
特に衝撃的なのがですね、対象病棟の常勤看護スタッフの超過勤務が月平均で10時間以下であること。
えっと、月10時間ですか。正直日本の多くの病院にとってはこれほとんど夢物語みたいな数字に聞こえますけど。
そこなんですよ。そこがこの制度の確信なんです。つまりこれは経営が苦しくて人手が足りない病院を救うための策というわけではない。
ああ、そういうことか。
すでに業務改善が進んでいて働き方改革を達成しているごく一部の病院だけが次のステージに進めるという政府からの強いメッセージなんですよ。
なるほど。
さらにですね、ICT導入の前後で業務量がどうかまったか、年に1回評価を行って職員に周知して対策を講じる義務まであります。
テクノロジーがかえって新たな負担になっていないか、常に監視し続けろと。これは単なる人員策弁の口実にはさせないぞという強い意思表示ですね。
まさしく。
制度のまとめと今後の展望
ということはまとめますと、令和8年度から9世紀から緩和ケアまで20種類の病棟を対象にICT活用を条件として看護師の配置基準が緩和されると。
記録情報共有のサンタセット導入等、残業時間管理や業務評価といったかなり厳しい基準をクリアした場合に限られるということですね。
そのとおりです。この制度は今後、国の調査、中強強ですね、ここによって医療の質や安全性、生産性への影響がものすごく厳しく検証されていくことになります。
いやー、これは医療現場の構造を大きく変える一手になりそうですね。
そこで最後に皆さんに考えていただきたい問いがあります。
このテクノロジーによる効率化は本当に看護の質を維持しながら現場の負担を本質的に軽減できる救世主となり得るのでしょうか。
それとも単に数字上の人員基準をクリアするための新たなプレッシャーを生むだけの絵に描いた餅に終わってしまう可能性はないでしょうか。
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