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2026-02-18 04:35

【令和8年度改定】生成AI活用で医師事務作業補助者1人が1.3人分に?配置基準の柔軟化を解説

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令和8年度診療報酬改定では、医師の働き方改革とICT活用の推進を背景に、医師事務作業補助体制加算の施設基準が見直されます。生成AIやRPAなどのICT機器を組織的に導入した医療機関では、医師事務作業補助者の人員配置基準が柔軟化されます。あわせて、医師事務作業補助者が実施できる業務範囲も明確化されます。

今回の見直しのポイントは3つです。第1に、生成AIを含むICT機器の活用により、医師事務作業補助者1人を最大1.3人として配置人数に算入できるようになります。第2に、文書作成補助や代行入力など、医師事務作業補助者の業務範囲が具体的に明示されます。第3に、ICT活用による配置基準の柔軟化を届け出る場合は、導入前後の効果を年1回評価する義務が課されます。

ICT活用による配置人数の算入方法

今回の改定の最大の変更点は、ICT機器を活用する医療機関において、医師事務作業補助者の配置人数を割り増しで算入できる仕組みが新設されることです。この仕組みでは、活用するICT機器の種類と範囲に応じて、1人あたり1.2人または1.3人として算入できます。

1.2人換算が認められるには、以下のアからエまでの4つの要件をすべて満たす必要があります。アの要件は、生成AIを活用した文書作成補助システム(①)を含むICT機器を組織的に導入し、大半の医師と医師事務作業補助者が日常的に活用することで、業務の効率化が顕著に図られていることです。この生成AIシステムは、退院時要約・診断書・紹介状等の原案作成を自動的に行い、業務を大幅に効率化するものでなければなりません。イの要件は、電子カルテ等と連動するICT機器について、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等に準拠していることです。ウの要件は、生成AI等を用いる製品・サービスについて、「AI事業者ガイドライン」が遵守されていることです。エの要件は、すべての医師事務作業補助者にICT機器の操作方法と生成AIの適切な利用に関する研修を実施し、常時ICT機器を用いて業務を遂行できる体制を整備していることです。

1.3人換算は、上記の生成AIシステムに加えて、さらに別のICT機器を広く活用している場合に認められます。追加で活用するICT機器には、医療文書用の音声入力システム(汎用音声入力機能を除く)、RPAによる定型入力作業の自動化、10種類以上の患者向け説明動画の3種類があります。これら3種類のうち、少なくとも1種類以上を広く活用していれば、1.3人換算が可能です。

届出と運用に関する要件

ICT活用による配置基準の柔軟化を届け出るには、前述のアからエの要件に加え、実績要件と効果評価の義務を満たす必要があります。

実績要件として、新たに届け出る場合は、直近3か月以上にわたり、ICT活用なしの配置基準で当該配置区分またはそれを上回る配置区分を算定し続けていることが求められます。つまり、まず従来の基準で実績を積んだうえで、ICT活用による柔軟化を届け出る流れになります。

効果評価の義務として、年1回程度の定量的または定性的な評価の実施が求められます。具体的には、ICT機器の導入前後における医師事務作業補助者の業務内容・業務量・業務時間、および医師の事務作業時間・負担感等を評価します。この評価結果は、衛生委員会等で確認し、必要に応じて対策を講じなければなりません。

業務範囲の明確化

今回の改定では、医師事務作業補助者が実施できる業務の範囲がより具体的に明示されました。この明確化は、現場での業務運用を円滑にすることを目的としています。

文書作成補助の範囲は、従来の「診断書等の文書作成補助」から具体的な文書名が列挙されました。改定後は、診断書・診療情報提供書・返信・診療サマリー・診療計画書等の文書作成補助と明記されています。

代行入力の範囲も、従来の「診療記録への代行入力」から詳細に記載されました。改定後は、診療記録・検査オーダー・食事オーダー・クリニカルパス・地域連携パスへの代行入力と具体的に示されています。

そのほかの業務でも記載が充実しています。患者・家族への説明文書の準備・作成が新たに明記されたほか、診療録・画像検査結果等の整理、院内がん登録等の統計・調査・入力作業といった業務も具体的に示されました。

常勤要件の変更

配置基準の柔軟化とあわせて、医師事務作業補助者の常勤要件にも小幅な変更があります。従来は常勤職員の定義が「週32時間以上」でしたが、改定後は「週31時間以上」に緩和されました。

この変更に関連して、常勤換算の計算方法も改定案で明記されています。常勤換算の際は、「当該保険医療機関における常勤職員の所定労働時間(32時間未満の場合は32時間)」の勤務をもって常勤1名として換算します。週31時間への緩和は常勤職員の定義に関するものであり、常勤換算の基準時間とは区別して理解する必要があります。

まとめ

令和8年度改定では、医師事務作業補助体制加算に3つの重要な変更が加わります。第1に、生成AIを含むICT機器の組織的活用により、医師事務作業補助者1人を最大1.3人として配置人数に算入できるようになります。第2に、文書作成補助や代行入力の業務範囲が具体的に明確化されます。第3に、ICT活用による柔軟化を届け出る場合は、年1回の効果評価が義務づけられます。生成AIの導入が必須要件となっている点は、今後の医療機関のICT投資計画に大きく影響するため、早めの検討をおすすめします。



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サマリー

令和8年度の診療報酬改定では、生成AIを含むICT活用により、医師事務作業補助者1人が最大1.3人分として配置人数に算入される制度が導入されます。この制度は、単なる効率化だけでなく、医療現場のDX推進を目的としており、ICT導入の段階に応じた要件や、導入後の効果評価が義務付けられています。また、医師事務作業補助者の業務範囲も具体的に明確化され、医療機関の設備投資や働き方に大きな影響を与えることが予想されます。

生成AI活用で医師事務作業補助者が1.3人分に?
さて、今回共有いただいたこの資料、パッと見は、令和8年度の診療報酬改定っていう、まぁ少し硬い行政文書ですよね。
ええ、そうですね。文字も多いですし。
ですけど、これをじっくり読んでいくと、国が生成AIをどう使って日本の医療現場を変えようとしているのか、その大きな尖閣が見えてくる気がするんです。
まさに、これはただの改定ではないんですよね。
その中でも特に驚いたのが、石事務作業補助者の方が1人で最大1.3人分になるっていう数字。
はい。
1人なのに1.3人ってこれ一体どういうことなんでしょうか。今日はこの謎から掘り下げていきたいなと。
ええ、ぜひ。この数字の裏側かなり面白いですよ。
1.2人分・1.3人分算入の条件
やっぱりAIで業務が効率化されるからということなんですかね。
はい、それが基本の考え方です。ただ段階がありまして、まず1.2人分とカウントされるための条件から見ていきましょうか。
お願いします。
これはですね、退院時のサマリーですとか、紹介状の原案、これを自動で作成する生成AIを病院全体で組織的に導入していることがまず絶対条件になります。
ああ、なるほど。とりあえず入れました?じゃあダメで。
ダメなんです。医師もそれから補助者の方も日常的にそれを使いこなしているというレベルが求められます。
はあ、じゃあ1.3人になるにはさらに何かあるわけですね。
その通りです。1.2人分の条件を満たした上でさらに追加のICT投資、これが必要になります。
追加の投資ですか。例えばどんなものでしょう。
例えば医療文書を作るための音声入力システム。
ああ、よくありますね。
それから定型作業を自動化するRPAとか、あるいは患者さん向けの説明動画を10種類以上用意するとか。
なるほど。つまり国としては単にAI導入病院を増やしたいんじゃなくて。
そうです。AI活用先進病院になってほしいと。
そこまでやって初めてトップランナーとして1.3人分と認めますよっていうメッセージですね。
実績要件と効果評価の義務
いやこれはなかなかハードルが高いですね。このルールを利用するための手続きっていうのはどうなってるんですか。
ここがですね、また非常に興味深いポイントでして、実績要件というものがあるんですよ。
実績要件。
この新しい基準で届け出るには、まずその前に直近3ヶ月以上AIとかを使わない従来の基準を自力で満たしている必要があるんです。
それは少し厳しくないですか。
そうなんです。
テクノロジーの助けを借りたいのに、まず自力でクリアしろと。人手不足の現場からすると結構なハードルに聞こえますが。
おっしゃる通りです。でもここに国の強い思想が現れてるんですね。楽をする前にまず基本の体制を完璧にしなさいと。
ああなるほど。単なる補助金とは考え方が違うわけだ。
全く違いますね。さらに効果評価の義務というのもあって。
評価の義務。
はい。年に1回ICTを入れて、本当に医師の負担が減ったのかを評価して報告しなければいけないんです。
なるほど。実効性が問われると。その効果を評価するっていうことは、そもそもその補助者の方が何をやっていいのかっていう業務範囲がはっきりしてないと評価のしようがないですよね。
業務範囲の明確化とDX推進
素晴らしい着眼点です。まさにその通りで、今回の改定、そこもしっかり手当てしてきています。
おっ、というと。
医師事務作業を補助者の方が担当できる業務範囲も、これまで以上に具体的にリストアップされたんです。診断書や診療サマリーの作成補助とか、あとは診療記録とか検査オーダーの代行入力まで。
これで現場が、これって頼んでいいのかなって迷わずに済む。評価もしやすくなるわけですね。
いや、今日の話をまとめると、これはもう単なるルール変更じゃないですね。
ええ。
まさしく、生成AIっていう具体的な名前まで出して、医療現場のDX、デジタル変革に本気でアクセルを踏み込んできたっていう、これはもう宣言ですね。
まさに宣言だと思います。特に生成AIが必須要件っていうのは、今後の医療機関の設備投資の方向性をもう決めてしまうくらいの強いシグナルになりますよ。
そうですよね。この制度って、AIで人の作業を効率化して、その価値を人人配置に数字として反映させるっていう考え方じゃないですか。
はい、その通りです。
じゃあもしですよ、これからAIの性能がもっともっと上がって、一人が二人分とか、あるいは三人分と見なされるようになったら、その時、医療現場における人にしかできない仕事、その価値とか役割って一体どういうふうに変わっていくんでしょうかね。
そうですね。
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