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2026-02-20 04:25

【令和8年度改定】ICT・AI・IoT活用で変わる4つの業務効率化|看護配置から事務簡素化まで

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令和8年度診療報酬改定では、医療従事者の人材確保と働き方改革を推進するため、ICT・AI・IoT等の利活用による業務効率化が大きく進みます。この改定は、看護現場の人手不足や医師の事務負担、煩雑な届出業務など、医療機関が長年抱えてきた課題に対応するものです。本記事では、個別改定項目「Ⅰ-2-2 業務の効率化に資するICT、AI、IoT等の利活用の推進」に含まれる4つの改定項目の全体像を解説します。

今回の改定では、4つの分野で業務効率化が図られます。第1に、ICT機器の活用により看護配置基準が1割以内で柔軟化されます。第2に、生成AIの導入により医師事務作業補助者の配置人数が最大1.3人換算で算入可能となります。第3に、各種様式の統一や届出のオンライン化など事務の簡素化・効率化が進みます。第4に、様式9の勤務時間算入要件が追加され、小数点処理も統一されます。

① ICT等の活用による看護業務効率化の推進

ICT機器を組織的に活用した病棟では、看護職員の配置基準が1割以内で柔軟化されます。見守り・記録・情報共有の3領域すべてにICT機器を導入した病棟が対象であり、看護職員の配置数や看護師比率が基準の9割以上であれば、入院基本料等の所定点数を算定できます。

3領域のICT機器とは、具体的には以下の3つです。「見守り」の領域では、病室のカメラやベッドのセンサー等を活用して遠隔で複数の患者の状態を把握できる機器が求められます。「記録」の領域では、音声入力による看護記録の作成や電子カルテからの自動サマリー生成など、記録作成を効率化する機器が求められます。「情報共有」の領域では、ハンズフリーで複数人と同時通話できる機器やリアルタイムに情報共有できる端末が求められます。

ICT機器の導入に加えて、超過勤務が月平均10時間以下であることや、導入前後の業務量評価を年1回実施することなど、複数の施設基準を満たす必要があります。対象となる入院料は、急性期一般入院料1〜6をはじめ20種類に及びます。

▶ 詳しくはこちら:【令和8年度改定】ICT活用で看護配置基準を1割以内で柔軟化|3つの必須機器と施設基準を解説

② 医師事務作業補助体制加算の見直し

生成AIを含むICT機器を組織的に導入した医療機関では、医師事務作業補助者1人を最大1.3人として配置人数に算入できるようになります。あわせて、医師事務作業補助者の業務範囲も具体的に明確化されます。

配置人数の割増算入は、活用するICT機器の種類と範囲に応じて2段階に分かれます。1.2人換算は、生成AIを活用した文書作成補助システムの導入を含む4つの要件をすべて満たした場合に認められます。1.3人換算は、生成AIシステムに加えて、医療文書用の音声入力システム(汎用音声入力機能を除く)・RPAによる定型作業の自動化・10種類以上の患者向け説明動画のうち1種類以上を広く活用している場合に認められます。

ICT活用による柔軟化を届け出る場合は、直近3か月以上の実績要件を満たしたうえで、年1回の効果評価が義務づけられます。また、業務範囲の明確化として、文書作成補助の対象文書名や代行入力の対象項目が具体的に列挙されました。

▶ 詳しくはこちら:【令和8年度改定】生成AI活用で医師事務作業補助者1人が1.3人分に?配置基準の柔軟化を解説

③ 医療機関等における事務等の簡素化・効率化

医療DXへの対応と事務負担の軽減を目的として、5つの分野で簡素化が進みます。各種様式の共通項目の記載統一、入院診療計画書等の様式簡素化と署名・押印の廃止、施設基準届出の様式削減とオンライン化の推進、定例報告の対象限定と添付書類の省略、歯科診療報酬における事前承認対象の縮小です。

各種様式の統一では、診療報酬改定DX対応方針の一環として作成された76様式のデータテーブルを活用し、共通項目の標準化が進められます。入院診療計画書については、入院前の外来での説明を入院後7日以内と同様に取り扱えるようになるほか、短期入院の場合に計画策定・文書交付を省略できるようになります。署名・押印も代替方法で担保できるものは廃止されます。

施設基準届出のオンライン化は令和10年度の全届出オンライン化に向けて進められており、届出様式の削減と記載項目の最小化が図られます。定例報告も他に代替方法がないものや次期改定に必要なものに絞り込まれます。

▶ 詳しくはこちら:【令和8年度改定】医療機関の事務負担が変わる5つの簡素化ポイント

④ 様式9の見直し

入院基本料等の届出に使用する様式9について、勤務時間の算入要件が2つ追加され、小数点以下の処理方法も統一されます。いずれも、入院患者の看護に影響のない範囲で病棟勤務時間に算入できる内容を見直すものです。

1つ目の追加は、院内の緊急対応に係る勤務時間の算入です。保険医療機関内で生じた不測の事象に対応するため、病棟の看護要員が自病棟の入院患者以外の患者に日常の診療の延長として短時間対応した場合、病棟勤務時間に算入できるようになります。2つ目の追加は、病棟外での付き添い看護に係る勤務時間の算入です。入院患者に付き添って病棟外で一時的に看護を行った場合も、勤務時間に算入できるようになります。

小数点以下の処理方法については、従来は項目によって「切り上げ」「第2位以下切り捨て」「第3位以下切り捨て」と不統一でした。今回の改定では、可能な限り処理方法が統一されるとともに、注意事項の記載が整理されます。

▶ 詳しくはこちら:【令和8年度改定】様式9の見直し|勤務時間の算入要件が2つ追加、小数点処理も統一へ

まとめ

令和8年度診療報酬改定における「業務の効率化に資するICT、AI、IoT等の利活用の推進」では、4つの分野で改定が行われます。第1に、3領域のICT機器の導入により看護配置基準が1割以内で柔軟化されます。第2に、生成AIの活用により医師事務作業補助者の配置人数が最大1.3人換算となります。第3に、様式統一・署名廃止・オンライン届出など5つの分野で事務の簡素化が進みます。第4に、様式9の勤務時間算入要件の追加と小数点処理の統一が行われます。いずれもICT・AI・IoT等の活用を前提とした業務効率化であり、医療機関は自院の状況に応じて計画的な導入と施設基準の確認を進めることが重要です。



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サマリー

令和8年度診療報酬改定では、AIやICTの活用により医療現場の業務効率化が大きく進みます。看護配置基準の柔軟化や医師事務作業補助者の配置人数が最大1.3人換算となるほか、事務手続きの簡素化や様式9の見直しも行われます。これにより、医療従事者が本来の専門業務に集中し、患者ケアの質を高めることが期待されています。

導入と全体像:AI・ICTが医療現場を変える
今回は、令和8年度診療報酬改定の資料をもとに、AIとか最新のテクノロジーが、医療現場の過酷な業務をどう変えていくのか、徹底解説していきます。
よろしくお願いします。
この解説のミッションは、AIやICTが現場をどう救うのか、その驚きの仕組みをあなたと一緒に読み解くことです。さあ、このテーマを紐解いていきましょう。
はい。医療現場の人手不足とか過剰労働ってもう長年の課題じゃないですか。
ええ。ずっと言われてますよね。
それに対して、今回の改定でついにテクノロジーによる解決が明確にルール化された。これは非常に大きな転換点になりますよ。
ICT活用による看護配置基準の柔軟化
そうなんですよね。まず注目したいのが、看護配置の柔軟化です。
はい。ICTの3領域ですね。
病棟に見守り用のセンサーとか、音声入力やAIサマリーなどの記録ツール、それから情報共有のためのハンズフリーツアーですよね。
そうですね。
これらを全部導入すると、看護職員の配置基準が最大1割柔軟に計算できるようになります。
ここで非常に興味深いのは、これが単なる設備の導入で終わらない仕組みになっているところなんです。
と言いますと。
機械を変えばいいってわけじゃなくて、導入の前後に業務量をしっかり評価したり、残業が月平均10時間以下っていう厳しい基準も満たす必要があるんですよ。
ああ、なるほど。
本当の意味での働き方改革を目指しているってことですね。
実際に負担が減ったことを証明しないといけないわけですね。そしてここからが本当に面白いところなんですけど。
生成AIで医師事務作業補助者の配置基準見直し
はい。
今回、医師の事務作業の面でもっと大胆な数字が出てるんですよね。
ええ。事務スタッフの配置ルールの部分ですね。
そうなんです。RPAのような自動化ツールとか、生成AI、あと患者さん向けの説明動画を使うことでですね。
ええ。
なんと事務スタッフ1名が最大1.3人分として計算されるようになるんです。
これはすごいことですよ。
生成AIで文書作成を補助するだけでも1.2人換算ですからね。
これをより大きな視点と結びつけると、国がAIを人間の代わりとして人を減らすものではなく、労働力の価値を拡張するツールとして公式に評価したということなんです。
人間の拡張ですか?
はい。歴史上初めて国が人間とAIの共同に対して具体的な値段をつけた瞬間だと言えますね。
医療機関における事務手続きの簡素化・効率化
それってすごい変化ですよね。一方で、なんというか、もっと泥臭いアナログ業務からの脱却も進んでますよね。
事務手続きの簡素化ですね。
76万ある書類の共通項目が統一されたり、署名とか応印も廃止されて、令和10年度に向けてオンラインの届けでも推進されると。
様式9の見直し:勤務時間算入要件と小数点処理の統一
さらに、様式級の見直しもありましたよね。
あれは現場としては非常に大きいです。これまで少数点以下の処理は切り上げとか切り捨てでバラバラだった不統一性がようやく解消されたんですよ。
毎年末、パズルみたいな計算させられていたあの隠れた事務負担にメスが入ったんですね。
そうなんです。緊急対応とか付き添いの時間もちゃんと勤務時間として認められるようになりましたし、現場のリアルな悩みに寄り添った改定ですね。
AIが拓く医療の未来と患者ケアへの影響
なるほど。つまりですね、これがお聞きのあなたにどういう意味を持つのかということなんですが。
はい。
これって決して病院の裏側だけの話じゃないんですよね。
ええ、おっしゃる通りです。
あなたが将来病院を受診する時に、医療スタッフが事務作業に追われることなく、より患者のケアに集中できるようになる。質の高い医療を受けるための土台なんですよね。
まさにその通りです。ICTやAIの活用は人を減らすためではなくて、医療従事者が本来の専門業務に専念するためのものなんですよね。
テクノロジーで本来の医療の姿を取り戻すということですね。
そうですね。ただ、ここから重要な疑問が浮かび上がってきます。
ほう、何でしょう。
事務や看護の配置基準がAIによってこれだけ柔軟に変わるのなら、次は医師の診断や志向そのものがAIのサポート度合いによって評価され、点数化される時代がすぐそこまで来ているのではないでしょうか。
医師の志向そのものが、ですか。
はい。
あなたはAIが深く入り込んだ医療に自分の命を預ける未来をどう思いますか。
はい。
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