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2026-02-14 05:31

【令和8年度改定】物価対応料の新設と初再診料・入院料の引上げを徹底解説

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令和8年度診療報酬改定では、持続的な物価高騰により増加した医療機関等の物件費負担に対応するため、基本診療料の引上げと新たな加算の新設が行われました。この対応は、医科・歯科・調剤・訪問看護の全領域に及びます。

今回の物件費高騰への対応は、大きく3つの柱で構成されています。第1に、令和6年度改定以降の経営環境の悪化に対する緊急対応として、初再診料等と入院基本料等の点数が引き上げられました。第2に、令和8年度以降の物価上昇に段階的に対応するため、「物価対応料」という新たな加算が新設されました。第3に、高度機能医療を担う特定機能病院や急性期病院には、物価高の影響を受けやすいことを踏まえた特例的な評価が設けられました。以下、それぞれの内容を詳しく解説します。

改定の背景——改定率+0.76%の物価対応分と+0.44%の緊急対応分

今回の物件費高騰への対応を理解するには、まず改定率の構造を押さえる必要があります。令和8年度診療報酬改定の改定率+3.09%(令和8年度・9年度の2年度平均)には、賃上げ分(+1.70%)、食費・光熱水費分(+0.09%)など複数の対応が含まれますが、このうち物価対応に関する財源は2つに分かれています。

1つ目の財源は、物価対応分+0.76%です。この+0.76%のうち+0.62%が令和8年度以降の物価上昇への対応に充てられ、残りの+0.14%が高度機能医療を担う病院への特例的な対応に使われます。この+0.62%の配分は、施設類型ごとの費用関係データに基づき、病院+0.49%、医科診療所+0.10%、歯科診療所+0.02%、保険薬局+0.01%と定められました。

2つ目の財源は、令和6年度改定以降の経営環境の悪化を踏まえた緊急対応分+0.44%です。この緊急対応分の配分は、令和7年度補正予算の効果を減じないよう施設類型ごとのメリハリが維持され、病院+0.40%、医科診療所+0.02%、歯科診療所+0.01%、保険薬局+0.01%となっています。

これら2つの財源の使い分けが、改定内容の理解を難しくしているポイントです。外来では、緊急対応分は初再診料等の引上げで対応し、物価上昇分は新設の「物価対応料」で対応します。入院では、緊急対応分は入院基本料等の引上げに含め、物価上昇分は同じく「物価対応料」の入院区分で対応するという構造になっています。

初再診料等の引上げ——経営環境の悪化への緊急対応

経営環境の悪化への緊急対応として、医科・歯科ともに初再診料等の点数が引き上げられました。

医科の初再診料については、再診料が75点から76点に1点引き上げられました。初診料は291点で据え置きです。初診料が包括されるその他の点数、訪問診療料、各種入院料等についても同様の引上げが行われています。なお、再診料の2科目の場合は38点から39点に、妥結率が低い場合の再診料は55点から56点に、それぞれ1点引き上げられています。

歯科の初再診料については、歯科初診料が267点から272点に5点、歯科再診料が58点から59点に1点、それぞれ引き上げられました。地域歯科診療支援病院歯科初診料は291点から296点に5点、同再診料は75点から76点に1点引き上げられています。届出未実施の場合の点数も同様に引き上げられています。なお、歯科再診料の情報通信機器を用いた場合は51点で変更ありません。

入院基本料等の引上げ——医療機能に応じた増点

入院基本料等についても、経営環境の悪化への緊急対応と物価上昇を踏まえた増点が行われました。入院料の引上げ幅は、医療機能に応じて異なります。

一般病棟入院基本料の急性期一般入院料では、入院料1が1,688点から1,874点へ186点の増点となりました。入院料2は1,644点から1,779点へ135点、入院料3は1,569点から1,704点へ135点、入院料4は1,462点から1,597点へ135点、入院料5は1,451点から1,575点へ124点、入院料6は1,404点から1,523点へ119点の増点です。急性期一般入院料1の増点幅が最も大きい点が特徴です。

地域一般入院基本料では、入院料1が1,176点から1,290点へ114点、入院料2が1,170点から1,282点へ112点、入院料3が1,003点から1,097点へ94点の増点となりました。特別入院基本料は612点から704点へ92点の増点です。

高度機能病院への特例的対応——急性期病院入院基本料の新設と特定機能病院の再編

高度機能医療を担う病院への特例的な対応として、2つの大きな見直しが行われました。

1つ目は、急性期病院一般入院基本料の新設です。これは、急性期病院として高度な機能を担う病院を対象とした新たな入院基本料です。急性期病院A一般入院料は1,930点、急性期病院B一般入院料は1,643点と設定されました。急性期病院精神病棟入院基本料も併せて新設され、A・Bそれぞれに10対1、13対1、15対1の区分が設けられています。

2つ目は、特定機能病院入院基本料の再編です。従来の一本の区分から、特定機能病院A・B・Cの3区分に細分化されました。一般病棟7対1の場合、特定機能病院A入院基本料は2,146点、Bは2,136点、Cは2,016点です。従来の7対1入院基本料(1,822点)と比較すると、A区分では324点の大幅な増点となっています。この再編は、医師派遣等の地域医療への貢献度や、高度な教育・研究機能など、特定機能病院の担う役割に応じた評価を行うものです。結核病棟・精神病棟についても同様にA・B・Cの3区分で点数が設定されています。

物価対応料の新設——令和8年度・9年度の物価上昇に段階的に対応

令和8年度以降の物価上昇に段階的に対応するため、基本診療料・調剤基本料等の算定に併せて算定可能な加算として、「物価対応料」が新設されました。この物価対応料は、医科、歯科、調剤、訪問看護のそれぞれに区分が設けられています。

医科の物価対応料は、外来・在宅と入院に分かれています。外来・在宅物価対応料は、初診時2点、再診時等2点、訪問診療時3点です。入院物価対応料は、算定する入院料の種類に応じて点数が異なります。急性期病院A一般入院料の場合は66点、急性期病院B一般入院料の場合は58点、急性期一般入院料1の場合は58点、急性期一般入院料2~4の場合は45点(入院料4で看護・多職種協働加算算定時は58点)、急性期一般入院料5は36点、入院料6は34点、地域一般入院料1・2は32点、地域一般入院料3は23点、特別入院基本料(一般病棟)は17点です。

歯科外来物価対応料は、初診時3点、再診時1点です。調剤物価対応料は1点で、3月に1回に限り算定できます。訪問看護物価対応料は、訪問看護物価対応料1(訪問看護管理療養費算定時)が月の初日60円・2日目以降20円、訪問看護物価対応料2(包括型訪問看護療養費算定時)が20円です。

この物価対応料の最大の特徴は、段階的に引き上げられる点です。令和9年6月以降は、所定点数の100分の200に相当する点数が算定されます。つまり、上記の全ての点数が2倍になります。たとえば外来・在宅物価対応料の初診時は2点から4点に、入院物価対応料の急性期病院A一般入院料は66点から132点になります。

調剤報酬・訪問看護療養費の引上げ

調剤報酬と訪問看護療養費についても、物件費の高騰を踏まえた引上げが行われました。

調剤基本料については、調剤基本料1が45点から47点に2点、調剤基本料2が29点から30点に1点、調剤基本料3のイが24点から25点に1点、ロが19点から20点に1点、ハが35点から37点に2点、それぞれ引き上げられました。

訪問看護管理療養費については、月の初日の訪問の場合、機能強化型1が13,230円から13,760円に530円、機能強化型2が10,030円から10,460円に430円、機能強化型3が8,700円から9,030円に330円引き上げられました。また、機能強化型4が9,030円で新設されました。それ以外の場合は7,670円から7,710円に40円の引上げです。月の2日目以降の訪問の場合についても、単一建物居住者の人数に応じた新たな区分が設けられ、きめ細かな評価が行われています。また、新設の包括型訪問看護療養費にも物価上昇を踏まえた点数が設定されています。

まとめ

令和8年度診療報酬改定の物件費高騰への対応は、3つの柱で構成されています。第1に、経営環境の悪化への緊急対応として初再診料等と入院基本料等が引き上げられました。第2に、令和8年度以降の物価上昇に段階的に対応するため、物価対応料が新設されました。第3に、高度機能医療を担う病院には特例的な評価が設けられました。

特に注意すべきは、物価対応料が令和9年6月以降に全区分で点数が2倍になる点です。経済・物価動向が令和8年度改定時の見通しから大きく変動した場合には、令和9年度予算編成において加減算を含めた更なる調整が行われる可能性もあります。各医療機関は、自施設が算定する入院料の区分に応じた物価対応料の点数を確認し、令和9年6月以降の収入変化も見据えた対応が求められます。



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サマリー

2026年度診療報酬改定は、現在の物価高騰への緊急対応と将来の物価上昇への段階的対応という二つの財源で構成されています。緊急対応として初再診料や入院基本料が引き上げられ、特に高度機能病院には手厚い評価が導入されました。将来の物価上昇に備え「物価対応料」が新設され、令和9年6月以降には点数が2倍になるという画期的な仕組みが導入された点が特徴です。

改定の二つのエンジン
こんにちは。さて、本日は2026年度、令和8年度に行われる新料報酬改定について、お預かりした資料を一緒に深掘っていきたいと思います。
今回の改定、資料を読み解いていくと、今すぐ現場の悲鳴に応えるお金と、それから未来の物価高に備えるお金、この2つをどう両立させるのかという大きなテーマが見えてきますよね。
この絶妙なバランスの革新を今日は探っていきましょう。
えー。この改定で面白いのは、財源が2種類あるっていうことなんですよ。しかもその使い道が全く違う。
ほう。
物価高騰への緊急対応に使われるのがプラス0.44%分。将来の物価上昇を見越した段階的な対応にはプラス0.76%分。この2つのエンジンで動いているって考えると全体像がすごくクリアになると思います。
緊急対応:初再診料と入院料の引き上げ
なるほど。2つのエンジンですか。分かりやすいですね。ではまず、その今すぐのための緊急対応から見ていきましょうか。資料によると身近なところだとクリニックの最新料が75点から76点に上がると。ちなみにこの点は1.10円で換算されるんでしたよね。
その通りです。
ということは最新料が10円上がると。
その10円とか20円の積み重ねが経営を支えるわけですね。ただ、もっと注目すべきは入院料なんです。
入院料ですか。
はい。例えば、旧世紀一般入院料1みたいな重症患者さんを受け入れる病棟。ここでは186点、つまり186円分も引き上げられてるんです。
100円と1860円。ずいぶん下がりますね。特に手厚くなっているのはどういう病院なんでしょう。資料に特定機能病院という言葉も出てきますけど、これは大学病院のような。
高度機能病院への特例的対応
まさに特に高度な理療や研究を担う病院のことですね。そして今回の改定の確信の1つがその特定機能病院への評価なんです。
評価ですか。
ええ。従来は一律だった評価が実績に応じてA、B、Cの3段階に分かれまして、最も貢献度が高いA評価の病院はなんと324点。
324点?
つまり、3240円もの大幅な増点です。これって単なる賃上げじゃないんですよ。日本のトップ病院に対して競争と専門家を促すっていう政府の明確なメッセージなんです。
競争ですか。でもそれって評価が低かった病院にとってはかなり厳しい現実を突きつけられるってことにもなりませんか?
鋭い指摘ですね。まさにその通りで、限られた財源をどこに集中させるかという政策的な判断なんです。
なるほど。
トップ層をさらに強化して日本の医療を牽引してもらうか、全体を底上げするか、今回は前者を選んだということです。
わかりました。まずは今ある点数を直接引き上げて、特に行動医療になる部分に厚く配分したと。これで緊急の引消しに当たったわけですね。
将来への対応:物価対応料の新設
でもこれだけだと、将来また物価が上がったら同じことの繰り返しになりませんかね?
そのための次の一手が二つ目のエンジン。段階的な対応ということなんですね。
そこで登場するのが物価対応料という全く新しい仕組みです。
物価対応料。
これは今までの初診料とか入院料に上乗せする追加料金のようなものでして、例えば外来なら初診でも最診でも2点、つまり20円が加算されます。
ふむふむ。追加の20円。それ自体はまあ大きな額には見えないですけど。
ここからが本題なんです。この点数固定じゃないんですよ。
え?
資料にはっきり書いてありますが、令和9年6月、つまり来年からですね、全ての区分で点数が2倍になることがもう決まっています。
2倍ですか。事前にそんな大胆な引上げを予告するってかなり珍しいですね。
これはもう政府としてもインフレは当分続きますよと宣言しているようなものでしょうか。
そう解釈できますね。外来の2点が4.2、入院で最も高い加算は66点が132点になります。
将来の物価上昇をあらかじめ制度に織り込んだ非常に計画的な二段構えの仕組みなんです。
まとめと今後の展望
いやー普段診療明細書をもらっても項目が多すぎてつい見過ごしがちですけど、裏側ではこんな大きな設計が動いてるんですね。
ええ。
よくわかりました。つまり今回の改定は、緊急対応としての点数の直接引き上げ、
それと将来を見据えた物価対応量という事件爆弾的な仕組み、この二段構えになっていると、
特に来年2倍になるこの物価対応量は覚えておくべき重要なポイントだと感じました。
その通りです。そして最後に一つ思考を広げてみたいんですが、資料の末尾に経済動向が予測と大きく異なった場合、令和9年度にさらなる調整もあるゆるとあるんです。
このように、将来の不確実性に対してあらかじめ調整手法を精度に組み込んでおくアプローチ、これって医療だけじゃなくて、
例えばエネルギー政策とか食料安全保障とか、他の社会インフラを維持していく上でも応用できる考え方だと思いませんか?
05:31

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