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2026-01-04 05:12

令和8年度診療報酬改定|改定率+3.09%の内訳と5つの重要ポイント

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令和7年12月24日の予算大臣折衝を経て、令和8年度診療報酬改定の改定率が決定しました。令和6年度改定以降の経営環境悪化を踏まえた緊急対応と、物価上昇への本格的な対応が盛り込まれています。本稿では、中央社会保険医療協議会総会(第639回)で示された改定率の内訳と制度変更のポイントを解説します。

今回の改定の要点は5つです。診療報酬本体は2年度平均で+3.09%の引き上げとなり、賃上げ分+1.70%と物価対応分+0.76%が主な内訳です。施設類型ごとにメリハリをつけた配分が行われ、特に病院への重点配分が図られました。薬価等は▲0.87%の引き下げとなります。制度面では、医師偏在対策や経営情報の見える化に向けた対応が盛り込まれました。

診療報酬本体の改定率

診療報酬本体の改定率は、2年度平均で+3.09%です。令和8年度は+2.41%(国費2,348億円程度)、令和9年度は+3.77%となります。施行日は令和8年6月です。

この改定率は、当初予算段階から所要の歳出歳入を織り込む運営への質的転換を図る観点で設計されました。「経済財政運営と改革の基本方針2025」および「強い経済を実現する総合経済対策」に基づき、施設類型ごとの費用構造や経営実態を踏まえた対応が行われています。各科改定率は、医科+0.28%、歯科+0.31%、調剤+0.08%です。

改定率の内訳

改定率+3.09%は、6つの要素で構成されています。賃上げ分が+1.70%、物価対応分が+0.76%、食費・光熱水費分が+0.09%、緊急対応分が+0.44%です。効率化による▲0.15%を差し引き、その他改定分+0.25%が加わります。

賃上げ分+1.70%は、医療関係職種の処遇改善を目的としています。令和8年度・令和9年度それぞれで+3.2%のベースアップ実現を支援し、看護補助者と事務職員については5.7%のベースアップを目指します。賃上げ分のうち+0.28%は、医療機関の賃上げ余力回復のための特例的な対応として措置されました。

物価対応分+0.76%は、施設類型ごとに配分されます。病院は+0.49%、医科診療所は+0.10%、歯科診療所は+0.02%、保険薬局は+0.01%です。高度機能医療を担う病院(大学病院を含む)については、物価高の影響を受けやすいことを踏まえ、+0.14%の特例的な対応が追加されました。

食費・光熱水費分+0.09%では、入院時の食費基準額を1食あたり40円引き上げます。光熱水費基準額は1日あたり60円の引き上げです。患者負担については、低所得者や指定難病患者等への配慮措置が設けられています。

緊急対応分+0.44%は、令和6年度改定以降の経営環境悪化に対応するものです。病院に+0.40%、医科診療所に+0.02%、歯科診療所に+0.01%、保険薬局に+0.01%が配分されます。

効率化▲0.15%は、後発医薬品への置換え進展を踏まえた処方・調剤評価の適正化によるものです。在宅医療・訪問看護関係の評価適正化や、長期処方・リフィル処方の取組強化も含まれています。

薬価等の改定

薬価等は合計で▲0.87%の引き下げです。内訳は、薬価が▲0.86%(国費▲1,052億円程度)、材料価格が▲0.01%(国費▲11億円程度)です。

薬価は令和8年4月施行、材料価格は令和8年6月施行となります。薬価制度改革では、市場拡大再算定の類似品の薬価引下げ(いわゆる共連れ)が廃止されます。この変更は、製薬企業の予見可能性を高める観点から行われました。

診療報酬制度の関連事項

制度面では、4つの重要な対応が示されました。令和9年度の調整、賃上げの実効性確保、医師偏在対策、経営情報の見える化です。

令和9年度の調整については、経済・物価動向が見通しから大きく変動した場合に対応します。令和9年度予算編成において加減算を含む調整を行うため、令和8年度の医療機関の経営状況調査を実施します。

賃上げの実効性確保では、より多くの職種を対象とした仕組みを構築します。令和6年度改定で入院基本料や初・再診料により賃上げ原資が配分された職種(40歳未満の勤務医師・勤務歯科医師・薬局の勤務薬剤師、事務職員、歯科技工所等で従事する者)についても、ベースアップ評価料の対象職種と同様の実効性確保の仕組みが適用されます。

医師偏在対策では、診療報酬上の減算措置が導入されます。外来医師過多区域において無床診療所の新規開業者が都道府県知事からの要請に従わない場合が対象です。医師多数区域での更なるディスインセンティブ措置の在り方や、重点医師偏在対策支援区域における医師手当事業に関する診療報酬での財源確保の在り方については、令和10年度改定で結論を得ることとされました。

経営情報の見える化では、MCDB(医療法人の経営情報のデータベース)の活用が進みます。職種別の給与・人数の報告義務化を含め、令和8年中に必要な見直しについて結論を得る予定です。診療所の「その他の医業費用」の内容把握など、報告様式の精緻化も検討されます。

まとめ

令和8年度診療報酬改定は、2年度平均で+3.09%のプラス改定となりました。賃上げ分+1.70%と物価対応分+0.76%を中心に、施設類型ごとにメリハリをつけた配分が行われます。特に病院への重点配分と、看護補助者・事務職員への手厚い賃上げ支援が特徴です。制度面では、賃上げ実効性確保の仕組み構築、医師偏在対策の強化、経営情報の見える化が進められます。令和9年度には経済・物価動向を踏まえた調整が予定されており、継続的な対応が図られる見込みです。



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サマリー

令和8年度の診療報酬改定では、賃上げと物価高に対応するためにプラス3.09%が設定され、特に看護職や事務職員の給料が大幅に引き上げられます。また、医師の偏在対策や経営情報の見える化など、構造的な改革も行われています。

診療報酬改定の概要
さて、今回は、2026年、令和8年度の診療報酬改定ですね。 このテーマについて、あなたからいただいた資料をもとに、ちょっと深く掘り下げていきましょうか。
はい、よろしくお願いします。 この診療報酬っていうのは、医療サービスの工程価格リストみたいなものですけど、
これが変わると、病院の経営から、そこで働く人たちのお給料まで、全部に影響してくるんですよね。
ええ、そうなんです。
で、資料を見ると、今回の改定率が、プラス3.09%。 でも、これって、なんか単純な引き上げじゃないですよね。
物価高から現場を守りたいっていう声と、いや医療費は抑えたいっていう国の攻め合いというか。
まさに、その綱引きの結果として、じゃあ誰に何を重点的に配分するのかっていう国の強い意思が見えますね。
意思ですか?
ええ、鍵になるのが、おっしゃる通り賃上げ、それから物価高騰への対応。
この2本柱にかなりメリハリをつけて、答えを出そうとしている感じがします。
なるほど。じゃあ、そのプラス3.09%の内訳、もう少し詳しく見ていきましょうか。
資料だと、一番大きいのが賃上げ分で、プラス1.70%。
はい。
特に看護・補助者の方とか事務職員の方、こういう方たちの給料を5.7%も上げるっていう目標を掲げている。
これは結構大きいですよね。
大きいですね。現場を支える幅広い職種に配慮した形です。
あと、もっと身近な話で言うと、入院した時の食費、これが一食40円上がると。
それから高熱水費も1日60円。
これも物価高への直接的な対応というわけですね。
そして、ここからが今回の改定の確信部分なんですけど、物価高騰に対応するためのプラス0.76%分。
これが施設によって公平には配分されないんです。
公平じゃない。
そうなんです。資料が示しているのは、大学病院みたいな高度医療を担う大きな病院には手厚い。
でも一方で、地域の診療所とか薬局への配分は小さいと。
それはつまりどういうことなんですか?
うーん、言ってしまえば、国がある種の取り味、選別を始めたとも読めるわけです。
まずは社会インフラである大病院を確実に生き残らせるという厳しい判断ですね。
なるほど。全員を平等にではなくて優先順位をつけたと。
一方で、後発医薬品、ジェネリックを使うと0.15%のマイナス調整も入ってますね。
ええ、これはお財布の紐を締める部分ですね。
医療制度の改革
賃上げでお金は出すけど、その分ジェネリックをもっと使って節約もしてくださいねと。
飴と鞭みたいな。
まさにそういうことです。
お金の話だけじゃなくて、制度面でもかなり直接的な変更がありますよね。
この医師の偏在対策っていうのは。
はい、これは医師が都市部なんかに集中しすぎている問題の対策ですね。
具体的には、医師が多すぎるとされる地域で新しく開業する場合、診療報酬を引き下げるっていう。
うわ、それはかなり踏み込みましたね。
でもされて反発はないんですか?職業選択の自由だみたいな。
もちろんその懸念はあります。
これが本当に地方に医師を向かわせる有効な策になるのか、それとも単なる嫌がらせみたいになってしまうのか。
ただ、国としてはそれくらいやらないと地域医療が崩壊するっていう危機感があるんだと思います。
もう一つちょっと驚いたのが、経営情報の見える化、職種別の給与を報告することが義務化される見込みってありますけど、ちょっと待ってください。
これって病院の給与テーブルがある意味で公開されるようなものじゃないですか?
隣の病院と比べられちゃうわけで、現場はすごいインパクトですよね。
その通りです。まさにそれが願いの一つで、賃上げ分のお金がちゃんと職員に渡っているかを国がチェックできるようにする。
これで経営者がお金を他に流用するのを防ぐと、医療界の透明性を上げる大きな一歩ですね。
なるほど。じゃあ今回の改定をまとめると、賃上げと物価高に対応はするけど、その恩恵は病院に重点的に配分されるとかなり戦略的で、
さらに医師の偏在とか経営の透明化っていう構造的な問題にもメスを入れる内容なんですね。
そして忘れてはいけないのが、これはあくまで暫定解だということです。
経済状況が急に変わったら、来年度にでも見直す可能性があると示唆されていますから。
ああ、一度決めたら終わりじゃないんですね。
そうなんです。そこで最後に、あなたにも考えてみてほしい問いがあるんです。
それは、今回の賃上げや制度改革は、医療従事者を確保して地域医療を守るというゴールに対して本当に決定だとなり得るのか。
それともこれはもっと大きな変革、もしかしたら痛みを伴う再編へのほんの序章に過ぎないのか。
今後の動きから目が離せませんね。
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