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2026-02-15 05:33

【令和8年度改定】物件費高騰への3つの対応|初再診料・入院料の引上げから食事療養の見直しまで

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令和8年度診療報酬改定では、持続的な物価高騰により増加した医療機関等の物件費負担に対応するため、基本診療料の見直しと入院時の食費・食事療養に関する制度改正が行われました。この対応は、個別改定項目「Ⅰ-1 医療機関等が直面する人件費や、医療材料費、食材料費、光熱水費及び委託費等といった物件費の高騰を踏まえた対応」に位置づけられています。

物件費高騰への対応は、大きく3つの施策で構成されています。第1に、初再診料等・入院基本料等の引上げと「物価対応料」の新設により、物件費全般の高騰に対応しました。第2に、入院時の食費基準額を1食40円、光熱水費基準額を1日60円引き上げ、食材料費・光熱費の高騰に対応しました。第3に、嚥下調整食の特別食加算への追加や特別メニュー料金の見直しにより、入院時の食事療養の質の向上を図りました。以下、それぞれの概要を解説します。

① 物件費の高騰を踏まえた対応——初再診料等・入院基本料等の引上げと物価対応料の新設

物件費全般の高騰への対応として、緊急対応分(改定率+0.44%)による初再診料等・入院基本料等の引上げと、物価対応分(改定率+0.76%)による「物価対応料」の新設が行われました。対応は医科・歯科・調剤・訪問看護の全領域に及びます。

この対応は3つの柱で構成されています。第1の柱は、令和6年度改定以降の経営環境の悪化に対する緊急対応です。医科では再診料が75点から76点に1点引き上げられ、歯科では歯科初診料が267点から272点に5点引き上げられました。入院基本料等も医療機能に応じて増点され、急性期一般入院料1は1,688点から1,874点へ186点の増点となっています。

第2の柱は、令和8年度以降の物価上昇に段階的に対応する「物価対応料」の新設です。物価対応料は、外来・在宅では初診時2点・再診時等2点、入院では算定する入院料に応じて一般病棟で17~66点が設定されています。この物価対応料は、令和9年6月以降に全区分で点数が2倍になる段階的な仕組みが最大の特徴です。

第3の柱は、高度機能医療を担う特定機能病院や急性期病院への特例的な評価です。急性期病院一般入院基本料が新設され、特定機能病院入院基本料はA・B・Cの3区分に再編されました。

詳しくは「【令和8年度改定】物価対応料の新設と初再診料・入院料の引上げを徹底解説」をご覧ください。

② 入院時の食費及び光熱水費の基準の見直し——食費1食40円・光熱水費1日60円の引上げ

食材料費や光熱・水道費の上昇を踏まえ、入院時の食費及び光熱水費の基準額が引き上げられました。食費は令和6年6月(30円)、令和7年4月(20円)に続く3回連続の引上げであり、光熱水費は平成18年の制度創設以来初の基準額(総額)の増額です。

食費の基準額は、入院時食事療養(Ⅰ)・(Ⅱ)及び入院時生活療養(Ⅰ)・(Ⅱ)の全区分で1食当たり40円引き上げられます。入院時食事療養(Ⅰ)の通常の食事療養は690円から730円に、流動食のみの提供は625円から665円にそれぞれ変更されます。

光熱水費の基準額は、入院時生活療養(Ⅰ)・(Ⅱ)ともに1日当たり60円引き上げられ、398円から458円になります。引き上げ幅の60円は、令和6年度介護報酬改定における多床室の居住費基準費用額の引上げ幅と同額であり、介護保険との均衡を図る趣旨もあります。

引上げの背景には、食材料費の高騰が続く中で、全面委託の約7割・一部委託の約5割の医療機関が委託事業者からの値上げの申し出に対応していたという実態があります。

詳しくは「令和8年度改定|入院時の食費が1食40円・光熱水費が1日60円引き上げへ」をご覧ください。

③ 入院時の食事療養に係る見直し——嚥下調整食の新評価と特別料金の柔軟化

入院時の食事療養の質の向上を図るため、嚥下調整食を必要とする患者への対応と、入院患者の多様な食事ニーズへの対応を目的とした制度の見直しが行われました。

この見直しは3つの変更で構成されています。第一に、嚥下調整食が特別食加算の対象として新たに追加されます。これまで特別食加算の対象は腎臓食や糖尿食などの治療食に限られ、嚥下調整食は対象外でした。嚥下調整食は普通食より食材費が高く、最もコストのかかる場合で1日あたり76円の差があるとの報告があります。見た目を改善し適切な栄養量を確保した嚥下調整食は、エネルギー摂取量の増加やADLの改善にも寄与することが示されています。

第二に、特別メニューの追加料金について、1食あたり17円の標準額が削除され、医療機関が柔軟に金額を設定できるようになります。食材費・人件費の高騰が続く中、17円では追加コストを賄えない状況が解消されます。

第三に、行事食やハラール食などの宗教に配慮した食事も、特別料金の対象として明確化されます。約8割の医療機関が行事食を追加料金なしで提供していた実態を踏まえ、コストを適正に収受できる道が開かれます。

詳しくは「【令和8年度改定】入院時の食事療養が変わる|嚥下調整食の新評価と特別料金の2つの見直し」をご覧ください。

まとめ

令和8年度診療報酬改定の物件費高騰への対応は、3つの施策で構成されています。第1に、初再診料等・入院基本料等の引上げと物価対応料の新設により、物件費全般の高騰に対応しました。第2に、食費1食40円・光熱水費1日60円の基準額引上げにより、食材料費・光熱費の高騰に対応しました。第3に、嚥下調整食の特別食加算への追加と特別料金の見直しにより、食事療養の質の向上を図りました。各医療機関は、自施設に関連する改定内容を確認し、令和9年6月以降の物価対応料の倍増も見据えた対応が求められます。



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サマリー

令和8年度診療報酬改定では、物価高騰に対応するため、主に3つの施策が導入されました。まず、診察料や入院料の引き上げに加え、将来の物価上昇を見越した「物価対応料」が新設され、医療費全体でコストをカバーします。次に、入院時の食費と光熱水費の基準額が見直され、特に高騰が続く食材料費や長年据え置かれていた光熱水費の負担を軽減します。最後に、嚥下調整食が特別食加算の対象となり、特別メニューの料金設定も柔軟化されることで、患者のQOLに直結する食事の質の向上が図られます。

令和8年度診療報酬改定と物件費高騰への対応
さて、物価の高騰が続いていますが、日本の医療現場、これが今どうなっているのか。
今回は、令和8年度の診療報酬改定という、ちょっと固いテーマから、その対応策を掘り下げてみたいと思います。
手元にあるのが、【令和8年度改定】物件費高騰への3つの対応という記事ですね。
ここから、皆さんが利用するクリニックの診察料ですとか、入院時の食事にまで関わる結構身近な変化を見ていきます。
はい。これ単なる料金改定という話じゃないんですよね。むしろ私たちが当たり前に受けている医療の質を、この経済状況の中でどうやって維持していくのかという非常に重要な調整なんです。
その構造をということですね。
ええ。明らかにしていきましょう。
初再診料・入院料の引き上げと物価対応料の新設
では早速最初の柱からいきましょうか。まずは、診察料や入院料の引き上げ。
はい。いわば、医療の入り口の料金ですね。
緊急対応として、最新料が1点、それから、旧正規一般入院料1が186点上がったと。
ちなみにこの1点は10円換算なので、最新料は10円の値上げということですね。
そうです。入院料だと1860円分。ただこれだけだとまた物価が上がったらすぐこういたちごこになってしまいますよね。
まさにそこです。それってその場しのぎで終わってしまわないんでしょうか。
いいご指摘ですね。まさにその懸念に応えるために作られたのが今回の目玉ともいえる物価対応料という新しい仕組みなんです。
物価対応料。
ええ。これは将来の物価上昇をあらかじめ見越しているんですね。令和9年6月以降には点数が2倍になるという段階的な設計になっていて、これは長期的な視点で経営を安定させる狙いがあるわけです。
なるほど。まず入り口で全体を底上げしつつ、将来も見据えた手を打ったと。でも現場で特に悲鳴が上がっていたのって、もっと生々しいご主人だったという話も聞きます。
入院時の食費・光熱水費の基準見直し
おっしゃる通りです。それが2つ目の柱につながりますね。入院時の食費とあと高熱水費の見直しです。
ああ食費や高熱費。
具体的には食費が1食あたり40円、高熱水費は1日あたり60円の増額です。
ここにまでメスが入ったんですね。
ええ。というのも給食を委託している業者の約7割がですね、医療機関にもう値上げを要請していたという現実があって。
7割もですか。
はい。特に驚くべきは、この高熱費の基準額なんですけど、これ制度が始まった平成18年、つまり2006年以来ずっと末を行きだったんです。
え、20年近くもですか。
そうなんです。
それはもう今回の物価高騰が、なんていうか、過去の変動とは全く次元が違うと。
まさに、医療システムの想定をもう完全に超えてしまったという証拠ですよね。
わあ。
入院時の食事療養の質向上:嚥下調整食と特別料金
こうしたコストの話って、最終的には患者さん一人一人が口にする食事の質という非常に大切な部分につながっていきます。
はい。そこが一番気になります。
実はここにも大きな変更がありました。特に重要なのが、食べ物を飲み込みやすくした塩化調整食の扱いです。
塩化調整食?
はい。これまで普通食と同じ扱いだったのが、これからは治療食と同じように特別食として追加の評価、つまり加算がされるようになります。
なぜそれがそこまで重要なんですか?
いや、これがですね、適切な塩化調整食を提供することで、患者さんの栄養状態ですとか、日常生活の動作が改善することがもう分かってるんですね。
ただ、普通食より1日当たり最大で76円もコストが高いと。
なるほど。価値は高いのに経済的に評価されていなかった。
そういうことです。今回の改定はその臨床的な価値をようやく正当に評価するという大きな一歩と言えますね。
あと、記事によると、行事食とかハラール食なんかの特別メニューの追加料金、これが1食17円っていう額一的な基準だったのが撤廃されたと。
ええ。これでより柔軟に料金設定ができるようになるので、患者さんの多様なリーズにも答えやすくなりますね。
なるほど。
3つの施策のまとめと今後の展望
ええ。なので、この3点セットで捉えるのが非常に重要なんです。まとめると、1、医療費全体で物価高をカバーする。
はい。
2、特に悲鳴が大きかった食費・高熱費を補う。そして3、患者さんのQOLに直結する食事の質も向上させる。この3段構えで医療現場を支えようということなんです。
ああ、なるほど。数字の裏側には、私たちが受ける医療の質と安定性を守るための必死の仕組みがあるわけですね。
そうなんです。で、特にですね、これらが全て守りの秘策だという点が重要で。
守りですか?
はい。まずはマイナスをゼロに戻す作業なんです。その上でないと、例えば新しい医療技術の導入のような攻めの投資はできないという厳しい現実が背景にある。
病院経営の安定が最終的に患者さんへのサービスに還元されるという視点が欠かせません。
なるほど。今回の改定は、まずコストという守りの側面に光が当たったわけですが、では、こうした確保された財源が今後、医療現場の人員配置や最新技術の導入といった、より直接的なケアの質の向上にどのように波及していくと考えられるでしょうか?
はい。
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