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2026-01-24 05:33

令和8年度診療報酬改定|物価対応+0.76%の配分方法と入院料評価の仕組みを解説

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中央社会保険医療協議会(中医協)総会は、令和8年1月14日に令和8年度診療報酬改定における物価対応の具体的な配分方法を議論しました。今回の改定では、物価高騰への本格的な対応として、診療報酬に特別な項目を設定する方針が示されています。本稿では、外来・入院それぞれの物価上昇対応の仕組みと、施設類型ごとの配分ルールを解説します。

物価対応分は+0.76%(2年度平均)が設定され、このうち令和8年度以降の物価上昇への対応として+0.62%、高度医療機能を担う病院への特例対応として+0.14%が配分されます。さらに、令和6年度改定以降の経営環境悪化への緊急対応分として+0.44%が措置され、病院に+0.40%、診療所・薬局に合計+0.04%が配分されます。外来診療では初・再診料とは別に物価上昇に関する評価が新設され、入院診療では入院料グループごとの物件費率に基づいて配分額が算出されます。

物価対応の全体像と施設類型別配分

令和8年度診療報酬改定では、物価対応分として+0.76%が設定されました。これに加えて、令和6年度改定以降の経営環境悪化を踏まえた緊急対応分として+0.44%が別途措置されます。配分は施設類型ごとの費用構造を反映し、病院に手厚い設計となっています。

物価対応分+0.76%の施設類型別配分は、病院+0.49%、医科診療所+0.10%、歯科診療所+0.02%、保険薬局+0.01%となります。この配分は、各施設類型の費用関係データに基づいて算出されており、物件費の割合が高い病院により多くの財源が配分されています。

緊急対応分+0.44%についても、施設類型ごとにメリハリのある配分が維持されます。病院には+0.40%、医科診療所には+0.02%、歯科診療所には+0.01%、保険薬局には+0.01%が配分されます。この配分は、令和7年度補正予算による物価上昇支援の効果を減じることのないよう設計されています。

高度医療機能を担う病院(大学病院を含む)には、+0.14%の特例的な対応が措置されます。この特例対応は、医療技術の高度化の影響を先行的に受けやすく、汎用性の低い医療機器等の調達が必要なことから物価高の影響を受けやすいという特性を踏まえたものです。

外来における物価上昇対応の仕組み

外来診療に対する物価上昇への対応は、初・再診料等とは別に新たな評価項目を設定する方式がとられます。この方式は、段階的な対応を可能にし、経済・物価動向に応じた柔軟な調整を実現します。

令和8年度以降の物価上昇への対応については、初・再診料に加え、訪問診療料や初・再診料の評価が包括される診療報酬項目においても、物価上昇に関する評価が算定可能となります。評価の水準は、医科診療所・歯科診療所の改定率を踏まえて設定されます。令和9年度には、この評価が令和8年度の約2倍になることが想定されています。

令和6年度診療報酬改定以降の経営環境悪化への対応分については、令和8年度改定時に初・再診料等の評価に含める形で対応されます。これは、令和7年度補正予算による一時的な支援から、診療報酬による恒常的な評価への移行を意味しています。

病院・有床診療所の外来における物価上昇対応では、初再診時の評価は診療所と同一水準が適用されます。ただし、病院の外来は診療所とコスト構造が異なるため、初再診時の評価で不足する外来分の物価上昇分については、入院時の評価で補正する仕組みが導入されます。

入院における物価上昇対応の算出方法

入院診療に対する物価上昇への対応は、入院料グループごとの物件費率に基づいて配分額を算出する精緻な方式が採用されます。この方式は、令和元年の消費税補填における対応を参考にしつつ、入院料ごとの算出に改良されています。

入院料グループは、医療機能に応じて5つに分類されます。特定機能病院グループは特定機能病院入院基本料が対象となります。急性期グループは一般病棟入院基本料、救命救急入院料、特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料などが含まれます。回復期グループは地域包括ケア病棟入院料、回復期リハビリテーション病棟入院料が対象です。慢性期グループは療養病棟入院基本料、障害者施設等入院基本料、緩和ケア病棟入院料などが含まれます。精神グループは精神病棟入院基本料、精神科救急急性期医療入院料、認知症治療病棟入院料などが対象となります。

物件費率の算出にあたっては、各機能グループの病棟が病院の大半(例えば80%以上)を占める病院のデータを用いて算出されます。物件費には、特定保険医療材料以外の診療材料費、食費等を除く委託費、減価償却費、光熱費等のその他経費が含まれます。

入院料ごとの物価上昇対応額は、以下の手順で算出されます。まず、入院基本料・特定入院料ごとに入院1人1日あたりの診療報酬総額(入院料、入院料加算、特掲診療料を含む)を算出します。次に、この金額に入院料グループごとの物件費率・委託費率を乗じて、1人1日あたりの物件費・委託費を算出します。最後に、算出した物件費・委託費に物価上昇率(物件費は年2.0%、委託費は年3.2%)を乗じて、物価上昇分に相当する金額を算出します。

令和7年度補正予算との整合性確保

入院診療における令和6年度改定以降の経営状況悪化への対応は、令和7年度補正予算による支援の考え方を踏まえて配分されます。施設類型ごとのメリハリを維持することで、補正予算の効果を減じないよう設計されています。

回復期、精神、慢性期の入院料については、入院1日あたり定額を配分する方式がとられます。この方式は、補正予算における「1床あたりでの支援」の考え方を継承したものです。回復期では地域包括ケア病棟入院料、精神では精神科救急急性期医療入院料、精神科急性期治療病棟入院料、精神科救急・合併症入院料に救急加算相当分が上乗せされます。

急性期の入院料については、財源を一体化した上で、3類型に配分する方式が採用されます。第1類型は特定機能病院の急性期病床、第2類型は急性期病院の急性期病床、第3類型はその他の病院の急性期病床です。各類型への配分額は、補正予算における配分額に応じて算出され、さらに1人1日あたりの入院費に応じた配分が行われます。

まとめ

令和8年度診療報酬改定における物価対応では、物価対応分+0.76%が設定されました。これに加えて、令和6年度改定以降の経営環境悪化への緊急対応分+0.44%が別途措置されます。外来診療では初・再診料とは別に物価上昇に関する評価が新設され、入院診療では入院料グループごとの物件費率に基づいて配分額が算出されます。高度医療機能を担う病院には+0.14%の特例対応が措置され、令和7年度補正予算との整合性も確保されています。経済・物価の動向が見通しから大きく変動した場合には、令和9年度予算編成において加減算を含めた調整が行われる予定です。



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サマリー

令和8年度の診療報酬改定では、物価高に対応するために0.76%の引き上げが行われ、特に病院への配分が手厚いことが解説されています。柔軟性のある報酬の仕組みで、入院療グループごとに精密な配分がなされ、医療現場のコスト構造が反映されることが重要なポイントです。

診療報酬改定の概要
こんにちは。こんにちは。えっと、今回はですね、中央社会保険医療協議会の資料、令和8年度診療報酬改定を一緒に読み解いていきたいと思います。
はい。見出しだけ見ると、診療報酬が物価高対応で、プラス0.76%引き上げられる。景気の良い話に見えますけども。
今日私たちが深掘りしたいのは、そのお金がどのように現場に配分されるのか、その精密な設計図の部分ですよね。
まさにそこが一番のポイントでして、単なる一律の引き上げじゃないっていうのが今回の勘ですね。
施設のコスト構造の違いをどう反映させるか、その意図を読み解くと、今後の医療の方向性まで見えてくるはずです。
では早速、その数字を紐解いていきましょうか。まず、物価対応分がプラス0.76%。
それに加えて、令和6年度以降の契約化に対応する緊急対応分として、さらにプラス0.44%が措置されると。
そうですね。
ただ、その配分を見ると、病院がプラス0.49%と手厚い一方で、診療所とか薬局は比較的小さい。この差は面白いですね。
病院が手厚いのは、やっぱり大規模な設備とか高熱費とか、そういう固定費のインパクトが大きいから、という理解であってますか?
おっしゃる通りです。非常に良い着眼点ですね。まさしく施設の物件費、つまり医薬品以外の材料費や高熱費といったコストの割合が、病院は診療所なんかより圧倒的に高いんです。
ああ、なるほど。
その実態に合わせて、物価高の影響をより大きく受ける場所に重点的に財源を配分するっていう設計思想なんですね。
なるほど。
さらに、大学病院みたいにより高度な医療を担うところには、プラス0.14%の特例対応もつきます。
ああ、特殊な医療機器とか、特にコストが高いですもんね。
その通りです。なるほど。施設の種類で差をつけるわけですね。
入院療グループの配分方法
でも、資料を読んでて、あれって思ったのが、同じ病院の中でも外来と入院で対応が全く違うように見えたんです。
はい、そこも重要な点です。
外来だと、初診療そのものは上げるんじゃなくて、別の項目を新しく作るんですよね。
これ、なんでわざわざそんなひと手間をかけるんでしょうか。
ええ、そこがすごく面白いところで、キーワードは柔軟性なんですよ。
柔軟性ですか。
はい、初診療自体を一度上げてしまうと、将来経済状況が変わった時に下げるのってすごく難しいじゃないですか。
ああ、確かに。一度上がったものはなかなか下がらない。
ですよね。なので、いわば物価等とアジャスターみたいなものを外付けにしておくわけです。
これなら将来の物価動向に応じて、その部分だけを調整できる。
なるほど、アジャスター、うまい表現ですね。そういうことか。
ええ、製作担当者の苦心が見えますよね。
一方で、その入院の仕組みはさらに複雑に見えます。
資料には、入院療グループごとの物件比率に基づいて配分額を算出するとありますが、
これは具体的にどういう計算になるんですか。
ここが今回の改定のまさに心臓部と言える部分です。
まず、病院の機能を急性期、回復期、慢性期など5つのグループに分類します。
ふむふむ。
そして、各グループの平均的な物件比率を算出するんです。
急性期病院は高度な医療材料を多く使うので物件比率が高いとか、
最後に、1日あたりの診療報酬総額×各グループの物件比率×物価上昇率という式で入院料への上乗せ額を決めるんです。
ほう、なるほど。
すごく雑な例えですけど、家庭ごとの食費の値上がり分を補填するようなもので、
ああ、わかりやすい。
対属、つまり急性期病院は食費の割合が高いから多めに、
一人暮らし、つまり慢性期病院は割合が低いのでそれなりに、というように実態に合わせて補填額を変える。
それと同じことを病院全体でやっているわけです。
理屈は非常にクリアーですね。
でも、これだけ細かく計算するってことは、現場の事務作業はかなり煩雑になりませんか?
おっしゃり通り、そのリスクは常にありますし、現場の負担増は大きな課題です。
ですよね。
ただ、もう一つ背景にあるのが、令和7年度の補正予算との政策の継続性なんです。
あ、過去の政策との整合性。
ええ、特に回避区域や慢性期の病棟では、以前の1床あたりでの支援という考え方を引き継いで、
1日あたりの定額を配分する方法を取ります。
新しい制度が過去の支援を上書きして現場を混乱させないよう、整合性を取ろうとしているんですね。
なるほど。では、今回の話をまとめると、この改定で本当に見る出来は、プラス0.76%という数字そのものじゃなくて、
国が医療現場のコスト構造をピンポイントで分析して、財源をまるで外科手術のように精密に配分しようとしている、
という政策思想の大きな転換点なのかもしれませんね。
ええ、そうかもしれません。最後に、一つ皆さんと一緒に考えてみてほしい問いがあるんですけれども。
はい、何でしょう。
この緻密な配分システムは、将来の予期せぬ経済変動、例えば急激なデフレであるとか、
さらなるインフレに対して本当に柔軟に対応しきれるんでしょうか。
ああ、なるほど。
そして、この計算された配分が、最終的に私たちが受ける医療の質にどう影響していくのか、
今後もこう注目していく必要がありますよね。
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