香りの相性の紹介
飲食を言語化するラジオ、FOOD'S WORDS 。本日も始めたいと思います。
唐突ですが、ジャガーバターに塩辛と聞いて、どんな光景を思い浮かべるでしょうか?
北海道の人は馴染みがある方もいると思いますが、私は初めてこれを食べた時、とても驚きました。
ソルクラの黒沢がお送りいたします。
北海道民には馴染みのあるジャガーバターに塩辛ですが、北海道民と考えると地元が一緒だったり、共通項があると話が盛り上がったりすることってあると思います。
私の場合だったら、ハーブ栽培や釣りが好きですが、他にも音楽フェスが好きな人だったり、漫画が好きな人だったり、趣味が一緒な人との会話って、とても盛り上がりますよね。
実は香りの世界にもテーブルの上で、共通項のある香り同士が仲良くお話しているかもしれませんというお話をしていきたいと思います。
ということで、テーマは香りの相性についてです。
一度確認しておきたいんですけれども、今までの放送でやったことをおさらいしておきたいと思います。
まず食材などの香りっていうのは、ブロックの作品のようになっていて、要素要素のバラバラに分解ができることをお話ししてきました。
またバラバラな要素同士は、この組み合わせによって、例えばジャガイモだったりとか、何でも食材や料理全てにおいて独特の香りが生まれること、そんなお話もしてきました。
そしてこの香りの相性の話をするにあたって、このバラバラな要素という話がありますが、この要素要素を共通項を持てば持つほど相性がいいということがわかっています。
この話はある書籍からの体験が非常に大きいので、あらかじめ紹介しておきたいと思います。
題名はフレーバーマトリックスという書籍で、ジェイムズ・ブリシオネ氏、ブルック・パーカスト氏の強調によって書かれたフレーバーマトリックスという本です。
この本をもとに、私が何年も経験してきたことを、今日体験談としてお話ししたいと思います。
このフレーバーマトリックスという書籍を開くと、とても視覚的に面白いなというところが大きいです。
何が書かれているかというと、メインの食材に対して相性の良い香りを持つ食材というものがずらーっと並んでいて、
まるで色の相性を表すカラーパレットのように、ずらーっと食材や香りの相性が並んでいます。
この本自体はとても面白いので、ぜひ興味ある方は調べてみていただいたり、
あと概要欄に載せるので、そこでリンクに飛んでいただければと思うんですけれども、
今日は実際の使われる例というか、香りの相性の確かめ方、作り方をお話ししていきたいと思います。
具体的な食材の組み合わせ
今日はメインの食材としてイカをメインに捉えて考えていきたいと思います。
イカの香り成分はフレーバーマトリックスによると、
根菜など土っぽい香りや、フルーティーな野菜、いわゆる火災類ですね、トマト、ピーマン、ナスなどの香り、
またメイラード反応といってキャラメルや焦げ目につくような香り、
また乳製品の香り、あとは海産物の香り、
これらの香りと60から80%ほど共通した香りを持っているということが書かれています。
これらの香りの相性の良い仲間たちを食材として合わせていくということが方法としてとても楽しくて、
例えば土っぽい香りを選んだのであれば、イカにジャガイモを合わせてあげる。
そして乳製品の香りを選んだのであればバターを選んであげる。
これによってジャガバターの塩辛添えが完成します。
今回はジャガバターを例にしましたが、他にも仲間の海産物の香りとして魚介類をふんだんに使う。
またフルーティーな野菜の香りとして、例えばパプリカを選ぶ。
そして焦げ目の香りとしてパエリアのおこげの選択をする。
これによって伝統的なパエリアの香りが完成します。
このように香り成分の相性の良い素材を使っていくと、とても完成されたものが仕上がるというのが面白いかなと思っています。
一方でデメリットもあって、香りの相性の良いもの同士だと、どうしても香りが同調するような形になり、単調になりがちということが起こり得ます。
これは私自身何年もこの香りの勉強をしていて、どつぼにはまったことでもあるんですけれども、
例えば対比だったりとか、香り成分の同調以外の要素に、どうしても目が行かなくなってしまうというデメリットがあります。
このように、例えば意外性のある組み合わせや、新しい香味の発見だったりという香りの勉強は、私もまだまだ勉強中なので、これからさらに研究してお話しする機会が作れればと思います。
これはまた次回に楽しみにしていただければと思います。
また、ジェイムズ・ブリシオーネさんの書かれたフレーバーマトリックスの書籍のリンクを概要欄に貼っておきますので、気になる方は見に行ってみてください。
今日は香りの相性についてお話ししました。
ぜひ自宅で香りの相性について食材や料理に触れるときに考えながら、この食材とこの食材はなんで相性がいいのかなとか考えながら楽しんでいただければと思います。
本日もありがとうございました。