香りの記憶の考察
飲食を言語化するラジオ、FOOD'S WORDS 、ソルクラの黒沢 峰明です。
本日も話していきたいと思います。 今日のテーマは、
香りの記憶を言語化する、です。
第4回、5回と香りの表現の多様性だったり、
香りを比較することをテーマに放送してきました。 今日は香りの記憶をテーマに言語化していきたいのですが、
あえて、香りの記憶に潜む罠というところで、
言語化していきたいと思います。 では香りの記憶って何なのかということですけれども、
単品校の香りを覚えて、それを記憶していくことによって、 いつでも引き出せるようになるというのが、香りの単品校の記憶というところでお話ししていたことだったんですが、
この引き出せるということは、 言い換えると香りの記憶というものは、言葉で言う語彙力のようなものであると思っていました。
知らなかった言葉は、本などで読んでも意味が全くわからないし、文の意味も入ってきませんが、
同じように香りも知らないタイプの香りというのは、 どこか捉えどころがなくて、言葉で表現することもできない。
なんだろうこの香り、わからないっていうことが起こると思います。 逆に、
あ、これズッキーニの香りなんだと思ったら、そのズッキーニと香りというものは、 次回ズッキーニの香りが出てきたときに認識ができるというところで、
香りの記憶というのは語彙力と同じ意味であるというふうに考えていました。 初めて知った香りを記憶して使いたい時に表現できるようにする。
というのが、香りの記憶の正体かなと思っています。
言葉で言う語彙力を考えたときに、どうやって学んでいくかというところを考えます。
子どもの真似子をよく見ていると、やはり親の言葉を真似る、周囲の言葉を真似るということが多いと思います。
ってなっているときに実は気づくのが、 親や周囲が口癖のように言っていること、
口癖はやっぱり頻度が多くて、何度も何度も言っていることが多いので、子どもも 口癖のように
真似っこしてくることがあります。 実はこの香りの記憶について考えるときに、
香りの記憶の罠というのは、この口癖にあたるものかなと思っています。 どういうことかというのをこれからお話ししていきましょう。
お店の終年のお祝いで、あるお酒をいただいた時の話です。 使っているお米だったり、酵母を非公開にして情報をゼロにした状態で
発売されているお酒でしたが、実は qr コードが付いていてクイズに答えることができるお酒でした。
お酒の性質を言葉にして、これはどんなお酒ですかということをまさに言語化するというお酒だったんですが、
なんと私黒沢ですが、100点満点中20点くらいの点数を取りました。
その時はとてもショックだったんですが、 あとあと蓋を開けてみると、長いことアレルギー性鼻炎と畜農症になっていて、
鼻が効かないような状態で、 そのお酒を飲んでいたということも分かりましたし、
畜農症などの症状で、嗅覚障害というものがあることが分かりました。
例えばどんなものを嗅いでも同じような匂いがしてしまうとかいう症状もあるようです。
ではなんでここで香りの記憶に潜む罠のお話がしたいかというと、
この時私が感じていた香りというものは、
最も出会う機会が多いお酒の特徴ばかりを選んでクイズに答えていたということがあります。
これは言い換えると口癖のように、同じ特徴を持っているお酒を飲みすぎたところ、
嗅覚障害が起こっている時にその表現をしてしまった結果、100点満点中20点だったということがありました。
最も触れる機会の多いお酒の特徴ばかり選んでしまったのではないかと考えています。
では香りの記憶に潜む罠をどのように回避していけばいいかということを考えた時に、
口癖だったりとか嗅覚の癖を抑えるためにはどうしたらいいかということを考えました。
第2回の放送で香水屋さんで香りの未体験ゾーンに入った後に、 日本酒の香りを取るということをしましたが、
この時の日本酒の感覚というものは、今までより解像度がとても上がったような感覚でした。
ザラザラしたグレープフルーツのような香りだったり、
嗅覚を感じる位置だったり、 鼻の上部、中部、下部を分けて使うようにしてみたり、
入ってくる空気の通り道がわかるような状態、 この状態というのは今のインプットに完全に集中した状態で
香りを取っていったというのを改めて思っていました。 つまり嗅覚の癖を抑えるためには定期的に普段と違う
嗅覚の体験を入れること、 そして感覚に没入すること、
この2つで香りの記憶に潜む罠、 自分の嗅覚の癖だったりを抑え込めるのではないかと考えています。
香りの経験の重要性
今日は香りの表現がとても多様性にあふれているものだったり、
香りについて比較することがとても楽しいことというところで、 4回5回とやってきましたが、
一転して香りの記憶に潜む罠というテーマで言語化してみました。 香りの研究というものはまだわかっていないことも多く、
今回のお話というのは自分の体験に基づいたものですので、 それを踏まえて使っていただければと思います。
本日もありがとうございました。