香りの比較の始まり
飲食を言語化するラジオフーズワーズ始めたいと思います。
本日は、「香りを比較する」を言語化するでいきたいと思います。
香りを比較する。 いきなりお話ししていきたいっていうところもあるんですが、
今日はある食材を題材に 一緒に考えていきたいと思います。
今日の題材はキウイです。 キウイフルーツ。
キウイと聞くとどんな香りを想像しますでしょうか。 トロピカルフルーツのような香り。
酸味のある香り。 太陽の光が当たって栄養をたっぷり蓄えたような凝縮感のある、はじける香り。
私はそんな風に感じるんですけれども、 じゃあ
ゴールデンキウイとグリーンキウイの違いは何だろうかということを、私自身も言語化したいなというところがあったんですが、
この2つはどう違うでしょうか。 今日はそんな香りを比較することを言語化する。
と題して、キウイのゴールデンキウイまたはグリーンキウイを
それぞれ香りを比較するということで トライしてみたいと思います。
ゴールデンキウイの香り
早速ですが 比較していきたいとおもいます。
今目の前にワイングラスに3切れずつ 輪切りになった、輪切りになったゴールデンキウイとグリーンキウイがあります。
それぞれ蓋がかぶせてあって ワイングラスの中で香りをため込んであります。
これは香りを増幅することを目的にしているんですが、 そんな実験でやってみたいと思います。
ではまず理由は後から説明するんですが、ゴールデンキウイから してみたいと思います。
蓋を開けました。 トロピカルな香りはやっぱりするんです。
黄色いちょっとパイナップルのような質感のある香り けど
ザラザラした 例えば下に乗せた時に少し
ピリピリする質感があるキウイの香り とやっぱり酸味のある香りもします。
ただグリーンキウイには、 ゴールデンキウイにはないはずの香りがある気がするんです。
もう一度ゴールデンキウイを嗅いでみたいと思います。 もっと
嗅いだ瞬間に 緑っぽい香りがする気がするんですよね。
その緑の香りの正体を考えていきたいと思います。
まずゴールデンキウイはこれまでにして
一度自分の肌で香りに順応しすぎるのを防ごうと思います。 順応の時にお伝えした花をリセットするというやつですね。
次はグリーンキウイの 香りをとってみたいと思います。
嗅いだ瞬間に猛烈に鼻に残る 重たいグリーンの香り
ちょっと磯っぽいような香り
先ほどのトロピカルな香りとか ザラザラした感覚とか
あとは酸味のある感じとかっていうのをとれるかなぁともう一度やってみたいと思います トロピカルな香りもやっぱりいますね
果実の熟しているかどうかという段階にもよると思うんですけれど さっきよりもザラザラした感じの香りというのはちょっと感じ取りにくい
酸味のような香りは先ほどよりも強いかもしれません ゴールデンキウイに一回戻したいと思います
いや同じくらいあるか
同じくらい酸味を伴う香りっていうのは感じるかなと思います
明確に違うと思ったのは緑色の要素の香り 実は探し当てたかった香りというのがあってゴールデンキウイを先に
かぎました それは
グリーンキウイの緑の要素がある香りを かぎ分けたくて先にゴールデンキウイをかぎました
結果として言えることは グリーンキウイには
磯のような 緑色の要素から来る香りがあるのではないかという仮説です
香りの感覚を深める
これは現在お店で取り扱っている かきフライの塩昆布とキウイのソースというものを
もう一度自分の嗅覚で確かめるためにも やってみたいことでした
では話を戻して 香りを比較することを言語化するというテーマでしたが
今回は比較するということで何が起こったでしょうか ゴールデンキウイにはないと思われる香りがグリーンキウイにはあって
磯のような香りが存在する そして
トロピカルの香り はじける凝縮感のような香り
ザラザラしたような質感の香りというのは 熟したゴールデンキウイよりも若干グリーンキウイの方が少なかったように思われる
そんな比較をしました ではキウイ一つだけを考えた場合
じゃあどう思うかというところなんですが もう一度グリーンキウイの香りから先に嗅いでみたいと思います
トロピカルな香り 凝縮感があるまではいかないんだけれども ジューシーな香り 酸味のある香り
そんな印象になってくると思います なぜゴールデンキウイから比較することによってこんなに差が生まれるのか
それは ゴールデンキウイという香りをまず基準として考えることによって
グリーンキウイが持っている香りの成分がどれほど違いがあるかということは はっきり浮かび上がる
ということです つまり僕の中では比較するとは基準を作ることです
例えばですが経験豊富なシェフは長年の経験 そして長年の経験による記憶によって
自分の中の基準が無数にある状態なのではないかと思っています いざ香りの比較を始めよう
香りの勉強を始めようとなった時に その瞬間私たちに豊富な経験はありません
なので言語化して自分の中に基準を作ることが大切で それによって言語化の鍵を見つけることができるのではないかと考えています
今回はグリーンキウイが持つ緑の要素の香りに注目して その点に集中して香りを嗅ぎ分けてみました
そこから視点を変えずに比較対象をグリーンキウイからゴールデンキウイに移して 香りをとるという作業をしましたが
そんな風に香りの注目する点に集中して 同じ視点から変えずに香りを比較してみるというのも面白いのではないかと思います
これは比較するということで言うといろいろな飲食の場面に応用ができると思っていて 例えば
1986年に塩の洗米が解禁されて日本でもいろんな塩が使えるようになりましたが その塩の食べ比べというものを食材ごとにやってみる
例えば乳製品に合う塩とそうでない塩をトマトのカプレーゼにつけて食べ比べてみる そんな比較もとても面白いと思いますし
他にも飲み比べというものがあります 日本酒飲み比べ、ジン飲み比べ、梅酒の飲み比べ
この飲み比べにもやっぱりその基準を作るという作業があって 一度飲んだもしくは香りを嗅いだお酒を基準に
他のものを考えた時の基準が見つかって表現の方法が広がるというのが飲み比べの すごく楽しいところだと思っています
例えば銀錠酒、純米銀錠酒とかだと華やかな香り フルーティーな香りというのがすごく魅力的なジャンルですけれども
例えば華やかな中にも生酒のフレッシュな香りがのっている華やかな香りだったり もっとおとなしい白い花のような繊細な花の香りだったり
華やかな香りの中にもフルーティーな香りだったり 華やかな花のような香りそしてフレッシュジューシーな香りだったり
もしくは熟しきったメロンのようなフルーティーな香りだったり いろんな香りの楽しみ方ができると思います
ということで今回は 飲食の香りを比較することを言語化するでした
いかがでしたでしょうか 毎回お伝えしているので嗅覚の遺伝子についての話は今回は割愛したいんですが
実はこうして一つ一つ経験を重ねていくことによって 人の嗅覚というものはどんどん記憶の中に定着していって
引き出しが無数にある状態になっていくと言われています なので一流のシェフ一流の調香師
一流の香りを扱う人たちの花はもともと一流だったかというと決してそうではなくて その人が香りの引き出しを地道に積み重ねていったことによって熟練の調香師
シェフになっていくということが言われています なので
そんな詳しいことはわからないからそんな繊細な 嗅覚はないからとおっしゃる気持ちはとてもよくわかるんですけれども
実は楽しんで一つ一つ香りの記憶を増していくというところで今日からでもできる 香りの楽しみ方の一つとして定活のどこかに取り入れてもらえたら嬉しいなと思います
いかがでしたでしょうか それではまた次回お楽しみに
さようなら