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グリーンを夜間自動散水に任せない理由
2026-07-23 21:29

グリーンを夜間自動散水に任せない理由

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畑
Co-host

夏のグリーン管理で、最も神経を使う作業のひとつが散水です。
夜間に自動で撒けば効率は良いはずなのに、畑さんはそこに任せきりにはしません。
水は撒いたつもりでも、必要な場所に届いていないことがあります。
今回は、グリーンの散水を「作業」ではなく「判断」として捉える話です。

 

【今回の内容】
夏の暑さと身体の慣れ / 夜間自動散水を使わない理由 / 風と時間差で生まれる撒きムラ / 夕方に全グリーンを測る / スプリンクラーと手散水の使い分け / 水分計は安価なものでいい / 基準を与えて判断を任せる / 社員もパートも同じチーム

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サマリー

このエピソードでは、夏時期のグリーンの散水管理に焦点を当て、元グリーンキーパーの畑さんが夜間の自動散水をほとんど行わない理由を説明します。目視できない夜間の散水では、風の影響やスプリンクラーの故障で見落としが発生する可能性があるため、自身で確認することを重視しているとのことです。畑さんは、水分計で各グリーンの水分量を測定し、不足している箇所には手動で散水する作業を徹底しています。この管理方法では、各スタッフにも水分計の使用と判断を委ねることで、水分量のバランスを保ち、病気や水ストレスを防ぐことを目指しています。また、高価な水分計でなくても、簡易的なもので十分であり、チーム全員で同じ基準の水分計を使用することの重要性を強調しています。畑さんは、アルバイトや社員といった雇用形態に関わらず、一人ひとりの能力を信じ、チーム全体でコース管理に取り組む姿勢を示しています。自身の考えを押し付けるのではなく、基準を示し、多様な意見を取り入れながら、チームの知恵を借りてコース管理を行うことの重要性を説いています。

夏の暑さとコース管理の現状
田村
コース管理の現場。この番組は、トーナメントコースをはじめ、数々のコースを渡り歩いた元グリーンキーパーの畑さんと、そんな畑さんを裏から支える私、田村が、コース管理の現場で見えることをいろいろと語る番組です。
はい、よろしくお願いします。
はい、お願いします。
田村
夏になりました。
暑いですな。
田村
暑いですなー。
めちゃくちゃ暑いわ。
田村
うん。
あの、去年も同じこと言ってたけど、去年の暑さは尋常じゃなかったけど、
なんか最近のあの天気予報、天気予報とかニュース見てると、
去年はものすごかったよね。6月から30度超えがバンバン。
田村
ああ、そうだね。
あった感じがある。
田村
でもそれに比べたらね。
うん。6月なんかは30度超えが2回ぐらいしかなかったみたいな。
田村
そうそうそうそう。
涼しかった。
その反動がこれすごいんだよ、これ。
田村
やっぱ暑くなるの?今年も。
どうだろうね。暑くなるのか、まあ暑くなるとは思うけど、去年は6月からずっと続いてたから、
暑さに慣れちゃってた。ある意味ね。
田村
まあね。
けども今年は慣れてないから、暑く感じちゃう。
田村
いや、私夏が一番嫌い。
もう脱ぎようがない。
脱ぎようがないよな。皮、脱ぐわけにいかないよな。
田村
エアコンつけると体だるくなるし。
うーん、まあな。
けどさ、寒いのは辛抱できないけど、暑いのは辛抱できるからね。
田村
できない。
え?
田村
私、肌弱いからさ、自分の汗でかぶれちゃうもん。
まあ、まあまあ、そやな。
田村
今日はさ、この時期絶対喋っておかなきゃいけないと思うことがあって、
それはグリーンの散水の話なんだけどさ。
グリーンの散水管理:夜間自動散水の是非
田村
私びっくりしたんだけどさ、グリーンにスプリンクラーついてるからさ、
水をジャブジャブスプリンクラーで撒いてると思ったら、
畑さんほとんどスプリンクラー使わないもんね。
いや、スプリンクラーを使わないわけではなくて、
夜間の自動散水をほぼ使わない。
田村
うんうん、なんで?
やっぱり目で見えないから。
スプリンクラーが自動化されてから、
まあ、自動化と同時に入ってきたのかな、スプリンクラーってね。
効率的に水を芝生に与えるのは、やっぱりお日さんが輝ってない、蒸散も少ない、夜間が一番いいんじゃないか。
それからお客様も回ってないし、管理作業もその時間はしてないから、
一番タイミング的にも効率的にも一番いい時間帯なんだろうね、夜っていうのはね。
だから故に夜間の自動散水。
人が夜ついてさ、なかなかそんなのできない。
毎日の話になってくるから、なかなかそれはできないんで、
じゃあ自動にしちゃえみたいな感じだったんじゃないかな。
田村
やっぱり、夜にスプリンクラー回して誰も見てないと風が当たって、
撒けてると思ってたけど撒けてない場所があったり、
スプリンクラーが壊れてて一個出てないとこがあったりっていうことがあるから、
だから畑さんはスプリンクラーを使わないんでしょ?
そういうこと、私はね。
田村
でもさ、朝見た時にわからないの?
あ、ここ撒けてないなみたいな。
わからない。
田村
あ、わかんないんだ。
わからない。
田村
朝露が乗ってるから?
例えば水を18ホール巻きますと。
そこに時間を決めていくよね。
一番最初に撒いたところの時間と一番後ろに撒いた時間っていうのは時間差があるから、
夜7時ぐらいから朝の5時ぐらいまで水を撒いていきますと、例えば。
なんでかっていうと、スプリンクラーって水圧の関係があって、
一気に18ホール出せないんだよね。
だから順番に出していくの。
一番水が効率よくかけられる時間を計算して分割して順番に出していくんだけど、
一番最初に撒いたところと一番最後に撒くところではだいぶ時間差があると。
夜早く撒いたところっていうのは、時間とともに露が降りてくるよね。
水を撒いたときは露が落ちてしまうんだけど、
時間とともにまた露が乗ってくるよね、上に。
一番朝に近い場所で撒いた散水って、露が取れちゃって再度露が乗っかってない可能性もあるんだよね。
その観点から言うと、見た目でパッて見て、ここは撒けてる、ここは撒けてないっていう判断がしづらい。
田村
しづらい、なるほど。
けどもなんとなくは分かるんだけど、しづらいよね。
田村
なるほどね。
それとさっき田村さんが言ったように向かい風でかかってない可能性があるところ。
けどもね、向かい風って例えばいろんな風が吹いてくるんだけど、
ずっと吹きっぱなしっていうのもなかなかないよね。
ある程度の時間吹いたらパッと止んだり。
田村
ああ、そうか。
10撒いてると思ってたら風が吹いたりとかして、8とか6とかしか撒けてないっていうことがあるかもしれないっていうことだよね。
それは分かんないね。
田村
でも水撒いた形跡はあるから、それは分かんないわ。
そう。
フェアウェイ・ティーグラウンドの散水とグリーンの手動散水
田村
グリーン以外のフェアウェイとかTは夜間散水することがある?
多いね。そっちのほうが多いね。
自動散水がついてるコースはそうするよね。
田村
畑さんもそうする?
そうする。
田村
グリーンの夜間散水をしませんってなったら、いつどうやって水撒いてるの?
自分は必ず目視をしたいと。
目で見て必ずかかったっていうのを確認して、次のホールに行きたいっていうあれだから、
しっかりかかっていれば全く夏ってそれ以外の原因もあるけど、
グリーンが枯れるっていうことはやっぱり少ないんじゃないかなと。
水をかけ損じて枯れることは少ないんじゃないかなと。
田村
そうだね。ちゃんとかかってればね。
そうそうそうそう。
必要量がちゃんとかかっていればね。
だからまず夕方に水分量を見に行きます。
夕方にお客さんが終わった時点で、インコースアウトコースに分かれて
サブキーパーとキーパーあたりが水分計を持ちながら水分を測っていきます。
田村
全グリーン?
全グリーン。
一つのグリーンでも6分割、10分割ぐらい、だいたい図面にして、で、測る。
それから見た目にちょっとこれおかしいなっていうところは必ず水分計を差し込んで測っていく。
で、それを夕方にしていくよね。
その時点で水が全体的にある程度決めた指標っていうのが例えば1%から10%ぐらいまでの水分量があったとして
10%はもうひたひたに満たされた量だけど
そのうちのどのぐらいの水分量を適量とするのかを決めた上で
その水分量に満たない時はスプリンクラーを手動で回す。
全体的に少ない場合はね。
で、部分的に少ない場合は部分的に手散水をする。
ホースを使ってね。
っていうやり方を夕方はしていく。
それで何時に終わるか分からないけど
完全に18ホール終わるまでやり切る。
田村
結構時間かかるよね。
かかるね。
それが日中の気温次第で2人でできるケースもあれば、4人追加さないと前に進んでいかない、
1ホールでものすごく時間をかけていくケースもあるから、その時は人数を増やしてやっていく。
日没してしまうと目視できないから。
良くないからね。
朝の水分量確認とグリーンキーパーへの指示
で、その上で終了させて
次の日の朝は大体ちょっとこのぐらいの散水量でいこうかなと。
水分量が今回このぐらいまでは補えたから
明日の朝は大体このぐらいでいこうかっていう打ち合わせまでする。
で、今度朝になります。
朝になったら必ずみんなが出勤するまでに主だったところの水分量を前日やった結果を見に行く。
どれだけ前日にやった水が重力水でどういう変化をしているのかっていうのを見に行く。
重力水っていうのは表面にあったものが下がっていってるかどうか、どれだけ満たされているのかどうかを
大体主だったところを見ていく。
その上でグリーン刈りの人に散水を委ねる。
大体パターン的にはグリーン刈りの人が刈込をする前に指定した分量の散水をしてもらう。
田村
スプリンクラー?
スプリンクラーでやってもらう。
それはスプリンクラーに限ったことではなくて、スプリンクラーが必要であればしてもらう。
スプリンクラーが必要でない場合は手で撒いてもらう。
っていうパターンを決めてた。
田村
それは水分計で測った時に、全体的に、例えば20%で乾燥状態だなっていう風になってたらスプリンクラーで水を撒いて
測った時に20%のところもあるし、60%もあるっていう風になってたら、
スプリンクラー使っちゃうと60%のところがジャブジャブになっちゃうから
そういう時は手散水で20%のところだけ水を撒くっていうこと?
それはグリーン刈りの人が測って判断して、水を撒くっていうところまでやるっていうこと?
今のパターンでいうと夜は自分たちで見に行きました。
朝は出勤される前に前日の水分量を主だったところを測りに行きます。
その次はグリーン刈りの人に委ねたいから、グリーン刈りの人を日々訓練してもらってるよね。
そういう水の見方とか考え方っていうのを訓練してる人がグリーン刈りに配備されてる。
だからある程度の指標は言ってあげる。
指標っていうのが「今の状態はこうです。前日こんな感じで今の朝の状態はこうなんでグリーンを狩る前に水分量を測ってくださいね。」
だからグリーン刈りの人が水分計を全員が持っている。
それとチェックする図面を持っている。
で、グリーン刈りの人が10分割か6分割かしたところを主だったところを水分計でもって測ります。
それから気になるところも測ります。
それプラス私たちが事前に情報を与えている分を考えながら、
スプリンクラーを撒くべきなのか、スポットでいいのかっていうのをグリーン刈りの人が判断してやります。
っていうパターンを作り込んでた時があった。
そうすると完璧に終了できる。
水分量を芝生の中でバランスよく保つことができる。
ただそういうスキルを持った人が配備されないとなかなか難しいけど、
キーパーだけが見ていても大雑把になっちゃうんで、完璧にクリアすることはできない。
けども今みたいなやり方をすればほぼ完璧にいける。
だからといってグリーンが枯れないかといったら、それはまた別の話なんだけど、水分量を適切に管理することができる。
っていうやり方をしてましたね。
水分計の活用とチームでのコース管理
田村
水分計で水分量を測って水を適切にあげていれば、水のあげすぎによる病気の発生とかも防げるしね。
水ストレスとかね。
田村
水分を測らなきゃっていうと、すごい高い水分計を使って測ろうとする人がいて
そんなのグリーン刈り全員分用意できないよっていう時あるんだけど
畑さんが使ってる水分計って、本当1個1000円とかの簡易的な水分計だもんね。
そうそう。
まあ要は指標だからね。
田村
みんなで同じ水分計を使うことが大切で、その水分計で測った時に2だったらやばい。
8だったらジャブジャブみたいな、そういうのが分かればいいだけだから
別にそんな高いのを使う必要はないんだもんね。
要は単純に人間は土の中を見ることができない。
世の中にはいろんな水分計があって、水分計を持ち入れば、
土の中っていうのは見えないものの、手に取るように感じることができる。
数字で確認することができる。
それにはものすごく高価な水分計があったりするんだけど
高価な水分計であれ安い水分計であれ、しっかりメーターが触れてくれたら考え方は一緒だからっていう考えで
安い水分計を私は利用しながらやってる。
十分それで機能するから。
田村
とにかく同じ水分計を使うっていうことが大切だよね、みんなが。
違う水分計使ったりすると、例えばAという水分計で5なんだけどBっていう水分計では8が出たりとかして、
そうすると多いのか多くないのか分かんないみたいな風になっちゃったりすることあるもんね。
水分計によって基準の数値みたいなのが全然違うよね。
全然違うよね。
けどさ、みんなも長年使ってくると何かおかしいっていうのが分かってくれるもんね。
分かってくれると同じメーカーの同じやつを予備を持ってきて2本挿して「やっぱり違う」って言って捨ててくれる。
そこまでなってたからね。
新しいのを買っても2つ並べてやったら多少違ったりするもんね。
田村
そうだね。同じメーカーの同じ製品でもね。
けど本当に水分量って慣れた人がいっぱいいると何か感じてくれてるよね。
挿し込んでる時の硬さとか、みんなそこで語れるもんね。
田村
見てるよね。
見てる。
ちょっとあれメーターは振ってるけど水がないんじゃないかとかさ
何かちょっと振ってるんだけど硬かったよとか言ってくれるから。
田村
何か言いに来てくれる人も多かった。
そうそう多かった多かった。
必ずキーパーは、みんなが書いてくれた表を見て感想聞いてたからね。
いろんなヒアリングするからね。
その繰り返しは訓練だから。
だから、ほぼほぼ水が撒けてなくって焼けてしまったっていうケースはなかったよね。
畑さんのチームマネジメントと思想
田村
何かさ、いろんなキーパーの人たちが作るいろんなチームを見て思うんだけど、
畑さんの作るチームは、社員の人が少なくてアルバイトが多いチームになるんだけど、
畑さんは、アルバイトだからどうとか、社員だからどうとかっていうのがなくて、
人一人ができることっていうのをすごく信じてるところがあるよね。
僕は逆に、社員もパートさんも同じだと思ってるし、
パートさんってものすごく技術に特化した人がいたり、気のものすごく回る人がいたり、
いろんな特性を持った人がいっぱいいるからね。
だから宝の宝庫だと思ってるよ。
ほんと。
田村
でもさ、そうだけど、判断業務は社員がやるとかで、キーパーが全部理解してて、キーパーだけが忙しくてみたいなことがあるじゃない?
でも畑さんが作るチームは、みんなで作ってる感じがすごいした。
俺は社員だから万能か、神様みたいな存在にいう人がいるけど、そんなのありえへんからね。
そんな人いないと思うよ。
何かは長けてるけど、何かはできないとか、そんな人ばっかり。
そういう人がうまく寄せ集まって一つのチームができるんだから。
って僕は思ってるからね。
だからやっぱり水に対してのレクチャーをした時に、
ある人は100%私のことを理解してやってくれてる人もいるし、
半分ぐらい理解して、自分の考えをぶつけてくる人もいるし
それがいいところだよね。
私の考え自体が100%合ってるかって言ったら合ってないから、そんなの。
ただ自分の世界で酔いしれて言ってるだけの話で。
農薬の考え方もそうじゃん。
全てそうよ。
刈高の考え方もそうだし。
だからその大前提に立った時に、いろんな人の知恵を借りないとそんなものはできないことであって、
まず基準を与えるのが私の仕事かなと思ってる。
田村
畑さんってよく喋るからかな?
でも本当はすごく聞く耳も持ってるし、すごく人のことを信じてるし、
でも押し付けてるように思う人が多いよね。
「畑さんの言う通りを全部やらなきゃいけないんですか!」みたいに思う人多いよね。
本当はそんなことないのに。
喋ってると楽しくなってくるから、技術をひけやらかしてるように思われるかもしれないけど、そんなことないからね。
田村
だから言って違うと思うんだったら言って欲しいし、
技術論を話し合いたいって思ってるんだけどね。
そこの受け入れ体制っていうのか、そんな大層なものではなくて
自分の考えは自分は万能じゃないっていうのを自分は分かってるつもりだからみんなの力を借りたいと。
そうじゃないと成り立たないと思ってるから。
田村
特に水分のことなんてさ、水がかかってないことがあったら枯れちゃうわけだから、
そんなのキーパー一人の目で何とかしようと思ったって絶対無理じゃん。
だからみんなの目を借りてやったほうがいいよね。
そうするべきだし、
人にやってもらったって無理だから
それでも見落としてるからね。
けども被害をいかに最小限に抑えるかっていうことを考えないとね。ゼロはないと思うから。
やっぱりそこだけやね。
田村
きれいにまとまったので終わりにします。
番組からのお知らせ
田村
今日の話は畑さんの経験を元に話をしています。
芝草学的に異なる解釈もあるかもしれませんが一つの視点として楽しんでいただければ幸いです。
感想や質問はXかインスタグラムで「#コース管理の現場」をつけて投稿していただくか
概要欄にあるお問い合わせフォームからもお送りいただけます。
フォローやレビューもお待ちしております。
それではまた次回お会いしましょう。
はいありがとうございました。
田村
はいありがとうございました。
21:29

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