-
-
田村
で、それをできるだけなくすために春からできることと、今できることがあるの?
畑
今できることはほぼない。
田村
ない。
じゃあ、春に何とかしなきゃいけないの?
畑
春に何とかしないとダメ。
田村
なるほどね。
畑
そこの土壌環境とか、土壌状態とか、それから周りの環境、それから今年の気候とか、全てを読んだ上で、その土壌を大前提で芽を作っていく。
っていうのが大事だよね。
だから、私がやってるやり方っていうのは、できるだけ小さい芽を作っていく。春に。
田村
何回かこのあれでも、ポッドキャストでも話したことある。
畑
短葉法でね、作っていく。
それから肥培管理を考えていく。
目砂とかの更新作業を、それを見越して逆算してやっていく。
ただ、短葉法をやったからって言って、ボールの地面に対する沈み込みがないのかって言うと、あるのはあるのよね。
大きいか小さいかだけの話で。
小さい目は小さく沈み込むけど、大きい目の場合は大きく沈み込む。
これも単純にね。
だから、どちらにせよ沈み込んであるんだけど、重くなる度合いが違います。
それともう一つは、できるだけ密集状態作らない。
今のゴルフ場のグリーンの芝生って、アップライトな高密度の芝生が多くなってきて、結構密集してしまう。
そうすると、どうしたって梅雨になると、競争の原理で徒長が起こっちゃう。
田村
でもさ、春先に話したときは、芽数を増やすために、子株に当てるように刈高を設定して、分げつを促してっていうのをやってたじゃない?
それは密集させようと思ってやってたんじゃないの?
畑
密集じゃないの。芽数を増やす。
だから、例えば「1センチ真っ角のところに20本入れるのが適正なんです」って言ったら、同じ20本でも、一つの作り方は、その1本1本がものすごい小さい葉っぱです。
0.1ミリに満たないような、一つの芽ができます。
かたやもう一つの方は、1ミリぐらいの芽ができます。
同じ20本なんだけど、1センチ真っ角で、その個体が大きくなったときに、上で密集する率が全然違うんだよね。
だから、まず単位面積あたりの芽数を増やしすぎないこと。
一番このグリーンにベストな芽の大きさと、個体数はどれぐらいがベストなのかっていうのを自分で作っていくこと。
田村
じゃあ、畑さんがグリーン作ってたとき、28本とかあったけど、やりようによっては、32本とか35本とかに作ることもできたけど、そこまではしない。
畑
しちゃダメだと思ってるからね。
ちょっとやっぱり、1本1本の個体がちゃんと健全に、葉っぱを横に展開させて、健全に分げつさせるためには、隙間がないとダメだと思ってるから。
田村
へー、難しい。
じゃあ、攻めればいいっていうだけじゃないんだよね。
途中でやめなきゃいけないの?攻めること。
畑
そうそう、そういうこと。
だから、刈高とか、肥培管理とか、床の状態とか、更新作業とか、全てがマッチングしたときに、初めて自分の思うことができる。
思うことができるために、そういったものを考え抜いていく。
だから、地域によっても違うし、場所によっても違うから、一概には何がいいとは言えない。
だから、グリーンのスピードを安定させるためには、そういった少し隙間のある、芽数の多い、短葉法で小さくされた個体のあるグリーンを作っていくと、抵抗なく、梅雨と言えども、夏と言えども、綺麗に転がってくれるグリーンができるし、芝生個体の呼吸もできる、必要とする栄養分も、そんなに多くなくて済む。そういう競争の原理も働かない。
だから、競争が浅いところに、側根が張って毛細根が出て、土をグリップして、コンパクションが上がってくる。
深いところまでの根を必要としない。だから、深いところに有機物が残らなくなる。
なんか好循環だね。
それを作るのがものすごく難しい。
刈高の問題じゃないのよね。
芽が1本1本健全かどうなのか、その環境がどうなのかによって、そういう操作ができるようになっちゃう。
そうすると、1年間通して、重い早いっていうのが、安定して提供できる。
田村
そうか。私なんか、この梅雨時期に何かできることあるかなと思って、このテーマを選んだけど。
畑
いいテーマだと思うよ。
だから、この会話ができたから、俺はいいと思ってる。
田村
じゃあさ、梅雨時期にできることを、ちょっと時間もないからサクッと話したいんだけどさ。
軸刈りが怖いじゃない?
間延びするっていう知識はあるから、軸刈りが怖いから、って言って、極度に恐れて、刈高を上げすぎちゃうこともあるでしょ?
それも重い原因になると思うんだけど、それを起こさないためにはどうしたらいい?
畑
今言う話、大前提は、さっきまで長く話したことが、大前提なってくる。
田村
でも、ちゃんとした、しっかりした、フェイスのある短葉法で作ってたとしても、梅雨時期に怖いから、上げて、上げて、みたいに、どんどん上げてっちゃったりとかしたら、ダメじゃん?
畑
けど、その大前提で話したところの考えを持ってる人は、多分、上げない。
上げる概念が違うのよ。
今田村さんが言いたいのは、大多数がそうじゃないんじゃないのと。
単純に梅雨時期に高くなって、そのままやったら軸刈っちゃうから、良くないよね。
じゃあ上げる必要はあるんだけど、逃げていかないと成長点に、刈高のところが刈込みラインに近づいてくるから、それって良くない。
弱る元だよね。
ところが、もうどうしようもないのよね。
そういう作りをしてきたグリーンっていうのは、もうコントロールがなかなかできなくなってるんで、じゃあどうするのかって言ったら、工夫って言うより、逃げるしかない。
だから、極論言ったら何もしない方がいい。
刈込みをしない方がいい。極端なこと言えば。
けどもそういうわけにはいかんよね。スポーツターフだから。
だからどうするかっていうと、少しずつ逃げるしかない。
上に上げていって、軸刈りを防ぐしかない。
田村
でもたぶんみんな、徒長するから、軸刈りしちゃいけないから、刈高を上げなきゃいけないっていうのは、知ってると思うんだよね、キーパーは。
だから、上げていっちゃうんだけど、まだ上げなくていい時期に、上げちゃったりすることもあるじゃない。怖いから。
畑
その場合は、何を必要とするかっていうと、まず芽を見ないとダメだと思う。
その上げる原因っていうのが、芽が徒長するわけではなくて、グリーン全体が軸狩りになってくるから上げるんだけど。
けどその現象っていうのは、個に置き換えた時に、芝生一本一本の集合体だからグリーンは、だから芽を見るしかないよね。
で、徒長をしてない時期、春先から梅雨に入るまで、みんな芽を見てもらいたいね。
一本一本目をとって、春先から梅雨まで。それから梅雨時期、それから梅雨の中、末期、夏。
全てずっと追い求めてほしいと。
そうすると追い求めてる中で、
梅雨に入ってしばらく日照不足とか続いてきた時に、収量が上がってきましたっていう前に、おいおい、ちょっと間延びしてきたよっていうのがわかるのよね。
田村
収量が上がる前にそれがわかるんだ。
畑
収量が上がる前にわかる。
なんとなく予兆がある。
表面で見ててもなんとなくわかるけど、芽を見てるとなおわかる。
田村
葉っぱが肥大化するのと、軸が伸びるのってどっちが先なの?
畑
軸が伸びる。
同時って言ったら同時なのかもしれない。
どちらかといえば、軸がスッと上に上がりかけて、なんか葉っぱの色が濃くなってくる。
それを続けると葉っぱの色が薄緑みたいになってきて、葉っぱのカラーが弱ってくる。
カラーっていうのは葉っぱと軸とつないでるところね。
そこがなんか薄くなってくる。
見てるとわかるんだけど、健全な軸の薄さ、色の薄さと、不健全な時の薄さっていうのは違うんよね。
なんとなく。
これも健全な時から見てるから違いがわかる。
だからそれを追い求めてもらって、梅雨時期に「そろそろ来たな」「だいたい何ミリぐらい上がるんじゃないか」「上がってきたな」っていうのがわかった時に、逃げ方を考えていく。
田村
その分上げればいいんだもんね。
成長点切らないようにね。
畑
そうそう。梅雨になってきたから、台風が来たから、ちょっと雨が降ったから、日照不足だから、そろそろ刈高上げようかっていうのは、俺は間違ってると思う。
上げることは最終的には上げないと、芝生を弱らすからそうなんだけど、なぜ上げるのかが抜け落ちてると思うんだよね。
梅雨だから上げるっていう考え方は、俺は間違ってると思う。
実際見てたら芽が上がりかけてるから、どうやって逃げていくか、刈高を何ミリ上げるべきなのか、っていう議論をしていかないと、ダメだと思う。
田村
プレイヤーの人だって、重たいグリーンより重たくないグリーンの方が好きなのに、よく見ないで、梅雨だからって言って、「じゃあ2ミリ上げとくか」「0.2ミリ上げとくか」とか言って上げちゃって、そしたらその分ちょっと重たくなるわけでしょ。
畑
重くなる。
田村
だからその時の最高のグリーンを提供するっていうことができなくなっちゃう。
畑
そうやね。しかも健全なやつを上げてしまうと、健康体で勢いがあるから、その間延びの勢いじゃなくて、健康体としての勢いがあるから、ポンと開放すると上で頑張ろうとするから、逆に援助しちゃう。
その夏場の徒長とか、密集度合いとかを援助しちゃって。
田村
なるほどね、そういうこともあるのか。
じゃあやっぱりほんと芽見るのが大切なんだね。
畑
大切ですよ。
やっぱりグリーンっていうのは目の集合体なんで、そこをやっぱりしっかり見ないとダメだと思うよね。
田村
分かりました。
畑
これはね、ほんとにしゃべりだしたらこれも延々とこう、
なんかダラダラと長く続くから。
田村
そうなんだよ。
刈高のところだけでも一本取りたいかなと思ってたんだけど、でもね、梅雨が終わっちゃってから配信されてもしょうがないかなと。
無理やりここに入れてみました。
畑
今からでも遅くないからちゃんとルーペを出して、今から見て、来年のためにね。
田村
そうだね。
畑
見てほしいと思います。
田村
はい、分かりました。
畑
はい。
田村
じゃあ今日は終わります。
畑
はい。