colonelの発音の謎
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、そして英語のなぜに答える初めての英語史の著者の堀田隆一です。
10月11日火曜日です。 3連休明けで今日から週の始まりという方も多いかと思います。
いかがお過ごしでしょうか。 英語の語源が身につくラジオheldio。本日の話題は、
なぜ colonel 大佐を意味する kernel は kernel という発音なの、です。
これはですね、大佐を意味する kernel はですね、c-o-l-o-n-e-l というふうに l が出てくるんですね。
その割にはあたかも r のような発音 kernel という発音になるわけです。
これなぜかという質問なんですけれども、これ実はですね、先日、急な生放送ということでお届けしたアーカイブで聞かれた方が多いかと思いますが、
494 回、英語に関する素朴な疑問1000 本ノック生放送会ということでお届けしましたが、この中で学生から寄せられた質問なんです。
そこで口頭でざっとは解説したんですけれども、まだ話し足りないなと思いましたので、今日改めて詳しく取り上げることにしました。
それではどうぞよろしくお願い致します。 今日取り上げる大佐を意味する kernel ですね。
この単語は改めてスペリングを言いますと、
c-o-l-o-n-e-l ということで、コロネルのように書くわけですね。 l が2回現れるっていうことなんです。
そうすると、最後の l はもちろん l で発音されるんですが、一つ目の最初の l の方ですね、c-o-l という、これは r のように巻字体で発音されるわけがないわけです。
スペリング上は絶対そういう発音にならないはずなんですが、実際のところ、この単語、大佐を意味するこの単語の発音は
kernel というふうに r という、こもった r の巻字体発音になるわけですね。特にアメリカ英語だと kernel。
ちょうどこれはですね、別の同じ発音の単語 k-e-r-n-e-l という確信を意味する、あるいはナッツなんかの過食部分ですね。
硬い殻の中に入っている、あの食べる部分、あれをジンと言ってますが、ジンとかシン、確信っていう意味ですね。これと同じ発音になるんですね。
なぜ l が読まれないのか、あるいは読まれないどころか、どっちかというと r に近いぞという発音になるわけですね。
これ何でなのかということです。では、この謎を解くために歴史を振り返ってみたいと思います。
まずこの taissa を意味する kernel ですが、英語に最初に現れるのは16世紀半ばのことなんです。
フランス語から入ってきました。この時の綴り字はなんと c-o-r-o-n-e-l-l ということで、最初の部分ですね、今だったら l のところがちゃんと r になってるんですよ。
これはですね、フランス語から借りたっていうことなんで、フランス語の形を見てみますと、ちゃんと一つ目が r なんですね。
なので、それを借りてきたまでということで、英語は特に何もしていない、そのまんま借りてきただけですということになってるんですね。
このフランス語の r を持っている単語、典型的には c-o-r-o-n-l-e-l のように綴ることがフランス語では多かったんですが、
このフランス語の単語自体は、さらにイタリア語の対応する単語を釈用したものなんです。
そしてイタリア語ではですね、なんと c-o-r-o-n-l-l というふうに、最初の部分がですね l なんですよ。
つまりイタリア語で l それがフランス語でどういうわけか r になり、それを英語がそのまんま借り受けたということなんです。
フランス語で何らかの確信が起こって l が r になってたっていうことですね。
それをそのまんま英語でも借り受けましたということで、英語では当然 r なわけです。
語源の解説
ではフランス語ではなんで、その釈用元であるイタリア語で l なのにフランス語で r になってしまったかと言いますと、これ実は割とよくあることなんです。
ロマンス諸語、イタリア語とかフランス語とかこのあたりロマンス諸語と言いますが、これではよくある現象で
イカっていうふうに呼びます。イカっていうのは異なるに化けるですね。イカ。ディシミレーションっていうふうに用語では呼んでいますが、これはですね、
もともとのイタリア語は c-o-r-o-n-l-l というふうに l なんですね。
最初の部分は l だし、語末に近い部分は l っていうことで l l l が2回出るっていう単語なんです。
このように同じ単語、一つの単語の内部に l が2回出るという場合ですね。
l l というふうに l l という発音が続くんですけれども、こうした場合に
どちらかの l が似ている発音である r に化ける。
化けると言いますか、化かすと言いますかね。発音の都合で同じ発音 l が2回続くと文字通りロレツが回りにくくなるので、一方ですね
聞こえとしてはとても似ている音だけれども、つまり日本語的には両方ラ行音なわけですよ。
なので当然似てる。音声学的に似てるんですが、このように聞いた感じは似ているけれども、発音する側としてはあえてこれが違う
発音ですね。 l と r のように違う発音する方がむしろ言いやすいと。同じ発音だと下の位置が同じでロレツが回らなくなってしまうので、
かえって違う風にした方が発音しやすいということです。そして所詮聞き手側にとっては似たようなラ行音というふうに捉えるわけですから
発話する側の都合でですね2回 l と続く場合には1個の方を r に変えるっていう方がむしろ発音しやすい
っていうことがあったりするんですね。こういうのをあえて意識的に
異なる音にする。ただ全然異なる音ではないんですよ。やはり聞いた印象としては近いので聞き手には
特に大きく異なったように聞こえない。ただ発音する側としてはほんのちょっと違うだけでグッと発音しやすくなるので
このようにあえて変えるということがあるんです。これをディシミレーション以下っていうんですね。
もともと同じ発音のものをあえて似たものに変えるということです。これがどうもイタリア語では l ということで耐えていたんですが
フランス語に取り込まれるに及んで最初の l がですね r に活かしたっていうことです。
そしてこの一つ目が r に化けた形のコーネルというようなフランス語がそのまま16世紀半ばに英語に借りられて
英語では最初の部分は r そして最後の語末の部分は l というフランス語的な綴り字で持ち込まれ
おそらく当初は発音も本当にその通り綴り字通りに最初のものは r で読まれ最後のものは l で読まれるというようなことだったと思うんですよ。
ちなみにですね遅ればせながらなんですがこの単語の大元の語源は何かっていうとイタリア語もですねそのもっと前のラテン語に由来するわけなんですがこれが
コルムナムという発音これは英語にも直接入ってきていてコダムってやつですコラムです円柱ということですね
コラムの起源と発音の変遷
今コラムというとエッセイのコラム新聞とか雑誌のコラムというのを思い浮かべるかもしれませんがあれはもともとですねページを1ページをさらにですね縦に一つとか二つに分けてその一つ一つの細長い単位をコラムって言ってますよねここに収まっているぐらいの短いエッセイということでコラムぐらいの意味になってるんですがもともとはこの形状から
柱って意味なんです特に円柱です丸い柱これをコラムと呼んでいたんですねそこから柱というのは兵士たちの中の柱ってことはリーダーって意味ですねここから大佐という軍事用語になっていたっていうことなんですけれどもこれがもともとなんですなのでコラムですからこれ l ですよね最初はやっぱりもともとは l だったんです
最初の r なり l なりっていうこう揉めているあの部分は co の後の神話ですね大本は l だったんですイタリア語でも l で続いたんだけれどもフランス語では先ほど述べたように以下の働きによって r になり英語でも r で借りられてきたとこれが16世紀の一番最初に英語に借りられてきた時の姿なんですね
さてところがです 英語では16世紀後半にルネッサンスという時代で
ラテン語大好きっていう時代が来るんですね古典語であるラテン語に系統する 浸水する時期がやってきますこの時にこのカーネルという単語もですね
コロネルという単語も大本をたどるとどうもラテン語では最初のあの部分 l だぞということに気づいたのでラテン語をそのままの形に寄せたいっていうことですね
l が綴り字で戻されてきたわけですつまり col というふうに l が綴り字として戻されたんですねラテン語の形を参照して
そしてこれが後に結局ですね r を l に差し替えたこの綴り字が現代まで続いているということなんですが発音はまた別の話で
綴り上 l を強引に差し込んだ差し戻したからといって人々のもう慣れ親しんだ発音つまり r の発音はですね
結局変わることがなく現在に引き継がれているということです ここまで来るとですね綴り字の l が正しいのか発音の r が正しいのかももうよくわからなくなるぐらい
めちゃくちゃな経緯をたどっているということになりますね エンディングです今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました
このコロネルと書いてカーナルというこの素朴な疑問に発する一つの英語史上の話題だったんですけれどもそこに関与してくる出来事っていろいろあったっていうことがわかると思うんですよ
まずは ラテン語イタリア語と順当に来た l がですね以下ディシミレーションという作用によってフランス語で r に
化けたそれを英語を借りたんだっていう流れがある一方でその後英語ではですね 16世紀
半ばとか後半のルネッサンスによってラテン語を直接参照するというような風潮が出てきてですね そのおかげで綴り字上は l に見戻されたしかし発音はそれまでのフランス語
由来のですね r の発音がそのまま引き継がれて今に至るというような もうめちゃくちゃチグハグというようなことの繰り返しで現在ですね
予想できないような通り地から予想できないような発音になっているっていうことでそれぞれに言語的あるいは文化的な背景があってこんなに通り地と発音の関係が乱れてきたということなんですね
言葉って本当に面白いですこのように一つ一つの単語が独自のある意味 人生と言いますかね
ライフを持っているわけですよねそれで蓋を開けてみるとこんなに発音と通り地がですね チグハグになっているというようなものまで現れてしまうっていうことですけれども
一つ一つの単語も本当に人生一人一人の人の人生と一緒ですね それぞれが歴史を持っているそしてうまくいってないこともあればうまくいってることもある
というようなものそしてその一つ一つが集まって英語という言語を構成している ちょうど一人一人がたまたまどういうわけか2012年このタイミングで世界に生きていて社会を構成しているっていうのと何とも似ているような感じなんですね
言葉の世界も一人一人の人生のようにですね every word has its own history という精神で見つめているとですね本当に一つ一つの単語は面白いということになりますそれをこのヘルディオではお届けしているというそんなことになるかと思いますね
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また明日