2025-11-02 19:34

#1617. conceive, deceit, receipt, perception のチグハグ --- 「いのほたなぜ」より

▼hel活のハブ The HEL Hub のホームページがオープンしました


- https://user.keio.ac.jp/~rhotta/helhub/

- heldio, helwa はもちろん hellog や YouTube 「いのほた言語学チャンネル」などの様々な媒体での英語史コンテンツの新着が日々集まってくるページです.


▼2025年10月15日に新刊書が出ました


📕井上 逸兵・堀田 隆一 『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』 ナツメ社,2025年.


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- 本書を紹介する特設HPはこちら:http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/inohota_naze

- YouTube 「いのほた言語学チャンネル」が書籍化されました

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▼helwa リスナー有志による月刊誌「Helvillian」の12号が公開されています


- 第12号(2025年9月28日):https://note.com/helwa/n/n7754627fffb2


▼2025年6月18日に新刊書が出ました


📙唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.


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- 発売3ヶ月で早くも3刷が決定

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▼パーソナリティ,堀田隆一(ほったりゅういち)の詳しいプロフィールはこちらの note 記事よりどうぞ.


- https://note.com/chariderryu/n/na772fcace491


▼heldio のビデオポッドキャスト版を Spotify で始めていますので,そちらのフォローもよろしくお願いします.


- https://open.spotify.com/show/0xOyOIXBUrIZbnwSLeJsSb?si=zH5V2CjkS0ekqNz5ro7caw


▼2025年7月7日に『英語史新聞』第12号がウェブ発行されています.


khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第12号がウェブ公開されています.こちらよりアクセスしてください


- 第12号:https://drive.google.com/file/d/1eQawDu2njFNMMVKDUr4JRZdIWTNHDdha/view?usp=drivesdk


第12号公開については,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio (https://x.com/khelf_keio) を通じても案内しています.

リツイートなどを通じて「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)にご協力いただけますと幸いです.


▼プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) も毎週火木土の午後6時に配信しています


「英語史の輪」にこめる想い


1. レギュラー放送は,これまで通り,最大限に良質な内容を毎朝お届けしていきます.プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」のための課金の余裕がない方々(例えば中高生や英語史を真剣に学びたい苦学生など)は,無料のレギュラー放送のみを聴き続けていただければと思います.レギュラー放送では,皆さんに最良の放送をお届けし続けます.


2. プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」で得た収益の一部は,レギュラー放送の質を保ち,毎日円滑にお届けするための原資とします.


3. また,収益の一部は,Voicy 以外でのhel活をさらに拡大・発展させるための原資とします.


4. ときに khelf(慶應英語史フォーラム)やプレミアムリスナーにも協力していただき,hel活の新機軸を打ち出していきたいと思っています.企画本部としての「英語史の輪」です.

5. ぜひとも「英語史の輪」のプレミアムリスナーになっていただきたい方


 ・ hel活を応援したい方(資金援助,広報支援,盛り上げ係りなど.研究者,学生,一般の社会人など職種や専門は問いません.)

 ・ 毎日もっともっと英語史に触れたい方,レギュラー放送では足りない方

 ・ 私(堀田隆一)の話をもっと聴いてみたい方

 ・ レギュラー放送のような一般向けの話題にとどまらず,もっと専門的な英語史の話題も聴いてみたいという方

 ・ レギュラー放送で言えない/配信できないような「低い」話題(対談のアフタートークや飲み会での雑談など)も聴きたいという方

 ・ パーソナリティおよびリスナーさんどうしで,もっと交流したい方


以上,よろしくお願いいたします.

サマリー

ポッドキャストでは、語源に基づいて英単語「Conceive」、「Deceive」、「Receive」、「Perception」の関連性を探求しています。また、ショート動画制作の経緯や語源的なつづり字についても触れています。英語の単語に見られる綴りと発音の不整合、特に「RECEIPT」「CONCEIVE」「DECEIVE」「PERCEIVE」の系列について考察しています。この混乱は、言語の歴史的背景や異なる時代からの借用に起因しています。

ポッドキャストの紹介と書籍からの話題
おはようございます。英語の歴史の研究者、エログ英語紙ブログの管理者、英語のなぜに答える初めての英語紙の著者、そして6月18日に研究者から刊行された英語語源ハンドブックの著者のホッタリュイチです。
加えて10月15日に夏目社より新刊書が出ました。 同僚の井上一平さんとお届けしている youtube チャンネル
いのほた言語学チャンネルから生まれた本です。井上一平・ホッタリュイチ長 言語学ですっきり解決英語のなぜ
ハッシュタグひらがな6文字でいのほたなぜとしてご意見やご感想をお寄せください。 特設ホームページも概要欄のリンクからどうぞ。
英語の語源がミニつくラジオヘルディオ 英語紙をお茶の間にをもとに英語の歴史の面白さを伝え
裾野を広げるべく毎朝6時に配信しています。 本日は11月2日日曜日
皆さんいかがお過ごしでしょうか 今日も例の植物園よりお届けしております
すっかりお気に入りでですね 鳥のさえずり
いつもより近くに聞こえるかもしれませんね 座っているベンチのすぐ後ろからですね
割と大きな声で鳴いたりしてますね 今日の話題なんですけれども
いのほたなぜより一つ ネタをとっていきたいとおもいます
そのままお知らせするというよりはですね そこから少し展開して深掘りしていきたいとおもいます
お題は Conceive, Deceive, Receive, Perception のちぐはぐ
いのほたなぜよりです どうぞよろしくお願い致します
語源的つづり字の影響
皆さん いのほたなぜも手に取ってお読みいただいておりますでしょうか
こちらご好評いただいております
このHéldioでもいろいろな形で いのほたなぜからの話題をお届けしていこうと思っているんですが
今日もその一環なんですね
先日木曜日でしたかね
実はですね このいのほたなぜの本を広報すべくですね
いのほた言語学チャンネルという本のもとになっている youtube チャンネルからショート動画を配信してみたんですね
いのほたなぜ関係のショート動画としては初のものなんですけれども
こちらリンク貼っておきます
ぜひ見ていただければと思うんですけれども
こちらダウトのBの謎について 1分で説明するというショート動画になっています
実はこれですね
井上さんも私も出ているわけではなく 生成AIを駆使して作ったショート動画なんですが
しかもですね 製作者というんですかね
AIを使いながらということなんですが
これがですね やはり井上さんでも私でもないんですね
どなたかと言いますと出版社なつめしゃの編集者さんなんですね
編集者さんがこのいのほたなぜの広報のために
何か面白そうなネタ ウケそうなネタからですね
この1分のショート動画を作ろうということでですね
実は制作してくれたと そういうものなんですね
その編集者さんもですね
特にこのようなショート動画を作り慣れているということではなく
おそらく今回ですね 初めてトライして
この本の広報のために役立ててもらいたいというような
そういう趣旨だったんですよね
ただ配信する媒体はですね
独自のなつめしゃさんもチャンネルと思っているかもしれませんが
ここではいのほた言語学チャンネルから配信するのが良いだろうということでですね
配信プラットフォームそのものは井上の方から出したそういうことなんですよね
木曜日に初めてこのショート動画を流しまして
多くの方に見られているようですね
やはり通常の10分20分の動画
いのほたチャンネルとはですね
異なった動きというか再生回数とかですね
皆さん見ていただいているようで注視しているところなんですが
このシリーズですね
そのなつめしゃの編集者さんなんですけれども
いくつかもうすでに作っておりまして
ものすごく長いシリーズになるかは別なんですけれども
あと何回かはですね
このいのほたなぜからのネタで作ってあるということで
こちらも合わせて出ましたら
私もいろいろな方法で皆さんにお伝えしていきたいと思いますので
このショート動画そのものの方もぜひご覧になっていただければと思います
その木曜日のですね
ショート動画はダウトのビーという英語詩の話題としては典型的な話題なんですね
語源的つづり字というもので
このヘルティオでも幾度となくですね
触れてきましたゲルフメンバーでもこの研究をしている寺沢志穂さんいますし
私自身もこれは結構研究したテーマでもあるんですよね
いのほた本としてはですね
78ページ79ページの見開きでこの話題があります
広く語源的つづり字の話題でダウトだけではないんですね
初級編の中の一節なんですけれども
タイトルとしてはドルフィンのPHはカッコつけだったというドルフィン
Fの発音なんですがFで書かずPHで書くということなんですね
古くは実はFで書かれていたんだけれども
15、6世紀のルネッサンスの時代にラテン語やギリシャ語を重視する傾向が高まり
少なくとも見栄えだけはギリシャ語っぽくラテン語っぽくしようということで
FをPHに差し替えた置き換えたというこういう事情があったわけですよね
なのでドルフィンのPHはカッコつけだった
ギリシャ語ラテン語できるっていうことは知識人の証拠ということで
いわばカッコつけ見栄っ張りっていうことですけれどもね
こういうことだったんですね
そしてダウトのBもそれなんですね
ショート動画作るにあたってはわかりやすい
典型的な話題の方が良いだろうということで
ドルフィンというよりはダウトの例を使ったんですけれども
他にはこのイノホタナゼ78、79ページのところにはですね
debt借金のDEBTと書く
あのBが読まない
debtとかですね
レシートこれ領収書の意味で日本語にもなっていますが
RECEIPTというPが入ってるんですよ
ですがこれ決して読まないわけですよね
読まないのにつづり状はPが入っている
これもですね
まさにPを勝手にこのルネッサンス期の人が入れてしまったという
そういうオチなわけですよね
RECEIPTの語源とその関連語
さあ今日はですね
このレシートの語源的つづり字と
その周辺的な語彙の話題に注目してみたいと思うんですけどもね
このRECEIPTという単語は
REという瀬戸字プラス本体
ベース部分のSEATからなるということなんですね
語源はラテン語にありまして
REというのはRE
なので再びとかもう一度戻ってというような意味合いを表しますね
非常に多くの英単語にも入ってきていますが
元はラテン語の瀬戸字ということなんですね
そしてベース部分のSEATの部分は
これは究極的にはですね
CAPEREというラテン語
TORです
TORを意味する非常に一般的な動詞ですよね
ここから派生した語の部品ということなんで
再び取り返す取り戻すぐらいが本来の意味なんですね
RECEIPTからですね展開しますと
REの瀬戸字部分はそのまま末を置いてですね
ベース部分を少し動詞化したりですね
また別の語尾をつけたりすると
まず動詞RECEIVEが動出されますね
これは受け取るっていうことで
つまりTAKE BACKということですね
取り返すっていうのが本来の意味です
RECEIVE
そして先ほどのRECEIPT
これが名詞形っていうことなんですが
もう一つですね名詞形
もうちょっと長い語尾をつけまして
RECEPTIONっていうのがありますね
これも受け取ることとか受け入れること等の意味で使われます
このようにRECEIVE、RECEIPT、RECEPTIONというような展開があるんですけれども
さあこのカペレの部分本体部分ですね
ラテン語カペレに遡る本体部分は今度は末を置いて
瀬戸字を入れ替えてみますね
瀬戸字はこれまでREを使ってたんですが
CONを入れてみたいと思います
一緒にというのが本来のラテン語での意味なんですが
意味を強めたりする際に使われる瀬戸字なんですね
これを関したいくつかの単語が英語にも入ってきておりまして
CONCEIVE
これ心に抱くっていうことですね
CONCEIVE
そして次はですね
CONCEITという単語がありますね
ある種の工夫とか技巧という意味になりますけれども
そしてですね
CONCEPTというのがありますね
これ概念って意味ですね
そしてCONCEPTION
これ抱くことであるとか
英語の単語の系列とその問題
解認という意味がありますね
つまりCONの場合ですね
4系列揃ってるんです
CONCEIVE
CONCEIT
CONCEPT
CONCEPTIONということですね
しかも語源的綴りっぽいものはありません
CONCEPTはPが入っていますが
これ綴り字も入っているし
発音にもするわけなんで
つまりPはですね
特に問題を起こさない
RECEIPTの場合のように
Pが書かれているのに読まない
発音しないっていうのが問題なんであって
書かれていて読むんであれば
それをそれでストレートなので
このCONCEPTに関しては問題なんですね
CONCEIVE
CONCEIT
CONCEPT
CONCEPTIONということです
さあ次にですね
DEというこれはネガティブな意味合い
何やから奪うとかですね
こんな意味を持つ瀬戸字なんですが
これにカペレのベースをですね
はめてみますと
DECEIVE
これ欺く騙すってことですね
DECEIT
欺くこと
そしてDECEPTってのはないんですね
だけれどもDECEPTIONという名詞はあります
つまりDECEIVEのシリーズについては
3つマスが埋まっている
DECEIVE
DECEIT
DECEPTION
だけれどもDECEPTというのはないっていうことなんですね
もう一つ行きましょう
PER
PERという瀬戸字
これは何々を通してとか
やはり強めになったりするんですけれども
このシリーズはどうかというと
PERCEIVE
これありますね
これ気づくっていうことです
そしてPERCEITというのはありません
ですがPERCEPTこれはあります
そしてPERCEPTIONこれもあります
ということで3シリーズ揃っているっていうことなんですね
つまりですね
今4つの何とかSEIVE
その何とかの部分に瀬戸字が異なるものが4つ入るという
4つの単語のシリーズを挙げてみたんですが
もう一度全体整理しましょうか
まずRECEIVE
このREから始まりましたね
RECEIVE
そしてRECEIT
これはありません
ただ同じ発音でなぜかPが入っているというものは存在するんです
RECEIT
そしてRECEPTIONですね
次にCONシリーズですが
CONCEIVE CONCEIT CONCEPT CONCEPTION
これは4つフルで揃っています
次Dのシリーズ
DECEIVE DECEIT
そしてディセプトがなく
ディセプションがあるということで3つ揃ってます
最後にPERのシリーズ
PERCEIVE PERCEITというのはなく
PERCEPT PERCEPTION
これはあるということで3つが揃っている
ということでですね
つく瀬戸字によって
このシリーズ4つフルに揃っているものあれば
3つしか揃っていないものもある
しかもその3つしか揃っていないものもですね
4つの可能性のあるマス目のうちのどこが書けているのか
そしてどの3つがちゃんと存在するのかというのがですね
バラバラなんですね
それに加えてRECEITに関してはですね
Pと書いておきながら
Pと書かないRECEITという発音になっているという
この全体的な混乱ぶり
全体的なちぐはぐぶりがですね
際立つんですね
言語の歴史と整合性の欠如
他にもこのような例はあると思うんですけれども
この混沌は一体何を意味するのかというと
私たちもですね
この今日の配信聞くまではですね
この4つの単語を綺麗に表の形でですね
マス目に並べて比べたことなんてなかったと思うんですよ
今回初めて並べてみたら
綺麗に揃っていないね
それぞれバラバラちぐはぐだねということも気づいたわけですよね
ネイティブの方もですね
同じだったわけですよ
こうした単語を導入したのは現代ではなく
だいたい中英語期から近代語期にかけてなんですけれども
やっぱりですね
同じベース ラテン語カペレに遡るとはいえですね
これ仲間だという意識は多少あったとしてもですね
綺麗に表の形で並べながらですね
整合性が取れるような形で釈用してきたわけでもなく
揃えようという意思がですね
弱かったんですね
そんなことをあまり気にして
英語運用していないわけですから
そりゃそうですよねということを考えてみればわかると思うんですが
整理してみると不備が目立つ
欠けているところが目立つ
だけれども自然状態の言語と言いますかね
人が無意識にやっている語彙体系の揃え方とかですね
あるいは綴り字と発音の関係
こういったものはですね
本当に結局個々の単語次第だっていうことがよくわかると思うんですよ
決して体系的に揃えようと思って
人間はですね
言語行動を営んでいるわけではないっていうことが
ここでもよくわかると思うんですね
まさにEvery word has its own history
ということでこのレシート
Pが入ってしまったけれども
発音上は読まないというような
こんなことが起こったのも無弊であるかな
エンディングです
今日も最後まで放送を聞いていただきまして
ありがとうございました
ひどいチグハグでしたよね
異なる時代にラテン語から借りたり
フランス語から借りたりとかですね
実は今日挙げた単語群はですね
個々別々の動きをしてきたということで
後から我々が整理してみたところでですね
綺麗に揃っていないという
こういう結末になっているわけなんですよね
言語っていうのは本当に厄介だけれども
面白いそう思いませんか
ショート動画なんですけれども
これからも展開していく予定です
イノホタンナゼがですね
より一層面白く読めるようになるんではないかと思います
そしてこのヘルディオでも
イノホタンナゼからの話題に
取り上げてですね
いきたいと思いますので
皆さんはぜひまず本の方
手に取っていただければと思います
このチャンネル
英語の語源が身につくラジオヘルディオでは
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それでは今日も皆さんにとって
良い一日になりますように
英語史研究者のホッタリュイチがお届けしました
また明日
19:34

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