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2024-08-15 10:00

heldio #26. 英語語彙の1/3はフランス語!


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おはようございます。英語の歴史を研究しています、慶応義塾大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも、辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。
今回取り上げる話題は、英語語彙の1分の3はフランス語、というショッキングな話題です。
ですがこれは事実です。私たちは英語を勉強していますけれども、非常に多くの単語を覚えなければいけません。
上級者であれば1万語であるとか、1万数千語というレベルの語彙を持っているかと思うんですね。
この1万数千語、英語語彙全体の中からするとどれくらいの量かと言いますと、非常に少ないです。
英語語彙全体がどれだけあるかというのは、実は誰も正確な数は知りません。
最大の英語辞典ですね。これはOxford English Dictionaryというものなんですが、この第2版ですね。
今第3版が編参中なんですが、第2版でも、数え方にもよるんですけれども、
見出し語で約35万という語が登録されています。
他に見出し語の中に、派生語として追い込みという形で見出し語に準ずるものがあるんですが、
これを合わせると46万語ぐらいになります。現在第3版が編参中でどんどんこの数も増えていますね。
しかも辞書というのは、どうしてもコードに専門的な用語であるとか、逆にスラングであるとか、
こういったものは掲載しません。それは専門辞典とかスラング辞典にお任せということを預けてしまいます。
それから単語というのは、現れては消え、現れては消えというものがありますので、
現時点でどれぐらいの単語があるかというのはなかなかわからないんですね。
それでもこのOEDの数値を参考にしますと、見出し語で50万弱と。
この辞書に掲載されないものというのが何倍ぐらいあるかわかりませんが、少なくとも数倍は背後にあるだろうということなんですね。
そうすると、有に数百万語というようなトレベルで単語が存在するだろうということは推測はできます。
ただ、誰一人としてきっちり数えたことはありませんし、今この瞬間にも新しい単語が生まれたり、
あるいは死後となったり、使われなくなったりということなので、正確には把握できません。
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しかしオーダーとしては数百万語という、想像を絶する規模の単語があるわけです。
これは他の名だたる言語、ヨーロッパの言語であるとか日本語も含めてなんですが、数十万というレベルで語彙はあると思うんですけれども、
やはり世界的に使われて、そして世界的に日々新しい語が英語において生み出されるということを考えると、
世界に非常に多くの言語が人類によって使われてきたと思うんですけれども、
現代の英語ほど語彙の規模としては大きな言語はないということは、ほぼ確実に言えるのではないかと思います。
正確な数は分かりませんが、そのような数百万語というレベルですね。
この母数が分からないので、結局割合であるとか、今我々が知っているあるいは学んでいる英単語が全体のどれくらいに当たるのかというのは、なかなか難しい話ではあるんですね。
同じように全体の母数、分母が分からないので、各英単語の語源によって語彙を分類したときに、
どれくらいのパーセンテージのものが本来の英語で、どれくらいのパーセンテージのものが外から入ってきた釈用語とか外来語なのかというのも、厳密な意味では分からないんですけれども、
およそこの辞書に記載されていることをもとに、概数、およその割合というものは割り出すことができるんですね。
そうしますと、英語語彙全体の、この全体が何かというのは置いておいて、辞書でいろいろと調べる、調査できる限りにおいてですが、
英語語彙全体の実は3分の2までが本当の英語ではなくて、外から入ってきた釈用語なんです。外国語なんですね。
本来の英語というのは実は3分の1しかないということなんです。では、この残りの3分の2、釈用語だといった3分の2なんですが、この3分の2の半分ほど、つまり全体で言えば3分の1ほどですね。
これがなんとフランス語から入ってきているんです。正確に言いますと、フランス語とフランス語の生みの親であるラテン語と合わせて、
ラテン語フランス語、これは近い言語、親子言語ですので、ひっくるめてラテンフランス系といっておきたいと思いますが、このラテンフランス系の単語ですね。
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で、実は英語の3分の1の語彙が占められているんですね。つまり大雑把に言うと、統計にもよるんですけれども、英語語彙、そして皆さんの今まで覚えてきた何千語であるとか1万数千語という語彙の3分の1は本当の英語。
そして3分の1はフランス語、正確に言えばラテンフランス系の単語というべきでしょうかね。そして残りの3分の1がまた別の諸言語からの釈用語ということになります。
ここの別の諸言語ですね。3分の1の部分にはどういう言語があるかというと、これは名前を挙げることができないほど多くの言語があって、少なくともOxford English Dictionaryによると350以上の言語がこのその他の3分の1に含まれます。
もちろんこの中には日本語もあります、中国語もあります、ロシア語もあります、オランダ語もドイツ語もあります、イタリア語もありますといった具合ですね。大体我々が知っている多くの世界の言語はこのその他に含まれています。
改めましてまとめますと英語語彙、この全体を何と置くかは別としてですね、辞書で調べられる限り、あるいは皆さんが既に知っている、もう学んだ英単語の総数ということを念頭に置いてもいいんですが、その3分の1は大元の英語、最初から英語だったもの、アングロサクソン系という言い方をしますがなんですね。
そして3分の1がフランス語、あるいは正確に言えばフランス系あるいはラテン系言語ということです。
そして残りの3分の1がそれ以外の無数の言語から入ってきた釈用語ということです。
つまり全体としては英語語彙の3分の2までがですね、実は外から入ってきた単語なんです。つまり語彙の起源を探ってですね、その観点から英語を見ると実は英語はもはや英語ではない。
下半数というか3分の2ぐらいを外からの言語で占められているということからすると、英語は英語ではないという言い方もできるんですね。
としますと、我々が学んできた英単語の3分の1ですね、3つに1つは実はフランス語系統だったということで、実際フランス語を勉強したことがある人はですね、英単語とフランス単語共通のものが多いなと思うかもしれませんが、これはフランス語から英語が単語を大量に釈用したからなんです。逆ではありません。
英語がフランス語に貸し出したために似ているのではなくて、フランス語から大量に英語がマンという単位でですね、借りてきたということがあったので、共通の単語が用いられているんです。
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英語の歴史の1500年ぐらい歴史があるんですが、その様々な段階でですね、付き合う言語というのが変わってきたんですね。とりわけ中英語期にフランス語との付き合いが最も濃厚になって、この時期にですね、それこそ1万という、あるいはそれを超えるですね、フランス語が入ってきた。
それ故に、現代の英語の中にはフランス語単語の語彙がですね、大量に含まれている。結果としてこれが英語語彙の全体の3分の1を占めるというとんでもないことになっているわけです。それではまた。
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