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2025-02-18 10:00

heldio #213. 英単語の平均音節数は?

#英語史 #英語学習 #英語教育 #音節 #語彙
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おはようございます。英語の歴史を研究しています。慶応義塾大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点から答えしていきます。毎朝6時更新です。
ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。
今回取り上げる話題は、英単語の平均音節数は?、という話題です。
音節という単位がありますね。これは英語に埋め込まれたと言いますが、英語ネイティブにとってはですね、非常に自然な音の単位ということですね。
ちょうど日本語で言うところのモーラ、文字数と考えてもいいですね。
5、7、5と俳句を読むときの、5文字なのか6文字なのか7文字なのかというような感覚というのがありますね。
母語話者にとってはその言語の自然な音の単位というものがありまして、日本語の場合モーラというものですね。
だいたい文字の数に相当します。文字で書いた場合の文字の数とその音の単位であるモーラというのがおよそ一致する。
英単語の場合は音節、syllableという単位ですね。
syllableという単位が最も自然な音の単位として捉えられていて、これで単語の長さなんかを測ったり、あるいは単語だけでなく節、文の長さを計測したりするということが一般的なわけですね。
それでは英単語、一つ一つの単語なんですけれども、短いものはもちろん単音節、一音節ですね。の語というのがたくさんあります。
一方で二音節、三音節、四音節、非常に長いものまであります。
一単語なのに何音節も費やすして発音するというものがありますね。
これを全体として鳴らすと、平均的に英単語というものは何音節ぐらいあるんだろうかということになりますね。
こんなことに関心を持ったので調べてみようと思ったわけなんですけれども、
英単語、英語の語彙といっても非常に何百万とあるわけですよ。
これ全てについて調査して平均値を出すということはなかなか難しいですので、もう少し現実的に調べられる方法、しかも結果がある程度実用的になるようにということで言いますと、
よく使われる単語ですね。英単語の中でも頻度が比較的高い日常的な語ということで考えるのが良かろうということでですね。
最頻、最もよく使われる単語のベスト1000語であるとか、2000語、3000語というようなそのような単位で考えるのがいいのではないかということでですね。
今回採用したのはBNCと呼ばれるBritish National Corpusですね。大型のイギリス英語のコーパスなんですが、このコーパスに現れる全単語ですね。
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これを集計して頻度順に相当すると。その上で上位6,318語ですね。これを最頻語リストとして扱って、その中で最頻、ベストの最もよく出る1000語についてはどうか、2000語についてはどうか、3000語についてはどうかというふうに千語刻みでやってみたということです。
まず結果を見る前にですね、予想を立てておきたいと思ったんですね。非常によく使う単語、例えば上位1000語と言いますと、基本的に日常的な単語、簡単な単語ということで音節数は短くなる傾向があるだろうということが予想されます。
つまり1音節とか2音節ということですね。それがレベルが上がって2000語、3000語、4000語、5000語、6000語となるにつれて、長めの小難しい単語ですね。小難しい単語というのは典型的に長い傾向があるだろうということで、平均音節数というのは1000語で比べた場合と6000語で比べた場合では後者のほうが高くなるだろう。このように予想できますね。
こうした予想をですね、さらに基礎付ける考え方としては、これまでの放送でも多く取り上げてきましたが、英語の語彙というのは外の言語からですね、よその言語から借りたものが非常に多いということでした。
もともとの英語の単語ですね。これは本来語、native wordsということで、小英語から続く単語ですね。基本的なものが多いということはおそらく単音節であるとかせいぜい2音節であるとか、短めのものが多い。
一方、ノルマン政府区によって1066年以降ですね、主に中英語期以降に入ってきたフランス語の単語っていうのは、それよりも少しレベルの高い単語であって、本来語に比べればですね、平均音節数はちょっと長いだろうと。
さらに主にですが、近代英語期以降に一気に入ってきたラテン語ですね。それ以前も小英語、中英語でもラテン語の単語がたくさん入ってきたんですが、一気に大量に入ってきたのは間違いなく近代英語期です。特に初期近代英語ですね。
非常に学術的だったり専門的な語が多いですので、どうしても単語が長くなる。難しい単語ですので、日常語とはちょっと違うということで、1000語以内にはあまり現れないかもしれませんが、最頻6000語レベルになるとどんどん現れてくるだろうと。
そうすると音節数もラテン語、由来の単語はですね、多くなるだろうというような、こうした英語語意思の背景というのもありますので、予想としてはですね、先にも述べたとおり、頻度1000語、最頻1000語ぐらいであると平均音節数は比較的低めに抑えられるけれども、だんだんこの数が上がってですね、
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最頻6000語で調査をすると、長い単語がどんどん大きくなるだろうと、こういうことが予想されるということですね。
さあ、この予想はですね、結果としてはおおむね支持されるということになったんですが、細かく数値を見ますと、いろいろ面白いことが分かってきましたので、その報告をしてみたいと思うんですね。
まずですね、全体として言いますと、どのレベルでも、つまり最頻1000語レベルでも、6000語レベルでもですね、単音節語が最も多いということです。つまり一音節の単語ということですね。
意外なことに、やはり英語の単語はですね、どんなにレベルが上がったとしてもですね、比較的短いものが基本であるということなんですね。単音節、つまり一音節の語が最も多いということが分かりました。
そして対象語彙が大きくなればなるほど、つまり1000語から2000語、3000語、6000語というふうに大きくなっていけばいくほどですね、単音節語に近づいてくる、割合の点で近づいてくるのが二音節語ということですね。
つまり少しだけ長くなる二音節なんですが、これも一音節語と同じぐらい多く近づいてくるということですね。対象語彙が大きくなればなるほど、二音節語の数が単音節語の数に肉薄してくるということになります。
そして今の最初の2点から分かることなんですが、英語語彙の圧倒的多数が単音節語か二音節語である。つまり一音節か二音節の比較的短い単語が英語語彙の圧倒的多数を占めるということは分かりました。これはレベルに限らずですね、対象語彙の大きさに関わらずということです。
そして4点目。これは予想できたことですが、対象語彙が大きくなればなるほど、平均音節数はゆっくりと増えてくるということですね。
具体的に言えば1005でやった場合には平均は1.74シラボということになります。1.74音節。それが3000になると1.98ですね。5000になると2.07。そして6500というレベルになると2.11ということですので、だいぶゆっくりとでありますが漸増してくるということになります。
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大きくまとめれば、いずれにせよ英単語の平均音節数はせいぜい2音節であると。その前後ということで推移するということで。もちろんこれはですね、最初に述べたようにせいぜい6500レベルですね。最頻6500レベルでの調査ですので、これをもっと増やして、例えば1万語、2万語になるとまた傾向が違ってくるのかなと思います。
ですので、英語の語彙全体の平均音節数はという問いの答えには今回はなっていません。ですが、実用的によく使われる6000ぐらいのですね、ところで計算してみると述べたような結論に到達するということです。
ちなみに今回の範囲で最も長かったのは7音節後、テレコミュニケーションでした。4657番目のヒントの単語です。ではまた。
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