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英語史をお茶の間に思っとうに、英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく、毎朝6時に配信しています。
本日は5月22日月曜日です。新しい1週間の始まりです。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
本日お届けする話題は、比較級、最上級に対して原級、ポジティブディグリーってどんな名付けですか?です。どうぞよろしくお願いいたします。
本題に入る前に、たまにはということで、慎重ならぬ急著の紹介をさせてください。
最近ですね、新しくこのボイシーヘルディをお聞きになっている、聞き始めている方も少なくないと思いますので、
古い本にはなりますけれども、私が最初に書いた英語史関連の本を紹介させていただきます。
2011年、中央大学出版より英語史で解きほぐす英語の誤解、納得して英語を学ぶためにと題する本を出版いたしました。
こちらですね、中央大学出版の当時125周年記念という出版イベントに乗る形で出版したので、
いろいろと助成金が出まして非常に安くなっているんです。
本体880円、税別ということなんですけれども、新書レベルの価格で購入することができます。
200ページ弱の本なんですけれども、これまで私が書いた英語史関連の本の中では最も読みやすい、
本当に入門の入門という形の本です。
いつもですね、このヘルディオの冒頭で紹介している英語のなぜに答える初めての英語史、
こちらも初めてのという題はついてるんですが、少しレベルが高いです。
この今ご紹介している2011年に出た方の英語史で解きほぐす英語の誤解、
こちらの方が格段と優しい書き方になっていますし、読みやすいものになっていると思います。
ですので、このチャンネルで初めて英語の歴史、英語史という分野を知ってですね、
初めてこの分野に入ってみたいというふうに思ったらですね、
実を言うと、まず最初にお勧めなのはこの今ご紹介している方の2011年の方の本なんですね。
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英語史で解きほぐす英語の誤解です。
この本の初めに本書の目標として3点を掲げているんですね。
1、受動的でなく能動的に英語に向かい合うことができるように促す。
2、英語に関する素朴な疑問を取り上げ、英語への好奇心を喚起する。
3、英語の歴史の重みと深みを通じて、言語の不思議と魅力へ誘うということです。
私が毎日更新しているこのヘルディオもそうですし、姉妹版のブログヘログもそうなんですが、結局この3つなんですね。
12年ほど前に英語史で解きほぐす英語の誤解、この本を書いたことになりますが、その頃から英語史情報を発信する時のスタンスはほとんど変わっていません。
この3点なんですね。いわば原点とも言うべき本ですので、ご関心がありましたらぜひ手に取っていただければと思います。
このチャプターに関連するホームページへのリンクURLを貼っておきますので、そちらから訪れていただければと思います。
ということで、2011年の9著、英語史で解きほぐす英語の誤解、納得して英語を学ぶためにのご紹介でした。
今日の本題なんですけれども、比較級、最上級に対して言及、ポジティブディグリーってどんな名付けですか?と題して文法用語の話をしたいと思います。
このヘルディオではたまにですね、こういう文法用語の話題っていうのを取り上げたりするんですけれども、
例えばですけれどもね、643回、なぜ受動体、能動体の体がボイスなの?というふうにですね、文法用語の謎、起源を探るということをやってきています。
今日もそんなシリーズなんですけれども、形容詞、副詞の比較級、最上級ってありますよね。
例えばgoodで言えばgood、better, bestということになりますし、tall,taller, tallestであるとかbeautiful, more beautiful,most beautifulのように3系列あるわけですよ。
そのうちの2つ目を比較級って言うんですね。
2つのものを比較するときに使うということで、これは英語ではcomparative degreeですね。
そのまま比較級と訳しています。
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そして3つ目のもの、これが最上級と呼ばれて、英語ではsuperlative degreeというふうに言います。
superlativeっていうのはスーパーですよ。
スーパーなのでとてもわかりやすいですよね。
degreeは程度っていうことなので級ですね。
ですがこの大元の元級というふうに日本語で文法用語訳されているんですけれども、
これがですね、英語ではpositive degreeなんです。
つまりこの3系列は英語ではpositive, comparative, superlativeということになるんですね。
日本語では元級、比較級、最上級となるんです。
日本語の元級はまだわかりそうな気がします。
つまり大元の形ですという元っていうのは原子の原ということで、大元という意味があります。
例えば動詞の原型、裸の形ですよね。
裸の形にこれに3単元のsがついたりedがついたりというその大元になるという感じで原型。
あれからの類推で元級というのも何にもついていない形、元の形という意味で元級。
これは日本語的にはまあわかるんですよ。
日本語のこの用語の方がわかると思うんです、英語よりも。
英語のpositiveってちょっとよくわからなくないですか。
比較級のcomparativeはわかります。
最上級のsuperlativeもわかります。
ですが、元級に相当する英単語、英語の文法用語のpositive degreeって何のこっちゃって感じがしませんか。
これ調べてみました。
まずこのpositiveっていう形容詞の語感、皆さんどのように捉えていますかね。
おそらく一番多いのが肯定的なとか積極的なって意味ですよね。
もちろん反対語はネガティブっていうことです。
他には例えばですね。
I'm positive about itという言い方をすると、それについて確信していますという意味でI'm sure of itぐらいの言い方でI'm positive about it。
強く確信しているっていうような意味がありますね。
ですが、多かたですね、やはりネガティブの反対語としてのpositive、これが思い浮かぶんではないかと思います。
このような基本的なイメージは持っていたとしても、やはりなぜ形容詞、副詞のあの言及に対してpositiveという用語が与えられているのかいまいちピンときませんよね。
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そこでいろいろ辞書を調べてみます。
まずはOEDです。Oxford English Dictionaryでpositiveを引いてみました。
そして文法用語としての意味としてまさにこの形容詞、副詞の比較級、最上級に対するところの言及ということでですね、これちゃんと載っています。
OEDのpositiveの語義12に次のようにあります。
読み上げてみますね。まずgrammar文法用語だよということがあって、次に定義があります。
Designating the primary degree of an adjective oradverb which expresses simple quality withoutqualification, not comparative or superlative.
ということで、最後のところでわかる通り、比較級でもなければ最上級でもないものというなんとも否定的な定義が与えられているんですね。
そして単純なクオリティ、質を表す、これに何らかの変更を加えずにということです。
つまり何の手も入っていない、つまりコンパラティブとかスーパーラティブになっていない、そんな状態の形容詞、副詞の形というふうに言っているということで、やはりこれ否定的な定義でしかないんですね。
そこでですね、さらにいろいろ調べていくわけなんですけれども、これはどうもですね、ポジティブの反対にネガティブという対義語があるっていうことに我々どうも縛られすぎてしまって、このポジティブディグリー、言及という時の意味が理解できないのではないかというふうに気づいたんです。
ポジティブ、ネガティブ、この対立関係って非常に強いものがあるので、そこに縛られているんですが、一回この対立からですね、解放されてみようということなんです。
対義語っていうのは結構難しくてですね、例えば日本語の高い、高いという形容詞に対する対義語はですね、文字通りの物理的高さで考えるんであれば、当然低いが対義語になるんですが、お金、価格という観点から対義語を探すと、これは高いの反対は安いになるわけですよね。
このようにどういう観点で高いを考えているのかによって対義語が変わってくるんですね。逆に言うと対義語ペアが高いの反対語が低いなのか安いなのか、これが定まることによって高いの意味も定まってくるっていう、こういう関係が成り立ちますね。
対義語ってこういうものなんです。そこで、我々は今までこのポジティブディグリーっていうのは、反対にネガティブディグリーというものがあるんじゃないかという思い込みでポジティブの意味を考えていたので、どうもわからなかった。そうではないんだっていうことですね。
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では、今回ポジティブの反対語はネガティブでないとしたら何なのか。これを探っていったんですけれども、わかりました。今回のポジティブの反対語、対義語はrelativeなんですよ。
簡単なことだったんですね。相対的なとか比較的なという意味のrelativeが今回のポジティブの反対語だったっていうことになります。ですので、別の単語で言い換えればすっと入ってきます。
relativeの反対といえばこれ、absolute、絶対的なっていうことになりますね。つまり今回のポジティブは、実はabsoluteと言ってしまっていい意味だっていうことになるんです。
絶対的、それだけで独自に存在できるというぐらいの意味です。他の形容詞で言えばintrinsic、本質的とかindependent、独立的と言ってもいいと思いますね。それに対して他のものがrelative、これが2つに細分化されていてcomparativeとsuperlativeというような関係なんですね。
こうした表現に対してpositive、absoluteぐらいの意味でpositiveを使っていたんであって、ネガティブの反対語ではなかったっていうことなんですね。これで初めて理解できるっていうことになります。
ここに行き着いたのはですね、OEDの様々な用例、歴史的な用例を見ていってわかったんですね。この元気を表す文法用語として一番最初に現れたのは1434年ぐらいのことなんですが、その時はですね、やはりmoreでもlessでもなくそれ時点というふうに否定的にこのpositiveっていうのを定義しています。
ところが1704年ぐらいになるとですね、あるものを形容詞ですけれども単純にそして絶対的にそれを示すsimply and absolutelyっていうのが出てくるんですね。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
なぜ言及positive degreeなのかという話だったんですけれども、日本語の言及の方が実はわかりやすいですよね。英語のpositiveがちょっとわからなかったんで今回深掘りしてみたという次第だったんですが、
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エッセンスはネガティブの反対語としてpositiveをここでは使ってるんではないっていうことですね。むしろここでのpositiveの意味はabsolute、絶対的なぐらいの意味で、それの対義語、反対語はrelativeである。
そしてrelativeなものが今回の場合2つあってそれがcomparative比較級とsuperlative最上級だというこんな仕組みになっているっていうことですね。これもpositiveという単語の歴史であるとか引用例をOEDに沿って調べてみたからわかったっていうことなんですね。
英語史の知識はこんな形でも実は役に立つということを示せたんではないかと思います。
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それでは新しい週の始まり。
皆さんにとって良い1日良い1週間になりますように。
ほったりうちがお届けしました。また明日。