2025-07-15 10:34

heldio #360. 英語に関する素朴な疑問 千本ノックー Part 5

#英語史 #英語教育 #英語学習 #素朴な疑問 #千本ノック
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サマリー

ポッドキャスト「heldio #360」では、英語の語源や文法に関する疑問を掘り下げています。過去形のEDの使用理由やフィリピンの綴りについて考察が行われています。また、分子構文の歴史やインターネットの大文字表記についても触れられ、英語の奥深さが解説されています。

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おはようございます。英語の歴史を研究しています堀田隆一です。 このチャンネル、英語の語源が身につくラジオheldioでは、英語の先生もネイティブスピーカーも、辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
新しい英語の見方を養っていただければと思います。毎朝6時更新です。 フォローしていただきますと更新通知が届くようになります。
ぜひフォローしていただければと思います。またコメントやシェアの方もよろしくお願い致します。 今回は数日ぶりではありますけれども、英語に関する素朴な疑問
千本ノックーのパート5となりますかね。5回目となりますが、 主に大学の授業などで寄せてもらいました素朴な疑問ですね。
これにひたすら答えていこうというような、それだけの企画なんですけれども、早速いきたいと思います。
過去形のEDの謎
まず、なんで過去形の時は最後にEDがつくんですか?という質問ですね。 規則的な過去形はだいたいEDがつくということになってまして、その他に不規則なもの、
主に母音が変化するというようなものが数十個あって、これは暗記させられるわけなんですけれども、規則的なものはEDなんですよね。
これ、非常にわかりやすい形なんですが、この質問はなんでとりわけEDというあの語尾なんですか?ということなんですかね。
もしその質問だとするとですね、これ色々とまだ定説っぽいものがなくてですね、このEDのDっていうのは、DoのDなんだとか、いくつか説があるんですけれども、
そもそもこのEDをつけて過去形を作るというものの背景というか歴史を少ししゃべりますと、
実はこれは、ゲルマン語に特有の過去形の作り方なんですね、EDをつけるというのは。基本的にはインドヨーロッパそこではですね、非常に単純化していますと、母音を変えることによって時勢を変えたり、
動詞の役割を変えるということをやってきたんで、つまりその意味で言えば、今不規則動詞と呼ばれているもの、母音を変える、カムケムカムとか、シングセングサングとか、あのタイプですけれども、
あちらの方がある意味オリジナルっていうことになるんです。基本はそれだったんですね、すべて。ところがそこに新しくゲルマン語と呼ばれる段階で、EDをお尻につければいいんだよという規則が入り込んできた。
新山ものです。このEDの方が今では圧倒的に多いので、だから規則的と言われていますし、こっちの方がデフォルト、基本と考えられていますが、歴史的に言うと実はこれが後から入ってきて、だんだんと分布を広げて、今では大半、9割の動詞はこのEDをつけるというメジャーにのし上がってきたというような
歴史があってですね。むしろこれEDは規則的になんかではなくて、出始めた当時は不規則と言いますか、なんでこんなのが来るんだという新山ものだったと。そこから着実に分布を広げて、今の地位を築くに至ったと、そういう背景があったりするんですね。
次の疑問です。フィリピンの綴り字がどうしてFから始まらないんでPHなんですか。フィリピーンズという時のフィリピーンズ、最初の頭のフの音がPHで綴られているということですね。
これはフィリピンに限りませんけれども、かなり多く英語の中にありますよね。典型的にフというこのFの音はですね、英語ではFで書くか、あるいはPHで書くかということで分かれてしまっています。
例えばフォートなんていうのはPHOTOと書くわけですよね。なぜ同じフの音なのにFだったりPHだったりするのかということなんですが、PHで書くものっていうのは原則的に言えば釈用語です。つまり英語以外の言語から入ってきたっていうものがほぼ全てですね。
一番典型がですね、ギリシャ語あたりですね。ギリシャ語からラテン語に入って、ラテン語からフランス語とかスペイン語とかポルトガル語の中に入って、それが英語に入ってきたというもの、流れ着いたというものは、だいたい古起源がラテン語とかさらに遡ってギリシャ語あたりにあるものはPHで書くというのが習わしなんですね。
ギリシャ語の言語においてファイと呼ばれる文字ですね。あれで綴ったものを英語のローマ字に置き換える際にPHとしたというのが始まりなんですけれども、音としては英語においてはFと同じPHとも書くということで。
逆に言うと、一般に本来語ですね。釈用語ではなく、本来の英語であるというものはほぼFで綴るということで、本来語か釈用語かっていうのが分かる仕組みになっていると。分かったところで何が嬉しいのかっていう問題はありますけれども、少なくとも語源で書き分けているっていうことがあるわけですね。
冒頭のフィリピンの個別の問題に関して言えば、これはスペインの国をフェリペ2世の名前にちなむということで、このフェリペの名前、スペイン語の続きではPHだったというところと関係します。
このギリシャ語なんかのファイですね。これをPHで受け取るか、あるいは単純化してFで受け取るかっていうのは言語によっても異なっていて、例えばドイツ語ではFOTOみたいなですね。フォートはFOTOでもOKですし、北欧語なんかでもFを使っているものも多いですね。
英語の場合は比較的その言語の綴り字を温存したいというような雰囲気が歴史的にも強くてですね。それが残っているケースが多いと、そういうことです。
分子構文とインターネット
次、文法の問題ですけれども、分子構文って何なんですか。たくさんある意味を文脈から考えるってフワフワしていると思いますが。ということですね。
確かに分子構文というのは、文脈に応じて、場合によって逆説になったり順説、あるいは理由になったり情報になったりとか、いろいろな解釈の仕方があるっていうことですね。条件になったりもしますし、これ分かりにくいじゃないかということかと思うんですね。
それで言うと、日本語も何々してとかのてで繋いでいくと、どんな関係の意味にも前後なり得るっていうこともありますけれどもね。歴史的にこそこの問題について何か言えるかというと、分子構文というのはかなり古い段階からまずあるということですね。
古英語の段階からあります。一つの考え方としては、ラテン語の原点があって、それを古英語に翻訳する際によく使われていたということで、ラテン語にもともと備わってあった分子構文に相当するもの。これをそのまま英語に分子を使って訳したということで、ラテン語の構文をなぞったものではないかというのが一つ。
伝統的にある説ではありますね。なので、外からの借り物であると。その外から借りた元のラテン語というのも、やっぱり最初から様々な意味を文脈から考えるということで、文法用語でいう付帯状況ってやつですね。
その付帯状況の、付帯してどんな状況なのかっていうことは文脈に任せるというような、そもそもがふわふわしたところから始まった、ラテン語から入ったという説を取るのであれば、そもそもがふわふわしていたんだということになりますね。
ラテン語ではなんでふわふわしたのかというと、これはなかなか難しそうな問題になってきますので、ここぐらいで止めたいと思います。分子構文も英語でも古くからあったということは一つ言えることです。
次、インターネットのIが必ず大文字なのはなぜですかということで、確かに正式にはと言いますかね、インターネットは大文字書きで始めますかね。これはどうなんですかね。
調べてみればあれですけども、もともとはインターネットというシステムとか技術ですね、あるいは後にサービスっぽくなったんですが、これ自体が固有名詞と言いますかね、そういう技術に付けられた名前ということで、それがあまりに一般化してですね、今ではネット上の通信のこと全体をですね、インターネットと呼んでいるので、
あたかも普通名詞のようなですね、水と空気のような存在と捉えて普通名詞に捉えているんですが、オリジナルとしては一つ特許を取って然るべき、一つの固有名、固有の技術だったというところにあるということなのかなと考えていますが、いかがでしょうかね。
このように考えてみると、英語に普段触れていてですね、学習あるいは実際に使用しているという日々の付き合いの中でふっと生じてくる疑問ですね。何でなんだろうと考えたものが、大抵は英語詞の面白い話題になるということで、皆さんも英語との付き合いの中でですね、素朴な疑問を大事にしていただければと思います。
それではまた。
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