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おはようございます。英語の歴史を研究しています堀田隆一です。 このチャンネル英語の語源が身につくラジオheldioでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
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vizの語源とその変遷
ぜひフォローしていただければと思います。またコメントやシェアの方もよろしくお願い致します。 今回取り上げる話題は、「すなわち」を意味する viz はどこから来たの?
という話題です。 英語の書き言葉でたまに見られるんですけれども、この viz
ピリオドがつくこともつかないこともあるんですけれども、これ省略記号のように機能して、発音としてはvisと言ったり、namelyと言ったりするんですね。
これすなわちを意味するので、英語でそのまま読み下してnamelyと言ったりするんですけれども、もともとはviz なのでvis
なんていう発音もあったりしますよね。 こういったいわゆる省略表記だということはわかるんですけれども、これどこから来たのっていうことなんですね。
そしてなぜすなわちという意味になるのというこの語源に注目したいと思います。 こういった書き言葉にしばしば見られる省略形みたいなものって英語にはいくつかあるんですね。
皆さんがおそらく知っているものとしてはegなんていうのがあると思うんですね。 これfor exampleと読み下して例えばという意味になったりしますね。
それからieなんていうのもありますね。これはthat isなんて読み下して、これもすなわちというような意味を表したりしますね。
それからcfなんてのもありますね。これ何々を参照、何々を比べてみてくださいっていう意味でcompareなんて読み下したりするんですが、そういった一連の妙な、なんでこうなるんだろうというような、はてなが飛ぶような省略記号みたいなものですね。
一種のこれがありまして、その一つが今回取り上げるvizピリオドですね。これでnamelyと読み下すものがあります。すなわちという意味になります。
だいたいこういったものは大元はラテン語にあることが多いんですね。ラテン語での言い方があって、それを綴めた綴りになっているっていうことが多いです。
例えばegで言うとexempli gratiaということで、まさにfor exampleですね。例のためにというようなexempli gratiaというこの2語の頭文字を取ってegというわけですね。
IEっていうのはidest、これはそのままit isとかthat isぐらいの意味合いで、これですなわちつまりということになります。それからcompareというcfですね。これはconferというラテン語に由来するわけですね。だからcfとなるわけですが、今回のviz、これはどうなってるんだというとですね。
これはラテン語のvidericatという表現に遡ります。これは英語で言えばit is permitted to see何々を見るということは許されているという決まり文句ですね。
これが短縮されてvidericatみたいになったんですね。これが英語読みするとvidericatという形になりますね。このvidericatという表現の頭のまず2文字ですね。これがviです。
そして終わりの2文字ですね。これetです。videricatということでetという部分なんですが、これがある理由でzですね。zの文字に書き換えられて、つまりvidericatという表現の頭とお尻の部分だけを取って省略記号としたのがこのvizと言ったり、あるいはnamelyと読み下したりする
この表現のですね、元の形ということです。ではなぜこのvidericat、これ自体はラテン語で何々を見ることを許されているということですね。つまり次のように言っても良いとか見ても良いということで、すなわちという意味になるわけなんですが、このetの部分ですね。
古代ローマの影響
videricatのetのその語末の部分がなぜzで表されるのかというところが今回の最も重要なポイントになるわけですね。
さて、ラテン語ではですね、このetと綴る単独の単語があります。
これはetと呼んで、実はこれ&の意味なんですね。&に相当するラテン語の単語がetなんです。
現代の英語でも&というのは非常によく使うので、&という記号をですね、非常によく使うので一文字書きできる特別な記号が発達しているわけですよね。
ラテン語でも同じで、et、これが&の意味なんですが、これを一つの記号で書きたいということがあって、これがですね、zのような形ですね。
もうちょっと厳密に言うと、zの下の横棒がない形、つまり数字の7みたいな形ですね。
これが&の代わりによく使われていたんですね。
これ何に基づくかというと、これは古代ローマのキケロって言いますね、の筆記者であったマルクス・ティリアス・ティローという人が考案した速記システムなんですね。
このet、&を意味するetのことを、この人を筆書きできるっていうんですかね、数字の7みたいな形に作ったんですね。
なのでこれのことをティロニアン・エットなんて言ったりするんですけれども、これなんです。
それでetという綴り字ですね、この&の意味のetでないときもですね、つまり5の一部としてetが出るときにも、この7みたいな記号をですね、これを代用するということが起こったんですね。
ということで、このvidelicetをですね、頭とお尻を取ってvi、そしてetの部分にこの7みたいなものを付けるということが起こったんですが、後にこの7みたいなetの文字はですね、zと結び付けられて、下の横棒ですね、これも加えられたということで、現在vizと書いて、
これでvidelicetの省略形だというふうに持っていったわけですよね。
ですが、videlicetとフルで実際に読み下すわけではなく、見ての通りvizですから、vizと読んだり、あるいは対応する英単語ですよね。
これすなわちという意味ですね、mainlyと読み下すようになったということなんですね。
いろいろと込み入った歴史はありますけれども、こんなふうに定着してきたということなんですね。
例えば、four major colleges of surgery, namely London, Glasgow, Edinburgh and Dublinのような言い方で、すなわちですね、言い換えればとか、つまりぐらいの意味で、書き言葉ではそこそこよく見られるようなですね、表現となって、現代の英語でも現役で使っているということなんですね。
大元をたどると、古代ローマのキケロの筆記者であったマルクス・トゥリウス・ティローが考案した速記システムにさかのぼるということになります。
そして語源的にはラテン語のvidelicet、つまりvidelicetにさかのぼるということなんですね。
ではまた。