1. 英語史つぶやきチャンネル (heltalk)
  2. heldio #223. 英語の音読みと..
2025-02-28 10:00

heldio #223. 英語の音読みと訓読み?

#英語史 #英語学習 #英語教育 #日英対照言語学 #日本語
---
stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。
https://stand.fm/channels/650f4aef0bc9d6e1d67d6767

サマリー

ポッドキャストは音読みや訓読みの概念を中心に、日本語の漢字を含む文字体系の複雑さを探求しています。また、英語における音や訓に相当する概念にも触れています。

音読みと訓読みの基本概念
おはようございます。英語の歴史を研究しています。慶應義塾大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。
今回取り上げる話題は、 英語の音読みと訓読み、
というものです。 音読み、訓読みというと、これは日本語の漢字の読み方ということで、極めて日本語的な話題、そして得意な話題ではあります。
日本語の読み書きの難しさは、つとに有名ですけれども、これは主に漢字かな混じり文を使うからなんですね。
そして漢字というのが典型的な標語文字であると。 音を表すこともありますが、標語文字というのが基本的な性格ですね。
それに対して、かな、ひらがなについて言えば、これはですね、 典型的な標音文字ということです。
この2つの異なる性質を持つ文字体系が、1つの文の中にですね、両方ほぼ常に現れるというのが、日本語の書き言葉の難しさということなんですね。
しかも、とりわけこの漢字についてですが、 音読みと訓読み、これが別々に存在して、つまり1つの文字でもですね、
文脈によって読み方を変えなければならないということなんですね。 漢字の本家である中国語では、いわゆる音読みしかないわけです。
訓読みというものは原則としてないということになりますが、 日本語がこの漢字をですね、中国語から借りてきたときに、
まずそもそもの中国語での読み、これをそのまま取り入れた。 これが基本的に音読みと言われるものですね。
一方、それをある意味日本語に、日本語の単語に訳して読み下したもの。 これが訓読みということなわけです。
非常に多くの漢字が、この音読みと訓読み、両方持っているということなんですが、これだけでは済みません。
音読みと言ってもですね、よく語音、漢音、東装音というように、 一つの漢字に対して音読み自体が複数あるということもあるわけですね。
例を挙げれば、 足という漢字。肉付きの格数の多い方ですね。
これ、 かっけ、きゃくほん、あんぎゃ、
という熟語にいずれも現れますが、それぞれ違う音読みなんですね。 かっけ、きゃくほん、あんぎゃ、
ということです。 さらに訓読みにも複数あるものがありますよね。
例えば生きるという漢字は、もちろん生きるという読みのほか、生という読み方もありますし、 そして木という読み方もありますよね。
生えるとも読みます。 いずれも訓読みなわけですけれども、複数の訓読みが対応してしまうということです。
我々もですね、普段よくこんなに難しい文字体系を使いこなしているなと思うばかりなんですけれども、 この漢字の難しさ、得意性っていうのは、基本的には音と訓というのが一つの漢字の中に共存している。
これが体系的にそのような文字体系としてある。 この点なわけですよね。
英語の音と訓の類似性
英語はスペリングの問題は様々にありますけれども、この日本語の音と訓にまつわるような複雑さはないだろうと思われるかもしれません。
しかし実はあるんですね。 体系的ではありませんが、三発的な形では、実は英語にも音読みと訓読みに相当するものがあるということを今日は紹介したいと思います。
これはですね、よく省略記号として使われる表現ですね。 表記上、例えばCFってのがありますね。
CF。 本なんかによく現れる表記だと思うんですけれども、これ何々を比較してください。
何々と比較してくださいぐらいの意味なんですね。 これは語源をたどると、もともとラテン語なんですね。
コンフェル、コンフェル、比較しなさいという意味ですね。 これが省略されて、CFという文字上を省略されて、この表記がよく使われるので、そのまま英語に取り込まれたということですね。
これをそのままCFと読む場合、これがいわゆる音読みに相当するのではないかと思うんですね。
一方、これを英語に訳して、読み下して、コンペアと読む場合ですね。 比較しなさいという意味なので、コンペアと読み下す場合、これを訓読みと呼ぶことができるのではないかということです。
CFと読んだ場合は音読み、コンペアと読み下した場合、これは訓読みということですね。
さあ、他によく見るものとしては、EGというのがありますね。EG、これ例えばということです。 もともとはこれもラテン語でエクセンプリグラティアということで、文字通り例を挙げれば例のためにというぐらいの意味なんですね。
これをやはりですね、EGと読むこともあると思うんですが、この場合は音読みになりますね。 それに対して意味をとって、英語にいわば訳した形でfor exampleと言うと、これは訓読みということになります。
もう一つ、ETCですね。 これもう日本語にも仲間になっていますが、エトセトラということですね。
これラテン語でETがandの意味です。 で、セテラの部分がケテラとラテン語では読んで、これothersということです。
and others、その他、もろもろぐらいの意味ですね。 これを多少英語的な発音にはなっていますが、このラテン語のエトケテラという形、英語的にはetcと読みますが、
こう読んだ場合、これは音読みということになります。 一方、and so onというように英語に訳す形で、ETCと書いてあるにも関わらず、これをand so onと読み下す場合、これは訓読みに相当するんだろうということですね。
次、IEというのもありますね。 これラテン語のid estということで、that isということです。つまりに相当するラテン語のid est。
この頭文字をとってIEということですね。 なのでこれが本の中で、例えば表記で英語を読んでて出てくる場合ですね、IEと読む場合もあると思いますね。
この場合、音読みということになります。 しかしこれを英語に読み下して、that is、つまりという意味を表す英語の自然な表現に置き換えて読んだ場合、これは訓読みということになります。
次にVIZ、これはラテン語のvidelicatに相当してvizという風に綴るわけですね。 これをこのままwithという風に読めば、これは音読みということになります。
しかし意味をとってnamely、すなわち還元すればほどの意味なんですが、 これを英語に引き付けてnamelyと読み下す方が多いかと思うんですね。この場合訓読みということになります。
そして最後です。これも見慣れていると思います。 VSですね。これはversusということで、〇〇対〇〇という対に相当するものですが、語源はラテン語のversusに遡るわけですが、これは省略してvsとして表記しているわけですね。
ただ発音上はversusと、このラテン語の単語を英語っぽく発音しているだけに過ぎないversusという読み方も普通です。 この場合音読みということになります。
一方でこれを英語の前置に置き換えた形、againstと読むやり方ですね。 VSと書いておきながらagainstと読み下す場合、これ訓読みということになります。
このように英語にも三発的な形でしかないとはいえ、一応のところ日本語の漢字の音読みと訓読みに相当するものはあるということになります。
日本語と英語の比較
ですので、日本語の漢字の音訓の違いについて、例えば英語ネイティブに説明する、教えてあげるといった場合には、今挙げたですね、例えばetcなんかを出すといいと思うんですね。
etc、これ何と読みますか、etcとも読みますが、一方で自然な英語音に直してand so onと読むこともできますよね。
このetcが音読みでand so onが訓読みなんです。
こういうふうにもし教えてあげたら、漢字の音訓についても理解してもらえるかもしれません。
それではまた。
10:00

コメント

スクロール