2025-06-15 11:32

heldio #330. 中英語を音読 チョーサーの『カンタベリ物語』の冒頭

#英語史 #英語教育 #英語学習 #中英語 #カンタベリ物語 #中英語音読
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サマリー

今回のエピソードでは、中英語の詩人ジェフリー・チョーサーの名作『カンタベリ物語』の冒頭部分を音読し、そのリズム感や特徴を解説しています。歴史を経た英語の変化を感じながら、特に詩のリズムと脚韻について考察しています。

中英語の発音とリズム感
おはようございます。英語の歴史を研究しています堀田隆一です。 このチャンネル、英語の語源が身につくラジオheldioでは、英語の先生もネイティブスピーカーも、辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。 今回取り上げる話題は、中英語をちょっとだけ音読
チョーサーの『カンタベリ物語』の冒頭より、と題しまして、名著、カンタベリ物語の、まあ最も有名なですね、冒頭の部分から、中英語、中英語の発音で読み上げてみたいと思います。
それでは行きます。
さて、いかがでしたでしょうか。これが英詩の父、英語の詩ですね。英語の詩の父と呼ばれる、ジェフリー・チョーサー、1343年くらいから1400年まで生きた詩人なんですけれども、今からざっと600数十年前ということですね、1400年くらいというイメージ。
この当時の英語、当時の発音と思われるもので読み上げてみました。英語のリズム感というのは、現代でも残っていると思うんですね。何を言っているのかさっぱりわからないという方が普通だと思うんですね。
当時から現代まで600年以上の時間が流れていまして、発音も文法も、そして単語もですね、相当に変わっています。
ですので、これ初見であるいは初めて聞いて理解できるという代物ではないかと思うんですね。ただ、英語的なリズムというのは感じられるのではないかと思うんですね。
というのは、当時から現代までこのリズム感に関してはあまり変わっていないからなんです。
しかも、詞です。韻文です。リズム感が命という文章ですので、この英語のリズム感の特徴がですね、最大限に発揮されているような文章になっているわけですね。
そのようなリズム感で当然詩人も作詞するわけです。具体的に言いますと、弱響、弱響というリズムなんですね。これは英語、今まで変わっていません。
基本的には弱い音説は弱く読んで、強い音説は強く読むというような、弱響のメリハリがはっきりしているというのが英語、あるいはゲルマン語全体なんですけれどものリズム感の特徴なんですね。
詩と脚韻の特徴
それに比べますと、日本語というのはですね、弱響のメリハリっていうのはあまりなくて、ダンダンダンダンと泡だれを浮かすようなですね、ダンダンダンダンダンというリズム感なんですね。
それに対して英語ってのは、ダンダンダンダンダンダンダンダンというような、弱響がはっきりしているということなんですね。
そしてこのジェフリーチョーサーという人が編み出したと言いますか、最大限に利用したリズム感ですね。このパターンというのは、弱響という繰り返しが5回現れる。
これで一行なすというような特徴があるんですね。これを専門用語でアイアンビックペンタミタと言うんですけれども、弱響を5歩書くなんて言いますね。
簡単に言えば、どんどんどんどんどんどんどんどんどんどん、これが一行で、これが次々と続いていく。そして物語を織りなしていくというような作りなんですね。
さらに、このチョーサーの詩の特徴と言いますか、中英語の詩の大部分の特徴なんですけれども、各行末に来る単語ですね。これが韻を踏む、脚韻を踏むってことなんですね。
例えば1行目と2行目ではソーツェという単語に対して2行目はローツェという風に、つまりオーツェという部分が韻を踏んでいるって言うんですね。
3行目4行目も同じでリクールに対してフルールという風にウールという部分が共通していて、響き渡るっていうことですね。
このように1行目と2行目が脚韻を踏んで、3行目と4行目が脚韻を踏んでという風にですね、カップルになっているということでカップレットという風にこれを言ってますね。
さあ、これが延々と続いていくっていうのが、簡単に言うとチョーサーのですね、この缶食べ物語という傑作の大部分がこれで作られているということです。
その作品の冒頭の部分ですね、The General Prologue 創助課と呼ばれる、これからですね、この物語の中で現れてくるすべての登場人物が現れて、それをですね、チョーサーが一人一人紹介していくっていう、最初の最も、何て言うんですかね、絢爛豪華な始まりの部分なんですけれども、そのまさに最初の18行っていうことですね。
非常によく知られている英文学史上ですね、これほどよく知られている冒頭箇所というのも、あまりないんではないかというような部分です。
これを先ほどですね、比較的自然な中英語の発音で読み上げてみた次第です。
さて、今述べたように、このチョーサーの詩のですね、特徴っていうのは、弱強五方角という、つまり、ダンダンダンダンダンダンダンダンダン、これが一行で、そして、しかも一行目と二行目の末尾で脚印を踏むっていう、この二行連句ですね、これが延々と繰り返されていくという特徴があるというふうに述べました。
先ほどの比較的自然な音読では必ずしもですね、気づかなかったかもしれないんですが、この特徴をやや強調して改めて読んでみたいと思うんですね。
つまり、メトロノームのように弱強、弱強とストレスのですね、弱い強いっていうのがはっきりわかるように、しかもですね、行末の脚印がですね、響き渡るようにちょっと意識して、人工的な読み方かもしれませんが、リズム感がむしろ伝わるかもしれませんので、この読み方で改めて同じ18行ですね、読んでみたいと思います。
内容を云々というよりも、まず詩ですから、歌ですから、このリズム感っていうのをですね、ご味わってもらえればと思います。
それでは少し強調しながら、調査の詩の特徴を味わいつつ改めて読み上げてみたいと思います。
はんざつ アープレッド ウィス ヒス シューレス ソーテ
ダドロフトフ マーチャス ペーステ トゥー ルーテ
アンド バーデッド エブリ ヴェーニンス フィチリ クー
オフ ウィッチ ヴェルトゥー エンジェンドレッド エッズ フル
はんぜフィロゥス エック ウィス ヒス スウェット ブレード
インスピレード ハフ イン エブリ ホールド アン ヘード
ダテンドレ クロペス エンド ユングス スン
ハフ イン ザ ラム ヒス ハルフ クォース エロンネ
アン スマーレ フォゥレス マーケン メロディー
ザッツ レペン アルファ ニッチ ウィズ オープニー
ソ プリッケス ヘムナ トゥーレン ヒール クラージス
タン ルンゲン フォルト ゴーノム ピルグリマージス
アン パルムレス フォルト セーケン ストランジス トロンデス
ド フェーネ ハルウェス クーディン スンドレイ ロンデス
アン スペシャリー フロム エブレ シーレス エンデ
オフ エンゲ ロン トゥ カンター ベルテ ウェンデ
ホーリ ブリッフォル マルテ フォルト セーケ
タッ ヘム ハス ホルペン クワン タッ セイウェル セーケ
でこのようにここの単語の発音は確かにだいぶ変わったこの690年の間にすぐに聞いてはわからないくらいに変わったと言えるかもしれません
ただリズム感は健在です 現代でも詩ですね 歌詞なんかでもそうですが
このようなリズム感は健在ですし 脚印というものもやはり今の今まで
生き残っているっていうことなんですね リンク先には文章もあります
このテキスト文字で見ることもできまして 文字で見るとですね
この単語だったのかというふうに なんとなくつかめるっていうのが
中英語なんですね 600年ぐらいの時差がありますけれども
中英語はなんとか頑張れば 我々でも読めるっていう代物ですね
それに対してですね さらにそこから400年ほど遡った
古英語 これは全く別の言語といっていいほど
異なる要素を提示しますね 同じ英語の歴史
千数百年あるわけなんですけれども 古英語 中英語 そして近代英語
相当に変わりながら 現代の英語に連なっているという
この英語史の醍醐味 調査の英語を通じて
具体的に感じられるのではないでしょうか それではまた
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