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2024-09-13 09:54

heldio #55. as cool as a cucumber 頭韻の底力

#英語史 #英語教育 #英語学習 #頭韻 #ことわざ #慣用句 #子音
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おはようございます。英語の歴史を研究しています。慶応義塾大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。
今回の話題は、as cool as a cucumber 頭韻の底力、というタイトルです。
このcoolは、みなさんご存知でしょうか。
きゅうりのように涼しいということなんですが、落ち着き払ったという涼しげなというようなですね、表現なわけですが。
coolでいいわけなんですが、これを何かになぞらえて、直由ですね。非由で、なぜかcucumberが来ると。
涼しげと言えば涼しげなのかもしれませんが、ここに関わってくるのは、意味であるという以上にですね。
クッていう音ですね。as cool as a cucumberという経緯の音ですね。クッ音。
ゴロよくリズムは整っています。as cool as a cucumberということです。
このような言い方ですね。脅威的直由であるとか、利厳的直由、ことわざですね。利厳ですね。
敵直由なんて言い方をするんですが、たくさんあるんですね。
非常にこれは、情景、意味として、後ろに何が来るのかというものでですね。
非由の直由の面白さというのを感じられますし、その上、リズム感も出ているということで。
例えばですね。as blind as a batというのもありますね。
as bold as brass, as brisk as a bee, as clear as crystal,
as cool as a cucumberとか、as dead as a doornailなんてのも面白いですね。
as dry as dust, as fit as a fiddle, as good as gold, as green as grass,
as hungry as a hawk, as mad as a march hare, as queer as a quaker,
as strong as samson, as sweet as summerのように、かなりあるんですね。
意味ももちろん乗っかっていて、面白いものもあるんですが、
全体として共通しているのは、同じ詩音を使うということですね。
as cool as a cucumber, as blind as a batというふうに、
Cの音とかBの音をこういったものでですね、繰り返すことでリズム感が出るということです。
これをですね、投音というふうに言い習わせています。
頭で踏む音ですね。音を踏むの音です。
Alliterationという用語が与えられていますが、
これは英語の中にですね、非常に広く、気づかないところにたくさん存在しています。
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これはですね、英語のみならず、ある種、ゲルマン語派ですね。
ゲルマン語派の言語に、全体に広く見られる特徴なんですけれども、
このゲルマン語派というのは、詩音が非常に種類が豊富でよく現れるんですね。
とりわけ語頭に現れることが多いということと、もう一つゲルマン語派の特徴は、
単語の語頭に、つまりこの詩音にですね、始まる音節にアクセントが落ちるということが圧倒的に多いんです。
これは他の語派とは際立った特徴で、語頭にアクセントがあり、しかもその語頭が詩音であるということが多いわけです。
そうすると、そこで調子を表せるリズム感というのが養われていくということになるんですね。
なのでゲルマン語では一般にそうですし、そのうちの一言語である英語でも、
古くからですね、そして現代に至るまで、この投音というものは様々なところでお目にかかるというか、耳にするということなんです。
なので、古英語という非常に古い段階から英語にはこの手の表現がたくさんあって、むしろ現在よりもですね、栄えていたぐらいです。
現代にかけて少々衰退したというのは事実なんですね。
詩の技巧としても古英語では規則だったわけなんですが、中英語以降にこうした規則が少し弱まったり、なくなったりしていきます。
というのはですね、1066年のノルマン征服によって、いわゆる大陸的なもの、ラテン語、フランス語的なものがどんどん入ってくるわけなんですけれども、
このラテン語とかフランス語というのはイタリック語波、ゲルマン語波ではなくイタリック語波という別の語波で、特徴はですね、実はシーンというよりも母音の伸びに特徴がある。
しかもですね、単語の後ろの方にアクセントが落ちることが多いということなんですね。
つまり正反対ですよね。ゲルマン語は単語の頭で、しかもシーン、ここで調子を合わせたいという言語群なわけです。
一方イタリック語波のラテン語とかフランス語というのは、どちらかというと単語の後ろにアクセントがきて、そこで母音が伸びるということで、今度はですね、東音じゃなく脚音、いわゆるライムです。
これが優勢な言語のリズム感を持っているので、ある意味水と油みたいな関係なんですが、1066年の境に英語も正反対のフランス語、ラテン語的な脚音の伝統も同時に吸収することになって、
相対的にもともとあった東音、頭で死音で踏むというものが少し目立たなく、相対的に目立たなくなってきたということです。
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死の技巧としても、死の規則としても一気に驚いていったということなんですね。
ですが、日常の言語表現の中には、古くからあった表現がそのまま受け継がれていたり、新しく語句が生まれる場合にも、東音を利用して続けてきたということがありますね。
なので、目立った死の技巧みたいなことではないんですが、現在でも完全に現役です。
先ほど挙げた驚異的直輸、離言的直輸というものは一つの例なんですが、他にもいろんなところに見られます。
まず、擬音語、擬体語なんかには非常に多く東音が利用されています。
例えば、flim flamとかtittle tattleとかですね、こんな表現です。
ついく寛容句のようなものには、意外なところで同じシーンで調子を合わせるというものがたくさんあって、例えばbed and breakfastもそうですね。
cash and carryとかconfidence and cowardiceなんていうのも面白いですね。
from top to toeであるとか, part and parcel, through thick and thin, with might and mainとかですね、こんな表現がたくさんある。
他に、ことわざなんていうのもリズムの賜物ですから、例えばですね、birth is much but breeding is moreなんていうのはbbとmmという繋がりが出てきます。
birth is much but breeding is moreっていうことですね。
それからcare kill the cat。
kの音で踏んでいます。
hold with the hare and hunt with the hound。
これも綺麗ですね。hの音で4回踏んでいます。
hold with the hare and hunt with the houndとリズムにも乗っています。
それからlook before you leap.
lの音ですね。
soon ripe, soon rottenであるとか,
wealthful waste makes woeful wantなんていうwで踏むものもありますね。
早口言葉っていうのも出てきます。
最も有名な類かと思いますが、peter piper picked a pickled pepperっていうのがありますね。
広告宣伝にもどんどん出てきます。
guinness is good for youなんていうのは何気なくですね。
guinness goodっていうのを党員踏んでると。
それからyou can be sure of shell.
これshell石油ですね。
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you can be sure of shellなんていうものであるとかですね。
それから文学作品の表題なんかにもしょっちゅう出てきます。
pride and prejudiceであるとか、
beauty and the beastっていうのもまさにそうですよね。
その他名付けですね。
例えばミッキーマウスっていうのもそうですし、
donald duckっていうのもそうですし、
あらゆるところに党員というのが見られます。
これは古くから小英語の時代、さらに遡ってゲルマン語の時代から受け継がれた、
ある意味この英語に延々と受け継がれてきた一つのリズム感ということで、
広く見られるということになります。
それではまた。
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