2025-08-20 16:55

heldio #396. なぜ I と eye が同じ発音になるの?

#英語史 #英語教育 #英語学習 #発音 #音変化 #綴字と発音の乖離
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サマリー

このエピソードでは、一人称代名詞「I」と「目」を意味する「eye」が同じ発音になる理由を探ります。言葉の歴史や語源の変遷を通じて、異なる単語が同じ音を持つに至った過程について解説しています。また、英語の一人称単数代名詞「I」と目を意味する「eye」がどのように同じ発音になったのか、中英語から現代英語に至るまでの音の変化とその歴史について考察しています。

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おはようございます。英語の歴史を研究しています堀田隆一です。7月1日金曜日です。
いやー、連日猛暑ですね。 脳みそがぐつぐつ煮立ってしまうんではないかというくらいの暑さですけれども、皆さんお元気にお過ごしでしょうか。
今日は金曜日ですね。週の平日の最後の日で、かつ7月最初の日ということですね。これから暑さ本番ということですので、心してかからなければいけませんね。
自分に言い聞かせるかのように言っていますけれども、皆さん暑さに負けずに頑張っていきましょう。
同音異義語の紹介
さて、本日のお題なんですけれども、素朴な疑問を扱いたいと思います。 なぜ、あい、私を意味するあいとあい、めを意味するあいが同じ発音になるのという疑問を取り上げたいと思います。
同音異義語あるいは同音異綴り語の話題ですけれども、私はという人称代名詞ですね、一人称単数代名詞のあい、一文字で書かれるあいと、eyeと書くめですね、めを意味するあいっていうのがだいぶ異なる綴り字ですし、意味的にも全く異なるということで、
同音異義語、同音異綴り語ということになるわけなんですけれども、両方ともですね、これであいと読ませるっていうことになってるわけですよね。これはどう考えても語源的には別だろうと考えられますし、綴り字も違うわけですから、たまたま歴史的にいろいろ分け合って同じ発音になってしまったんだろうなっていうことは想像つくと思うんですね。
ですが、想像以上に異なる形だったものが、たまたま音の変化の結果ですね、一致してしまったという話なんですよね。これくらい異なる単語がですね、本当に同じ発音に合一してしまうっていうのは、なかなかの驚きだと思うんですけれども、それではまずですね、あい、両方あいですね。
私はを意味するあい、一文字で書くあいから始めてみましょう。この単語は、語彙語ではicと綴って、いちと読ませたんですね。いちっていうことです。同じゲルマン語のドイツ語ではご存知の通り、いし、ichと書いて、いしという発音なんですね。
もちろん、語彙語、英語も同じゲルマン系の言語ですので、もともとは同じ形に由来します。それがドイツ語ではichになって、そして語彙語の段階ではいちと、親友は違いますけれども、かなり似た形ですね。そして綴り辞書もicと書いて、いちと読ませたんですね。
これがいわゆる私はという、関数一人称主格の形ですね。今のあいになっていく形のもとが、語彙語ではichという形だったんです。ちと読ませたんですね。これがどういうわけであいという発音になったかという、この経路なんですけれども、いくつか考え方があります。
一般的に教科書的にはですね、こういうふうに言われます。まず、語彙語でichという形だったんですね。これが中英語期にも、だいたいichとして伝わって、そのままichだったんですけれども、中英語くらいからですね、前半から後半にかけて、この語末のちっていうシーンですね。これが脱落していくんです。
そうしますと、ただ脱落するというだけでは済まないでですね、脱落した分、その脱落した長さっていうんですかね、これを補うべく、残ったiがですね、長くなるという、これ代償超過っていうんですけれども、つまり語尾のちって音がなくなるということの代償として、音の長さは全体として同じぐらいを保ちたいがために、
iという、残った母音が長くなるっていうことです。そうすると、ichのちが残った分、iが長くなって、iiというふうに超母音になります。iiですね。そしてこれが15世紀以降に始まった大母音推移という母音変化によって、iがeiになり、最終的にiになったという、こういう道筋。
これが一般的に想定されているんですね。つまり、ich、ii、ei、aiということで現在の形になったというような、こういう経路、これを想定することができるっていうのが、まず第一案です。
これが大体一般的に言われる考え方だと思うんですけれども、第二案もあります。それはですね、ichからちっていうのがなくなったときに、特に代償超過、代償で長くなるっていうことは起こらずに、iのままだったという考え方です。
そうすると、じゃあなんで長くなったかっていうモチベーションですね。これ代償超過以外のモチベーションが必要になるんですけれども、それはですね、弱形に対して強形として長くなったんだっていう説明も一つあり得る説明なんですね。どういうことかというと、代名詞のような非常によく使う頻度の高い語類はですね、大体弱形と強形というものを持ってるんですね。
弱形っていうのは、大体普段会話で使うような形です。非常に頻度が高いので弱まった省略されたエネルギーを使わない発音っていうことですね。それに対して強調したいときには強く長く発音するっていうことで、この類の認証代名詞のような単語っていうのは、大体ですね、弱形と強形というふうに文脈によって多少発音がですね、異なる。
2つの発音が使い分けられるっていう状況があるんですね。
例えば、youっていうのも、お前というふうにはっきり言いたい場合はyouですよね。それに対してyour studentというように言う場合のyourっていうのは、youとareがドッキングしたような形で省略形になりますし、それぞれがyouもareも弱まった形で合わさって一語になっちゃう。your studentみたいなことですね。
目的語になった場合も同じで、I love youと言えばですね、youが当然強くなる。他の人ではなくて、あなたが好きなんだっていう場合ですね。それに対して、うわば日常的な決まり文句って言ったら変ですけれども、I love you、yeah yeah yeahっていう発音になるわけです。youに対してyeahっていう発音があるわけですよね。
このように認証代名詞には弱形と強形というものが用意されているっていうのが常で、これは昔から同じだったんじゃないかっていう考え方です。そうしますと、いっちのちが消えてですね、いっとなる。これ短いですし、ただの一音ですので、弱形として一認証単数代名詞の役割を果たした。
だけれども、私なんだというふうに強く言いたい場合には、これを伸ばしたって言うんですね。いーというふうに。強形です。強い形としての私っていうのが、いーと伸ばした形になった。
そして、この強形のいーからここが起点となって、台本位推移を経て、いー、いーとなって、現代はつまり、いーの強形である、いーの末裔であるというそういう考え方ですね。
いずれにしてもですね、このいっちという形からちが消えた形ができて、そしてそこから2つぐらいの経路が仮説として挙げられていますが、いずれかのおそらく経路によってですね、最終的にはいーと伸びて、そしてそれが台本位推移に突入し、いー、いーというふうに、現代のいに至ると。こういう道筋が考えられています。
「目」を意味する「eye」の変遷
次に、「め」を意味する、いー、いーと綴られる、「あい」の方に話を移したいと思います。これは小英語からある古い単語で、英語の本来語なんですね。当時の綴り字で言うと、いー、えい、じー、いーと綴って、えーあげっていう発音だったんですね。えーあげです。全然現在のあいと違いますよね。
綴り字も違いますし。ここからスタートして、最終的にどういう具合であいという発音になってしまったかというとですね、これがかなり長い経路なんです。ではその経路を追いかけていきたいと思うんですが、小英語ではえーあげという発音ですね。
これがまず、えーあという最初の部分が一つの母音になって、長いままではあるんですけども、一つの母音になって、えーあげになります。えーあげですね。そしてこの最初の母音が少し下の位置を高めて、えーあげってなります。えーあげですね。
これはどのくらいの時期に起こったかというと、小英語から中英語にかけての時期です。この辺りの変化ですね。えーあげとなります。そしてこのグググという字で表されて、摩擦音なんですけれどもグッという音がですね、少し前寄りになって、えいえというふうに、Yのシーンですね。夜行シーンに変わっていきます。えいえ、えいえって感じです。
そしてこれがですね、えいえという最初の母音が長かったんですが、少し短くなって、えいえ、えいえになってきます。えいえですね。そしてさらにえいえの最初の2つの母音がですね、融合して、しかも高まって、いいえ、いいえになります。えいやっていうのがいいやになっていくんですね。
この辺あたりが中英語の後期です。イメージとしては調査あたりですね。実はカンタヴェリ物語の最初のジェネラルプロローグ、ソウジョカの第10行目の脚印がですね、このいいえなんですね。
目を開いてということですね。この目を意味するあいが出てくるんですが、その時の発音はいいえなんですね。10行目なんですけども、その1個前の9行目で印を踏むんですけれども、メロディーエっていう発音なんですね。
これメロディーのことなんですが、メロディーエに対してウェズオープニーエということで、このいいえの段階に至ります。この段階ではいいえの後にあという曖昧母音が続いて、一音のところ2音節なんですね。それが最後のあっていうのが消えてきます。そしてついに1音節後になってしまいます。つまりいいえということです。
この段階に至って先ほどの一人称単数代名詞の一致ですね。これが変化したいいえというものと合流します。同じ流れになります。完全に同音異字語、同音逸字語になってしまうんですね。ここでいいえとして合流します。
あとは近代記にかけて同じ歩みです。私はの愛と同じ歩みをたどってですね、いから大分いすぎを経て、えい、あいというふうに現在に至るっていうことです。
つづり字状はもともとの公英語のEAGE。このGの部分がYに変わったりするっていうことがですね、中英語期に起こったんですけれども、少し整理されまして、最終的にはEYE。さまざまなつづり字が実はあったんですけれども、最終的にはですね、このつづり字で落ち着いてEYEというかなり変なつづり字ではあるんですけれども、これがですね、現代になって、
標準的な目を意味するこのEYEの標準的なつづり字として固まって現代に至るということです。改めてこの何段階かを整理しますと、公英語のEAGEから始まって順に追っておさらいしていきますね。
エーアゲ、エーゲ、エーゲ、エイゲ、エイエ、イーヤ、イー、エイ、アイというふうに数百年の歴史を経てですね、全く異なった形であった公英語期には、イッチとエーアゲという似ても似つかない、
発音だったものがですね、数百年の時間をかけて結局EYEに合流してしまったということなんですね。これはなかなか驚くべきことではないでしょうか。現代の英語でもあるいは日本語でも明らかに違う発音のものがですね、数百年の時間をかけて少しずつ発音が変わる結果ですね、将来的には全く同じ発音に合一してしまうという可能性が常にあるということなんですよ。
つまり、今現在同音異義語、同音逸り語であるからといって昔からそうだったわけではない。たまたま何の因果か同じ発音になってしまったということですね。いわば洒落として通じなかったものが洒落として通じる時代が到来したということになるわけですよね。
Iとeyeの統合
発音の変化っていうのはこの辺りがなかなか面白い。そして先が読めないということでもあるんですね。エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。英語には同音異義語、同音逸り語というものがあふれていまして、過去の放送でもこの話題いろいろと取り上げてきたんですけれども。
今回は一人称単数代名詞のIとMEを意味する名詞がいかにして全く違う発音、全く違う単語だったものが同じ発音に合一してしまったか。Iという発音に合一してしまったかという歴史を見てきました。ある種の偶然ですよね。
途中から合流してですね、中英語の後期あたりにEという形で合流してしまってからは同じ道筋を歩んでIになったわけなんですけれども、これも本当にたまたまという以外の何もでもないんですよね。こういったことも含めまして、every word has its own historyということなんだと思うんですね。
さて、この放送ではご意見、ご感想、ご質問、そしてチャンネルで取り上げてほしいトピックなどがありましたら、ご一心のコメント機能あるいはチャンネルプロフィールにリンクを貼っています専用フォームを通じてお寄せいただければと思います。なるべく放送内で取り上げて一緒に考えていきたいと思っています。
それでは本日猛暑になる予定の金曜日ですけれども、暑さに負けずに頑張っていきましょう。そして良い週末をお過ごしください。ではまた。
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