2025-11-20 18:04

#488. 英語史ではイタリア語の存在感は薄い?

#heldio #英語史 #英語教育 #英語学習 #hel活 #英語史をお茶の間に #イタリア語 #借用語
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サマリー

ポッドキャストでは、英語史におけるイタリア語の影響力の薄さについて議論しています。特に、英語がイタリア語から借用した語彙の少なさと、その背景にあるフランス語の影響を解説しています。このエピソードでは、イタリア語の影響が英語史においてどのように薄いかを考察し、特に16世紀と18世紀の文化的な流入について触れています。また、イタリアに対する憧れのイメージや、イタリア語が英語に与えた語彙的影響についても議論されています。

英語とイタリア語の影響
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、 そして英語のなぜに答える初めての英語史の著者の堀田隆一です。
10月1日土曜日です。ついに10月ですね。皆さんいかがお過ごしでしょうか。 英語の語源が身につくラジオheldio。本日の話題は、リスナーさんからのコメントを受けまして、
英語史ではイタリア語の存在感は薄い、です。 どうぞよろしくお願いいたします。
一昨日486回の放送でですね、英語と他の主要なヨーロッパ言語との関係、 フランス語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、ドイツ語と題しまして、
英語といろいろな意味で関連の深いヨーロッパの諸言語ですね。 この関係についてお話したところですね、
イタリア語と関連しましてコメントをいただきました。 ゆきさんからのコメントです。では読み上げます。
今日の堀田先生のお熱の入った放送、フランス語を勉強した時に、 なんとなく感じていたことを言語化していただいたように感じました。
特に他の言語を勉強すると英語に対する理解が深まるということを実感としてあります。 ふと疑問に思ったのですが、語彙がラテン語からフランス語、そして英語に入ってきたというのは分かるのですが、
フランス語、イタリア語等の関係はどうなのでしょうか。 ラテン語から生まれた言語だから並列に語彙が受け継がれたとか、あるいは例えば
イタリア語からフランス語へと語彙が入っていったのでしょうか。 という質問に対しまして、リスナーのカミンさんでフランス語史の研究をされている
カミンさんから フランス語とイタリア語の関係について、ゆきさんの質問に答えるような形でですね
コメントをくださったんです。 そちらのコメントも読み上げさせていただきます。
こんにちは。フランス語史の研究をしているものです。 イタリア語、フランス語は共に古代ローマ帝国領内で話されていた
交互ラテン語がそれぞれの地域で変化したものです。 ただ16世紀にはフランス語は当時文明の先進地域だったイタリア語からかなり多くの語を
釈用します。 割り込み質問になりますが、16世紀はイングランドでもイタリアブームがあったように聞いたことがあるの
ですが、英語語におけるイタリア語の釈用について教えていただければ幸いです。
ということで、リスナーの皆さんの間でコメントがやり取りされ、新しい質問が出てですね、そしてまた今日それに関係する話を私もすることになって
とても面白い形でボイシー放送を中心にして、その周りでいろいろと話題が動いていくっていうのもとても面白いなぁと思っています。
コメントそしてご質問をお二方よりいただきましたがありがとうございました。 フランス語とイタリア語の関係につきましては、今
カミンさんに解説していただいた通りかと思うんですけれども、では英語とイタリア語の関係、その間にフランス語っていうものが絡んでくるのかどうかっていうようなこの観点から、英語史の観点からお話ししたいと思います。
イタリア語の借用語
まず大きな見取り図を先に示したいと思うんですけれども、英語はイタリア語からそれなりの数の釈用語を受け入れています。
それなりにっていうところがポイントなんですけれども、先日の放送でフランス語からの釈用語っていうのはとにかく多かったという言い方をしたんですが、それに比べればやはり影が薄いという感は否定できません。
それでも中世後期から近代英語期にかけて、世紀で言いますと一番早くは13世紀後半あたり、そして15世紀、16世紀あたりがですね、一つのピークをなすんですけれども、その後もう一度小さなピークが18世紀にありまして、現代に至るという形でイタリア語はですね、断続的に英語に入ってきてはいます。
その数、特に比率ということで言いますと、フランス語と比較してしまうとほんのわずかというふうに見えるわけなんですけれどもね。
ですので、相対的に言うと、やはり影が薄いと言わざるを得ないと思うんですけれども、もう一つその影の薄さをですね、助長している要因としては、先ほどフランス語にもですね、イタリア語からの単語が流れ込んだ16世紀あたりの時期ですね、っていうのがあるという話でしたけれども、先ほどありましたが、この時に同じタイミングで英語もイタリア語から似たような単語ですね。
これを釈用しているんです。その際にイタリア語から直接釈用したっていう場合もあったんですけれども、結構多くがですね、フランス語を経由してイタリア語が入ってくるっていうことが多かったんですね。
つまり、イタリア語からまず一旦フランス語に入り、微妙に形を考えてフランス語化した形で英語がそれを借り受けるという形。
つまりイタリアから直接っていうパターンと、イタリア、フランス、英語というふうに間接的に入ってきたっていうパターンがありまして、すでにフランス語との付き合いは長くて、大陸のものをフランス語経由で英語は受け取るというルートが、いわば定まったルートがあるんですね。
一種の大陸から島国へとつなぐ窓口の働きをフランス語がしていたっていう、その伝統が固まっているので、取り入れる際にもそっちの方が楽ということもあるんだと思うんですね。
ただ、フランス語経由はしたかもしれませんが、究極的にはイタリア語から入ってきたって意味で、イタリア語とかイタリア文化の文化史的な影響力ということを考える際には、直接なのか、それともフランス語経由して間接なのかっていうことは、一旦度外視してですね、究極的にはイタリア語の単語が英語に入ってきたんだということで、文化的な文化史的なイタリア語の影響力を考える。
その影響力っていうのを押し量るんだとすれば、現在の英単語として使われている語形ですね、これがフランス語っぽいものだったとしてもですね、それは究極的にはイタリア語から入ったっていうことになりますので、それはイタリア語からの釈用語としてカウントするというふうに、今回はそういうふうに考えてみたいと思うんですね。
その分だけもう少しイタリア語の釈用語っていうのは影が薄かったものがちょっとだけその分だけ濃くなります。
どんな単語が入ったかっていうことは列挙してみたいと思うんですが、そもそも日本語もですねイタリア好きっていうことがあるんで、結構横文字で入ってますよね。
なので日本語から見ておきたいと思うんですけれども、人馴染みの深いものがね多いと思いますので、例えばインフルエンザ、オペラ、カジノ、ジェラート、ソナタ、テンポ、ティラミス、トロンボーン、パパラッチ、ビオラ、ピザ、フィナーレ、フォルテ、ブロッコリー、マカロニ、マニフェスト、マラリア、ミネストローネという形で料理関係のものとか音楽関係っていうのが多いですかね。
これはほとんどが日本語史の新しい時代、まさに現代になって入ってきたものがほとんどではないかと思われますけれども、英語に入ってきたイタリア語の単語ですね。日本語に入ってきたものと重なるものも多いと思うんですけれどもね。
例えば第一弾としていくつか読み上げてみたいと思いますね。英語として読み上げます。
知っている単語が多いんではないかと思いますね。もう少し読み上げましょうかね。リストを作り上げていますんで。
先ほどのリストと重なるところもありましたが、このように建築関係のものっていうのも多いですね。音楽関係に加えて建築関係が意外と多いですね。
今読み上げたものの中でも半分ぐらいですかね。実はフランス語化して入ってきているので、完全にイタリア語っぽくない発音だったり綴り字だったりするんですけれども、究極的にはイタリア語から来ているということで、今回のリストには含めてある次第なんですけれども。
このように英語に入ってきたイタリア語の単語というのは、ある特定の分野ジャンルに割と集中しているっていうことがありますね。これは実際日本語に入ってきたイタリア語を見てもそうだと思うんですよ。
イタリアが得意とするもの。食事、音楽、建築、服飾、この辺りでしょうかね。このような分野との関わりを意識して、もう少し英語的な視点からお話を続けたいと思います。チャプター変えます。
イングランドとイタリアの関係
英語とイタリア語の接触。もう少し国レベルで言いますとイングランドという国とイタリアという国の接触ですね。これは中世後期の13世紀後半以降の現象ということになります。
当時イタリアの先進的な商業、金融がイングランド経済に大きな影響を与えるようになってきたんですね。イタリアはいわば金融の国、銀行の国というような、そういう位置づけですね。
少し時間が経って15世紀くらいからその言語的影響というのが目に見えるようになってくる。そして16世紀は英国ルネッサンスの時代です。イタリアでのルネッサンスというのはもちろんだいぶ早いわけなんですが、遅れてルネッサンスの波がイングランドにも押し寄せたということですね。
16世紀あたりを従ってイタリア的なものへの憧れとか思考というものがイングランドの中でとても社会現象になるほどで、たくさんのイタリア語の単語が英語に流入した。あるいはフランス語を経由して流入してきたということですね。
16世紀というのは一般的にラテン語であるとかギリシャ語からの古典語ですね。古典語からの釈用がひたすら多かったという時代でですね。あまりに取り込みすぎたので反動が起こってですね。
外から入ってきたいわゆる横文字っぽいものですね。これを非難する動きっていうのがあったほどなんです。そのとばっちりはですね。他のいわゆるバナキュラーと呼ばれるイタリア語とかフランス語とかスペイン語、ポルトガル語なんかも含めて外から入ってきたものに対するちょっとした抵抗運動みたいなものもあったりはしたんですね。
逆を言うとそれぐらい入ってきたからこそ抵抗運動が起こったっていうことなんですが、このイタリア語なんかもあまりに多く入ってきたのでオーバーシーラングイッチ、海外からの言葉という言い方、オーバーシーラングイッチという言い方で非難されたっていうことすらあったんです。それぐらい一気に入ってきたっていう時代でした。
英国ルネッサンスが終わりますと、ほとんどおりは冷めたんですけども、もう1回実は近代の後半になってですね、ちょっとしたピークがあります。これは18世紀です。18世紀はなんでピークがあったかというと、これは貴族の指定が大陸に修行のために出かけていく、経験のために出かけていくっていういわゆるグランドツアーっていう監修が発達するわけですね。
それでフランスのパリに行ったり、あるいはイタリアのローマフィレンツェに出かけていって、さまざまな貴族としての教養であるとか行儀作法みたいなものを学ぶという一種の文化的な運動が起こるわけですよね。
グランドツアーというわけですけれども、この時に直接イタリアに触れた貴族の指定たちがですね、音楽用語なんかも多かったと思うんですが、イタリアっぽいもの、イタリアで流行しているものっていうのをそのまま英語に持ち帰ったという形になりますね。
ですので数としては、やはり絶対数はそれほど多いわけではないんですけれども、イタリア語の流入の歴史、英語史におけるイタリア語からの釈用語の流れということを考えると、一つのピークと、マイナーピークですけれどもね、と言っていいのがこの18世紀のグランドツアーの時代だったということで、
社会的な運動、盛り上がりみたいなものと釈用がですね、連動しているっていうことがこれでわかるかと思います。
今でもですね、イタリアに対するある種の憧れと言いますかイメージっていうのは、おしゃれな国であり、食、文化の国であり、音楽の国である、オペラの国であるというようなですね、イメージがあるわけですが、これはある意味では近代以前から変わっていないイメージっていうことですね。
イタリアへの憧れと語彙的影響
イタリア語からの語彙的影響というのは、フランス語からの影響に比べればずっと影が薄いということは認めざるを得ません。
ただ、その少ないながらもある釈用語ですね、そしてそれがどういう時代背景のもとに英語に取り込まれたのかということと、文化史上の話題ですね、これは完全に連動しているということを示してくれる恒例だと思うんですね。
英単語の中に眠っているイタリア語からの釈用語、いろいろと探してみると面白いと思います。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
最初の方にも述べたとおりですね、このヘルディオの放送内容が元となって、リスナーの皆さんからコメントが寄せられて、その中でまた新たな議論が起こったり、次なる質問が出てきたりするというパターンが今日展開されて、本当に楽しく嬉しく、そして勉強になるということですね。
このような機会がまた起こるといいなと思っております。質の高い放送を作ろうと思えるような環境を用意していただいていると言いますかね。ありがとうございます。
このようなことでですね、このチャンネル英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、あなたからのご感想、ご意見、ご質問等をお待ちしています。Voicyのコメント機能を通じてお寄せいただければ幸いです。
さて、今日の土曜日はですね、午後に以前からこの放送でもご案内していました、朝日カルチャーセンター新宿教室にて、英米の英語方言と題してお話しします。
そちらでもですね、参加される方、このVoicyお聞きの中にも参加されるという方いらっしゃるかと思いますので、ぜひですね、そこでディスカッションして、その成果なり新たに出た疑問のようなものを、またこのVoicy放送に返すという形でですね、面白い議論ができるといいなと、今から楽しみにしています。
それによって、このVoicyのリスナーの皆さんにも、なるべく質の高い、そして面白い話題ですね、今回英米の英語方言という方言の話題なんですけれども、それについてお話しする機会が持てればいいなというふうに思っております。
それでは本日の土曜日、皆さんにとって良い1日となりますように、ほたるいちがお届けしました。また明日。
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