リスナーからの質問
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、 そして英語のなぜに答える初めての英語史の著者の堀田隆一です。
9月27日火曜日です。いかがお過ごしでしょうか。 英語の語源が身につくラジオヘルディオ。本日の話題は
一般の人々を表す you の用法はいつからあるの、です。 これはリスナーの方から寄せられてきた質問ということなんですね。
これにお答えする形でお届けしたいと思います。 どうぞよろしくお願い致します。
リスナーの川上さんでしょうかからいただきました。 質問です。総称の you はいつ頃から使われているのでしょうか。
またその背景なども教えていただければありがたいです。 天候の守護一途の話題がありましたが、似たように不思議な守護の使い方だと思っています。
よろしくお願いします。 ということで川上さん、ご質問ありがとうございました。
英語は守護なんとかですね、なんでもかんでも言わなければいけないっていうことなんで、この一途の問題もそうですが、この you もですね、そんな感じがするんですよね。
日本語だったら言わないでいいところを、まあなんとか守護言わなければいけないんで、 you なのかなというような対話の相手を想定してですね、
you っていうことなのかなと、こんなふうに感じることもあるんですけれども、この総称の you っていうんですかね、いろんな言い方あると思うんですが、不定認証代名詞としての you とか、一般認証としての you つまり、
普通だったら人々はとか、人はとか you ですね。 特に誰ともなく人々はと言いたい時に、
people でもいいと思うんですね。だから、例えば one みたいな言い方もあると思うんですよ、英語では。
で、その代わりにですね、交互的な文脈ですかね、 you と言ったり、あるいは we と言ったりもすると思うんですよ。
私たちと言いながら、本当に私たちを指しているわけではなくて、まあ一般に人々はぐらいの意味で、 we とか you とか、あるいは they もありますかね。
彼らはっていう三人称のように言いながら、結局人々はっていう、なんかいろいろ言い方が英語で用意されているんですね。
で、you という時と we という時と they、それから people とか one って、やっぱり微妙に違うと思うんですよ、元々の意味がありますんで。
で、you って言うと、やっぱり二人称ですので、相手に話しかけている感覚があるっていうことで、
様々なニュアンスとか、その時々にですね、使い分けたりするっていうことなのかなと思うんですけれども、この you を使うっていうのは、割と面白い言い方だなというふうに私も思っていたんですけれども、これについて歴史的に考えてみたいと思うんですね。
まず、現代語の例文を挙げますと、
みたいな言い方で、これもですね、あなたと名指しはしていますけれども、極めて一般的な内容ですよね。なので、人々はと言っていいところだと思うんですよね。
それから、例えばですね、
なんていう文は、
you have to be 21 っていうのは、21歳でなければいけないなんていうわけですね、アルコールを買うには、フロリダでっていうことなんですが、これ you と言われても、have to be としかも言われてもですね、21歳に満ちていなかったら、もうどうしようもないわけなんで、
この you っていうのは、本当にあなたに向けられたものというよりは、一種の法律の宣言みたいなものとして、本当に一般認証というふうにふさわしい言い方ですね。
総称の you とか、あるいは不定認証と言ってもいいと思うんですけれども、そんな用法ですよね。
まさかまともにですね、自分が言われている、これを言われて、you って自分のことだっていうふうに解釈する人はいないので、
本当にひどい使い方、人々はぐらいの一般的な言い方であるっていうことはわかると思うんですが、
さあ、このような言い方は今でこそ一般的なんですが、歴史的にはいつ現れたんだろうかということですね。
これはどういう分野、英語詞の中でも意味論とか語用論って言われるところに近いと思うんですけれども、
これ、大変面白い問題だと思うんですね。
まずは、Oxford English Dictionary 調べてみました。
you を引くんですね。そして、この総称の you、一般認証の you みたいな使い方がいつからあるかということなんですが、
これがですね、用法として一番近いもので言うと、
1555 年ぐらいの例というのが挙げられているんですね。
これが、いわゆる聞き手とか読者に話しかけていながら、全体としては一般認証を表すという使い方の最初だっていうふうに Oxford English Dictionary では挙げられているんです。
ただですね、これをまともに信じるわけにはいかないと言いますが、これだけで解決するわけではなくて、というのは、
1555 年、16 世紀半ばですよね。
16 世紀ぐらいには、まだですね、実は二人称代名詞として thou っていうものが残ってたんです。非常によく使われていたんです。
本来 you っていうのは複数のあなた方という意味に限定されて用いられていたんですけれども、これがですね、そして単数形っていうのは thou っていうのがあったんですが、
you 本来は複数形のものが中英語以降ですね、丁寧なあなた一人単数形に用いられるっていうことも増えてきたっていうことなんですね。
なので、現在の you の総称的な使い方を調べるにあたっては、
you そのものを調べるだけではなくて、中英語から初期近代英語くらいまで続いていた thou についても調べないといけない。
むしろ、こっちが直接的にはあなたと一人を名指ししてですね、あなたはと言いながら、実際には広く一般に人々を指しているっていう用法があったかもしれないんで、
こちらも併せて調べなきゃいけないんですね。
そこで thou について、オクスフォードイングリッシュデクショナリーであるとか、あるいは時代的にはもう中英語の時期の話題になってきますので、
ミドルイングリッシュデクショナリーっていうのがあるんですね。
これを調べてみますと、どうもですね、この一般認証、不定認証、あるいは総称の you に相当するものですが、
総称の thou と言うんですかね。
これは調査に見られる、調査というのはジェフリー調査です。
14世紀後半の主人なんですが、この調査の作品に thou とか、あるいは複数形の you に相当するものを使ってですね、
実際上は人々はとか、一般的な意味を表すっていうのも既にあるっていうことが確認できるんです。
さらに、この thou っていうのは一番古いわけなので、
遡りますと、どうもですね、古英語の段階にすらこれがあったと考えられると。
そういう記述っていうか、少なくともヒントみたいなものが出てくるんですね。
なので、これはですね、歴史的にいつ始まったかということは、場合によっては英語史の最初から、
つまり、古英語からあった、そのいわば、それが引き継がれた形で、今の you ですね。
冒頭に述べました。
みたいな、この構文につまり繋がっている構文って言いますか、
you の使い方ですね、一般認証としての使い方。
めちゃめちゃ古い可能性があるっていうことがわかってきたんですね。
一般的な使い方の考察
いかにも今風なのかなというふうに直感されますが、
今風というよりは英語風なのかもしれませんね。
日本語話者からすると、このあなたって話しかけられているようで、
場合によってはちょっと慣れ慣れしい、
一般のことを言っているのに、自分に話しかけるようにするというのはどういうこと?
みたいな反応を抱くわけなんですけれども、
ただですね、これよく考えてみますと、そんなに突飛ではないのかもしれません。
例えば、ことわざなんかで you って出てくることがあるんですね。
ことわざって一般的な人類の知恵ですから、人々はと言えばいいんですが、
これを例えば people とか one とか言うとですね、
なんか当事者意識ないですよね。
you と言われると、自分のことか、みたいなところはありますし、
それから例えば行儀作法とか、何でもいいですがマナー本とか、
料理のレシピでもいいですよね。
これなんかも基本的にやっぱり読者に話しかけてるんで、
you っていうことになるわけじゃないですか。
命令形なんか使うのは you は省略されるわけですけど、命令形。
命令を使うってことは、読者を you として想定している。
ただ、もちろんそういう本だからあなたに話しかけるよっていう言い方をするんであって、
実際は一般的に言いたいわけなんですよね。
エンディングです。
今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
今日は you という二人称代名詞、
これが実際的には一般的な不定の人称を表す、
総称的な使い方をするという、
この表現の歴史を探ったんですが、
意外に古いということが分かってきたんですね。
これ今日話しながらですね、
私もちょっとこういうことかなと思ったんですけれども、
いわば文章、文明社会、書き言葉の社会において、
文章って誰が読むか分からないわけなんですが、
読者っていうものを想定して普通書くことが多いと思うんですね。
本当に一人で自分のために書く、
例えば日記とかメモとかあるかもしれませんが、
多くの場合公表されて誰かが読むっていうことになる。
その誰かは、だけど誰かは分からない、
誰が読むのか分からないっていう不定の状況でですね、
書き手っていうのは書くことが意外と多いんではないかと。
もちろん、例えば手紙であるとか、誰に当てたのか分かる、
つまり誰が読むのか分かるっていう場合に、
言うを使うのはとても分かりやすいんですが、
そうでなくても言うっていうことで当事者意識を持たせるって言いますかね、
直接読み手が自分のことを名指しして、
自分のために書いてくれてるんだみたいなですね、
雰囲気を与えるために書き手があえて言うみたいなものを使う。
ただそれは一般的な話であるっていう時にはですね、
あなたの用法の発達
言うを使いながら一般的な人々を表すっていうような、
そういう用法って発達しやすいのかなっていうふうにも思ったんですね。
つまり書き言葉の特性からして読み手を想定する。
だけれどもその読み手は実は不定であるっていうことから、
こういった使い方の二人称代名詞って意外と発達しやすいのかなみたいに、
今日話をしながらですね、
私自身喋りながらなんとなく気づいてきたっていうところがありまして、
面白いなと思いました。
それから関連して思うのはですね、
私このVoicyのヘルディを始めて1年3ヶ月ぐらいに立つんですけれども、
いわゆるラジオという形ですよね。
ウェブラジオですけれども、
その時にVoicyのラジオパーソナリティとしてのコツみたいなところをですね、
教えていただいた時に、
ラジオメディアってパーソナリティはリスナーの皆さんって呼びかけることが多いとか言いやすいんですよ。
なんですけれども、ラジオって個人で聞いていることも多くて、
例えばイヤホンをして本当に一人で聞いているっていう場合ですね、
あなたと言われるとドキッとするから、
リスナーの皆さんではなくてあなたというね、
日本語的にはちょっと馴染みのないあなたっていう二人称代名詞なんですけど、
これを使うととても良いですよというような、ある意味アドバイスを受けて、
ある時から、皆さん気づいていたかいないかわからないんですが、
なるべくあなたって、ちょっと困惑しいんですけど、使うようにしてるんですね。
これによって一般のリスナーの皆さんが、ある意味パーソナライズされるっていうんですかね、
自分自身のことだっていうような捉え方をするんじゃないかっていうことで、
私もね、いまだにそのアドバイスに乗っかってあなた使ったりするんですけど、
いまだにしっくりきてないんです、実はU法としては。
だけれども、これってあるかもしれないなというふうに感じていたところに、
今回の質問、英語のUって、総称を表す、一般認証、不定認証を表すっていうところで、
とっても関わってくるなと。
しかも、このVoicyメディアで、直接イヤホンを通じて一人の皆さん、一人一人ですね、
に通じているという可能性を考えると、まさにこの効果が生きてくるのかなと思ったりしながらですね、
これメディアの発達ということもあるんだと思いますね。
だから、ことわざなんかも、やっぱり一般的なことなんだけど、
あなた一人に響いてほしいっていうようなね、意味合いがあって、
Uで始まることわざなんていうのは、ちょっとドキッとしたりするわけですよ。
なのでこれ、同じ一般認証でも、
theyを使ったりweを使ったりってあると思うんですが、
Uっていうのも、やっぱり一つあって、それぞれ使い道があるんじゃないかなと。
これ、語用論的というかレトリックと言いますか、
なんて言うんですかね、この辺りの効果みたいのを調べる部門っていうか、
言語研究みたいのって、なんかあるんだろうかっていうね。
日本語の場合は、そもそもUともweともtheyともあまり言わないことが多いので、
また別のやり方で操作しているのかもしれませんが、
引用語の場合ですね、主語を言わなければいけない。
その時に1,2,3認証、すべてある意味用意されていて、
不定認証、総称で使われる用法っていうのが少なくとも英語にはありますね。
他の言語はどうなんでしょうか。
これ、使い分けによって当事者意識を呼び覚ましたり、
あるいは逆にちょっと距離を置いたりとか、
いろんな操作ができるのかなと思いまして、
Uのみならず、総称を表す代名詞の使い方、
代名詞だけでなくて、peopleとかoneとかもそうですけれどもね、
この辺結構面白そうな話だなっていうふうに気づいた次第です。
ご質問ありがとうございました。
英語の「you」とその影響
さて番組の最後に、
朝日カルチャーセンター新宿教室での講座のお知らせです。
今週末になりました10月1日土曜日の午後3時半から6時45分、
全4回のシリーズなんですけれども、
英語の歴史と世界英語と題するシリーズの第3回となります。
英米の英語方言、これについてお話しする予定です。
携帯としましては、対面で行うものと、
それからリアルタイムでですね、
Zoomを経由してリアルタイムでオンラインで行うというもの、
それからそちらを収録したものをですね、
無効1週間視聴できるというオンデマンドを様々な形で提供しております。
21世紀のある種英語をめぐるキーワードと言いますかね、
World English is 世界英語というふうに言っていますけれども、
これについての講座なんですね。
この話題、ご関心のある方はですね、
第1回、第2回終わりましたけれども、
こちら参加いただいていてもいなくても全く問題ありません。
第3回でも全体のこれまでの流れの復習はいたしますし、
それぞれが割と独立性の強い回ですので、
その点はご心配なく第3回からご出席ということでも構いません。
ぜひ、関心のある方はですね、参加をご検討していただければと思います。
先ほど申しましたように様々な形で参加できますので、
このチャプターにURL、関連する情報へのURLを貼っておきますので、
そちらに飛んでいただければ幸いです。
今回はイギリス英語とアメリカ英語の方言に焦点を当てるんですけれども、
全体の趣旨として21世紀の世界英語ということなので、
この元々のイギリス英語の方言とかアメリカ英語の方言ということと、
じゃあ今の世界語どう繋がるのっていうところが一番の見どころだと思います。
実は方言、結局英語の様々な表れなんだという点ではですね、
あまり変わりがないっていうのが私の今のところの考え方です。
その辺りをですね、ご出席の皆さんといろいろ議論しながら理解を深めていきたいと、
そのように思っています。よろしくお願いいたします。
このチャンネル、英語の語尾が身につくラジオヘルディオでは、
あなたからのご質問、Youからのご質問、ご意見ご感想をお待ちしています。
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ぜひフォローをよろしくお願いいたします。
また面白かったためになったなどと感じましたら、ぜひいいねボタンもよろしくお願いいたします。
これがあるとですね、いただきますと非常に元気づけられるって言いますかね、
やったらぜっていう感じでですね、面白い話題を翌日からも提供したいなという気持ちになりますので、
ぜひよろしくお願いいたします。それではまた明日。