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おはようございます。英語の歴史を研究しています堀田隆一です。 このチャンネル、英語の語源が身につくラジオheldioでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
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今回は昨日に引き続き、英語に関する素朴な疑問 千本ノックのパート4、第4回をお届けしたいと思います。
昨日も本当にいくつかしか使うことができずに終わってしまいましたので、今回も続きということで、数日前に英語史という授業で大学生から集めた問題、これにやつぎ早に正しいかどうかというのも怪しいところなんですけれども、なるべくコメントをしていこうという趣旨です。
英語の綴りの違い
では今日の1問目ですけれども、センターと綴るのに、C-E-N-T-E-Rと綴る場合と、C-E-N-T-R-Eのように綴る場合があって、これどういう違いなのかということですね。
これはよく知られているように、Aベーサーですね。アメリカの綴りでは割と直感的、ストレートに入ってくる方がだいたいアメリカの綴りで、E-Rのこりですね。それに対してひねくれているなとか反対になっているなと感じるのがだいたいイギリスの綴りで、R-Eということなんですね。
なんでこれひっくり返ったりしてるんだということなんですけれども、まずオリジナルはイギリスの方なんです。これフランス語から入ってきた単語ですので、フランス語ではR-Eなんですよ。サンという発音でR-Eで綴るんですね。それをだいぶ昔ですけれども、イギリスが取り入れたわけですね。そのままの発音でずっと今まできているということなんですが、
このイギリスで使われていた単語が17世紀以降、イギリスが北米植民地を作ったときにアメリカに持ち越されたわけですよ。そのまましばらくはイギリス流にR-Eで綴っていたわけなんですけれども、基本的には18世紀末の独立革命。
これによってアメリカがイギリスの植民地でなくなり、イギリスから独立したと。独立したというときに政治的に独立したからには英語としても独立しようと。英語として独立すると言っても結局同じ英語なので、せめて差をつけられるとしたらビジュアルに訴えかける綴りということになるんですね。
これをちょろっと変えることで、イギリス語じゃないよ、アメリカ語だよというふうにアメリカのアイデンティティを示す目的で、いくつかの単語の綴りを変えたんです。全体的に変えるんじゃなくて、少しいじって変えられそうだなというところですね。
これでREとイギリスの通りではなっているものをERにストレートな方向に変えたらどうかということで、これはアメリカ英語の辞書の代名詞となっているWebsterというのがありますが、これはノア・ウェブスターという個人ですね。英語教師だったんですが、しかも通り次改革者でもあり、
アメリカ独立戦争に参戦した、実際に従軍した人でもあるんですね。ということで愛国心が強くて、このREみたいなものをER、これがアメリカの新しい通り字だということで、これを大衆にアピールしたんですね。
それを真っ直ぐではないんですけれども、アメリカ人は徐々に受け入れて、現代のアメリカ通り字になっているということです。他にはTheaterなんてのも比較的よく使うものとして、イギリスではREですね。アメリカではERというふうになっています。このぐらいで終えたいと思います。
次。ファンガイやスティミュライといった名詞の複数形。これ非常に特殊な複数形なんですが、この起源は何なんですかという質問です。確かにこれファンガスという、これキノコ菌類ですね。ファンガス。この複数形がファンガイ、あるいは通り字に従ってファンジャイと読む場合もあるようですけれども。
であるとか、スティミュラスに対してスティミュライというようなUSで終わる名詞が、このIで終わるような複数形になるというですね。これ非常に特殊ですよね。Sがつかない。これ何なのかということなんですけれども、これはいずれもこのUSのものがですね、Iのような語尾になって複数形になる。
これは、ラテン語の実は単数形と複数形って関係なんですね。そしてまさにこのファンガスであるとか、スティミュラスっていうのはラテン語から借り入れた釈用語なんです。大体近代以降に入ってきたものなんですが、専門用語が多いんですね。学術用語と言いますか。今では菌類とか刺激って言って一般的な用語のように見えますが、入ってきた当時はかなり高度な専門的な学術用語ということで。
学術用語といえばラテン語なんですね。他にギリシャ語もあったりしますが、多くはラテン語。とすると、ラテン語の形で単数形も、そして複数形もですね、ラテン語で複数形に活用した形がそのまま入ってきちゃったということです。
つまりファンガスに対して、通常の英語の作り方だったら多分ESをつけてファンガシーズとなるところなんですが、これは野暮ったいってことになったわけです。つまり専門用語、学術用語としてラテン語からせっかく入れたわけですから、単数形だけでなく複数形もそのままラテン語の形を温存することで、学術風味、高度な文化の香りのするような風味を残そうということで、そのまま複数形も取り入れたものが、
最近の複数形の変化
4、500年経った今もずっと続いてるってことなんです。ただですね、これ4、500年だいたい経ってるものが多いんですけれども、このASで終わるんだけれども、そして本来はAIというふうに複数形にしてラテン語ばりにやってたものが、最近になってですね、だいぶ英語化してきたと。
しかも学術用語的な、そんな用語でもなくなってきたという雰囲気が出てくると、つまり英語にどう化されたかっていうのがだいぶ強くなってくると、通常のSとかESをつけることによって、複数形を作るっていうのも徐々に出てきてるんですね。
例えばですね、いい例かわかりませんが、ダンコン、これ男性のシンボルですが、これ専門用語でダンコとかダンコンゾーですね、これファラスっていうんですね、P-H-A-L-L-U-Sですかね、これまさにラテン語の学術用語って感じがして、もともとはフェライというふうにアイの形で複数形を作って使われてきたわけなんですけれども、
この100年ぐらいの間にだいぶ英語にどう化してきた雰囲気がありまして、ものによってはファラシーズというふうに規則的にESをつけて複数形をつけると、こういうのも出てきたんですね。
なぜこんな単語の事情としているかというとですね、だいぶ前ですが、私まさにこのファラスとかこのUSがなぜアイに複数形であるのかっていうことであるとか、最近になってこのESになってきてるんだよっていうことをのきなみ、実はこの100年ぐらいの歴史ですね、この直近の調べたことがありまして、
それによるとですね、かなり多くの全てではありませんが、多くの単語が実はESとかね、いわゆる不規則だったものが規則的に英語っぽくESをとるような単語も着実に増えてきているということです。
ただですね、これが全てのUS語っていうんですか、ファンガスとかスティミュラスのようなものに適用されるには、もうしばらく時間がかかるなということですね。つまり500年ぐらいかけてようやくですね、いくつかの単語がESをとるようになってきたということで、時期にそうなるという時の時期っていうのは英語字で言うと10年20年ではなくて、たぶん100年200年300年とかいう気の長い話ですので、
きっとそれぐらいの時間はかかるんじゃないかなと思いますが、ただ事実としては、このファンガスみたいなものがですね、もういつかファンガシーズのようになるっていうことも十分に可能だと、いつかはわかりませんか、そういうことなんですね。
本日も喋りすぎて2つしかノックできませんでした。ということで、これで終わりたいと思います。それではまた。