【再】#715. ケルト語仮説
2026-07-05 19:41

【再】#715. ケルト語仮説

#heldio #英語史 #英語教育 #英語学習 #hel活 #英語史をお茶の間に
---
stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。
https://stand.fm/channels/650f4aef0bc9d6e1d67d6767

感想

まだ感想はありません。最初の1件を書きましょう!

00:01
英語の語源が身につくラジオheldio。 英語史をお茶の間におもっとうに、英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく、毎朝6時に更新しています。
本日は5月16日火曜日です。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。 本日お届けする話題は、【ケルト語仮説】です。
英語史上の今、論争になっている、なかなか重大な仮説です。 どうぞよろしくお願いいたします。
今日の本題なんですけれども、【ケルト語仮説】、英語で言いますと【chaotic hypothesis】と言われる英語史上の大問題について、初めて本格的に取り上げたいと思うんですけれども、
今日の話題の動機づけは、3週間ほど前になりますけれども、最初に、ケルト語関係の話題をスタートさせたんです。
これがですね、4月23日のことだったんですけれども、692回です。【ケルト語派を紹介します】という回で、初めてケルト語について本格的にお話し始めたんですね。
その翌日、693回は【英語史とケルト】【英語史とブルターニュ】【国立西洋美術館の紹介の地ブルターニュ展訪問に向けて】ということで、このあたりですね、この2日を皮切りに、その後ですね、何回かケルト語関係の話題をお届けしてきたんです。
というのも、今申し上げたようにですね、東京は上野国立西洋美術館で、紹介の地ブルターニュ展と題する特別展が開かれているんですね。
フランスの北西部ブルターニュ半島です。ブルターニュにちなんだ画家ですね。
日本人もいます。黒田世紀も含めて。印象派がこのブルターニュの地を訪れて、19世紀末あたりを中心としてですね、その時期に描いた絵が主に展覧されているということなんですね。
この地はなかなか荒々しい自然を示す大地でですね、特に海ですね。海岸の荒々しさというものに惹かれて、多くの19世紀末、画家がですね、訪れて絵を描いたという地域なんです。
03:00
そしてケルトの文化が今にも息づいています。ブルトン語というフランス語とは全く異なる系統の異なるケルト系の言語が話されていて異郷感があるんですね。異世界感と言いますかね。
そして今でも観光地として人気なんですけれども、この展覧会に引っ掛ける形で英語史上もですね、実はイギリスにもウェールズ、スコットランド、そして隣の島アイルランドにはですね、ケルト系の言語が未だに話されています。
英語に押されてどんどんその分布は縮小しているっていうのが現実なんですけれども、話されています。ちゃんと生き残っています。
昨日は1974年、50年ほど前に死後となってしまったマントー語マンクスについてお話ししたんですけれども、今日もですね、このケルト絡みということで英語史とケルトの関係ってやっぱりですね、いくつかあるんです。
すごく多くはないんですけれども、論争になっている問題がありまして、それが一般に広くケルト語仮説と呼ばれているんですね。ケルティックハイポーセスなんですけれども、これがですね、この数十年間、なかなかの論争をですね、展開してきたんです。バッチバチです。
このケルト語仮説を支持している人々は少数派です。そして多くの人々がいわゆる伝統的な考え方をしています。さて、このそもそもケルト語仮説って何なのか、何を言おうとしているのかということなんですけれども、なかなか込み入ってるんで結構難しい話なんですよ。
なので、こういうですね、ボイシーヘルディオで一般の放送でどこまでですね、食い込んでいけるかっていうのはわからなくて、今まで出し控えみたいな感じだったんですけれども、少なくともですね、触りは紹介はしておきたいなと思っています。
実際、この数週間の私の慶応義塾大学の大学院の授業で、このケルティックハイポセンス、ケルト語仮説について何本か論文を読んでいるんですね。そんなタイミングもありまして、お話ししようかなと思った次第です。
ここまでチャプターの半分ぐらい使ったんですけれども、なるべくわかりやすくこの問題の本質と言いますか、どういうことがポイントとなっているのかということをお話ししたいと思います。
このケルト語仮説というのは、英語史の学会においてはこの数十年ぐらいですね、嵐のように出てきて論争になっている分野です。
06:09
これを完全に信じる人、そして完全に信じない人、アンチの人というのがいます。
これ対立になっているので、これについては一昨日の放送なんですけれども、713回英語史上の学説対立をケルフメンバー5人で語るの中で、
ケルフ会長の青木光さんが、青木くんが実はこの学説対立っていうのを取り上げて言及しているんですね。
そこからの流れで今日の放送ということであるんですけれども、話はこういうことなんです。
従来の英語史記述をお話しますね。つまり教科書的な英語史記述をお話します。
もともと紀元前以来、ケルト系の住民がブリテン島に住んでいました。
そこに5世紀半ば、いわゆるゲルマン民族の大移動の一環で、東からどんどん西へと迫ってきたゲルマン民族の一派、特に西ゲルマンの人々ですね。
民族名で言うと、アングル人、サクソン人、ジュート人、これをまとめて後にアングロサクソン人と称しているわけなんですが、
彼らが5世紀半ば、ピンポイントで言えば449年に海峡を越えてイギリスに侵攻した。
そしてそこに住んでいたケルト人たちを一掃したというのが、イギリスの国づくりの始まり神話なんですね。
神話なのか伝説なのか事実なのかというところは揉めているんですけれども、そういうふうになっています。
つまりアングロサクソン人がやってきて、一気にブリテン島の先住民であったケルト系の人々を、いわば征服した。
そしてほぼ根絶やしにした、あるいは完全に西とか北の果てに追いやってですね、完全勝利したというのがイギリスの国づくりのストーリーとして定着しているんです。
そしてこれにのっとって英語史というのも描かれています。
ところがですね、最近になって、いやそんなアングロサクソンの圧勝っていうはずはない。
ケルト人は人口も多かった。
確かに全体的には負けましたと。
そして文化的、言語的、民族的にも劣勢に立ったわけなんですが、完全に根絶やしにされたわけではなくて、征服者であるアングロサクソン人とある程度は対抗したという言い方なのか、あるいは共存したという言い方なのかわかりますか。
09:13
わかりませんが、ある程度の存在感を残していたというのがケルト語、仮説なんですね。
そして一般に上の言語、英語ですね、この場合。そして下の言語、ケルト語なんですが、上から下に言語的な特徴が流れ込むっていうのが一般的なんです。
フィルターダウンですよね。
ですが、言語接触の古今東西の事例を見ると、文法であるとか発音であるとか、つまり語彙とは違って、表面的な語彙とは違って、もうちょっと奥深い分野である、部門である文法とか音声はむしろフィルターアップするんだと。
つまり下の方の負け側に回った方の言語ですよ。支配される側に回った言語ですね。
こちらはただ言語和謝は多いので、この影響で下から上に上がっていくんだと、つまりケルト語の言語特徴が英語に徐々に染み込んで上がっていく、フィルターアップするんだという考え方、これがケルト語仮説なんですね。
現代英語の進行形、強調構文、ルーによる疑問文否定文、この辺りがケルト語仮説として論じられています。
エンディングです。
今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
今日はですね、具体論に至らずにケルト語仮説というものがですね、提起されるに至った経緯も語ってないですかね。
全体としてはですね、どんな議論としてこのケルト語仮説が起こってきたかということを本当に表面的にさらっとですね、紹介したに過ぎないんですけれども、これから格論をですね、紹介する機会もあるかと思います。
とにかくですね、普通の発想ではないんですよ。
何が普通かというと、制服した側とされた側というのは社会的に上下関係ができるんですね。
そして言語が違う場合、その言語にも上下関係ができます。
そして上から下っていうのはわかるんです。
つまり支配的なものから非支配者ですね、に何かを押し付けるということは非常にストレートでわかりやすい上下関係なんですが、下のものが上に上がっていく。
支配されているものの言語の特徴が支配しているものですね。
12:02
つまり上の側の言語に反映される下から上の動きっていうのは、我々重力のもとに生きてますんで、この考え方わかると思うんですが、下から上ってあんまりないでしょうって思うんですよね。
ところが言語接触の現場では、むしろ文法とか音声みたいな領域では下から上、結構あるんですよというようなことが言われたりします。
そうすると、この英語とケルト語の関係、英語が上でケルト語が下という社会的関係はあるんですけれども、文法事項について最後に述べたような進行形であるとか、強調古文であるとか、doの使用ということですね。
これは実はケルト語にもともとあった言語特徴がそのままフィルターアップして英語に流れ込んだんだという説明があり得るんではないかっていう、そういう主張、提案、これがケルト語仮説なんですね。
そしてこの進行形であるとか強調古文であるとか、doの使用っていうのは、英語史の伝統的な英語史ですね。そこでははっきりとした理由が与えられていないんです。
なぜこのような展開になったのかというようなことがですね、未解決なんです。であればすぐ隣接していたケルト語に関連する表現があったという事実に鑑みると、そこから流れ着いてですね、英語の方にフィルターアップして顕在化したというのが今の進行形であり、
強調古文であり、doを用いた疑問否定文なんではないかと、こういう議論が持ち上がってくるわけなんですよね。一つ一つについて慎重に言語学的に検証する必要はあると思います。
この問題、大変面白いと思うんですが、残念なことに私、ケルト語をやらないので、理解しないので、深く分けることはできないということで、論文を読んだりしての受け入れの議論に留まるということをですね、まずは申し伝えておきたいと思います。
今後もですね、この話するかもしれませんが、そのような限界の下です。なので専門的には何も語れないというところではあるんですけれどもね、ただ一つ英語史の中でも論争となっている大きな話題ということで、今日は導入いたしました。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
今日はケルト語仮説ということでですね、本当に最初のイントロということでですね、概論をお届けした次第ですが、いかがでしたでしょうか。
15:13
ポイントはですね、今回上野にやってくる国立西洋美術館にやってきていますブルターニューテン、これに引っ掛けて英語とケルト語の関係について、いろいろとこのボイシーヘルティオでもお伝えしたいなということで、何回かですね、すでにお話ししてきました。
そのうちの1回ということでお聞きいただければと思うんですね。英語史の中でもケルト語というのはですね、ちょっとした存在感がありまして、そしてちょっとしたどころか今日お伝えしたようなケルト語仮説においては論争になっていますので、めちゃくちゃ注目の的ですよね。こういった関係にあるということ。
一般的に言えばですね、この広いヨーロッパです。その中の北西のイギリスなんですが、ここにもですね、いろんな語派のそして異なる民族文化の人々が身を寄せ合って実は住んできたんだということを改めて確認する機会になったと思うんですね。
英語っていうのはアングロサクソンの大言語であり、いわばゲルマン語派のですね、西のいくつかの部族の言語ですよ。それがイギリスに渡ったっていうことなんですが、もともとはそこに全く異なる広い意味で同じインヨ語族ではあるけれども、ケルト語派の人々が住んでいた。全く言葉通じません。
この人々がある意味ではですね、征服したりされたりという関係はありましたが、隣接してその後も一緒に住むことになったというこの事情ですよね。イギリスっていう島の中でもこんな事情です。ヨーロッパ全体で言いますと本当に様々な民族、部族、そして言語集団が隣り合って住んでいるんですね。
言語接触っていうのはもう状態なんですよ。当たり前のように存在している。その中で各言語が成長していったということを考えるときに、そもそも英語史をですね、考える場合にもですね、純粋な英語なんていうものはもうほとんど想定することができません。
常に近隣の言語と触れ合って変質しながら今までやってきて、そして今の英語があるっていうことなんですね。決して純粋な言語ではありません。そしてそれは日本語もまた同じです。
島国ではありますけれども、大陸の言語と接触しながら現代の日本語が作られてきたという意味では、なかなか比較するに面白い。ユーラシア大陸の東西にそれぞれちょっとした沖合いに浮かぶ島国なんですよね。そこですら激しい言語接触が繰り返されてきた。
18:19
この辺りはですね、英語史と日本語史比べて面白い点だと思います。今回のケルト語仮説もそのような文脈から改めて見直していただけるときっと面白いと思います。
さて、このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、リスナーの皆さん一人一人より、つまりあなたよりコメントをお待ちしています。ご質問、ご意見、ご感想、何でもください。
ご意見のコメント機能を通じてお寄せいただけますと幸いです。TwitterとSNSでのシェアもぜひよろしくお願いいたします。チャンネルをフォローしていただきますと更新通知が届くようになりますので、ぜひフォローのほどよろしくお願いいたします。
また、面白かったためになったなどと感じた回がありましたら、最新回に限りません。過去の回でも聞き直して面白いと思ったらぜひいいねください。そしてコメントください。私の方に必ず通知が入ることになっております。すべてにお返しできるかわかりませんが、なるべく反応したいと思っています。
それでは、今日も皆さんにとって良い1日になりますように。ほったりうちがお届けしました。また明日。
19:41

コメント

スクロール