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2025-03-11 05:52

hellog-radio #6. なぜ go の過去形は went なの?

#英語史 #英語学習 #英語教育 #不規則変化動詞
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サマリー

今回のエピソードでは、「go」の過去形が「went」になる理由を探っています。また、補充法という言語現象が紹介され、英語の不規則動詞の特性が詳しく説明されます。

goの過去形の疑問
今回の英語に関する素朴な疑問は、なぜ go の過去形は went になるのですか、という問題です。
現代語には不規則変化動詞が、一つの数え方によりますと250とか、それ以上あるというふうに言われています。
その中には様々な不規則動詞というのがありまして、例えば come, came, come のようなタイプですね。
make, made, made のようなタイプ。 それから teach, taught, taught のようなタイプもあります。
様々あるんですけれども、基本的には不規則といえどですね、原形と過去形、それから過去分詞形の間に、何らかの関係、有機的な関係がある。
それなりに似ているということはあるわけです。 ところがですね、
この go という単語、これは特に過去形に関しては、全く似ても似つかない、予想できない形なわけですね。
go, went, gone。gone という過去分詞はまだわかるかもしれませんが、過去形が went という、全くもって異なる形をしているのかと。
これは当然ながら疑問として浮かんでくるわけです。
英語詞的に見ますと、これは実はこの went という形は、本来 went という単語ですね。
これ動詞で、向かうとか、行くという、まさに行くという意味を持っていたわけです。
went という単語ですね。これはちょうど send と同じ活用で、 send, sent, sent というのと同じ活用で went, went, went といったわけです。
つまり go と went というのは類義語、同義語なわけですよね。行くという意味で。
その went の方の過去形 went が、なぜか go の過去形として使われている。
意味が同じだからということはわかるんですが、なぜわざわざ go のところに入ってこなきゃいけないのかということになるわけですね。
昔から go の過去形として、go に関係する形、例えば goed みたいな形は原則としてなかったんです。
なぜないのかというのはよくわかりません。とにかくそこが欠けてるんですね。
go の通常の過去形のスロット、goed という部分が欠けているわけです。
欠けていたので仕方ないからということで、同義語、類義語の went の過去形である went をその欠けているスロットにはめ込むという形です。
補充法の言語現象
このように欠けているところに別語源のものをですね、から取ってきて補うということで、補充法、サプリーションというふうに、このような現象を言語学で呼んでいます。
現在形、過去形、過去分詞形のように、いくつかのスロットからなる一つの体系がありますね。
こういうのをパラダイムと言うんですが、このパラダイムの中の一つのスロットが空白になっていて、別のところから入れ込むというこの補充法というのは、
動詞の場合は go くらいにしかないわけですが、実は様々な品種を見てみますとあるんですね。
例えば、形容詞の比較変化を考えましょう。 通常であれば more、most をつけたりあるいは er、est をつけるわけですが、
例えば good だとですね、good、gooder、goodest とならない。 本来であればそのように予想できるわけですが、なぜか gooder、goodest というのは昔からないんですね。
このスロットが、good、gooder、goodest で埋まらないんですね。
なので、同義語であったbed という形容詞があります。 これは bed、better、best ということで、この good の系列の空いてしまった比較級、最上級のところ、bed の比較級、最上級をはめ込んだということで、これも一つの補充法の例になりますね。
bad, worse, worst というのもそうです。 もう一つはですね、例えば be 動詞がそうです。
そもそも I, am, you, are, she, is のように全く異なるですね、b 動詞の形が来てますよね。
これは実は複数の語源、全体的には b 動詞の意味を持つ複数の語ですね。
だから、はめ込んで I の場合は am, you の場合は are, she の場合は is みたいにはめ込んで、強引に一つの書体、パラダイムにまとめ上げているという意味で、これも典型的な補充法の例です。
今見ましたように、go であるとか good それから b 動詞のように補充法というのは超高頻度語のパラダイムに起こるということがわかっています。
これは英語だけではなくて、おそらく非常に多くの言語でこの通りになるんですね。超高頻度語に補充法が起こりやすい。
これも一つの言語の不思議です。 なおですね、wend という向かう、行くという動詞は今でも古風ですが一応残っています。
面白いことに辞書を引くとわかると思うんですが、現代wendと使うときの過去形は規則的にwendedとなるんですね。
これまた色々と不思議が多いのが言葉ということです。
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