putの無変化活用の探求
今回の英語に関する素朴な疑問は、なぜputはput-put-putのように無変化活用なのですか、という疑問です。
確かに、このputなりset、cutなりもそうですが、不規則変化の代表例の一つで、いわゆる無変化活用と言われています。
過去、過去分詞形が原型と同じ形というものですね。 このような動詞は、実はいくつか思ったよりもあるんですね。
例えばbet, burst, cast, cost, caught, hit, hurt, let, put, set, shot, split, spread, thrust なんていうのがありますね。
だから、setの派生語といいますか、reset, upsetのようなものも一緒です。 他にも挙げることができまして、思ったよりも数はあるということになります。
これらの動詞に共通するのは、まず一音節ということですね、典型的に。 reset, upsetという派生語、複語動詞に関しては、2音節以上になることはありますが、
基本的に一音節であると。 そして、ゆるみ母音を持つということなんですね。単母音ということです。
そして、ここが一番重要なポイントなんですが、最後、語末がtあるいはdの音で終わるということです。
確かにput, set, caught, hit, letですね。これ、tで終わりますね。あと、spreadのようなdで終わるものもあります。
ここが鍵となります。これらの単語は、実は不規則変化の一種と言われているものではありますが、実際には歴史的には規則変化です。
つまりedが付いたんですね。ただ、語末がtで終わる、あるいはdで終わるという点に注意してください。
ここに過去形、過去分子形語尾であるedなんですが、実は前の音節に単母音が含まれるかどうかというような音声環境によって、
後ろに付くedの部分が、かつては少し変わったりしました。このeに当たる部分がないので、直接tとかdが付く形になります。
つまりttとかdtとかddみたいに、このシーンが隣接して2つ繋がっちゃうことになるんですね。
歴史の過程で、この2つの同じシーン、tなりdなりが重なった場合に、それが1つになってしまう。
飲み込まれて2つ重なったシーンが1つになってしまう、脱重心化という過程があるんですが、これが生じたんですね。
結果的に飲み込まれて、原型と同じ形、つまりedの見えない亡霊が、実は5貫末のtとかdの中に宿っていると考えられるわけです。
結果としては同型、原型と同じ形になってしまいますが、背後にはdtあるいはedに相当するものがここに隠れているんだと考えると分かりやすいと思います。
したがってこの現象は、5末がtかdで終わる単語にしか生じていないということなんですね。
少し母音が分かりますが、リードレッドレッドであるとか、リードレッドレッド、スピードスペードスペードなんかも同じです。
これらはdで終わっていまして、本来はここにedに相当するものがあったということなんですね。
母音が少し変わりますので、いわゆる無変化の活用にはならないんですが、実はput、cut、setなどと同類ということになります。
ただ、昔はこの無変化活用だったものが、今は規則的なedを取るようになったもの、あるいはなりつつあるものというのもあります。
例えば、knit、quit、wed、このような単語は無変化活用だったわけですが、今ではedをついた形というのも使われています。
knitted、quitted、weddedのように無変化活用に属していたものが、新たに規則化するという現象も起こっています。
このように複雑な歴史を経ながら、動詞一つ一つの活用というのが定まってくるというのが英語の歴史なわけですね。
この観点で関連するヘログ記事として、1854番、1858番、3777番もご覧ください。