大文字と小文字の起源
hellog 英語史ブログを運営しています堀田隆一です。 日々英語史の話題を文章で提供していますが、オンラインまるまるが竹縄の時代となりましたし
マルチメディアでの英語史情報の発信にも挑戦してみようと思った時代です。 動画というよりもラジオ風の音声コンテンツというのも面白いなと思いまして
hellog のラジオ版ほどのつもりで英語史のことを話していこうと思います。 よろしくお願いします。
ラジオ風といえばリスナーからの投稿に答えるというのがパターンです。 方々から寄せられた英語に関する素朴な疑問に英語史の観点から答えていく
というスタイルが始めやすそうですので、それでスタートしてみることにします。 紹介となる今回は非常に多くの方から寄せられる疑問
なぜ大文字と小文字があるのかに答えたいと思います。
歴史的に言えばアルファベットは先に大文字がありました。 文字通り大きくてしっかりした文字なので立派な秘文を掘るには見栄えがして良いのですが
会計業務や買い物メモのような実用的な目的にはもっとさらっと書ける字体の方が喜ばれます。 そこで書きやすく崩した書体が生まれます。
大抵早書きするために小さくもなります。これが小文字の起源です。 同じことはアルファベットに限らず多くの文字体系で起こっていることだと思います。
日本語の漢字にも解書体と総書体があります。 フォーマルな目的には解書体、インフォーマルな目的には総書体です。
漢字の究極の総書体がひらがなになっていったことを考えれば、フォーマルな漢字に対してインフォーマルなひらがなという対立とも平行的です。
つまりアルファベットの大文字と小文字の対立は、漢字の解書体と総書体の対立と考えるとわかりやすいですし、
さらには漢字とひらがなの対立と考えるとわかりやすいと思います。 この疑問については、ヘログの記事1309と3668でも取り扱っています。
さらなる考察
そちらもご覧ください。