2025-08-21 42:01

#1544. 英語に関する素朴な疑問 千本ノック for 夏スク「英語史」(前編)

▼緊急告知! 2025年6月18日に本が出ました


📙唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.


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- 詳しくは研究社のHPをご覧ください:https://www.kenkyusha.co.jp/book/b10135166.html

- 7月13日(土) に朝日カルチャーセンター新宿教室にて著者3名が記念出版記念講座をハイブリッド開講します.詳しくは https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=8388868 をどうぞ.


▼パーソナリティ,堀田隆一(ほったりゅういち)の詳しいプロフィールはこちらの note 記事よりどうぞ.


- https://note.com/chariderryu/n/na772fcace491


▼heldio のビデオポッドキャスト版を Spotify で始めていますので,そちらのフォローもよろしくお願いします.


https://open.spotify.com/show/0xOyOIXBUrIZbnwSLeJsSb?si=zH5V2CjkS0ekqNz5ro7caw


▼helwa リスナー有志による月刊誌「Helvillian」の10号が公開されています


- 第10号(2025年7月28日):https://note.com/helwa/n/nb4e7746663b5


▼2025年7月7日に『英語史新聞』第12号がウェブ発行されています.


khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第12号がウェブ公開されています.こちらよりアクセスしてください


- 第12号:https://drive.google.com/file/d/1eQawDu2njFNMMVKDUr4JRZdIWTNHDdha/view?usp=drivesdk


第12号公開については,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio (https://x.com/khelf_keio) を通じても案内しています.

リツイートなどを通じて「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)にご協力いただけますと幸いです.


▼2025年第2四半期のリスナー投票が7月10日までオープンしています


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▼2024年9月8日(日)に12時間連続生放送の「英語史ライヴ2024」を開催しました.英語史界隈では前代未聞のイベントとなりました.詳細は以下の配信回,あるいは khelf の特設ページを! イベント後は,数ヶ月間かけて各番組をアーカイヴで通常配信していきました.


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- khelf 特設ページ: https://sites.google.com/view/khelf-hotta/英語史ライヴ2024特設ページ


▼X(旧Twitter)上で「heldio コミュニティ」が開設しています.


Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」のリスナーさんどうしの交流と情報発信の場です.heldio やそこで配信された話題を「待ち合わせ場所」として,英語史やその他の話題について自由にコメント・質問・議論していただければ.heldio が広く知られ「英語史をお茶の間に」届けることができればよいなと.今のところ承認制ですが,お気軽に申請してください.

https://twitter.com/i/communities/1679727671385915392


▼プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) も毎週火木土の午後6時に配信しています


「英語史の輪」にこめる想い


1. レギュラー放送は,これまで通り,最大限に良質な内容を毎朝お届けしていきます.プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」のための課金の余裕がない方々(例えば中高生や英語史を真剣に学びたい苦学生など)は,無料のレギュラー放送のみを聴き続けていただければと思います.レギュラー放送では,皆さんに最良の放送をお届けし続けます.


2. プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」で得た収益の一部は,レギュラー放送の質を保ち,毎日円滑にお届けするための原資とします.


3. また,収益の一部は,Voicy 以外でのhel活をさらに拡大・発展させるための原資とします.


4. ときに khelf(慶應英語史フォーラム)やプレミアムリスナーにも協力していただき,hel活の新機軸を打ち出していきたいと思っています.企画本部としての「英語史の輪」です.

5. ぜひとも「英語史の輪」のプレミアムリスナーになっていただきたい方


 ・ hel活を応援したい方(資金援助,広報支援,盛り上げ係りなど.研究者,学生,一般の社会人など職種や専門は問いません.)

 ・ 毎日もっともっと英語史に触れたい方,レギュラー放送では足りない方

 ・ 私(堀田隆一)の話をもっと聴いてみたい方

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 ・ レギュラー放送で言えない/配信できないような「低い」話題(対談のアフタートークや飲み会での雑談など)も聴きたいという方

 ・ パーソナリティおよびリスナーさんどうしで,もっと交流したい方


以上,よろしくお願いいたします.

サマリー

このエピソードでは、英語の歴史に関する素朴な疑問が取り上げられ、アルファベットの起源や構造、そして日本語と英語の文法について議論されています。特に、アルファベットの発明やその経済効率の高さについて詳しく説明されます。このエピソードでは、英語の定漢詞と不定漢詞の歴史的な変遷が詳しく解説されており、中英語の影響や英語史におけるロンドンの発音の重要性が取り上げられています。また、未来における英語の標準がどのように変化する可能性があるのかについて考察されています。このエピソードでは、英語の時勢、発音しない文字、不規則動詞の変化などに関する基本的な疑問が取り上げられており、英語史の観点からその背景が解説されています。特に、英語の文法や綴り、発音の変化についての議論が深まります。英語歴史の重要なトピックについては、リスナーに向けた質問形式での解説が行われ、特に英語詞に関する興味深い内容が紹介されています。

英語の歴史と疑問
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、英語のなぜに答える初めての英語史の著者、そして6月18日に研究者から刊行された英語語源ハンドブックの著者の堀田隆一です。
英語の語源が身につくラジオheldio。英語史をお茶の間にをモットーに英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく、毎朝6時に配信しています。
本日は8月21日木曜日です。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
昨日8月20日水曜日の11時半、午前11時半お昼ですね。より、
英語に関する素朴な疑問〈千本ノック〉の生配信をお届けしました。
急な生配信ではあったんですが、数十名の方にお入りいただきましてありがとうございました。
シチュエーションはですね、本編でお話ししている通りなんですけれども、昨日から始まりました。
夏季スクーリング、英語史の集中講義を昨日から開講しておりまして、その初日だったんですね。
その講義を履修されている方々からですね、その場で英語に関する素朴な疑問をたくさん集めまして、
それにランダムに英語史の観点から回答していく、議論していくというような、たまにやっているこの企画なんですけれども、
昨日もですね、久しぶりにやってみたということなんですね。
そのアーカイブをですね、お届けしたいと思うんですが、1時間長の長丁場となりましたので、前編と後編に分けてお届けしたいと思います。
本日は最初の33分ほど、前編をお届けします。
この中で数問の質問を取り上げたんですけれども、本質的な問題、素朴な疑問が多かったように思います。
アルファベットの起源は何かという問題から、英語の時勢の話題、それから文法変化の話題、
そして、Doの過去形はなぜDidなのかのような話題ですね。
完全にきれいにお答えできているわけではないんですけれども、少なくとも英語史的な背景、その問題の背後にある歴史的事情については、ざっとお話はできたかなと思います。
すでにこのヘルディオ過誤解で扱っているような話題も少なくなかったと思うんですよね。
ぜひ、この1000本ノック企画からですね、英語史面白いなと思った場合にはですね、1番目からこのヘルディオを聞き直していただければと思います。
さあ、それでは行ってみましょう。英語史集中講義の履修者より集めた英語に関する素朴な疑問です。
アルファベットの起源
どうぞお聞きください。
本日はですね、2025年8月20日ということで、通信教育課程の夏のスクーリング、集中講義という形で英語史が始まっておりまして、初日のですね、授業が終了いたしましたということで、この後ですね、
実は履修されている方々から、英語に関する素朴な疑問をたくさん箇条書きで寄せていただきまして、今日はこれをですね、有志で履修の方に残っていただいているんですけれども、
本当にたくさんですね、素朴なものから難解なものまで多分あると思うんですけれども、この1時間ぐらいですかね、時間かけてですね、皆さんの疑問を紹介しつつ、英語史の観点から、主に英語史の観点から
得というと多分難しくてですね、背景を述べたり、一緒に考えてみたいと思います。どういう質問が集まってくるかというところが見どころですね、本当にたくさんありますので、この中から本当に適宜ピックアップしながらということになりますが、ランダムにですね、言ってみたいと思います。
それではですね、第1問目です。 アルファベットの起源について質問。漢字は小型文字で、カタカナとひらがなは漢字をベースにした表文字であると認識しているが、アルファベットの起源は何なのかと。
確かにだいぶ日本で使う漢字、ひらがな、カタカナなどとは形状、文字のあり方と言いますかね、スタイルが異なりますよね。アルファベット、英語では26文字ということになっているんですが、他のアルファベット文化圏では必ずしも26ではなくて、それより少ない多いがあったり、バリエーションありますね。
だから歴史的に言っても英語でもですね、一番多い時は30ぐらいですかね、増減を繰り返して今26文字になっているということなんですが、このアルファベットというものですね、世界に実はいろんなアルファベットがありまして、我々が一番馴染んでいるのはローマンアルファベットとかラテンアルファベット、俗にローマ字と呼んでいるものが一番馴染みがあるんですが、他にもギリシャ文字ですね、
あれもアルファベットですし、ロシアのヒリル文字もアルファベットです。それから、あまり結びつかないかもしれませんが、インドとかタイで使われるような文字ですね、私は全く読むことはできませんが、あれもアルファベットなんです。アルファベットって広くてですね、
1音が1文字に対応するというものをアルファベットというふうに言語学で読んでいます。そこには、中にはいろいろバリエーションがあって、最も有名なのがこの英語や西洋諸国で使われるラテンアルファベットなので、これを一般にアルファベットと言い習わせているだけで、本当は何とかアルファベットの何とかっていうのが多数あるんですね。
この世界に何十とかもしかしたら100以上あるアルファベットをすべてですね、起源は一つで、つまりそこから分かれた兄弟なんですね。つまりこの人類史上アルファベットは1回だけ生まれたということなんです。
あとはそこからの派生ということで、どこでも発明されていないんですね。一番最初に1回だけ生まれたっていうのが、起源前のですね、1600年とか700年ぐらいですかね、の市内であるとか中東ですね、中東あたりでこのアルファベットという種類の文字が生まれ、そこからあとはすべて拡散。
少し形を変えながら、遠く行くほど少しどころじゃないですね、形を相当変えて同じアルファベットとは思えないような時系になっていますが、東西南北に拡散したという具合で、1回だけ発明されたんですね。なのでこれ大発明と言っていいと思うんですよね。文字の発明自体が人類史上最大の発明の一つと言われているんですが、その文字が発明された時っていうのは一番最初はやっぱり小型文字なんですね。
要するに絵文字ですよね。絵をかたどったら、これは文字としても使えるんじゃないかっていう順番で、先に絵から入らない文字っていうのはないんですね。文字自体は世界のいろんなところで、実は異なる時期に発明されています。発明されているんですが、どこでもほぼみなですね、やっぱり絵文字から発達してきているんですね。絵を描いて、鳥の絵を描いて、これ鳥という意味にするっていう、非常に分かりやすい。
それが慣例化すると鳥を写実的に描いているのは面倒になるので、幾何学的になって描きやすい字形、省略形になっていくっていうのが小型文字ですよね。この後ですね、音を表す文字というふうに進化を遂げるケースも少なくないんですね。
漢字は実は根本的には小型止まりです。その後には進まなかったという言い方をすると言い過ぎなんですが、基本そうです。漢字が例えば日本に入ってきました。それを日本語の音に当てはめたっていうのが漢字を崩したひらがなであったり、漢字の一部を取ったカタカナということで、ここまで日本語の場合進んだんですね。音を表す。
ただこれは日本語の音を表すという単位は音節という単位なんですよ。かっていうのは本当はKAということで二音からなるんですが、これを日本字は一音、一つの単位とみなしてこれに字を当てたんですね。これがひらがなカタカナのかということなんですが、
アルファベットを3千数百年前に作り出した市内辺りに住んでいた人はですね、もう一歩先行ったんですね。ひらがなレベルより。これをかをKAに分けるっていう発想です。
さらに分けられるんだっていう分子、原子に分けられるんだということで、KAとAというものを生み出したこの瞬間がアルファベット創造の瞬間ということなんですね。
こうすると、分子、原子ですから原子の種類って各言語で数十あれば足りるんですね。
数十個の文字を作りさえすれば基本的にその言語をすべて書き表すことができるっていう、極めて経済効率の高い技を使えるのがこのアルファベットなんですね。
その1個前のひらがなだと2、30じゃちょっと聞かないんですね。もうちょっと多いですよね。さらに漢字、中国語となるとこれ5000とかですね、通常使うのでも数千ですか。
辞書によると数万という文字が必要なわけですよね。というこの経済効率の観点からはアルファベットっていうのは非常に効率が良いということになっていて、一気に広まったというところはありますね。
日本人は私思うんですが文字の天才だと思っていまして、ある程度教育を受けるとまず漢字使えますよね。
ひらがな、カタカナ使えます。英語を通じてアルファベットも使えるようになりますということで、文字がたどってきた歴史のすべての段階のいろんなレベルの文字を使いこなす方法をもうすでに小学校、高学年、中学生ぐらいになるともうわかってるんですよ。知ってるっていう。
なので、例えばアルファベット文化研英語母語話者に漢字の概念を説明しようとすると簡単ではないんですね。一番簡単なのは絵文字だからね、絵だからねっていうところから、つまり文字の歴史から教えてあげると割といいのかもしれないなと思うんですけれども、意外と我々日本語を扱っている人が当たり前と思っているこの文字の複雑さっていうのは説明するの難しいんですね。
なので生まれながらというか、生まれながらではないんですが、日本人はある程度の教育を受けた段階で多分文字学の天才なんではないかというふうに思っていますね。
話は飛びましたが、アルファベットもしたがって、大元はやっぱり小型文字から入っていって絵文字だったんだと。それが音として見ることもできるっていう。さらに音節ではなく音っていうレベルね。
かだったらkとaに分けるっていうところまで進んだということなんですね。なのでアルファベットの期限、これお話しするとそれこそ3000数百年の歴史がありますので、というところですが、そんなところです。
文法の難しさ
このペースでいくといくつもいけませんね。どんどん行きたいと思いますが。何年英語を学んでいても定漢詞と不定漢詞がわからない使い方。これは私もそうですね、英作文でネイティブチェックとか受けるとやっぱり大体多く間違えるのが漢詞ですよね。
不定漢詞、定漢詞、それから単数、複数っていうのも間違いやすいですね。発想がどうもやはり日本語とはかけ離れているので。これは多くの英語学習者、上級者でもやっぱり間違えるって言いますね。定漢詞については。
こういう外から入ってきて学んだ人間がなかなか攻略できないポイントって各言語どうも持っているようで。ちなみに漢詞についてはヨーロッパの言語をだいたい持ってますけれども、それぞれでやっぱり漢詞の使い方違うらしいんですよね、お互い。
英語でこう言うけれども、フランス語を話すときも同じようにルーラー連みたいなのを使ってOKかというと、それは全く違う意味になってしまうとか、それぞれの独自のものがあって、定漢詞はこういうもんだっていうふうにきれいにくくれるルールはないと。
全体としては定的なものというか決まっていて、話し手と聞き手の間でだいたい了解を得ているものが定漢詞をつくんだっていうのは、最大攻略数ではそうなんですが、微妙な使い分け方としては各言語、定漢詞を持っている言語で使い分けが違うとも言いますよね。
ましてや定漢詞を持っていない日本語語話者がうまく使えるわけはないと諦めるのも一つの手かもしれないなと思っていますね。歴史的な英語史を絡めるのであれば、定漢詞は今のようなあり方で英語に存在し始めたのは
最も古い時代の古英語ではなくその次の中英語ぐらいの時期で、ザの形の元になるものは古い時代からあったんですが、使い方そのものは今風ではなかったんですね。
今に直接通じるようなザの特有の使い方っていうのは、中英語と呼ばれるノルマン征服以降、1066年以降の英語でゆっくりと固まってきたっていう感じで、もっと言うとですね、定漢詞っていうものがなかったと
言ってもいいぐらいなんですね。英語史振り返ると。さらに不定漢詞も後から出てきたものなんですね。歴史の中で発展してきて、これ他の多くのヨーロッパの言語もそうです。歴史の途中で出来上がってきて独自のルールが
思って使われるようになったということで、定漢詞は昔からヨーロッパ系の言語にあったわけではないというのが一つポイントですね。
で、どこから生まれたのかとかどうして生まれたのかっていうのは一つ大きな問題になっていますね。そう考えますと日本語でもですね、これから定漢詞がポッと生まれることがあるかもしれませんし、英語からなくなるっていうことだってですね
理屈上はゼロじゃないのかもしれませんよね。定漢詞確かによくわからない使い方でですね。
ロンドンの英語の標準
関連して、漢詞って言われているものは定漢詞ザと不定漢詞アがあるので、この2つの使い方がわからないっていうような疑問はよく起こるんですが
実はですね、井上平さんなんかよく言ってますが、実は難しいのはザと所有格である。ザと例えばyourとか
いう話をされますね。例えば、その気持ちわかるなんていう時に英語ではI know the feelingって言うんですよ。
感覚としてはあなたの気持ちわかるってことなので、I know your feelingって言いたくなるんですが、これは普通使わないんですよね。
これアとザの問題というかザを使うかyourを使うかの問題で、このあたりはですね、ぜひ井上平先生の講義を聞いていただければと思うんですが
yourだと相手の中に入り込みすぎ。逆に言われた方としては、なんでお前が自分、俺の心わかるんだよみたいに入り込まれ過ぎてるっていうような
印象のようなんですね。yourを使うと。ザだともうちょっと一般的に、実際にあなたのことを喋ってるんだけど、もうちょっと緩く一般的な表現を使うことによって
プライバシーを侵害しないみたいないうところで、ザとyourの使い分けみたいのは盲点であまり話題にならないけど、意外と盲点ですよっていう話をされたりしますよね。
三つ共いですか。定関詞、不定関詞、所有格みたいな。この感覚はやっぱりないですよね。
日本語ではあまりいずれも使わないので。 これは定関詞、不定関詞問題、私もまだまだ修行中で、多分ダメですねこれ一生。
次ですね。a、アルファベットの最初の文字ですね。は一文字で意味がないとaと、単体ではaと読むけれども、単語として使われるとaとなる。
これはダブルスタンダードではないかという突っ込みだと思いますよね。 これまさにダブルスタンダードだと思います。
このダブルスタンダードを持ってしまっているのはなぜかというのは、 これはですね、中英語の終わりから近代にかけて起こったある音の変化が問題になっておりまして、
これは英語史の一つの大きなトピックになります。 これはまたお話する機会あるかと思います。
これは非常に確かに素朴なんですけれども、 ポイントをついてますよね。
なので、aはaとも読むしaとも読むという問題ですね。 同じようにiはiとも読むしiとも読むっていう。
ローマ字ならいいだけれども、英語風に読んでと言われるとiになるわけですよ。 これまさにダブルスタンダードで、私もずっと小学生の時から気になってました。
小学生の時ローマ字で、自分の名前をローマ字で書きましょうってやるわけですよね。 で、マスターしたのに中学に入って英語をやると、これはですね、
iじゃなくiと読みなさいってのがあるわけですよね。 これまさにダブルスタンダードなんですが、これ英語が辿ってきた数奇な発音の歴史が関わっています。
これは非常にポイント、大きいところだと思いますね。
それからですね、ランダムに本当に言ってみたいと思いますけれども、
じゃあこれでいきましょうかね。なぜ英語発祥地の首都ロンドンの英語は、 発音の方ですね、主には標準的ではないのか。
ロンドン英語の発音。皆さん、英語の発音で標準ってどのあたりの英語だっていう認識でしょうかね。 これは、もしかしたら受けてきた英語教育環境であるとか
標準英語の発音って何を基準にしているの?っていう問題ですよね。 これ、戦前はやはり日本の英語教育で、イギリス英語
割りということが多かったと思うんですよね。 戦後はアメリカ英語ということになって
標準のあり方、 標準とはどこの英語のことを言うのかっていうのは、これ結構大きい問題なんですね。
これ英語史的にも確かに面白い問題で、多分見方によって、 複数中心というか標準があるっていう見方だと思うんですよね。
そして先ほどですね、ちょっと雑談としていた話題があって、 今後インドがですね、人口も多くなって、英語も堪能な人が多いっていう国ですが、
今、英語話者としては、アメリカを抜いて最も英語話者が多い国、インドなんですよ。 母語話者とは限りません。多くの場合、非母語話者だと思うんですが、
要するに英語でコミュニケーションをとれる人口が、国の中にどれくらいいるかっていう、 絶対数ですかね。アメリカの2億数千万ですかね。
3億いますけど、みんながみんなアメリカ人、英語をしゃべるわけでは実はないので、 ちょっと目減りしますよね。それと比較してインド10数億の教育レベル、誰が英語をしゃべれるかっていう、
人数の問題になりますけれども、例えば3割いるとしたら、もう3億超えるわけですよね。 ということで1位に踊り出るみたいな話で、そして例えばインド英語が幅を聞かせる、
21世紀後半みたいなことを、もし想定すると、 これインド英語が標準という世界だってあり得るかもしれないわけですよね。
これは時代によっても標準のあり方が変わってきていまして、 大元はやっぱりロンドンの英語が中心だったんですね。これが世界標準とされていて、
今でもBBCの英語は最も規範的である、みたいな言い方をしたりしますよね。 あるいは講師の方のしゃべる英語が一番、アメリカ人もやっぱり一目を置くっていうか、
ところで、いまだにロンドンの英語というのもやっぱり中心的な役割は一つ果たしていると思うんですが、
もしかしたら質問された方、ロンドンの下町で話されるコックニーというような、 東京で言うと江戸弁ですよね、江戸古弁というのは確かにあって、
あれは標準、世界標準ではないんですかね。 ロンドンの中も大都会なので、やっぱりミクロコスモスでしてね、
宮殿、宮廷もあればですね、そこでは正式な英語をしゃべられているし、 ちょっとずれた下町ですよね、
に行くと、英語堪能な人でも聞き取れないような英語が話されているということで、 ロンドンの中もミクロコスモスなんで、ロンドン英語ってじゃあどれを指すのかっていう、
またどんどん細分化していく問題になると思うんですよね。 ただ標準はどこなのかっていう問題は、すごく英語主的な話題で面白いと思いますね。
英語の時勢の複雑さ
今一般の理解ではアメリカとイギリスっていうのが二大巨頭で並び立っているっていうイメージが 比較的多いかもしれませんね。
あるいは若い世代はもうアメリカ一遍という考え方が多いかもしれません。
当のアメリカ人とかイギリス人に聞くとまた違うことを言うんでね。 標準というのは客観的に定められるかというと、そうでもないのかもしれませんね。
はい、面白い問題だと思います。 それから次ですね。
なぜ英語の時勢はこのようにたくさんあるのか。 時勢ですかね。
現在形がありまして、過去形っていうのがありまして、それから未来を表す表現もあるっていうのと、
あと他には必ず英文法でやって引っかかる人が多いっていうのは、現在官僚みたいなのがありますよね。
あれも厳密に言うと時勢というよりは、もう一個別のアスペクトっていう言語学的には別の概念なんですが、広く時、時間に関する
表現ということで含めると確かにいろいろありますね。 官僚形っていうのは全部の時勢と絡められるので、過去官僚、現在官僚、未来官僚。
もう一つは進行形ってのもありますよね。 何している、今しているっていう。
これも全ての時勢と絡められますので、現在進行形、過去進行形、未来進行形、
さらに官僚と絡めて、なんとか官僚進行形っていうのもあるので、 全部合わせるとですね、やっぱり10とかそれぐらいあるんですかね。
確かに厄介ですね。 これですね、英語史を見ると、英語、1000年ぐらい前の英語ではもっとシンプルでした。
えっとですね、官僚形はもう芽生えていましたけれども、なんとか官僚。 ただやはり基本となる時勢は現在と過去しかなかったんですよ。
未来ってなかったんですね。後付け、後からできて、しかも近代以降にできたんで、割と最近のものという言い方もできます。
本来は英語の時勢はそんなに細かく分かれていなかったっていうのが、時とともにこの1000年かけて複雑化していった。
そしてその掛け合わせでなんとか官僚、進行形みたいなのも、最後の最後になって現れてきた。
これできてからまだ2、300年だと思いますね。 ということで細分化されてきたという歴史があるんですよ。
事実はそうなんですね。次の問いはもっと面白いのは、じゃあなんで細分化してきたのかっていうところですよね。
昔は昔で、単純に現在と過去ぐらいでやってたわけですよ。 たまに官僚みたいなのを使ってぐらいの粗い時勢の分け方だったんですが、それが細かくなってきてるんですね。
これは事実としては受け入れるんですが、じゃあなんでなんでしょうっていうのは次なる質問になりますよね。
これは結構難しいですね。 何かありますかね。
近代化・合理化が進んできて、いろんなものを細分化して考えるんだっていうのは非常にマクロな説明として面白い仮説だと思うんですけれども、
ちょっと漠然としすぎて、大きすぎて本当にそうなのかっていう検証もできないですね。 これは皆さんどう思いますかね。
英語の時勢と未来形
結論として確かにおっしゃる通りですね、 時勢がたくさんあるっていうことなんですが、最初からそうだったわけではなく増えてきたっていうところが面白いところですよね。
これ厄介ですよね。しかも一つ一つの何とか時勢ってやっぱり使い方難しいんですよ。 何とか官僚進行形とか。
なので熟知してないと使う気にもならないですよね。 変に誤解されることもあるので、シンプルに言っておいたほうがいいっていうようなところで。
これは面白いですね。 かなりシンプルで、未来ですら、後英語・中英語には明確な形でなかったんですね。
じゃあ未来のことを言いたいことをどう言ったかというと、これは単に現在形を使って表現したっていうことです。
それに明日とか来年とかいう副詞をつければ、まあ未来のことだってわかるので、 特に未来形みたいなものはなかったっていう意味合いです。
もちろん未来のことを表現したいことはあったと思うので、その際に使う形は現在形を使いました。 そういう意味ですけどね。
はい、時勢の問題。これ簡単には解けないですね。
なぜ発音しない文字が入っている語があるのか。
発音しない文字、これは黙る字と書いてある目字という問題なんですけれども、 書いてあるのに一切発音しないっていう代表例として、ダウトのBみたいなのがありますよね。
あとアイランドのSとかですね。 他何がありますかね。
例えば、騎士のナイトっていう時、K読まないですし、GHも読まないですよね。 あれひどい単語ですよね。
1単語でこんなに読まない文字が含まれているとか。 あとですね、レシートっていう時にPが入るんですよね。
何の意味があるのかと思うわけですが、これ全部ですね、背景があるんですよ。 なぜ入ってるかっていうのは、これもともと今読み上げたですね、
単語ですね、ほぼすべてその不要な文字はなかったんですよ。 これ、後から挿入されたっていう理由がありまして、
なんで挿入したかなんですよ。結局読まないわけじゃないですか。 昔も読まないし今も読まないし、一切アイランドのSって読まれたことはないんですが、
じゃあ誰がどういうモチベーションで、このSなんていう文字をですね、 勝手にあそこに挿入しようとしたのかっていうのは、
これ非常に一級の英語史上の問題で、ちゃんと背景があるんですね。 これ16世紀ぐらい、ちょうどシェイクスピアぐらいの時代に起こったとんでもないある
トレンドと言いますかね、一種の流行です。 流行みたいなもので、レシートのPを挿入したりですね、
ダウトのBを入れちゃったりしたっていうことがありまして、 これは近代英語あたりの話題として取り上げることがあるかと思います。
不規則動詞の変化
とんでもないことがだから起こるわけですよね。 それからですね、
たくさんありまして、
文法は現在も変化しているのでしょうか? ということで、YESですね。
文法も変化しておりまして、 ただですね、言葉にいろんな要素がありまして、文法というのがありますね。
それから語彙、単語というのがありますね。 それから語彙とだいたい付随して、発音というのがありますよね。
それから綴りというのもあります。 いくつかコンポーネントというかパーツがあるわけなんですが、
その中でですね、一番変わりにくいというか、 変わるにしてもスピードが遅いのろいのが文法とは言えると思いますね。
あと綴り字も変わってきたとはいえですね、 一回確定するとそんなちょこちょことは変わらないので比較的安定感ありますが、
ただ他の語彙とか発音に比べれば、 ゆっくりとしか進行しないというだけで、着実にスローペースですが文法というのも変わっているんですね。
これは英語に限らず日本語もそうで、 ゆっくりすぎてその世代に生きている人間には気づかないぐらいというスピードです。
なので数百年経って振り返ったら変わってたねというレベルなので、 その中に生きている我々はですね、変わっているように感じないというだけなんですが、
水面下でゆっくりと変わっているんですね。 日本語でもラヌキ言葉というのがありますけれども、
これは数十年スパンで起こってますね。 実際には数十年というか百数十年スパンで起こっているので非常にゆっくりです。
ただこれぐらいラヌキ言葉ぐらいメディアで触られたりですね、 キーワードになっているとみんなの注目されるので、
最近若い人たち確かにみんなラヌキしてるなとか、 気づくことあるかもしれませんが、それアンテナ張ってるからですよね。
このラヌキだって数十年から百数十年かけてゆっくりと、 ラヌキする人のパーセンテージが上がってきているということで、
一夜で何か変わるってことないんですね。 やはり活用の話なので文法の変化なわけですよ。
英語でもですね、こういった水面下で気づくか気づかないかレベルのものが無数に起こってます。
ここにアンテナを張るのが英語学、英語史の研究者ということなので、 そこにアンテナ張ってる人にとっても見えてくるんですが、
通常はですね、気にならないぐらいの本当にゆっくりと進んでいるということなんですね。
なのであたかも変化していないように見えるっていうことだと思います。 これは全ての言語について言えることだと思いますね。
はい、それからですね、これいきましょうか。
Doの過去形はなぜDo、DoではなくDidでしょうかと。 確かに普通にDoと最後につければいいだけっていうことに一貫してくれればすごく楽なんですが、
不規則変化ってありますよね。 あれ皆さんもやっぱり数字を覚えてきたと思うんですよ。
今ですね、中高の英語教育で覚えることになっているのは多分5、60だと思うんですよね。
基本となる30ぐらいは間違いなく中学生なんかでも必ず暗記させられるアレなんですけれども、
不規則同士ですね、なぜあるのかと。 不規則同士にもですね、不規則の度合いっていうので上下ありまして、
例えばDidなんかは一応お尻にDがついてるんで、EDの仲間なんだろうなってことはわかるわけですよね。
なんか途中の部分が母音が変わってDo、DoだくDidになっちゃったのかなということで、少なくともDが後ろに見える以上は何らかのEDとの繋がりっていうのが見えてくると思うんですね。
他には例えばこういう系ではHad、Haveに対してHave、DoではなくてHadになってますが、これもDがあるから過去形なんだとか、あとMakeもMake、DoにならないけどMade、これもDがあるからわかるっていうレベルですね。
なんかちょっとバグが起こったんだろうなぐらいです。 ところがどう考えてもわからないのがたくさんありまして、まずGo、Wentですよね。
これは1文字も1音も重なってませんので、もう完全に違う単語と言っていいわけですよね。
他にはですね、B動詞もそうですね。B動詞の過去形みたいな考え方はあまりしないかもしれませんが、Is、Am、Areに対してWas、Waということで、別にDがついてるわけではありませんよね。
むしろ頭に何かWがついてるとかいうのがありますよね。
他にはですね、DじゃないんだけどTっていうのは結構ありますかね。Think、Thought、Thoughtとか。
これはですね、Dが無性化した、Tの音になっちゃったってだけで、実はDの仲間なんです。
EDの広く言えば仲間ですね。
もう一つ大きいグループは母音を変えるっていう、だいたい暗記させるのはこれですね。
Come, Came, Comeとかですね、Swim, Swam, Swumとか、あの系列数字覚えると思うんですけども基本的なもの。
あのように何か語尾をつけるんではなくて、真ん中の母音を変えることによって、過去形、過去文章を作るっていうのがありますよね。
こういうふうに、いろんな系列の不規則さっていうのがありまして、それぞれ由来があるんです。
ピンポイントで言うと、Doの話なんですけれども、Doはですね、これはですね、どうでしたかね。
古英語、一番文献が残っている一番古い古英語の段階から、もうすでにですね、Dilに近い形になったので、つまりDo、Doって形がないんですね。
なのでその前の時代に何がどう起こって、本来あるべきDoからDilになったのかっていう過程は、少なくとも文献上は闇に進まれています。
もう歴史の蓋を開けた瞬間からDilだったっていうことなんで、その前におそらくDo、DoだったものがどうやってDilになったのかっていう、
このあたりの過程については、もう推測するしかないんですね。 そのあたりを専門とする、実は比較言語学っていう分野もあったりします。
推測して元の形を再現したり、あるいは本来Do、DoだったものがどうしてDilにまで漕ぎついたのかっていう、
もう歴史時代以前の話ですよね。ここを音声学的な原理を使って説明しようとするっていう分野もあったりします。
ただここについては、文献上はもう歴史の蓋を開けた瞬間からDilだったっていうことで、
狭い英語詞の枠内ではちょっと答えられないぐらいになってますね。 確かにこういうのはありますよね。
基本ながらなかなか謎ということで、質問いただきました。ありがとうございます。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
英語に関する素朴な疑問1000本ノックの前半戦をお聞きいただきました。
なかなか本質的な質問が寄せられてきまして、私も十分に満足にお答えできたかどうかは怪しいものも多かったんですけれども、
皆さんいかがでしたでしょうか。このような素朴すぎる疑問、これがですね、英語詞的には一番面白いんだということがですね、伝わったんではないでしょうか。
これまでもいろいろな形でこの1000本ノック企画を行ってきましたけれども、今回も良質な話題。
この企画はですね、質問される方の話題、問題がですね、いかに素朴で身近で面白いものかっていうこれにかかっているところも大きいんですよね。
今回も成功だったと言えるんではないでしょうか。 生配信でお聞きいただいた方も大勢いらっしゃいまして、ありがとうございました。
盛り上げにご協力いただきました。 さあこの後半もですね、用意しておりますので、また近日中にこのヘルディオで配信したいと思います。
しばらくお待ちいただければと思います。 さて2点ほどお知らせです。
1つ目は本日8月21日の午前7時、それから午後8時、朝と夜の2回に分けて全編後編という形で、文芸春秋プラスに私が再び出演させていただきまして、その収録された様子がオンエアされることになっております。
英語詞動画と言うんでしょうかね。 フリーアナウンサーの近藤さやかさんと共に英語詞について語っております。
英語詞に関する解説
ある意味では今日お聞きいただいた千本の句のような形でもありますね。 もう少し賢った感じでお話ししておりますが。
文芸春秋プラスに最初に一度目に 出演させていただいたのはですね
5月30日のことでした。こちらオンエア日ですけれどもね。 5月30日にオンエアされまして、これがですね
英語詞という話題の割には多くの皆さんに視聴していただいて、もうすぐですね10万回再生に到達するんではないかというところですね。
そんなタイミングで今回の2度目の収録のオンエアということで、一度目とはまた異なる話題で英語詞について語っています。
前編後編、今朝と今晩ということですね。 ぜひお時間のある時に見ていただければと思います。
この動画についてはベッドヘルディオでもちゃんとご紹介しようかなというふうに思っております。
さあ2つ目のご案内なんですけれども、私が翻訳いたしましたスペリングの英語詞という本があります。
早川書房より2017年に出版されているものですね。 原著はサイモン・ホロビンのThe Spelling Matterという本です。
こちら定期的に電子書籍としての割引セールが早川書房より提供されておりまして、今ですね 半額セールとなっております。
今日までだったんですかね。こちら関連するリンクを貼っておきますので、ご関心のある方はぜひこの機会に手に取っていただければと思います。
ということで2点ご案内いたしました。 このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、あなたからのご意見ご感想をお待ちしています。
Voicyのコメント機能を通じてお寄せいただけますと幸いです。 SNSでのシェアもお願いいたします。
それでは今日も皆さんにとって良い1日になりますように。 英語詞研究者のほったり打ちがお届けしました。
また明日!
42:01

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