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2024-09-08 10:00

heldio #50. なぜ文頭や固有名詞は大文字で始めるの?

#英語史 #英語学習 #英語教育 #英語史をお茶の間に #英語に関する素朴な疑問 #句読法 #固有名詞 #綴字
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おはようございます。英語の歴史を研究しています、慶応義塾大学の堀田隆一です。 このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。 今回取り上げる素朴な疑問は、なぜ文頭や固有名詞は大文字で始めるの?
という疑問です。 これ、我々が英語を学習し始めて、特に書くときには最初に習うようなことだと思うんですね。
文頭は大文字で始めなさいと。文頭に来る単語の第一文字目ですね。これは大文字で書き始めることということと、あと固有名詞ですね。
人名とか地名のような、固有名に関しては大文字で書き始める。 その他ですね、一人称単数の代名詞iなんかも、これは文のどの箇所にあっても大文字にしなさいというふうに習うわけですが、これなどもですね、一回こう習得して当たり前に書き慣れ、読み慣れてしまうと、もう問うことはなくなってしまうんですが、確かになんでだろうと考えると不思議ですね。
そもそもなんで同じアルファベットなのに大文字と小文字というふうに2系列あるんだろうかということから話を始めなければなりません。
歴史的にはですね、まず最初に大文字ができました。
この大文字というのは、AからZですね。思い浮かべてみればわかる通り、単性な形ですべて同じサイズと言いますかね、2本の平行線が横に走っていて、その天井とこの底ですね、地面の部分の間につっぽりきれいに収まる単性な形をしています。
これは掘るのにですね、非常に便利な文字の形ですし、とても生えるわけですよね。威厳があると言いますか、書くというよりは昔は石とか木に掘ったりしてですね、だからローマの秘文なんかはですね、威厳を出すためにすべて大文字で書かれたりするわけですが、そういうタイプの文字だったんですね。
一方ですね、西洋の中世も進んできますと、書きやすさ、実用というものを文字に求めるようになったんですね。そうしますと大文字は確かに威厳はあるんですけれども、さささっと早くは書けないということになります。
もう少し小ぶりで、しかもカクカクしてない、少し丸みを帯びた方が走り書きには便利ということで、実用的な目的でですね、いわゆる草書体です。大文字を崩して小型化した文字が様々な種類の草書体というのが生まれていきました。これが小文字の起源というわけですね。
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これはですね、平行線、2本の平行線の内側に収まるのが大文字だったんですが、実はそれからですね、上にはみ出たり下にはみ出たりするのが小文字なんです。なので背の高さから言うとですね、実は大文字よりも小文字の方が大きいというか背が高いということもあり得る、そんな事態なわけなんですけれども、書きやすさという観点から小文字が発展してきたということですね。
さまざまな小文字の書体もあったわけなんですが、最終的にはですね、8世紀終わりぐらいのですね、シャルルマーニュのカロリング書体と呼ばれる統一的な書体が生まれて、これがヨーロッパで、西ヨーロッパでは非常に広く使われるようになって、一つの規範となったわけですね。
その後、ゴシックみたいな書体が出たりして、現在につながるいくつかの書体が現れたんですが、とにかく大文字に比べて実用的に小型化した書体というのが現れ、それが現在の小文字書体ということになったんですね。
威厳はないけれども実用的ということです。じゃあ、それができてですね、大文字は廃れたかというと、そんなことはなくて、威厳のある秘文なんかではやはりですね、それ以降も大文字で書かれたし、さらにですね、面白いことに少し役割が変わったんですが、目立たせる目的でですね、大文字が使われるということが出てきたと。
普通は小文字で書くんだけれども、目立たせたい場合は大文字を使うというような習慣が発達したんですね。つまり使い分け、一つの文章の中に大文字と書体が混在するという事態になってきたわけですね。
その目立たせるっていうのは、例えばどういうところがあるかというと、まずはですね、文の頭ですよね。ここからが次の文の始まりだよっていうことです。もちろん、句頭点ですね。例えば、ピリオドみたいなものを置けばですね、そこが文の終わりで、次から文頭に決まっているといえばそうなんですが、さほど句頭点も発達していなかったですし、
句頭点があったとしても、さらにですね、付け加えてここが文頭だよと分かる印があれば便利だろうということで、そんなところに大文字が利用されたということです。
それから固有名ですね。固有名詞っていうのは一般の名詞であるとか、他の一般の単語とは違って、やはり際立った意味的にも際立っているので、ここは目立たせても良かろうということで、大文字で書かれることが多くなった。
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この文頭にせよ、固有名詞にせよ、今ではその最初の文字を大文字で書くっていうのが一つの決まりになっていますが、これもですね、この習慣が出始めた当初はですね、あくまでオプション。
大文字で書くと分かりやすいですね、ぐらいのことで、絶対に書きなさいというものではなかったんですね。
ですので、小英語であるとか中英語でも文頭はですね、確かに大文字で始まることも多かったんですが、あくまでオプションですので、大文字で始まらないことも多かった。
固有名詞も同じです。大文字で始まることは確かに多かったんですが、必ずしも相当は限らない。
例えば固有名詞の中の固有名詞と言っていいかもしれませんね。キリスト教権ではゴッドっていうのはこれ唯一の存在ですし、固有名詞として当然Gの大文字で始まるっていうのが我々の常識、現代人の常識だと思いますが、これなんかもですね、この単語なんかも長らくですね、大文字で書くこともあるんだけれども、小英語、中英語なんかですね、普通に小文字であられるっていうこともあります。
一人称単数のiにしてもそうです。これ小文字であらわれるっていうこともいくらでもありました。このように現代では当然視されている大文字仕様というのも、あくまで推奨と言いますかね、あくまでオプションとして大文字化することも可能。
別に小文字だからってダメってことではないというそれぐらいの決まりだったんです。それがですね、16世紀くらいから徐々に現代につながる規範的なって言いますかね、規則的なものが雰囲気が出てくるんですが、一方でですね、この同じ16世紀後半、そして17世紀あたりですかね、非常に面白い習慣がもう一つ大文字仕様に関して、
現れてきたんですね。これはですね、文頭であるとか固有名詞であるとかとはまた別次元でキーワード、普通名詞なんですが、名詞のキーワードはキーワードっていうくらいですから、目立たせるために大文字で始めるというような慣習ですね。これもできてきたんですね。
何をもってキーワードするかというのはもちろん書き手のある意味と考えに従ってですね、名詞でもキーワードで大文字始まりのものがあったり、そうでないものがあったりして、下見た決まりというわけではなかった。ただですね、これを押し進めると名詞ならすべてですね、ある意味キーワードと考えられるので大文字で始めちゃおうというような慣習も出てきて、
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1700年前後はこの週刊の最盛期です。例えばガリバー旅行記を書いたジョナサン・スウィフトですね。彼などはかなり厳密にですね、名詞であれば何でも大文字で始めるみたいなことをやり出しました。ある意味これはヨーロッパ大陸の流れで、現在でもそれはドイツ語に残っています。
しかしその後ですね、英語は後のドイツ語方式を採用するということはなく、こういう名詞と文法が基本というような書き方になって定着し、そして現代に至るということなんですね。
現代の大文字使用の規則というのも、今となって当たり前というかそういうもんだと思っていますが、実はこれにも長い歴史、いろいろと揺れてきた歴史があるということです。それではまた。
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