2025-10-24 24:32

#461. tooth の語源あれこれ

#heldio #英語史 #英語教育 #英語学習 #hel活 #英語史をお茶の間に #語源 #ラテン語 #フランス語 #ギリシア語 #ウムラウト #グリムの法則
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サマリー

このエピソードでは、英語の単語「tooth」に関する語源や音の変化を探ります。古代の引用詞語「dent」から始まり、グリムの法則という音の変化についても議論されます。また、「tooth」の複数形「teeth」の形成についても触れられます。さらに、DANDELIONやギリシャ語の「ODONTO」、英語における歯の役割、化石恐竜の名前に見られる語根についても紹介されます。

toothの語源と音の変化
おはようございます。英語の歴史の研究者、そして英語のなぜに答える初めての英語史の著者の堀田隆一です。
9月4日、日曜日。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。 ここ数日、東京はですね、比較的涼しくって、暑さが和らいだ感があるんですけれども、
沖縄であるとか西の方は台風が来ているんですかね。 関係する方はどうぞご注意ご準備ください。
9月に入りまして、 新学期も近いということでですね、大学なんかも少しずつ慌ただしくなってくる時期なんですけれども、
この英語の語源がミニスクラジオヘルディオもコンスタントに続けていきたいと思います。 本日お届けする話題は、非常に身近な単語なんですけれども、
tooth はですね。 この tooth について語源をあれこれと考えてみたいと思います。
本日もどうぞよろしくお願い致します。 tooth を意味する tooth なんですけれども、非常に日常的ですよね。
これを聞いて何か思い浮かびますでしょうかね。 tooth という単語ですね。
これ私のように英語の歴史を研究している立場からするとですね、 この単語を見るとですね、これは音の変化の話だというふうにすぐなるんですね。
2つぐらい非常に重要な音の変化が絡み合って、 この tooth という発音に音形になっているっていうことがまず頭に思い浮かぶんですね。
それからもう一つは、引用詞語に遡った時にこれが様々な表れ方で、 実は英語の中に、
歯関係の単語ですね。として非常に多く入ってきている。 一見すると関係なさそうな単語がですね、引用詞語の語形、語根にまで遡ると、
なるほど確かに歯だねっていうような、そういう気づきが多かったりする。 日常語っていうのはまあ大体そういう傾向があると思うんですけれどもね。
この2点、音声変化ということと、いわばワードファミリーですね。 歯という単語のワードファミリーを見てみたいと思います。
まずですね、どちらの話題にも関わるので、引用詞語の形を紹介しておきたいと思うんですね。 引用詞語の時代、紀元前4000年ぐらいというふうに言われているんですけれども、
文献は残っていませんので、あくまで創造の、創造といっても完全デタラメではなくて、理論的に再構成された形ですね。再建、再び立てるって書くんですが、再建された形として提示されているものがあります。
このtoの引用詞語の形はですね、dentという形です。
つづりがあればですね、当時文字なかったのでつづられてないんですが、もしつづり字があればこういうふうにつづられていただろうという、あるいは恩恵だったろうということで、この辺をイメージしていただけるといいと思うんですね。
この形はラテン語であるとか、さらにラテン語から派生したフランス語なんかでもですね、よく保たれていまして、後ほどいくつかの単語で見ますが、非常によく保たれてるんですね。
ところがゲルマン系の言語である英語ではですね、こうした引用詞語の詩音っていうのはですね、大体変わることが多いんです。変わってることが多いんです。
これはグリムの法則と名付けられている詩音の変化によって説明できるわけなんですけれどもね。
引用詞語のdentという形は、まず語頭にdの音がありますね。dって音です。
そして語末って言いますか、この語根の末尾に今度はt、tの音がありますね。dentということなんですが、こうしたdとかtの音がゲルマン語ではのきなみ変わってしまうんですね。
この音の変化のことを非常に法則であるかのごとく綺麗に変わっているので、まさに法則という名前がついてるんですが、グリムの法則というふうに呼び名をしています。
このグリムさんっていうのは、ヤコップ・グリムというドイツの例のグリム童話を編纂したグリム兄弟の兄の方です。
この人の本業は比較言語学、言語学者なんですね。この法則を見つけたっていうことなんですよ。
でですね、dentのdの部分がtという音になると、つまりdの音がtの音になるよというのがグリムの法則が教えてくれる一つのことなんですね。
もう一つは、末尾のtの音に関係するんですが、dentのtの方ですね。
このtの音はグリムの法則の示す変化によって、今度は英語流に言うとthの音ですね。例の音になるっていうことで、つまりdentというものがそのままdはtに、そしてtはthに変わるわけですから、tenthみたいになるわけですよ、tenthみたいな音ですね。
この母音についてはいろいろ変わったりしますし、さらにnについては英語では実はこういう環境にあるnって落ちてしまうんですね。
なのでなくなって、結局ですね、古英語の段階ではtoothとでも書きたくなるような、そんな発音なんですけれどもtoothになったんですね。
そしてこのtoothという形が次の中英語時代にも受け継がれるんですけれども、その中英語期の末期から近代英語初期にかけて、
今度はですね、もう一つの有名な英語史上、非常に有名な大母音推移と呼ばれる変化によってoという母音の発音がuになるんですね。
toだったのがtoothになって、そして現代、我々が知っているあのtoothっていう発音になるっていうことですね。
つまり、紀元前4,000年から6,000年の時間を経てですね、dentの部分が英語ではtoothとしていまだにですね、受け継がれてきていると。
発音はいろいろ変わったけれども受け継がれてきているという、そういうことになるわけです。
複数形teethの形成
もう一つ面白いのはですね、複数形です。toothに対してteethというふうに母音を変化させて複数形を作るという珍しいタイプなんですね。
sをつけるんではなくて母音を変える。これはman、menとかfoot、feetなんかと同じタイプだっていうことになります。
tooth、teethですね。これはですね、小英語時代のtoethというところを考えるといいと思うんですが、これにですね、後ろにi、zと続いて良さそうなですね、そんな音が本来は続いていたんです。
これは小英語より前の時代なんですけども、toeth、i、zみたいな感じですね。このi、zのiが弾き金となって、前にくるoという母音がaという音になってしまうんですね。
これをumlautとかimutationというふうに呼んでいるんですけれども、その結果toothがteethという形になったっていうことです。
このあたりも母音の変化という話題ですので、やはり音の変化の話題としてですね、まとめられるんです。
ちなみに複数形だけではなくてですね、toothの動詞形っていうのがあります。toothっていうのは名詞なわけですけれども、toothの動詞形っていうのがあって、歯が生えるって意味ですね。
子供の歯が生えるというものでteethという動詞があります。t-e-e-t-h-eという形ですね。この場合にもtoothから発声しているんですけれども、母音が変わることによってteethとなり、最後にeがつくことでですね、最後のこのt-h-eの部分も濁るんですよ。
teethという発音になるんですね。実はこのタイプのt-hで終わる名詞にe語尾がつくことによって、そのシーンが濁って、しかも動詞になるというのがですね、実は英語にはちょこちょこあるんです。いずれもあまり使われない単語かもしれませんけれども、関連性があるということで覚えておくといいと思うんですね。
例えばbathに対してbathというふうに、これは母音も変わりますけれども、浴槽に対して水浴びするということですね。bath、bath、それからbreath、breatheというのは、これはまあよくあられると思うんですね。息に対して息をするということでbreath、breathe。母音も変わるのがポイントですけどね。それからcloth、clothes。
布、衣の意味の名詞にeをつけてclothes、衣を着せるという意味になりますよね。それからloaf、loaf。こちらloafの方は形容詞ですかね、名詞というよりも気が進まないという意味なんですが、loafとeをつけて濁らせるとですね、これは嫌う、意味嫌うというような動詞になります。
それからですね、mouth、これ口ですけれども、これはですね、そのままの綴り字でmouth、そのままの形で語尾を濁らせるとmouthとなりますが、これはですね、口でささやくとか繰り返していうというそういう意味になりますね、動詞になります。
それからsheath、sheath。鞘です。刀を入れる鞘ですね。このsheathに対してeを加えて濁らせてsheathというと鞘に納めるという意味になります。それからsoothe、soothe。このsootheというのはですね、真実という意味なんです。
これにeをつけて濁らせるとsootheということで、今となってはななだめるという、和らげるという意味なんですけれども、これ実は真実を意味するsootheの動詞形なんです。どうしてなだめるなんて意味になってしまったかということにつきましては、実はこのヘルディオではですね、第284回soothe、なだめるの驚きの原義ということで話しています。リンクを貼っておきますのでどうぞお聞きください。
他言語への影響
新しいチャプターに移りましたけれども、このチャプターでは今度は引用祖語のdentからですね、他の言語、英語ではない他の言語を経由して最終的にそれが英語に釈要されて英語の中に定着しているっていう単語ですね。これをいろいろと紹介していきたいと思います。
まず引用祖語のdentというのは、ラテン語やその娘言語であるフランス語なんかには割と忠実にそのままの詩音の形で伝わっています。こうしたラテン語、フランス語へは例のグリムの法則という変化は起こっていませんので、あくまでグリムの法則と言われる音の変化を経たのはゲルマン系の言語だけなんですね。英語が典型ですけれども。
なので、ドイツ語なんかでもですね、この変化を経て、ドイツ語ではまたですね、英語よりもう一つプラスアルファの変化が生じたので、英語と全く同一にはならないんですが、例えばハナンっていうのはチャーンっていうツの音ですね、になっています。
いずれにせよ、ラテン語ではこの音の変化は生じていませんので、そのままに近いです。デンスという形でラテン語には伝わっています。それからフランス語ではDENTと書きますが、DENTという発音で、Dの音はちゃんと残っているわけですよね。
つまり、DENTとかDENSというこの辺りがですね、ラテン語、フランス語ではそのまま伝わっているわけなんですが、関連語が大変多く英語に入っています。ラテン語やフランス語の単語が英語に入っているわけですよね。
例えば、もう皆さんはとっくにお気づき、勘づいているかと思いますが、DENTALって言ったときのハノという意味ですよね。形容詞形です。TOOTHの形容詞はDENTALというラテン語を使うわけですよ。
DENTALですね。それから入れ歯っていうのはDENTUREって言いますね。それからインデント、これ歯形をつけるとか、地下毛をするということでインデント、地下毛してねっていうときにインデントしてねという言い方をしますよね。
インデントのDENTっていうのは歯形、歯のことなんですね。インデンチューというと、これは契約書って意味なんですけれども、これもともと契約書にギザギザの切り取り線が入った制服の2種類の契約書ありますよね。ギザギザの切れ目というところに注目して名付けたっていうことで契約書なんて意味がインデンチューにはあります。
それからTRIDENT三つ股の方です。TRIってのはTHREEですね。これなど極めて面白い単語でTHREEの部分が3なんですよね。英語で言うとTHREEです。つまりT、ラテン語のTは英語のTHに相当するんですよ。
なのでTHREE TEETHと言っているようなもんなんですね。三つの歯と言っているようなもんで、これをラテン語で言うとTRIDENTというような形になるわけです。今英語読みはしましたけれどもTRIDENTですね。
TRIという部分がT、THではなくTというところがポイントです。Tだったものが英語ではグリムの法則によってTHになってしまっているっていうことなんでこのTRIDENTという単語にですね三つもですねグリムの法則を想起させるようなシーンが収まっているっていうことなんですね。非常に面白いですね。
それからDANDELION、タンポポですね。西洋タンポポですがDANDELIONと言いますがこれはもともとはライオンの歯、タンポポの葉っぱの形ですね。これをライオンの歯と見立てたそういう造語なわけですね。DANDELIONのダンの部分が歯なわけです。
それからですねラテン語離れましてギリシャ語に行ってみましょう。ギリシャ語OにもですねおよそこのDとTというもともとの詞音がちゃんと残っています。なのでギリシャ語OではですねODONTOという母音が加わるんですがODONTOというのが一つの語根なんですね。
そこから例えばですね英語に入ってきた単語があります。少し小難しい学術的な用語が多いんですが例えばORTHODONTICSこれ子列矯正術、歯の矯正ですね。ORTHOっていうのは正しいって意味です。これもギリシャ語の要素ですがそれにODONTOということで正しい歯の学とか術っていうことですね。
ORTHODONTICSと言いますね。そして化石恐竜これにはもうODONTOっていうのがですね大活躍ですね。歯っていうのは化石として残りやすいので歯で名前を残すってことですね。
例えばエグワナドンこれいいですよね。イグアノドンです。さらにティラノドンティラノドンつづり字状はPで始まるんですね。PTですが英語ではPTという詩音のつながりが誤答ではないのでPが発音されないんですよ。日本語ではもちろんPもちゃんと読んでプテラノドンという風に言い習わせているあの恐竜です。たくさんあると思いますね。
歯と食の関係
最後に驚きの語源ネタを一つ。歯っていうのは当然何のためにあるかって言ったら第一義的に食べる噛んで消化するっていうことですよね。消化を助けると言いますかね。
とすると当然これeat食べるという動詞ですね。これと語源的に関連するんですよ。食べるeatの引用語根は実はedっていう形なんです。edですね。
で何を隠そうですね。このedという食べる噛むという意味なんですがこの語根に現在分詞語尾entをつけたのがdentの元なんですね。つまり食べるもの食べるほにゃらら食べるのに助けとなるほにゃららぐらいの意味でそれが歯という意味になってるんですね。
いわばkneading toolぐらいですかね。食べるためのツールぐらいの意味としてスタートしたのが歯。dentであり英語のtoothだということなんですね。
そして最後の最後ですけれどもtoothtを持つ本来のゲルマン系の英語系の単語ですね。これと関係する2つの単語も挙げておきたいと思います。1つはtuskのほうですね。ゾウの牙です。tuskと言いますがこれまさに歯ですね。
それからtineという単語がありましてこれはフォークの先のあの尖った部分ですね。あれを意味するtineっていう単語があります。これもなんとtoothとtokonということになります。いかがでしたでしょうか。日常的なだけになかなか広がりのあるそして音変化をいろいろと教えてくれる大変面白い単語ということはわかったかと思います。
いただいたコメントを紹介します。459回のオランダ語と英語の回にご質問をいただきましてそれについてお話ししたという回なんですがそれにまたコメントをいただきましたマリーさんからです。
どうもありがとうございました。質問してよかった。初めて見た系統図圧倒されました。新入社員で入った会社がオランダに本社を持つ会社だったのでオランダとは数十年の縁がありオランダ語のテキストも2冊所有。
実際4、5回は行っていますが確かに到着するとあっさりオランダ語学習意欲はそがれますね。今回プラス過去の放送を聞きますます魅力的な国に思えてきました。ということで無事にお帰りになったということで良かったです。
オランダ語の話ですねこれ英語と近い言語なんですがなかなか話題にならなかったりするんですね。フランス語とかラテン語とかそういった言語との関わりが非常に強い言語なので英語子の話であるとか英語の語源の話ではオランダ語ってそんなに目立たないんですけれどももうちょっと目立っていいなというふうに私自身も思っていまして今回ご質問いただいたことをきっかけにですね。
改めてリスナーの皆さんにオランダ語という存在ですね。英語と実は係りが深いんだぞということを示すことができましたので私もですね非常にナイスな機会だったというふうに思っています。
オランダ語に関することもですねこのヘルディアでもちょろちょろっと話しています。先の回でも紹介しましたけれども合わせて聞いていただきたいものとしまして194回ですね意外と多いオランダ語からの釈用語という回ですがぜひそちらもですね皆さんお聞きいただければと思います。
こちらのチャプターにリンク貼っておきますのでどうぞお聞きください。
もう一つですね昨日いただいたコメントなんですけれども2ヶ月ぐらい前の放送ですかねそちらへのコメントでした。
399回英語学習は毒を食わば皿までで行こうというボイシーのハッシュタグ企画に参加したそういうちょっと特別な回だったんですけれどもそちらにアンナさんからコメントをいただきました読ませていただきます。
先月神回とお伝えしたコメントを取り上げていただいたのですがこの回は胸圧でした。
学習にかけた時間とお金に反して上達せず落ち込むこともよくありました。
語学習得に時間がかかるのは仕方がないと力強く言っていただきとても嬉しかったです。
そして一緒に教養も得られるとの話にはハッとしました。
毒を食わば皿までに対抗して私は可愛さはあって憎さや悪売という言葉を当てはめたいです。
でも結局は英語が好きです。
ホッタ先生が発信される英語の魅力の力もお借りしてずっと付き合っていきます。
ということで大変嬉しいありがたいコメントをいただきました。
神回のほか胸圧回というジャンルがあるんですかね大変嬉しいです。
これはですねボイシンのハッシュタグ企画のみんなの語学学習法というこういうトークテーマですかねこれに従って喋るようにというようなお題に答える形でお話ししたので
普段のこのヘルディオでお届けしているような語源の話とか英語詞の話とはちょっと違った観点からと言いますかね
まさに語学学習法という観点から普段あまり私が喋っていないような角度からお話したということでこれにですね胸圧で大変響いていただいたようですので
喋ってよかったと今になって思う次第です。
本当にこうしてポジティブなコメントをいただきますと私もどんどん調子に乗ってですね調子が上がってくるという感じですので皆さんコメントご意見ご感想質問でなくても構いません。
こういった形でどんどんお寄せいただければ大変助かりますしまた新たにですねどういう話題をお届けしようかなということを考えるきっかけになりますのでどうぞよろしくお願いします。
マリーさんアンナさんコメントありがとうございました。
エンディングです。
今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
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それでは今日日曜日ですね。
皆さんとって良い日曜日となりますように。
ホッタル1がお届けしました。
また明日。
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