2025-12-07 25:19

【再】#505. 東洋大学で「世界英語」について講演させていただきました

#heldio #英語史 #英語教育 #英語学習 #hel活 #英語史をお茶の間に
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サマリー

東洋大学での講演では、英語の多様性や世界英語の現象が探求されています。標準英語と非標準的な英語の関係について、またそれらを学ぶ際の現実的な挑戦が議論されています。21世紀における英語の重要性や学生たちの多様な関心についても語られています。さらに、英語という言語の特別な地位や他言語との関係性について考察されています。

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おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、そして英語のなぜに答える初めての英語史の著者の堀田隆一です。
10月18日火曜日です。いかがお過ごしでしょうか。 英語の語源が身につくラジオheldio。本日は、
講演の概要
昨日行った東洋大学での講演についてです。 東洋大学で世界英語について講演させていただきました。
ということで、講演のご報告ということになります。 どうぞよろしくお願い致します。
昨日10月17日月曜日なんですけれども、午後1時からですね、 東洋大学白山キャンパスにて文学部グローバルプロジェクト講演会としてですね、
私が英語に働く求信力と遠心力、世界英語ワールドイングリッシーズのルーツを探るというタイトルで講演する機会をいただきました。
普通の平日の午後ということでですね、先生方も学生の皆さんもたくさん出ていらっしゃったんですけれども、
ある意味、普通の学期中の授業の時間なんですよね。 というタイミングなんですけれども、非常に多く参加していただきまして、
しかもびっくりするぐらいですね、豪華なと言いますか、ものすごいホールで、何百人も入るというホールでですね、
少し気遅れしてしまったほどなんですけれども、そこにどれくらいですかね、100名ぐらいの出席者、学生、先生方合わせていらっしゃったかな、
数十名以上は出席されていたかと思います。 本当に恐縮するようなシチュエーションと言いますかね、セッティングを用意していただきまして、そこで世界英語について講演いたしました。
かなり早い段階からの事前の準備ですね。そして昨日の本番からですね、東洋大学文学部の古田直俊先生にオーガナイズしていただきまして、実現しました。
非常に感謝しているんですけれども、この古田先生はですね、実はこのボイシーにも出演いただいていまして、312回、
今年の4月8日ですね、ちょうどほぼ半年前ですかね、その時に古田直俊先生との対談、標準英語元素について語るということで、昨日の私の講演の内容とかなり重なる内容で実はお話ししているんです、対談しているんですね。
昨日の講演はさらにその前からですね、企画されていたということで、ある意味ではですね、この古田先生とのボイシーでの対談というものと昨日の講演というものを有機的に結びついているっていう、ある種目論みの上でこのような設定になってですね、半年ぶりに同じような話題で私が講演させていただいたということなんです。
私としては本当に楽しくてですね、1時からの1時間半、90分という時間での講演、プラスQ&Aのようなことをですね、立派なホールで行わせていただいたわけなんですけれども、実は午前中のうちから古田先生とお会いして、雑談しながらお昼を食べ、そして1時からの講演に臨み、
終わった後もですね、古田研究室にお邪魔してですね、さらに続きの議論を楽しんだということで、私としては1日10円溜めみたいな感じで、本当に楽しませていただきましたが、
講演会の90分がやはりですね、非常に面白かったんです。私が60分で講演するというところをですね、67、8分ぐらい使ってしまったので、その後のQ&Aセッションが少し短くなってしまったっていうのが、私としてはですね、本当に反省点なんですけれども、そのQ&Aセッションで、
東洋大学の学生の皆さんから寄せられた質問であるとか、壇上で議論するという機会を持ちまして、それが本当に非常にいい質問で答えるのにも楽しかったし、さらにですね、いろいろ議論したいなと思った、時間が足りないなと思った次第なんですけれども、
それをですね、部分的に再現するという形で、Voicyのリスナーの皆さんにもどういう議論が行われたのかということをお話ししたいと思います。
講演のテーマと内容
昨日の講演での私の話は、世界英語に注目しながら、英語史、英語の歴史の観点から現代の世界英語現象を見るということだったんですけれども、要するに英語が多様化している。
これは本当は現代に限ったことではなくて、昔からですね、英語は常に多様だった、バリエーションが豊富だったということも強調したんですけれども、現代の見え方としては標準英語という英米ベースのいわゆるスタンダードイングリッシュっていうのがある一方で、
例えばインディアンイングリッシュであるとか、ナイジェリアンイングリッシュであるとか、カリビアンイングリッシュのような様々な英語ができてきている。
世界共通語としての共通のコミュニケーションのツールとしては英語は一つ、スタンダードイングリッシュというものに修練、集約した方が利便性は高いというのはわかりますが、現実としては各地で英語が世界展開した世界の各地でそれぞれの独自の英語が生まれてきているという分化していく方向ですね。
急進力と遠進力がともに働いているこの現状を記述し、そしてこの意味は何かっていうことを60分お話ししたんですね。
その後で学生の皆さんから様々な質問が問いかけられまして、それに私が答えたりディスカッションしたりというような感じで進んだんですけれども、東洋大学の浦田先生のゼミ学生の一人からですね、非常に面白いそして考えがいのある問いが発せられたんですね。
それは多様性があるということはわかったと、だけれどもコミュニケーションツールとしてやはり一つの標準英語というものに集中することも必要なんではないかということなんですね。
これについて、この矛盾についてどう思いますかというようなことですね。
これは本当に本質的な問題でですね、私は標準化も必要、つまり急進力っていうのもとてもよくわかる。一方で現実として様々なバラバラな英語が生まれている。
つまり遠心力っていうのが働いている。この2つどうやったら折り合いつくんですかねというところで、はてなで終わったので、当然予想される問題なんですが、私としてもこの問題はですね、なかなか解決が難しいということで常に悩み続けているんです。
その悩みに対してだけれども、とりあえずの答え知りたいですと突きつけられたような気がしてですね、簡単には答えられる問題ではないですが、このように答えました。
日本において学ぶ英語というのは、やはりですね、標準英語と非標準的な様々な英語ってあった時に全部学べるわけはない。標準英語だけ学ぶにも大変な労力コストがかかっている。
標準英語の正しい文法、語彙、発音などを学ぶだけでいっぱいいっぱい、ふうふう言ってるっていうのが現実である。その時に様々な世界の英語、例えばインド英語とかナイジェリエ英語であるとか、そんなものを学んでいる余裕はないっていうのが現実だと思うんです。
それは私、英語学習者としてもそのように考えますし、そして一英語教員としても様々な英語を教えるとか学んでもらうなんていうことは現実的ではないですよね。
ですので、やはりABAの英語に基盤を置く標準英語を学ぶのが現実的であるという点では非常に保守的な立場だと思います。
一方で、せめてこの英語の多様性という現状に対してできることは何があるかということを考えると、標準英語を勉強するっていうのは実用的で大変大事なことである。
だけれども、他の英語もあるよっていうことを言い続けること、他の英語を学びましょうっていうことはかなり負担をかけることだと思うんですが、他にも様々な英語があるよっていうことを言い続けることっていうのはそんなに難しいことではないと思うんですね。
さらに例えとして日本語を出せば、日本語にも標準語、共通語ということがありますが、実際には様々な方言がありますよって言ってるのと同じぐらいの意味合いでこの現状を伝えていくことが重要なのかなと思っています。
コメント開始したいと思います。
まずは501回の放送、黄昏の比較語言学に対しましてリスナーのアンナさんからコメントをいただきました。読み上げます。
比較語言学シリーズ3回すべて興味深く聞かせていただきました。
人が言葉に寄せる思いだけではなく、響きによる印象の違いにも目を向けることができ、これは比べるからこその楽しみなのでしょうね。
古の人が天の川や虹、黄昏を見てどのように感じていたのか想像するとロマンを感じます。
せわしない毎日でほっとするようなこのシリーズはまた取り上げていただけたら嬉しいです。
個人的には月が気になりそのうちに調べてみようかなと思いました。
ということでありがとうございます。
そうなんですよ、この比較語言学シリーズは選ぶ単語にもよるんですけれども、3回選んだのはですね、天の川、虹、黄昏っていうように、そもそも日本語だけでお腹いっぱいっていうようなちょっとロマンを感じるような、あえてそういう単語を選んだので、もしかしたら面白かったのかもしれませんね。
これ選ぶの難しいんですよ。いろいろと語源もありますし、各言語での捉え方っていうのもあったりして、これ面白いのを見つけ出すのは難しいので、シリーズ化といってもですね、しょっちゅうできるかわかんないんです。
なのでやっぱり面白いものを提供したいなと思いますので、逆に言いますと、これいろんな言葉で比較するときっと面白いんじゃないというようなアイディアとかトピックであるとか、あるいは少し調べた上でですね、もう絶対面白くなりそうだよっていうことがありましたらリクエストいただければと思います。
月っていうのをあげていただいたんですけれども、おそらくですね、私の直感としては天の川とか黄昏みたいなズバッと一語で月という言ってしまえるものよりも、なんていうの、複合語って言うんですかね。
天の川とか黄昏も中身があったわけですけれども、一語で終わらないような複合語でかかってるようなものって、その複合の仕方、複数の語が関わってくるんですが、その組み合わせ方である種のドラマが生まれたりするのかなと思ったりするので、
たぶん日本語がベースになって、他の言語ではどうかなっていう順番で考えることが多いと思うんですが、この辺りで、何て言うんですかね、深掘りすると絶対面白そうだよというような日本語、これを選ぶと比較語言学っていうのはどんどん面白くなるのかなと。
いいお題を選ばなければいけないっていうことで、これ簡単にシリーズ化できないっていうですね、あの欠点があるんで、皆さんにぜひですね、何かアイディアって言いますか、面白くなりそうだっていう予感のあるものがありましたら、帰って教えていただければと、何とかこのシリーズも続けられるんではないかと思いますので、よろしくお願いできればと思います。
アンナさん、ありがとうございました。
次ですけれども、502回、The Black Death、国死病の回についていただきました、カミンさんからのコメントです。
読み上げます。
世界史教科書にも出てくる国死病の名称が案外新しいものだったとは意外でした。
ペスト大流行時に、その病死者の見た目からついた名称だと思い込んでいたので、近代における医学の発達と関係がありそうですね。
フランス語のla peste noireの最初の用例は1773年と語源辞典にありました。
ということで、フランス語でもla peste noireが18世紀末ということで、やっぱり遅いんですかね。
この辺りは半ヨーロッパ的と言いますが、一つ歴史用語、医学用語として定着するとそれがそれぞれ訳されて、各言語に広まるということで、英語の場合と同じようなタイミングで、意外と遅いんだなという。
つまり14世紀に起こった疫病なんですけれども、それに対する正式な名前と言いますかね、歴史的な名称としては18世紀まで待たなければならなかったというのは、こういうのってきっとあるんでしょうね。
歴史用語なんていうのは大体そうなのかなと思ったりするんですけれども、こういうのに注目して、歴史用語として今固まっているものがその歴史的事件、対象となる歴史的事件が起こったよりも、ずっと後の典型的にはおそらく近代に出来上がったみたいな例を集めると結構面白いかもしれませんね。
歴史学であるとか、医学とか、科学の歴史そのものに関係してくる、そんな語彙集になるのかなということで、これなかなか集め始めると大変で延大な授業になりそうですけれども、こういう言葉の方面からの歴史研究っていうんですかね、これはなかなか奥深そうだなというふうに思いました。
コメントありがとうございました。
そして503回の記事です。
OEDは歴史的原則に基づく辞書に対しまして、ケンゴさんからコメントをいただきました。
最近、Oxford English Dictionaryの立ち上げに関する映画を見ました。
The Professor and the Madmanというやつです。
どこまで事実かわからないですが、普通に面白かったですよ。おすすめです。
ということでですね、このOEDのメイキングを扱った映画、もともと原作はノンフィクションの小説ということで、サイモン・ウィンチェスターというですね、非常によく知られたノンフィクション作家なんですけれども、
この人がですね、1998年にThe Professor and the Madman, A Tale of Murder, Insanity, and the Making of the Old English Dictionaryという本をですね、出しているんです。
これは私、大好きな著作でして、それが映画化されたんですよね。
そして、原題はそのままです。小説と一緒で、The Professor and the Madmanということで、放題は博士と狂人ということで、ちょうど2年前です。
2020年の10月16日に日本では全国労働省となってですね、これ私のゼミではこれみんな見るぞ、見に行ってOEDのことを色々と調べたり考えたりするぞということで、ちょっとしたですね、OED月間みたいになって盛り上がってたんですよ。
これについて、今回ケンゴさんにですね、2年後ですけれども、改めて広報いただいたっていう形になると思うんですけども、ぜひですね、これをこのボイス聞いている方はですね、この作品見てほしいんですね。
The Professor and the Madman、放題は博士と狂人ということで、OEDメイキングの裏にどんだけドラマがあったんだっていうことがわかるんですね。
当時のOEDの編参者、博士ですけど、ジェームズ・マリー役がなんとメル・ギブソンですよね。
そしてその狂人役なんですけども、ドクター・マイナーという役なんですが、これをですね、ショーン・ペンが演じているっていう、この2人初共演ということなんですけれども。
キャッチフレーズは、孤高の学者と呪われた殺人犯、世界最大の英語辞典、誕生に隠された真実の物語ということで、これはですね、本当におすすめですね。
後半にはですね、ものすごく痛ましいシーンがあったりするんですけれども、ぜひこちら、鑑賞していただければと思います。ケンゴさん、ご紹介ありがとうございます。
そしてもう一つご紹介したいと思います。これはですね、だいぶ古い回なんですけれども、223回、英語の音読みと訓読みにつきまして、後藤の海塩さんからいただきました。
思い出したかのような回に対するコメントということで、これは非常にこういうの嬉しいんですけどもね、ありがとうございます。
興味深い内容でした。このラジオの新校長ですね、外国語は日本酒とともに学びたいものですね、ということで、その通り、後藤の海塩さんも比喩かとは思いますが、私は英語学とか英語史は日本語に照らすととても面白いと思ってるんですね。
もっと言いますと、日本語だけではありません。つまり日本酒だけではありません。フランス語と照らしても面白いんですね。つまりワインと照らしても。それぞれに照らして、いろんなお酒を楽しみたいなと。
今日はノンベイっぽいコメントで終わらせていただきます。皆さんからの一つ一つのコメントで本当にインスピレーションを得てるんですね。次のお題をそこから設定するっていうことがかなり頻繁に起こっています。大変ありがたいことです。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
東洋大学での講演
今日はですね、古田先生と東洋大学の講演会も含めまして、その前後で本当に語り合いまして大変実り大きい時間を過ごしたと思います。
英語という話題に関心のある多くの学生の皆さんが集まっていた場でですね、21世紀の英語どうなるのかということを話すっていうのは本当にエクサイティングで、どういうふうに英語をみんな見てるのかなということが、やはり世代が違いますし、英語に関する疑問であるとか態度って本当に面白いですね。
本当に一人一人それぞれだと思うんですよ。コミュニケーションツールと言ってしまえばそれまでの英語なんですが、そこにはいろんなものが詰まっていて、どのような思いでみんな英語を勉強してきたんだろう。あるいはもう英語をやめると言ってきたんだろうというのはね。
その英語への態度と言いますか英語との付き合い方って本当に大事な問題だと思うんですよね。他の言語もそうなんですけれども、やはり現代世界においては英語ってちょっと特別な地位にある言語なので、母語と相対化して英語って何なんだろうか。あるいは第3の言語第4の言語勉強している人もいるんですが。
それって英語に対してどういう役割なんだろうかっていうことを考えざるを得ないほどちょっとオブセッションと言いますかね。脅迫関連的に重要な言語っていうことになっていると現実思うんですよ。
これが良いものかどうかということであるとかどういうふうに捉えてどういうふうに付き合っていけばいいのかっていうことこれを考えることがとても大事で英語そのものを勉強すること以上にとても大切なことなのかなというふうに思っています。
それをいろんな角度から考えたいと思って、私自身は英語史が専門なので英語の歴史の立場から考えようということなんですけれども、ある意味ではやはりこの圧倒的に強力な言語である英語をいかに稲すかって言いますかね。いかに手名付けて付き合っていくかっていうそういう問題なのかなと思いますね。
このヘルディオでも難しい問題について考え続けていきたいとそのように思っています。
このチャンネル英語の語源が身につくラジオヘルディオではあなたからのご質問ご意見ご感想をお待ちしています。
ボイシーのコメント機能を通じてお寄せください。
毎回のボイシーの放送なんですけれども、それに関係することでなくともですね、過去の回に関するあるいは一般的な感想でもどの回にでもコメントいただければと思います。
それに対して常にコメントは私の方で確認しておりますし拾っておりますので、それについてコメントバックするという形で話題を展開したり、新たな話題を立てたりということで日々の放送を構成していくという、ある意味ですね、自転車創業的に展開しているということですので、
皆さんのコメントや問題意識ということがとても大事で大事にしたいという思いでこの放送を続けております。
たくさんのコメントをお待ちしております。
それでは本日は火曜日ですね。
皆さんにとって良い一日となりますように。
ホッタリュウイチがお届けしました。また明日。
25:19

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