2025-08-29 16:25

heldio #405. 英語の「汚い言葉」のはやりすたり

#heldio #英語史 #英語教育 #英語学習 #hel活 #英語史をお茶の間に #スラング #タブー
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サマリー

本エピソードでは、英語の汚い言葉やスラングの歴史的変遷が探求されています。特に、中世から近現代にかけて、罵り言葉の潮流が宗教的なものから性的、身体的な表現へと変化したことが解説されています。汚い言葉の歴史や社会的背景、さらにその時代ごとの変遷について議論されており、現代におけるヘイトスピーチや罵り言葉の使用が中心テーマとなっています。

英語の汚い言葉の概要
おはようございます。英語の歴史を研究しています堀田隆一です。7月10日日曜日です。 本日の話題は、英語の汚い言葉のはやりすたりについてです。
このVoicyでも、英語の語学学習に関するチャンネルがたくさんありますけれども、一つ紹介したいのがですね、 瀬沼健吾さんがパーソナリティを務めていますチャンネル。
本当は使える汚い英語というタイトルのチャンネル番組を持たれているんですね。 健吾さんが、私のこの
英語の語源が身につくラジオをフォローしてくださっていまして、コメントをいただいたんです。 英語の汚い言葉、スウェアワードなんて言い方をしますけれども、この発達の歴史や語源などについて
お話が聞きたいというコメントを寄せていただきました。 ありがとうございます。 私自身は英語のスラングですね、非常に種類が豊富ですし、極めて口語的な響きがあるのがスラングであったりスウェアワードということですよね。
それほど得意な方ではないと言いますか、聞いても生でどういうことなのかなっていうのはわからないことが多いんですけれども、
英語史的には非常に重要な問題ですし、英語であるとか言語の中枢にある、 言語活動の中枢にあるのがスラングであるとかスラング化と言いますかね、
これ極めて日常的で頻繁に起こっていることなんですね。 なので言葉の変化ということを考える際にはスラングとかスラング化ということをぜひとも考えなければいけない
ということで、スラング界隈はなかなかよく研究されてきてるんですね。 実際このチャンネルでもつい数日前ですね、7月6日水曜日の放送でしたが、
英語のスラングは誰がどのように生み出したのですかというタイトルでお話ししました。 そちらの方も聞いていただければと思うんですけれども、
今回はこれからスウェアワードであるとかスラングというものにも私に注目していきたいと思っているんですけれども、
まず英語史という非常に大きなレベル、視野からですね、スラングあるいはスウェアワード、汚い言葉の潮流、
つまり時代によって何が汚い言葉とされたかっていうのは結構変わってきてるんですね。 それについて、
大きな流れを今日は紹介したいと思います。 汚い言葉といってもいろんな種類があると思うんですけれども、
歴史的な潮流の変化
スウェアリング、これは罵り言葉であるとか、暴言といった意味ですかね、広く用いられますね、スウェアリング。
スラングというのは俗語ということで、必ずしもスラングのすべてが罵り言葉、汚い言葉であるとは限りませんが、
重なるところは確かに多いですね。 今回はスウェアリングという罵り言葉に取り分け焦点を当てたいと思うんですけれども、
これについての非常によく読まれている文献を一つ最初に紹介しておきたいと思いますね。 今回の話はその文献に多く意気をしています。
ジェフリー・ヒューズという人のですね、まさにタイトルスウェアリングという本です。 1998年に出版されていますが、副題は
A Social History of Foul Language, Oath, and Profanity in English ということですね。
ファウル・ワングウィッチ、これが汚い言葉ということですし、オウス、誓いの言葉ですね。 誓いの言葉っていうのは汚いんですね。
英語においては、神の名においてあるいは神に対して何かを誓うということを未来に行ってはいけないという発想がありますので、
オウス、誓いは汚いものなんですね。 日本語の感覚ではあんまりないかと思うんですけれども、それからプロファニティというのも、これも神に対する冒涜っていうことですね。
このあたりの神に対する冒涜、あるいは宗教的な意味での汚い言葉っていう言い方は、いろいろと用意されていまして、
ブレスフェミーなんていう単語もありますね。これも神をあざける言葉ということですね。 それからプロファニティっていうのも今出ましたけれども、これも不敬な言葉。
それからCursing、怒りや憎しみの対象に向かって吐き出す言葉ですね。 それからSwearing、一般的に社会的には受け入れられない汚い言葉ということになりますね。
交互俗語で品質するこのタイプ、Swearingですね、Swear Wordsというものは非常に種類が豊富で、その意味や汚さの陰影というのも非常に微妙なものがあるかと思うんですけれども、面白いことに歴史を通じてどんな言葉使い、どんな言葉が罵り言葉、Swearingに相当するかというものは揺れ動いてきたんですね。
一種の流行です。 実際、ジョナサン・スウィフトはですね、Oath are the children of fashionという言い方をしています。汚い言葉というのは流行の申し語だということですね。
大きく中世から近現代というふうに時代を2分しまして、この2つの時代の間でどのように潮流、罵り言葉の潮流が変化してきたかということについてお話したいと思います。
中世はですね、とりわけ中英語の時代ですね。 中英語のテキストというのを私よく読むわけなんですが、ひたすらですね、神にかけてとか神の何々にかけての何々っていうのは体の部位ですね。
神の髪の毛にかけてとか、神の手にかけてっていうような体の部位だったりすることが多いんですが、何々にかけてというbyとかtoという前置詞をですね、持ちながら話をする。これはとても汚いことだと考えられていたんですね。
今で言えば、Fワードを文の中にひたすら挟み込むっていうようなイメージで、by Godとかon Christ's hairとかですね、例えばこんな言い方をするわけです。これはacceleration、誓言ですね。誓いの言葉ということで、誓言と呼ばれるんですけれども、非常に頻繁に出てきたんですね。
現代でも綺麗ではない汚い言葉だと思うんですけれども、しょっちゅう出るわけではありません。かつては日常的に出ていたものが、今では非常に周辺的なスウェアリングになっているということから、時代は変化したっていうことがわかると思うんですね。流行も変化した。
じゃあ、そのような神にかけてのような宗教的な色彩の強い表現が罵り言葉になっていたということなんですが、近代にかけてでは何に変わったかっていうところですね。まずはっきりと言えることは、宗教的なものから性的なもの、身体的なもの、これへの交代が見られるっていうことです。
性的なものっていうのはイメージできると思いますね。Fワードもそうです。身体的なものというのは、体の部位であるとか、あるいは病気であるとか、そういったものですね。性的、身体的というようなものに罵り言葉の潮流っていうのが変化してきたっていうことですね。
他には階級を表す語、階級とか職業ですね。を表す語というのが罵り言葉に使われるようになります。もちろん低い階層の、社会的に低い地位とされる職業ですね。いわばゴロツキであるとか、アッカンであるとかですね。
近代の罵り言葉の発展
具体的な単語で言いますと、Cheryl、Nave、Cad、Blackguard、Guttersnipe、Violetのような語はですね、もともとは階級や身分を表す名前だったわけなんですが、道徳的な悪さを含みするようになって罵り言葉となってきたということです。
社会の底辺にいる人々に名付けられたその名前を持って相手を呼ぶと、これは極めて汚い言葉となるっていうことですね。これと関連しますけれども、近代は労働倫理というものが発達します。
とりわけ、エリザベス町にはですね、給貧法なんていうものがありましたけれども、貧しい人を助ける法律、それぐらいいわば小敷のようなですね、路上生活者が多かったわけです。この人々は働かないという理由で、社会的道徳的に悪い存在とされて、その人々を呼ぶ言葉がそのまま罵り言葉になった。
例えば、Vagabond、Beggar、Tramp、Bum、Skyverとですね。このように中性は神にかけてといったような宗教的なスウェアリングが多かった。当時はですね、それほど性的なスウェアリングってなかったんですね。今ほどなかった。割と大らかで、性に関する用語っていうのは、じゃんじゃん出てくるんですね。普通に。
取り立てて、今ほどはですね、汚い言葉ではなかったということです。むしろ神にかけてのような宗教的なタイプが多かった。それが近代、そして現代にかけてどうも性的なもの、身体的なもの、それから社会の底辺にいる人々ですね。階級、身分、それから働かない人といった人々を表す語が罵り言葉の典型になりました。
罵り言葉の典型に発達していく。こういう大きな流れがあったっていうことなんですね。そしてまさに近年なんですけれども、現代です。性的なタイプというのは、確かに罵り言葉の典型というふうに見られますけれども、だんだんそれも変わってきていて。
今、最もスウェアリングっぽいスウェアリングは何かというと、人種であるとか民族であるとか国籍。いわゆるヘイトスピーチというものが問題になってきていますけれども、それですよね。
人種、民族、国籍といったもの。これを表す言葉がそのまま罵り言葉として使われるというような、そんな時代社会になってきたということなんですね。
このように何が汚い言葉とされるかっていうのは、時代あるいはその社会の常識であるとか、あるいはその社会が抱えている問題というものと密接に関わってきているということで、昔から性的な用語が汚い言葉だったわけではない。
昔はむしろ宗教的なものが多かった。それが時代が変化するにつれて、タイプが変わっていくっていうことなんですよね。まさに社会を映す鏡。これが罵り言葉なんだと思います。
汚い言葉に対するところの上品な言葉、きれいな言葉はそんなに変わらないと言いますか、社会の動きを反映していないわけではないんですけれども、はっきりとは見えてこない言葉ですね。むしろ、不の方向、汚い言葉、罵り言葉に注目することで、社会の動き、変化というものが映し出されると思うんですね。
その点で、foul language、汚い言葉というのは、やはり言語活動の中心にあるんだと思います。社会的な言語活動の中心にあるのが汚い言葉なんだと、そのように考えています。
これからスラングであるとか、swear wordというものにも注意して、語源の話、あるいは英語の歴史の話をしていきたいと思います。
今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。冒頭でコメントを紹介しました、セヌマケンゴさん。本当は使える汚い英語というボイシーチャンネルをお持ちです。
一単語一単語のスウェーワードに想像するわけですが、汚い単語の文化的背景や歴史的背景にも気を配りながら、生の英語のスラングについて紹介しているというチャンネルで、私もこれから勉強させていただきたいと思っています。
実はケンゴさんはもう一つボイシーの人気チャンネルなんですけれども、ボイシーニュースブリーフという2万2千フォロワーがついているチャンネルがあります。
これはニューヨークタイムズの記事を読みながら英語を勉強する、ピックアップフォーキャブのようなコーナーで、ニュースでよく用いられる英単語を学んだり、それについて解説してくれているという、人気の英語学習チャンネルということになりますが、そちらの金曜日のパーソナリティということでも活躍されています。
実は今週ボイシーのハッシュタグ企画で、みんなの語学学習法というお題が上がっていまして、私も月曜日に英語学習は毒を食わば皿まででいこうと題してお話したんですけれども、この企画との関連でですね。
けんごさんがボイシーニュースブリーフ、金曜日に私のチャンネルを、このチャンネルを紹介していただいたんですね。けんごさんの番組は基本的に生の生きた英語ということなんですね。
一方、私がやっているこの語源の話はですね、英語史という、実践的というよりは全然実践的ではないですね。非実践的な話をしているんですが、非常に重要な共通点があると思うんですね。
これは先ほども述べましたけれども、一単語一単語に文化的背景であるとか、歴史的背景が詰まっているんだということです。その単語のニュアンスであるとか、なぜそのような意味で使われているのかということは、歴史的背景、文化的背景っていうのを知っていると、とてもよくわかってくる。
さらに言葉を入り口、窓口としてですね、非常に深い、そして長い英語の歴史、英語文化の世界に分け入っていくことができるということだと思うんですね。そしてもう一つ付け加えれば汚い言葉であるとか、極めて日常的な言葉、つまり言語活動の中心にあるものこそが、
その時代やその社会を映し出しているんだということです。私も汚い言葉、これから学んでいきたいと思います。けんごさんありがとうございました。このチャンネルではご意見、ご感想、ご質問、そしてチャンネルで取り上げてほしいトピックなどを寄せいただいています。
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