2025-08-30 24:45

heldio #406. 常識は非常識,非常識は常識―海外体験の最大の成果

#heldio #英語史 #英語教育 #英語学習 #hel活 #英語史をお茶の間に
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サマリー

堀田隆一は自身の海外体験を通じて、「常識は非常識、非常識は常識」という考えを得た経緯を語ります。特に、中学生時代のカナダでの短期留学やバックパッキングの経験が重要な影響を与えています。海外での経験を通じて、日本の常識が非常識となることに気づく重要性が語られます。また、このエピソードでは、言語の歴史を学ぶことが新たな視点をもたらすことにも触れられています。

海外体験の始まり
おはようございます。英語の歴史を研究しています堀田隆一です。 7月11日月曜日です。新しい1週間が始まります。
また暑そうな1週間になりそうですけれども、頑張って元気にいきたいと思います。 皆さんにおかれましても、熱中症などに気を付けつつですね、元気に1週間を過ごしていきましょう。
本日の話題なんですけれども、Voicyのハッシュタグ企画に、今週も参加したいと思います。
今週のお題は、人生を変えた海外体験ということです。 これを受けまして、今日のお話、タイトルは
常識は非常識,非常識は常識―私の海外体験の最大の成果、というお話です。
このチャンネル、ハッシュタグ企画経由で初めていらしたという方もいると思うんですね。
ですので、このチャンネルについて簡単にお話ししておきますと、チャンネル名は、
英語の語源が身につくラジオという、この名前で日々、実際には毎日なんですけれども放送しています。
英語そのもの、つまり語学学習としての英語というよりは教養、あるいはさらに学術的というに近いと思うんですけれども、
英単語の語源、さらには語彙にとどまらず文法、発音、綴り字、さらにはその背後にある社会、文化というような話にまで及ぶことが多いんですけれども、
私の英語の歴史、英語史という専門、この知識をなるべく優しく噛み砕いてお伝えするということで、このチャンネルを運営しています。
ただ、今日は英語の語源であるとか、英語史そのものに迫るというよりは、どちらかというとメタな話ですかね。
なぜ私が英語史という分野で研究しているか、あるいはそもそも研究、アカデミックの世界に身を置いているかということと関連するんですけれども、
私自身のたどってきた海外体験、ここで得たものと、今英語史という分野で研究している、研究という職に就いているということは非常に密接な関係がありまして、
この両者の関係についてあまりまともに考えてきていなかったと言いますか、どう関係するんだろうというふうにポワーンとした感じでいたんですけれども、
最近になって、過去の私の海外体験ということと今やっていることっていうのが非常に強く結びついているなという実感をようやく最近になって得てきたと言いますかね。
じわじわと湧いてきたということですので、これについてお話ししたいと思います。
まず私の海外体験ということなんですけれども、家柄って言いますかね、家計的にはですね、海外など一度も行ったことがないという親戚あるいは直接の家族ですね。
そんな家族環境で小学生、中学生の時代を過ごしてきました。
それがですね、東京都の区立の中学校に行っていたんですけれども、短期留学プログラムというですね、短期って本当に1週間ぐらいのものなんですね。
夏休みに行くっていうことで、学校から1人2人選ばれるっていう中学校ですけどね、それに応募して受かったということですね。
カナダ、西海岸に行くことになったんですね。バンクーバーだったんですけれども、それが私の最初の海外体験ということです。
その時から英語はまあまあ興味がありました。すごく得意だったかって言うとあれなんですが、関心はすごくあったんですね。
当時から英語が好きでした。そして初めていろいろ準備をしながらですね、最初にカナダ、バンクーバーに降り立ったんですね。
そこでもう空港からですね、左側通行でなく車が右側通行っていうことでドキャーって感じですよね。
話には聞いてたけれども、やはり聞くと見るのとではだいぶ違うっていうことですね。
まず大きなカルチャーショックを受けたと。そして1週間程度ですけれども、滞在したりホームステイしたりしてですね、いろいろ学び取って帰ってきたと。
それがまず私の海外の初体験だったんですけれども、やはりその後の方向性に大きな影響を及ぼしたことは間違いありません。
バックパッカーとしての冒険
そして高校に行き、そして大学で結局ですね、その時のインパクトが大きかったっていうのはあると思うんですけれども、
英語の学習、語学学習ですけれども打ち込んだということがあり、最終的には英語を研究し専門とするという方向づけがですね、
そのあたりでできたのかなという、その中3の時の体験が大きかったと思うんですね。
高校生の時には家族で、本当にツーリストですよね。ツーリストとしてアメリカに家族で出かけたというようなことはありましたけれども、
いわば単発の海外体験だったんですね。
大学に入りまして、学期中はアルバイトをして、そして長期休暇ですね。
夏休みであるとか春休み、何かになると貯めたなけなしのお金で海外に出かけるっていうことをやっていました。
当時は格安航空券みたいのがありまして、ヨーロッパやアジアあたりですと本当に数万円、3万円、4万円で行けるという、
たまたま私にとってはラッキーな時代だったということで、海外体験をもっとしたいということでですね、いろいろと歩き回ってました。
それも勉強というよりは、いわゆるバックパッカーですね。バックパッカーとしてヨーロッパやアジア、安いところです。
特にアジアですね。安いところを中心として、ひたすら安宿に泊まりながらバックパック一つでホロの旅をしていたという、
そんな学生時代を、そしてその楽しさに気づいてしまいましたので、4年間で大学を卒業するっていうのはもったいないということで、
1年遊び歩こうと、バックパッキングしながら歩こうということを決めまして、大学3年生が終わった時点で1年間休学しましてホロの旅をしようと。
ただ身分として何かいろいろついていると都合が良いということで、ワーキングホリデーのビザを取ったんですね。ニュージーランドです。
そしてニュージーランドで実際行って半年ぐらいはいたんですかね。ですが残りの半年はもう世界を旅行しようというバックパッカーで歩き回ろうということで、
アジアを中心に回りました。全体として50カ国ぐらいは歩いたかと思うんですけれども、その後帰ってきて大学4年生をやり、進学の道を選びまして大学院、まさに英語史という分野を専攻したんですが、
大学院になってからもしばらくはバックパッキングの楽しさ、魅力から離れられずに、学部自体と同じように長期休暇になると出かけるということを続けていましたが、
やがて大学院も終始課程を経て博士課程になると、さすがに研究しっかりやらなければいけないということと、英語という海外の外国の言葉を専門としているということで、やはり留学するのがベストだろうということで、
イギリス、それまでもバックパッキングも含めて何度か行っていたんですが、今度は定住ですよね。バックパッキングというのは本当に腰が軽くて、一つのところにじっとしていられないというのがバックパッキングなんですけれども、少なくとも私のスタイルはですね。
それが留学といいますと、留学ですから、ステイアブロードですから、しっかりと腰を落ち着けて勉強しなきゃいけないということで、スコットランドのグラスゴー大学に留学しまして、3年ちょっとの間、初めて海外に定住といいますかね、腰を落ち着けて海外を体験するということになったりしました。
常識の転換
そして、それ以降は日本に帰国しまして、大学に職を得まして、研究者としてたまにですね、海外に出かけると。主に欧米が多いんですけれども、研究分野が英語ということでですね、欧米に関連する学会が多いので、ちょこちょこと行ったりすることはあるんですけれども、それが私自身の全体、海外体験ということになります。
つまり4期ぐらいに分かれるんですかね。最初は本当に初体験という時代ですね。中学生、高校生。そして大学生時代、大学院生時代のバックパッキングの時代というのがあり、そして大学院生の後期にイギリスに3年ちょっと定住するという第3期ですね。
そしてそれ以降、学会主張であるとか、たまに海外旅行という形でちょこちょこと出かけるという第4ステージという感じで、それぞれスタイルが違う形の海外との接触なんですけれども、こんな海外体験ということで話しますと、4期ぐらい、4タイプで海外と触れ合ってきたということになります。
そのトータルで分かってきたことといいますかね。そして最もエキサイティングだと思うこと。海外体験の成果の中ですね。それは今回のお話の総合タイトルでもあります。常識は非常識で、非常識は常識なんだ。
この発想の転換みたいなものにだいぶ柔軟になれてきたということではないかと思います。チャプターを変えて詳しくお話したいと思います。
前置きが長くなってしまったんですけれども、この常識は非常識である、そして非常識は常識であるというのはですね、本当に私の私的海外体験で得た最大のものであろうと思っています。
今、日本で生活していて常識的だと思っているもの、それが場所を変えると世界の他の場所では全く常識ではない、場合によって非常識であるということであるとか、逆に今、日本の生活の中で非常識とされているものが別の場所では常識的であるというのは本当に日常茶飯といいますか、当たり前のように起こっていることだと。
むしろそのほうが多いというぐらいですね。これを散々体験したというのが、これまでの私の体験、海外体験の最大の成果だと言えると思うんですね。ですので無数に例を挙げられるんですけれども、2つほどここで具体的にお話したいと思うんですね。
1つは強烈な、私にとっては強烈な体験だったんですけれども、これバックパッカー時代です。ミャンマーを旅していました。ローカルバスで外国人はほとんど乗っていない状態ですね。ローカルの人ばかりである比較的大きな町から別の大きな町へ行くというバスで、普段であれば平常時であれば多分数時間というバス旅ですね。
それがいわゆるメコンデルタですから、洪水、氾濫が起こって水浸しになるということになる。そうすると大きい川だったり深いところがあったりすると、これ何時間も待たされるわけですね。
結局、20何時間とか1日以上かかってたどり着くっていうことじゃないですかね。こういったのがバックパッカー生活では普通になってきまして、慣れっこになるんですけれどもね。苦にはならないんですけれども、その間にあまりに暇なんでいろいろ観察するわけですよ。
そこで一つ強烈な事件は、現象としては全く強烈でもないんだと思うんですけどね。水浸しの時に幹線を走っていると。へぼい道ですけれども、一応国的にはこの幹線と言いますか国道に相当するような道ですね。そこをバスがひたすら走っている。田舎道で周りは田んぼだらけということで信号なんかないのでひたすら走ってるんですけれども。
水浸しではあるんです。何センチかタイヤが埋まるっていう。そこで急に道端で止まるんですね。特に水が深くなったというわけでもない。信号機があるわけでももちろんないっていうことで、何で止まるんだろうというふうに見るとですね。
村の人がちっちゃい船をですね。
で、杉傘をかぶったビルマのミャンマーのおばさん、農民ですよ。がある村から別の村に行くのに、この普段は道路なんですよ。道路で船なんか通れるわけがないところをですね。道路を横切って違う方向に向かっていくわけですよ。そのためにバスはもちろん引いちゃいけないので止まるっていうことになるわけですよね。
その姿っていうかね、光景を見た瞬間に、なんだこの常識が覆される瞬間はというふうに思ったんですね。
普段道でバスが優先で船なんか通るわけもないっていうところがですね、たまたま浮きで水が数センチとか10センチとか20センチそれぐらいですけどもね。
船は通れるぐらいの深さではあるっていう、そういう状況になるや、今度船が優位になるんですよ。しかもローカルの船で道路を横断していくっていうことですね。
これ、この当地では当たり前のことのようで、誰も周りにいるですね、現地の人々は不思議があって怪しがってもいないし、そういうことねぐらいなんですが、私は常識が覆されたというか、非常識が常識にご祝いにはなるんだというような強烈な印象と光景が残っているんですね。
であるとか、次はヨーロッパの話なんで、比較的生活であるとか文化、まあまあ慣れ親しんでいますし、日本と大きく違わないんじゃないかなっていう、ヨーロッパの普通のホテルですよ。
ホテルで朝食に降りていって、トースターがあったんですね。自分で焼いてくれっていうことで、パンは食パンは横に生のものが置いてあって、焼いてくれっていうことですよね。
あ、そうかって言って、トースターに入れるわけですよ。3分とか5分とかセットして、日本で普通に家でやってたようなことをやるんですが、待てどくらせとチンって言ったり、ポンって上がったりしないんですね。
常識の変化
これ焼けちゃってないかなとか、逆に壊れてないかなとか思ったらですね、他のヨーロッパ人とご識人が別のトースターで同じようなことをやってたんですが、やってきてですね、先にポンって自分で上げて、トースター焼けてるって感じで持って帰ったんですね。
つまり、トースターが自動で3分と設定しておきながら、ポンって上がってくれない。これ故障じゃなくて、そういう仕様だということを知ったときですね、常識が覆されたと言いますか、音を立てて崩れていったと言いますか、3分でチンとなって勝手にポンって上がってくれて、それを取って食べるのがトーストってもんだろうというふうに日本で思ってたのが、自分で上げないといけないんですよ。
これ知らなかったので、本当に驚きましたね。これ、日本の常識っていうのが非常識って言いますかね、日本のが便利ですよ。明らかにポンって自動的に出てくれた方が便利なので。
なので、今回の話は、常識だったものが、その他の世界に行くと、別の場所に行くと常識じゃないかもしれないっていうことを常に想起させてくれるということが気づきなわけなんですけれども、あくまで常識がそっちの逆の非常識の方に変わるっていうかね、自分が非常識の方になれるっていうことを意味するわけではなくて。
やっぱり今の例で言うと、日本のポンって出てくるトーストの方がありがたいし、これを常識だと思いたいわけですよ。今だってそう思ってるわけですね。ただ、そうじゃない世界もあるんだよっていうことだと思うんです。
これが常に生活のあらゆる側面において成り立つのかなということを数多く経験すると、この常識ですら破られるかもしれないというような気づきって言うんですかね。これが私の日常的な思考回路になったということです。
これ非常識だよなって思うことが、場所を変えると常識かもしれないっていうような常に裏にあることですね。これを意識するようになったっていうことです。経験を通じてこのような思考回路を持つに至ったということなんですけれども、今思うと、最近になって本当に気づくんですけれども、私、英語の歴史を研究してるんですね。
古い英語を読むことが多いんですが、そして現代の英語を読むこともあって、そのギャップに驚くわけですね。そして、古いにせよ新しいものにせよ、英語って全く異質な言語なわけですよ。
私、母語が日本語っていうことで、そのレベルでも違いっていうのもあります。つまり、今の日本語っていうものに慣れ親しんでいる私にとって、そもそも英語っていうのが異質だし、せめて現代の英語だったら慣れてるけれども、そこから今度は時間軸を通じて古い英語をやっている。さらに異質なんですね。
なので、少なくも3者あります。現代の日本語、現代の英語、そして古い英語という3者を比較できる状態にあるんですけれども、これは空間の移動にも匹敵しますし、もちろん時間の移動にも匹敵しますね。
なので、これが当たり前という発想は抱かなくなったっていうことがありますね。これがおそらくこの分野で研究を目指すことになった理由にも結局はなってるのかなっていうふうに最近になって思うんですね。
なので、アハ体験と言いますか、常識が覆されることがとても楽しくてしょうがないので、現代の日本語とか、現代の英語なんかで定説と言われているものに出会うとですね、もう楽しくて仕方ない。
なぜかというと、この裏には絶対定説と逆の考え方、見方があるに違いないという思考回路ができているので、それを発見するということ、そして本当に発見できたときの快感って言いますかね。
常識を覆されるっていう面白さ、快感というのを分かっていますので、このあたりが私の海外体験と、そして今アカデミックに行っている英語史の研究というものが結びつく接点なのかなというふうに考えています。
今日は最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。5分ぐらいで終わろうかなと思っていたんですけれども、思いのほか長く話してしまいました。
私自身は多分、当たり前だとか定説だと思っているものを一旦受け入れた上で、それを常にひっくり返したいっていうか、ひっくり返したときの快感を味わいたいというのが、多分私自身の成功なんだろうなと思いますね。
バックパッカーやっていた時代も、今の日本のこの常識というものと違うものを見たくてしょうがないっていうようなところに突き動かされていたのかなというふうに振り返ってみて分かりますし、今、研究者として英語史という、たまたまそういう分野に関心を持ってやっているわけなんですけれども、面白いのは自分の母語と全然違う言語である、英語は。
しかも時代もですね、1000年ぐらい飛んでいるというところで、絶対に異質なものが発見できそうなところ、それを選んでいるっていうことなのかもしれないっていうふうに思うんですね。
圧倒的に違うという、予想を裏切られるっていうことの快感を感じたいというところで、その刺激を求めて日々研究なり、その他考えたりしているのかなということですね。
今回のハッシュタグ企画、2週間にわたるものですが、こちらを通じて改めて考えてみて、そして話すことによって自分でもそういうことだったんだと気づくようになったのかなと、そんなふうに思っています。
このチャンネルは、英語の語源がミニスクラジオということで、英語の古い形ですね、単語の古い形なんかを解き起こして説明するというような、そんな趣旨で普段は行っているんですけれども、これも現代に持っているある単語の語感とか直接的な意味ですね、それとは全く違うところからスタートして変わってきたんだということが結構多いので、
じゃあ元々の言語、語源というのを探ると全く違う意味だったり、形だったりするんだよという、そのギャップが面白いということになって、私はこんなチャンネルを運営しているんだと、そんなことだと思うんですね。
ですので、その思いで日々お届けしていますので、皆さんもそれを感じ取ってくださるということもあるかと思いますし、もちろん実用的な意味ではしばしばボキャビル英語の語彙を増やす、役に立つというような、そういう話も繰り広げていますので、
今回の企画で初めてこのチャンネルにたどり着いたという方もですね、もし関心があれば、日々毎朝6時更新ということでお届けしていますので、ぜひ聞いていただければと思います。
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それでは、今週一週間も頑張っていきましょう。また明日お会いします。
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