疑問文の語順の探求
お過ごしでしょうか。 英語の語源が身につくラジオheldio。本日の話題は、【疑問文以外でVS語順になるとき】です。
どうぞよろしくお願いいたします。 先日543回の放送会なんですけれども、なぜ主語と動詞を統一させると疑問文になるの?
という素朴な疑問について、私のスペキュレーションなんですけれども、考えていることをお話ししました。
この放送会に対しまして、様々な反響をいただきまして、本当にありがたく思っています。
皆さん、関心のある話題だということなんだろうと思うんですね。決対ですよね。
SVというものをひっくり返して疑問文にするっていうのは、ちょっと普通では思いつかない発想なわけですが、英語をはじめとして、ヨーロッパの言語では割とこれをよく使うので、どうしてだろうなと考えるのも無理からぬことだと思うんですね。
私もはっきりと何でかっていうのがわからない。英語史的に見ても、歴史的に見てもよくわからないわけなんですが、とりあえずの所感を先日述べさせていただいたという次第です。
その放送会につきまして、ルクセンブルコさんからコメントをいただきました。読み上げさせていただきます。
最近聞き始めた新山ものですが、過去の配信も含めて楽しく拝聴させていただいています。
YouTubeチャンネルの方で、古英語では語順を比較的自由に動かすことができたというお話がありましたが、VSの語順は疑問文でしか使われなかったのでしょうか。
または疑問文にするための文法規則みたいなものがあったのでしょうか。
深掘りしてすみません。ということでコメントをいただきました。ルクセンブルコさんありがとうございました。
これは、古英語でどうだったのかということなんですが、古英語では語順が自由だった、つまりSVに限らなかったということは、VSもあったんではないか。
つまり疑問文でなくても、VSがあったんではないかという、そういう疑念からのご質問だったと思うんですが、実際に疑問文でなくてもVS語順っていうのはあったんです。
ですので、こないだの、まさになぜ主語と動詞を統一させると疑問文になるの?の放送回で述べたように、SVが平常文、通常の文だっていうのが前提となっている。
定着しているからこそ、ひっくり返してVSにすることでショックを与え、それが疑問という発話行為になり得るんだというような、そういう趣旨でお話ししたんですけれども、本当言うと前提として、古英語でも、つまり疑問文でなくてもVSっていうのはすでにあったんですよね。
なので、先の論理といいますか、私の議論は、必ずしもストレートには成り立たないっていうことに、本当言うとなるんです。古英語では、疑問文でなくてVSになるっていうのはどういう時かということなんですけれども、これは結構専門的な話になりそうで、そして私もここでさらっと説明できるほど、この問題に詳しくないっていうこともあって、
一度古英語の語順ですね、VSという平常文なのにVS、少なくとも疑問文でないのにVSということも、やはり読んでいるとあるので、それがどういう条件によって許容されるのかとか、あるいは好ましい語順となっているのかという、その条件については調べる必要があるなというふうに思っています。
ですので、今回のロクセンブルコさんのコメントはですね、実に鋭いツッコミなんです。ここをしっかり解決しないと、私が前回述べたようなスペキュレーションの議論っていうのはですね、必ずしも通用しないんではないかというところをですね、鋭くついていただいたものとして、拝得しました。ありがとうございます。これから勉強していきたいと思っています。
関連してですね、過去の放送回一つ紹介しておきたいと思うんですけれども、88回です。なぜ否定語が文頭に来るとVS語順になるの?ということで、例えば、I have never been to the USと普通に言うところがですね、文語では否定字であるNeverというこの副詞を先頭に出してですね、
Never have I been to the USみたいな形になるわけですよ。否定語が前に出ると、あたかもその後が疑問文であるかのようなVS語順になる。Never have I been to the USという、こういうのってありますよね。
疑問文ではなく、あくまで否定文のフォーマルな言い方ということなんですけれども、これにフィーチャーした回ということで、この88回、なぜ否定語が文頭に来るとVS語順になるの?というのも併せて聞いていただければと思います。
さて、ここまでが前置きなんですけれども、今日はですね、そもそも疑問文でSVがひっくり返ってVSになるというところからスタートしたんですが、疑問文以外でもひっくり返ってVSになることってままありますよ、現代英語でも結構ありますよという、じゃあどんな状況であるのかということを一度整理したいと思います。
その上で、では何で疑問文を作るときでもVSになるんだろうかと、このように広く全体を見渡した上でですね、疑問文のVS語順を考えてみるっていうことが重要なんではないかと思うので、その前段階としてと言いますかね、準備として、まずどういうときにVSになるんだろうか、疑問文以外にも結構あるんですよ。
現代英語の語順のバリエーション
これを整理しておきたいと思います。チャプターを変えて、現代英語のVS語順についていろんなパターンを検証していきたいと、そのように思います。
英語ではSVという主語同士という語順がまず基本形としてあります。これをひっくり返した、つまりずらしたVSですね、動詞プラス主語という語順が出てくると、基本の主語同士という語順がしっかりしているだけにショックを与えるわけですよ。
それによって何らかの文体的効果とか、あるいは意味的な効果を与える、普通の文ではないよっていうシグナルを与えるという語用論的、統合論的機能があるんだろうというふうに私は考えているんですね。
では、英語史というよりも現代英語です。今の英語でどういう時にVSになるんだろうかというこのパターンを集めますと、少なくとも9つぐらい、9項目ぐらいはあるんではないかということなんです。疑問文も含めてなんですけれどもね。それを今日は一つ一つ紹介していきたいと思います。
まずは普通の疑問文ですね。これは既に前提とされている話題なわけなんですけれども、閉じた疑問文ということで、例えばCan she speak French?とかDoes she speak French?という時のVSですね。
この場合のVっていうのは、一般動詞であることもあるし、今回のように助動詞であることもありますが、とにかく動詞と名前のつくものがあって、そしてその次に主語が来るっていう典型的なSVをひっくり返すことによって疑問文を作るっていう、それこそ今回の問題の発端となった例ということで、これは全く驚かないと思うんですね。これが一つ目です。
二つ目は、先ほどのが閉じた疑問文だったのに対して、今度は開かれた疑問文ということで、要するにWH疑問文です。What did she tell you?とかWhere did you go after that?とかWhat is she doing?のような文ですね。
この場合にもWhatとかWhereとか、このような疑問詞が前に出て、その後、疑問文なのでVSになるということですね。なので、最初の閉じた疑問文と開かれた疑問文というふうに、ここでは分けているんですけれども、依然しても疑問の時にひっくり返すという点では、これは今までずっと前提としてきた話題ということで、ここまで驚かないと思います。
次、三つ目なんですが、ここからいろいろバリエーションがあって面白いところなんですが、簡単文ですね。簡単文の場合には、例を挙げるのが早いと思うんですが、What a fool have I been?とかHow hard did she try?なんていう言い方があります。
これはですね、通常、おそらく英文法で勉強するのは簡単文の場合には、通常のSV語叙になるっていうふうに習うことが多いと思うんですよ。例えばWhat a fool I have been?とかHow hard she tried?のようにWHで始まる、いわば疑問詞Eが前に出て、その後SVとなるっていうふうに習うことが多いと思うんですが、
このSVの部分は、実はVSとひっくり返して簡単文を作るっていうケースもあるんですね。つまり、この場合、SVでもよいし、VSでもよいっていうふうに任意っていうことになります。このひっくり返しは任意っていうことになりますが、一応可能だと、VSの語順が可能だということで簡単文。これを三つ目として指摘しておきたいと思います。
4つ目。先ほどのチャプターでも述べましたが、否定要素が前置される場合に、その後があたかも疑問文のような語順、つまりVS語順になるっていうことです。
例えば、Not one of them did he find usefulであるとか、Nowhere does he mention my bookというような言い方ですね。これはフォーマルな文体で好まれるということで、否定字が前に来たときにVSとなるわけですね。
そうでない場合は、普通に、例えば、今述べた2つの文でいうと、He found not one of them usefulと言えばいいわけですし、あるいは、He mentioned my book nowhereと言えばいいわけです。
それが少し文体的に凝った語順で言うと、否定字が前に来て、そしてVSということになりますね。このパターンが4つ目のVS語順ということになります。
次にですね、5つ目はですね、今述べた4つ目のものに順ずるんですけれども、onlyが前置される場合です。onlyも否定字の一種として考えるんであればひっくるめてもいいと思うんですが、ここでは一応分けてですね。
否定文における語順の特殊性
例えば例文をあげます。Only two of them did he find useful. Only once had she complained.のような言い方です。onlyというのは何々しか何々ないという言い方で、否定的な要素を含みますので、これはですね、否定字の前置という先ほどの4つ目のものに含めてもいいのかなと思いますが、一応ですね、これを別立てすると、これが5つ目と。
5つ目ということです。そして6つ目はですね、否定字ではないんですが、副詞的に使われるsoとか、あるいはですね、形容詞的に使われるsuch、このくが前置される場合にひっくり返ることがあります。so thatとかsuch thatという相関的な使い方で出てくることが多いですね。
例えば、so little time did we have that we had to cut corners.であるとか、such a fuss would he make that we'd all agree.であるとか、you got it wrong and so did I。のような、so did I。のような繰り返し表現なんかでは典型的ですよね。これで思い当たるんではないでしょうか。
次、7つ目なんですけれども、onlyとかsoとかsuch以外にも、その他の要素が前置される場合でも、頻度は高くありませんが、やはりvsのようにひっくり返ることがあるっていう例ですね。いくつか例を挙げたいと思います。
Thus had they parted the previous evening.のように、thusが前置されている例ですね。
Many another poem could I speak of which sang itself into my heart.
The more wives he had, the more children could he beget.
Well, did I remember the crisis of emotion into which he was plunged that night.
So, as you can see, there's a lot of things that are mainly auxiliary elements and objective elements that come out first, and then there's a lot of cases where you flip it over to vs.
This is the 7th one.
The 8th one is the condition theory.
This is an example of how you can use vs when you're not using if.
これを英文法で習うことが多いと思います。
Had he seen the incident, he'd have reported it to the police.
のように、条件説において、ifを使わない場合にvs。
こうすることによって、ifの代わりを果たすという、そういう特別な用法ですよね。
これは思い当たると思いますね。
そして最後、9つ目なんですけれども、これは私もですね、詳しく研究したことがあるんですが、
祈願の命という極めて特殊で独特な例です。
May you both enjoy the long and happy retirement that you so richly deserve.
May the best man win.
May you be forgiven.
そしてもちろん、May the force be with you.
英語学習者への影響
最後のものは映画スターウォーズで有名になったフレーズですが、
May the force be with you.
これは祈願の文であって、決して疑問ではないんですよね。
さあ、このように細かく見てくると、vs語順っていうのは現代語でもちょこちょこといろいろあるなと、
というふうなことになっているわけですよ。
9つのうち、1点目と2点目、これはいわゆる疑問文ということなので、
わかっているvs語順なんですけれども、それ以外のものもあって、
そしてその一つ一つが歴史を持っています。
英語史の中で伝統的に培われてきたというものもあるし、
わりと遅くになってから、歴史の遅くになってから、
この語順を取るようになったというものもあるんです。
いろいろと混じっています。
この辺りが英語史の面白いところで、
現代的に言うと全てがvsというふうに揃っているわけですけどね。
エンディングです。
今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
語順の問題っていうのは、
多くの日本人の英語学習者には関心を持たれるようです。
というのは、日本語ではわりと語順っていうのがGU、
SOVという基本語順はあるにせよ、
そこからずれても意味としてはわかる。
ただ、英語はかなり厳しい固定的な語順を持っているということで、
英語の文法ってほとんどが統語の文法、語順の文法と言ってしまいます。
語順の文法と言ってしまってもいいほどなんですね。
なので、関心を持たれやすいということなんだろうと思います。
実際、伝統的に言うと日本人の英語研究者、英語学の研究者は、
統語論を扱うということをわりと得意としていると言いますかね。
研究の伝統があるんですよ、日本の中に。
それぐらい英語の文法というと語順の文法なんだっていう頭が強いんだろうと思います。
そこで、このSVなのかVSなのかというこの辺りの問題にも
強い関心が持たれるんじゃないかと思いますね。
今回見たように、VS語順っていうのは結構いろんなパターンがあってですね、
決して疑問文の時だけに起こるわけではない。
もちろん疑問文で起こることが圧倒的に頻度として多いわけなんですが、
ただ文法上、他のパターンもいくつもあるということを今回確認しました。
こうした全体を見渡してですね、広い視野からでは何で疑問文において、
あるいは疑問文においてもVSになっているんだろうか。
このように考えていくことが大事なのかなというふうに思っています。
最後に、生放送のお知らせをさせてください。
あさってのことなんですけれども、12月1日木曜日ですね、
午後1時から2時というわけで、このVCヘルディオンにて生放送をお届けします。
英語に関する素朴な疑問1000本ノック、
これもシリーズ化してきましたけれども、
リスナーの皆さんから寄せられてきました英語に関する素朴な疑問について、
3人がやつぎ早に答えていく、答えていくというよりもノックを受けてボロボロになるというようなことなんですけれども、
これをお届けしたいと思います。
司会はですね、前回に引き続きマサニャンということで、
ケルフの会長でもあり、ユーチューバーでもあるマサニャンにお願いしまして、
そしてギャラリーもですね、言い合わせてもらう予定なんですけれども、
その中でですね、この3人のお話を聞いていただいて、
その中でですね、この3人のお話を聞いていただいて、
そしてギャラリーもですね、言い合わせてもらう予定なんですけれども、
そんな状態で、木曜日12月1日ですけれども、
13時から14時、生放送をお届けします。
取り上げる質問は、すでにお寄せいただいているものからですね、
選んで、トピックとして取り上げるという形になりますが、
何せ生放送ですので、ぜひですね、そのライブで投げ込み質問というのもしていただきたいと思うんですね。
投げ込み質問をしていただくには、Voicyのアプリからこの生放送を聞いていただくという必要がありますので、
そちらですね、この機会にVoicyアプリを入れていただきまして、
そしてその時間に投げ込んでいただければ、なるべくですね、
やはり生放送というのを楽しみたいと思いますので、
ライブで投げ込んでいただいたものを採用する形で、
1時間、みっちりと全本ノックを行っていきたいと思います。
ぜひお楽しみください。
このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、
あなたからのご質問、ご意見、ご感想をお待ちしています。
Voicyのコメント機能を通じてお寄せください。
それでは、今日も皆さんにとって良い1日になりますように。
ほったりうちがお届けしました。また明日。